H24年12月16日 第一回神戸大学Student CASP

Last-modified: 2013-01-04 (金) 14:34:01

H24年12月16日(日) 

第一回神戸大学のStudent CASP Workshopでした。
癌プロフェッショナル養成プランの一環として開催して頂くことになり、参加者も多様でした。
今回は、神戸大学のとある学生さんが主催してくれたのですが・・・
すごい準備力、段取り力。。
僕は何もしなかったのですが、すべてやってくれました。
素晴らしい人材です!

使用した論文

今回は、コクランライブラリを読みました。ハードルが高い・・緊張したなぁ。。

Acupuncture-point stimulation for chemotherapy-induced nausea or vomiting (Review)
Ezzo J, Richardson MA, Vickers A, Allen C, Dibble S, Issell BF, Lao L, Pearl M, Ramirez G,Roscoe JA, Shen J, Shivnan JC, Streitberger K, Treish I, Zhang G
Editorial group: Cochrane Pain, Palliative and Supportive Care Group.
Cochrane Database of Systematic Reviews 2006, Issue 2. Art. No.: CD002285. DOI: 10.1002/14651858.CD002285.pub2.

タイムテーブル

2012 年 12 月 16 日(日)
10:00 ~ 受付
10:30~12:30  EBM概論、コクランライブラリについて、シナリオ・セッション
昼食
12:30~14:30 SGL (1)
14:30~15:15  Feedback(1)
15:15~16:30 SGL(2)
16:30~17:15 Feedback(2)とまとめ
17:15~ 閉会のあいさつ
17:30  閉会・スタッフミーティング・片づけ

シナリオ

あなたは、町の診療所の医師/薬剤師 である。
患者Aさんが、やってきた。
Aさんは、卵巣癌のために2年前に手術をうけたが根治はできず、現在化学療法をうけている。風邪をひいたり、何かあるとあなたの診療所/薬局を利用していた。


Aさん:
この夏から腹水が溜まって、すごくしんどいんですよ・・。
私、卵巣癌で抗癌剤治療をしてるじゃないですか?


あなた:
ええ、そうでしたよね。


Aさん:
主治医の先生から、抗癌剤の変更を提案されたんです。
でも前の化学療法の副作用がつらくて。
身体が凄くだるくなってうごけなくなるんです。
吐き気のせいでご飯が食べれなくなってどんどん痩せるし、普段できてたことも できなくなって…
それで、もう抗がん剤治療を断ったんですよ。


あなた:
だ、大丈夫なんですか?
抗癌剤の治療は・・・したほうが良いんじゃないですか?


Aさん:
まぁ・・治るんなら頑張れるんですけど。
夫が、よく効く鍼灸の先生を見つけてきてくれたんです。
その先生にとりあえず会ってみようと思って。


あなた:
は、鍼ですか?


Aさん:
その先生は、頑張ろうって言ってくれたらしいんですよ。


しばらく立ち話をして、疲れたのかAさんは帰って行った。
あなたは、自宅で抗がん剤治療と鍼灸について悩み、情報を集めてみた。

今回は大変でした

シナリオ、論文選びが大変でした。
針灸のエビデンスは、非常に質が低くてこれというのがない。
といっても、コクランライブラリは・・読むのが大変だろう。。だって44ページあるんですよ!
いろいろ悩みましたが、やはり質が高いものを提供するしかない!
という意見を頂いて、コクランを選択しました。


でも、選んでみたら素直で読みやすい。
さすがコクランです。

参加者

多職種で、論文を吟味するのが特徴の企画です。
神戸大学医学部生 16名
神戸薬科大学 3名
神戸学院大学 2名
奈良医大 3名
大阪市立大学医学部 2名
愛媛大学医学部 1名
作業療法士 1名
薬剤師 8名(調剤薬局2名)
医師 3名
の合計39名
チューター、裏方は薬剤師、医師、図書館司書・・これも多職種で、総勢17名でサポートを行いました。


すごくいろんな方が参加された、大きなワークショップでしたね。
アンケートでも、好評だったと伺っています。

来年もがんばります

今年(2012年)は、一年でワークショップが8回ありました。
2013年の来年度は、まだ詳細には決まっていません。
しかし、いろいろな企画案を、すでにあちこちからご提案頂いています。
来年は10回を超えるかもしれませんね。


きちんとルール作りをして、スタッフのみなさんの負担が少ない形で開催をしていきたい。
そう思います。
皆さんの学びたい!という気持ちに、しっかり応えていきたいです。
僕自身は全く統計も疫学もサッパリだめな男です。
でも、スサノヲノミコトを、サルタヒコが道案内したように、道案内の神様だって日本にはおります。
僕も、自分は何も出来ないながらも道案内を究めようと、思っています。