書評欄

Last-modified: 2008-01-24 (木) 12:05:29

古典

正史三国志(全8巻)/訳・今鷹真、井波律子、小南一郎/ちくま学芸文庫

  • ネタの宝庫。第8巻の巻末索引は重宝しています。(みなと)
  • 裴註の毒舌でこの世界にはまりました……笑。そして訳者によるノリの違いにかなり影響されている予感がします。(羊子)

三国志(全5巻)/陳寿/中華書局

  • 漢文です。読めん。(みなと)
  • この本の半分は注に割かれていると思うと複雑な気分になる…裴松之や孫盛や…。(みなと)

晋書(全10巻)/房玄齢、他/中華書局

  • 漢文…ですが日本語訳がないので三国志最末期の人物を知ろうと思うと越えられない壁でもある。誰かなんとかしてください。泣。(みなと)
  • 日本語訳をやっている解体晋書のメンバーの中根です。訳業が遅々として進みませんが・・・ご期待ください。(中根東竜)
  • 晋書に掲載されている三国志最末期の人物の大物と言うと王戎・山涛・王濬など、旧魏朝の人々が多いですね。呉・蜀は少ないですよ。呉の陸機・陸雲、蜀の陳寿位かな。(中根東竜)

新釈漢文大系76・77・78 世説新語(上・中・下)/目加田誠/明治書院

  • 小ネタの宝庫。史実かどうかはともかく読み物としておもしろい。(羊子)
  • たった一行で話が終わるものもあります。(例:何晏の五石散効用講座。)三国志荀イク伝にある荀サン逸話のネタ元?(みなと)

書道全集第3巻 中国:三国・西晋・十六国 /平凡社

  • 書道というタイトルですが、実は一般的な「書」だけではなく、三国時代末期の古文書を収録している貴重な書籍です。出版年代が古いために走馬楼呉簡などの新出史料は収録していませんが、それでも呉の陸機「平復帖」、呉の孫皓が滅亡寸前に立てた「天発神讖碑」(実物の拓本を見たことがありますが、変というか、孫皓らしいというか、すごい字です。筆者は呉の皇象とされています)色々、魏の毋丘倹紀功刻石、王基碑、羊序ヨの一族とみられる羊なにがしさんの碑、賈充の妻郭槐(媛韶)の碑などなど、正史三国志・晋書に漏れている事跡が多数あります。絶版ですが図書館で見てください。相当マニアックな史料ですが面白いですよ!(中根東竜)

老子 無知無欲のすすめ/金谷治/講談社学術文庫

  • 底本は魏の王弼本が使われています。漢文、書き下し、解説と親切。魏末晋初の老荘思想の原型なので一応。(みなと)
  • 読み始めたら三分で熟睡できます。進まないー…。(みなと)

解説

正史三國志群雄銘銘傳/坂口和澄/光人社

  • 全562人収録の辞典ということで、末期人物も充実。本文と著者の主観との区分が明確でないのはネックかもしれませんが、つっこみ所と思えば却っておもしろいです。笑(羊子)

三国志軍事ガイド/篠田耕一/新紀元社

  • 当時の戦について現実的に書かれた良書ですが、個人的に末期にはまった本です。著者いわく諸葛亮死後の戦役や人物にもスポットを当てることを忘れないように注意したとのこと。絶版疑惑……。(羊子)

西晉の武帝 司馬炎/福原啓郎/白帝社

  • 中国歴史人物選の第三巻として刊行。(微妙にマイナー好きをくすぐってくれるラインナップ…閑話休題。)内容の約1/3から半分が三国志末期の記述という実にありがたい内容です。(みなと)
  • 三国志では読めない三国時代末期(笑)が日本語で理解できる大変有り難い書です。(羊子)

中国文明史図説5 魏晋南北朝 融合する文明/羅宗真(訳:住吉孝之)/創元社

  • 当時の生活様式等を出土品を交えて紹介しています。魏晋の学問・貴族文化や呉の江南開発について解説があります。(蜀はないんですよね…。)ただ、難を言えば、魏晋南北朝の四百年間を行ったり来たりするので、時代がこんがらがること、でしょうか…。(みなと)

歴史群像シリ-ズ17・18 三国志(上・下)/学習研究社

  • 本文は、主観的・感情的なノリが個人的に合わずにあまり読んでいないのですが、上巻付録の地図が非常に素敵です。しかし時代順なので末期の話は下巻に。歴史と言いつつ演義寄りで混乱しますが、写真や図もいっぱい。(羊子)

中国の歴史シリーズ5『三国志の世界』・6『中華の崩壊と拡大』/5金文京・6川本芳昭/講談社

  • 5巻が後漢・三国時代、6巻が魏晋南北朝時代を扱っています。末期好きに二冊買わせる商魂か講談社…。ただ欲しい情報は5巻の方が豊富かと。…たぶん。(みなと)

魏晋南北朝/川勝義雄/講談社学術文庫

  • 魏晋は貴族制の観点から、呉は江南開発の面の解説が多いです。(みなと)

小説

英雄 生きるべきか死すべきか 上・下/柴田錬三郎/講談社

大勝か、しからずんば大敗か。蜀の孔明と魏の仲達。自国の存亡を賭け雌雄を決する秋がきた。奇策・鬼謀、虚々実々のかけひきの中、幾度の果敢な死闘を繰り返す。孔明亡き後、蜀の命運を托された若き姜維は
遂に最後の決戦に挑む。中国大陸が魏・呉・蜀と三分されて幾歳月、中原に戦い散った英雄達の挽歌。(下巻・裏表紙より)

  • 蜀末を描いた貴重な小説。演義ベース。諸葛亮の遺志を継いで、悲壮な戦いを続ける姜維に心動かされます。でも「異常なほど眉目秀麗」な姜維っていうのはどうなのよ(笑)(士朗)
  • トウ艾と姜維がそれぞれ朝廷から孤立しながら、互いを宿敵とみなしていくさまが凄まじい。ただ、姜維が妻帯すらしないで北伐に打ち込むのは……ストイックと取るかやりすぎと取るか難しいところ。(みなと)

孔明の聖像 姜維戦記/田中文雄/株式会社 光栄

  • 演義姜維にさらなる脚色を加えた「物語」です。費イ殿が姜維に「北伐ダメ」と説教しているところから始まります。
  • 絶版。私はオークションを利用して手に入れました(士朗)
  • 「姜維はまことに驚異の人である」(作者)←どう突っ込んで欲しいんだ?(士朗)

長江落日賦 白日、斜めなり/田中芳樹/徳間書店

  • 田中芳樹による中国モノの短編集ですが、その中の一つ「白日、斜めなり」が夏侯覇の話です。蜀に亡命した夏侯覇の心境を描いています。夏侯覇使い達にとっては、彼の人格のベースとなっている作品だと思います(士朗)
  • 夏侯覇の醒めた目線が悲しいです。田中氏は短編の方が面白い気がする…(禁句)(みなと)

漫画

三国志 完結編(全3巻)/原作:寺島 優  作画:李 志清/メディアファクトリー

  • 演義(蜀滅亡まで)を簡略化して漫画化したものです。(士朗)
  • 1巻の表紙が司馬懿、2巻が司馬師、3巻が司馬昭。これだけで私の宝だ……!!(何ね)(士朗)

ふしぎ道士伝 八卦の空/青木 朋/秋田書店

三国時代の中国を舞台に、後世にも名を残す偉大なる天才占い師・管 公明と、その親友にして稀代の色男・紀 玄龍が、皇帝暗殺を狙う妖魔、剣に宿る精霊、都の地下に眠る神龍などの関わる怪事件・難事件に挑む!(1巻・裏表紙より)

  • 末期本とは趣旨が違いますが、時代的にやや被っているので載せます(曹叡が宮殿造営している頃なので、諸葛亮死後そこそこの話だと思われる)(士朗)
  • 卜占で名を馳せた管輅が主人公。怪奇譚(漫画)。管輅以外はほぼオリジナルキャラで話が進みますが、たま~に末期人物が顔を出すようです。コミックスが2巻までしか出ていないので確認出来ていませんが、この後に司馬師が出たっぽい。(士朗)
  • サポート掲示板で、作者さんをたまに見かけます。考察にも手抜きが見られないので、好感を持っています。(士朗)
  • 曹叡のかっこよさに驚きましたごめんなさい。管ちゃんのマユゲが愛しいです。視覚的にも当時の勉強になります。(みなと)

(書名)/(著者名)/(出版社名)

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