KV-1Sは孤独であった
同格よりも優れているがために蔑まされていた
TDより火力が高く、HTの癖に下手なMTより速く、そしてそれなりの装甲もついていた
優秀であるが故に、深くいじめられ、ヘイトの対象になっていた。
だが彼はへこたれることはなかった
なぜなら彼には自慢の相棒 D-25-T 122mm砲がついていたからだ
その砲の前では一学年下のLTやTDは全てワンパンマン
1Sのストレス発散は全てそれで行っていた
もしティア8戦にぶち込まれてもその脚でLOWEにだってIS-3にだって勝てると思っていた
そうあの日までは。
突然ある日 IS兄ちゃんがKV-1Sにいった
「1S、お前は明日からKV-1SからKV-85に名前がかわるんだよ
「KV-85?じゃあKV-1Sはどこにいくの?」
「新しい車両として、君の弟になるんだ
KV-1Sは嬉しかった 初めての直結の弟が出来ることになるからだ
彼は軽量前のKV-1はT-150やKV-2とも繋がっていて余り弟だとは意識していなかった
そえ故にうれしかったのだ
「名前がかわるかわりにお兄ちゃんからこれをあげよう
そういわれてくれたのは100mm砲だった
「あ、ありがとう 大切にするよ
とは言ったものの122mmと比べて威力が落ちる あまり使わないだろうなぁと内心思っていた
「それと、122mmを貸してくれないかな?」
「なんで?お兄ちゃんはD-25Tがあるじゃん。」
「いやWGが俺に言ったんだ 1Sの122mmを回収してこい 調整するって。」
「調整?っていうことはまた強くなるの?」
純粋な質問であった
「あ、あぁ……」
ISは知っていた 弱体化されることに、だがそれが言えなかった
「やったー!これでティア8も余裕でコロコロ出来るね!僕、もう寝るよ!」
KV-1Sはそういって床に就いた
それが最後の122mmになるとは思いもせず
KV-1SはKV-85になった
100mmと共に、しかし違和感があった
「あれ?装填が4秒ぐらい増えてるような?」
最初は50パーセント乗員にいつのまにかなっていたと勘違いした
だが、その日から変わった
いつもHT競争では一位だった だけど、今回は2位だった
「エンジンが壊れてるのかな?」
最初は、最初はそう思った だが次第に噂が流れ始めていた
「元1sって122mmの装填がくっそ遅くなったんだって~!」
「あぁKV-85だろ?あと機動性も少し落ちたらしいなあ!」
「でも100mm追加されてさあ 結局強いまんまじゃねーか?」
「いぃーや 122mmの装填は20秒だぜww76mmなら6発は叩き込めるなwwww」
「20秒wwwwKV-2のがマシだなwwww」
「あああああああああああああああああああああああああああ」
その日からKV-85は引きこもった
無力さを感じた、そしてWGを睨んだ
総合的な強さはたいして変わらない、頭の中でわかってはいた。
憎まずにはいられなかった WGを。
そんなある日 長いことノックされなかつたKV-85の部屋開いた
「KV-85お兄ちゃん!KV-1Sです!よろしくお願いします!」
「帰れ……」
「え?」
「帰れ!!!!!!!!1」
「ひっ!!!!!!!!?」
その翌日 マリノフカで入水自殺をする車両が一台いた。