おばけと魔法と

Last-modified: 2014-07-07 (月) 10:11:25

このゲームについて

RPG 2013年公開 RPGツクールVX製
http://mochi3939.blog.fc2.com/blog-category-2.html

【フリゲ2013 あなたが選ぶ今年のベストフリーゲーム】 第5位

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(公式サイトより)
おばけがたくさん住み着くおばけの館。そこを中心に繰り広げられる
おばけと魔法のまったりどたばたファンタジーRPG。だいたいシリアスなどない。

レビュー

評価

5/5点 傑作

プレイ時間

約90時間

プレイ進捗

2周目クリア
魔物図鑑・アイテム図鑑コンプリート

良かった点

・魅力的で存在感のあるキャラクター達が繰り広げる会話劇
・決して一筋縄ではいかない、練られた戦闘バランス
・豊富なやりこみ要素と、それに対するモチベーションの高め方
・徹底してプレイヤーを飽きさせない、ストレスを感じさせない丁寧な作り

気になった点

・視点変更(操作キャラクターが変わる)時に、装備品が全て外れるので再度設定しないといけない点
・オート戦闘にした際のキャラクターのAI
 (HPが減っている際、そのターン全員が優先的に回復技を使用しようとするケースがある点)
・アイテム数が膨大なので、新規入手アイテムを確認したい際、アイテム欄から探すのが少し大変
 (入手時に大まかなアイテムの性能説明が出る仕様で軽減されてはいる)
→上記はどれも制作ツール(ツクール)の仕様上の問題ではあるので仕方ない部分ではあります。
 敢えて気になる点を挙げるなら上記点、というだけであって、実際そこまでのストレスにはならないレベルです。



・作者の前作をプレイ済の方が楽しめる要素
・コンプリートに最低2周前提な作り
 (どちらも自分は気にならないレベルでしたが挙げておきます)

感想

久しぶりに長編RPGで文句なしで面白いと言える作品でした。
はじめて数時間程度の時点では特に光るものが感じられませんでしたが、進めるにつれどんどんと抜けられなくなりました。


メニューから選択できる相談システムで状況によってメンバー同士での様々な会話劇が繰り広げられるのですが、
これも含めてキャラクターの掛け合いが面白くてテンポがよかった部分がまず好印象。
それぞれのキャラクターがしっかりと役割・個性を持っていて、掘り下げられるたびにのめり込んでいきました。


ストーリーの都合上、拠点であるおばけの館を中心に動く(何度も同じマップを探索する)ことが多いのですが、
配置されているNPCも魅力的なため、話が進むたびに一通り話しかけるというスタイルが苦ではありませんでした。
同マップ間で一気に移動できる要素(おばけの館等におけるバケツ、ダンジョンにおける魔法陣)もあり、
(中盤以降ではありますが)おばけの館に帰還できるアイテムもあるため、移動に関してもかなり快適です。
また、期間限定の要素が多めに存在しているものの、マップ探索の楽しさがあることから見逃すことも少なく、
仮に気づき辛いものがあった場合でも、物語中盤以降で利用できる占い屋(サブイベントをある程度教えてくれる)や、
(後述する)おまけ部屋のシステムがあるため、ストレスなくやりきることが出来ました。


戦闘のシステムもかなりハイレベルにまとまってたと思います。
まずそれぞれのキャラクターが魔法と固有技を覚えているのですが、これらはレベルアップで増えたりしません。
魔法はショップでの購入(=各キャラクターそれぞれに購入)か、イメージというものを装備しての使用となります。
(前者での習得を試みた場合、そのキャラクターが苦手な属性の魔法は覚えられなかったりします)
固有技はシナリオの進行で増えたり、マップに時折落ちている本を調べることで習得します。
本に関しては誰が技を覚えるのかそれぞれ決まっており、見かける毎に「誰が技を覚えるんだろう」と、楽しいです。
これらを駆使してサイドビュー形式で戦闘を繰り広げていくのですが、新しい敵が出る度に
「先手で混乱魔法を使ってみよう」や「水魔法を使ってきたから雷魔法が弱点ではないか?」と色々考えさせられます。
そして1度倒した敵は魔物図鑑に詳細が載るのですが、属性や状態異常の耐性を全て確認することが可能なので、
「この辺りの敵は沈黙になりやすい」、「炎魔法が通りやすい敵が多い」と、戦略を組み立てられるのが面白かったです。


肝心の戦闘バランスに関しても終始良かったと思います。
攻撃魔法と固有技にはそれぞれ熟練度があり、使うと威力が増していく(戦闘後も永続)のですが、
攻撃魔法の場合は誰が使用してもその魔法自体の熟練度が伸びるので、常に戦闘へのモチベーションが切れませんでした。
固有技は一定回数使用することで一気に威力が増す仕様なのですが、
お気に入りの技で戦うことでどんどん強くなる威力が実感できて気持ち良かったです。
(それぞれ熟練度に限界はあるものの、通して1000回以上の戦闘に一切飽きが来ませんでした)
また、ほぼすべての敵が2つ程度アイテムドロップをするのですが、魔物図鑑のその項目を埋めるのも楽しかったです。
大体1/3~1/5(多くても1/8、1/10程度)にドロップ確率が設定されているので無理せずに狙うことが出来て、
狙っている間にレベルや技の熟練度がちょうどいい感じに上がってうまく進める、というバランスになっていました。


やりこみ要素に関しても、うまく考えられていました。
"記念アイテム"という要素なのですが、これはゲーム内に45個存在しており、様々な実績によって取得できるものです。
一定の戦闘回数に達したり、負けてもいいイベント戦闘で勝ったり、図鑑を埋めたりすることで入手できます。
1周目で全て集めるのは不可能なので最低2周でコンプリートとなるのですが、
・1周目で描かれなかったキャラクター視点でのイベント
・台詞の自由高速化
・2周目限定イベント、限定入手アイテム
・イベントにおける追加(お遊び)選択肢
・多数の追加ダンジョン
という要素が2周目には用意されているので、RPGの周回プレイが苦手な自分でもコンプまでプレイしてしまいました。
1周目のクリア後におまけ部屋というものがあるのですが、見逃しやすいアイテムや敵がここで確認できます。
全45個の記念アイテムの取り方もヒントを教えてくれるので、非常に助かりました。
(2周目ではほぼいつでもおまけ部屋に来ることが出来るようになり、いつでもそれぞれを確認することが出来ます)
同時に、先述した熟練度システムもこの辺りにうまく噛み合っていました。
2周目では(レベルは1からとなり)覚えている技が最初からとなるのですが、熟練度自体は引き継がれています。
自分のプレイスタイルでは、1周目で図鑑の埋められる部分(魔物図鑑のドロップ)を埋めてしまったので、
どうしても2周目の既存ダンジョンにおける戦闘回数自体が少なくなってしまいました。
(このゲームはシンボルエンカウントで、更に戦闘からの逃走成功率が100%と設定されているので、戦闘回避が楽)
しかし、技の熟練度が引き継がれているし、倒したボスの情報(属性・状態異常耐性)を確認した上でバトルに臨めるので、
1周目とは違った感覚でプレイ出来て、最後まで歯応えのある戦闘が楽しめました。
(余談ですが逃走回数にも記念アイテムが存在するので、逃走することがあまり苦になりませんでした)


「魅力的なキャラクター達が繰り広げる会話劇」「練られた戦闘バランス」「豊富なやりこみ要素」
これらがどれも執念を感じるレベルで作りこまれており、
更に「プレイヤーを飽きさせない丁寧な作り」にも妥協を許しておらず、長編RPGとしては間違いなく傑作な1本でした。

コメント

  • 私が四天王です -- バケツおばけ? 2014-06-01 (日) 00:50:41
  • はい (^Q^ -- おばけ? 2014-06-01 (日) 00:51:06
  • ちちこすり -- ちちこすり? 2014-06-01 (日) 00:52:01
  • 必中攻撃たのしいです -- ばけつおばけ? 2014-06-01 (日) 00:52:10
  • 必中攻撃たのしいですhttp://public.wikiwiki.jp/img/face/huh.png -- ばけつおばけ? 2014-06-01 (日) 00:52:25
  • クッキーつくったの~(☀ฺ'v`艸)♥+゚ -- PinkyRose? 2014-06-01 (日) 00:52:45
  • そうだねっつ -- ? 2014-06-01 (日) 01:16:15
  • そうだねっつ -- ? 2014-06-01 (日) 01:16:21
  • おばけ十文字! -- 次郎? 2014-06-16 (月) 01:19:52