EBM(Evidenced Based Medicine)
http://en.wikipedia.org/wiki/Evidence-based_medicine
↑参考にしてください。
このページでは、まったく個人的な見解をかかせて頂きます。
EBMは独立したジャンルじゃないということ
EBM = 臨床疫学 + ネット + 教育
3つの全く異なるジャンルを軸にしたキメラ体がEBMだと思います。
どれ一つをとっても、まあ言えば中途半端です。
・疫学っていっても、大規模研究をするワケじゃなし
・ネットっていってもGoogleで就職出来るようなワケじゃなし
・教育っていっても学校に勤めるワケじゃなし
でもね。
臨床に従事する人がこれら3つのどれかに興味をもったとき、学んで成長して、自分の行動を変えていけるのがEBMなんです。
忙しくい臨床の中で、adult learning を通じて自分を広げることは、あらゆる意味で大切です。
そして、EBMが寄せ集めの技術だということは、いろんな方の参加を可能にします。
パソコンが得意な人、ネットが好きな人、教育に興味がある人、ばりばりの臨床家・・こういった人たちが実際にワークショップなどで意見を交換することで、学習は進んでいきます。
パソコンが得意だけど、コミュニケーションが苦手な人だって、仲間の勉強会なら学べます。
人付き合いは得意だけど、ついつい自分の勉強は後回しの人も、ワークショップでチューターにトライしてみれば変わるチャンスがあるかもしれません。
スキルがある人は、別の技術を身につけるチャンスです。
ネットや統計が苦手な人は、仲間から教えてもらうチャンスです。
医師が教育について学んだら、どれほどの若手を育てて、患者さんを助けられることでしょうか?
疫学に強い医療従事者は、世の中にあふれるニセモノの健康情報から患者さんを守れることでしょう!
EBMの一番の強み(弱みでもあるのですが)は、キメラであることだと僕は強く感じています。
おのおのがEBMを作るのだということ
僕の友人が、以前に海外の助産婦さんのMLに、
「EBMというのがよくわからない。助産婦にとってEBMって何でしょうか?」
というようなことを尋ねたそうです。
そしたら、EBM創始者のサケット先生がメールをくれて、
「あなたのEBMを作り上げなくてはならないのだよ」
というような返事を書いてくれたそうな!!!
今になって、僕にはずーんと響いてくるエピソードです。
助産婦とエビデンスに悩む友人、模索して書いたメール。
そして返ってきた返事・・
ネットやUpToDateまである職場、パソコンがない職場・・
EBMに好意的な人達、敵意をもつ人達。
そういう場にあわせて、柔軟に変化して患者さんのニーズに応えたり、職場を変えたり、自分の力を伸ばしたりしていくのがEBMなんですね。
つくる、というよりも応用して適応していくというほうが正しいかもしれません。
どこにいても、学んで成長するんです。
EBMの今後
そうやって、各自がEBMの各部分に触発されて学習が進んでいきます。
そのうちに、各自が学んだことをフィードバック出来るでしょう。
それがさざなみのように広がって、EBMの進化は実現されます。
キメラだけに、それぞれに複雑な3つのジャンルが絡み合って、EBMの今後の予測は出来ません。
まして自分の臨床の環境も、つねづね変わっていきます。
だってね、2007年春の時点だけれども、EBMにもいろんな変化があります。
疫学では最近ベイズ理論がかなり影響するようになって、スタディデザインの立て方までベイズを使うこともあるとかって聞きます。
ネットだって、Web2.0と言われて激変してます。
教育だって、今年はゆとり教育見直しですがな。
キメラ体の構成要素達は、いろいろな進化をしていますよ。
Did you know?
&flash(http://www.youtube.com/v/qZgL4Ybjt3w,425x350,bgcolor=#000000);
EBMの仲間に教えてもらった動画です。8分ありますが、僕は見てしまいました。
アメリカの教育関連の人たちが作った動画のようです。Shifthappensというホームページがあって、Wikiを使っていろいろやっていたようです。
http://shifthappens.wikispaces.com/ →2023年現在、リンク切れています。
https://www.youtube.com/watch?v=TwtS6Jy3ll8&themeRefresh=1
https://www.youtube.com/watch?v=u06BXgWbGvA
This is an updated remix of the Did You K2023-10-17 (火) 12:54:36 (Shift Happens) video created by Karl Fisch, Scott McLeod and Jeff Brenman in 2008.
License: Creative Commons Attribution Non-Commercial Share Alike
All sources can be found at: https://docs.google.com/document/d/1D...
EBMの師匠がメールで書いておられたのですが、
「情報検索の講義をすることのほうが、論文を読む講義をすることよりも意味があるかもしれない」と。。
僕は論文の吟味からEBMに入ったので、今でも論文が好きです。
でも、変わってきていますね。確実に。
以前からEBMのstep1~5が、どうも流れが悪いと思ってきました。
最近、それは根底にあるコンセプトがまとまっていないからだと思います。
一つには、教育、という視点からstepをすべて見直すやり方。僕はこれ好きでした。
もう一つには、情報、という視点からstepをすべて見直すやり方。正直苦手でした。
でも、情報の点からすべてを見直すやり方を、意識してまとめる時期のような気がします。
もちろんEBMもそれとともに万華鏡のように様相を変えて行かなくてはいけません。
各ジャンルの専門家には幼稚なレベルのよせあつめかもしれないけれど、でも生々流転して変化し続けるのがEBMであってほしいと僕は思います。
古典的EBM、現在のEBMというように何か線引きがあっても良いかもしれません。
「EBM3.0」みたいなね。Web2.0のパクリだけれども・・。
今後は、そういう進化を支えるような体制が必要でしょう。
従来なら学会で発表が良かったのだと思います。でも、EBMですからネットなりなんなりを使って、互いに新しいことを報告し合っていくような、そういうフラクタルな進化を見せて欲しい。
それは日本から発信するのも可能でしょうね!
皆さん、一緒に頑張っていきましょう。
EBMというのは、学びのおもちゃ箱ですかね。
ち、ちがうって? 
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