ゲストレイス
「静粛に!…本日の小議会はこれにて終了とする 次の議題は日が昇った後に開始予定だ」
「で、よろしいですね8魔星の方々」
サタン
「ああ…」
(ガヤガヤと退室していく純正メギドたち)
サタン
「まったく、一向に話がまとまりやがらねぇ…」
モレク
「非戦条項が認められた議会場では休戦季(ネガルマ)だけじゃなく、常に戦争が禁止されるようになったからな」
「戦争の禍根にならねェなら遠慮なく発言が飛び交うってもんだろ」
バールベリト
「議会に限った話じゃねぇぞ
今は大量に命が失われるような戦争は暗黙で避けられるようになったからな」
「巷じゃ『賭け戦争』なんてのも流行ってやがるぜ」
サタン
「『賭け戦争』だァ?」
「それ、流行らせたのぜってぇメフィストのヤツだろ!」
ベルゼブフ
「しかし先のハルマとの戦争や、メギドラルを二分した大戦争、母なるものの幻獣勢力、混沌世界においての戦いで多くのメギドの命が失われたのは事実だ」
「今はメギドラルにフォトンが戻ったとはいえ、メギドの数を原状回復させていかねばなるまい」
サタン
「だからと言って急にメギドたちが話し合いで問題解決できるもんでもねぇだろ」
「だいたいこういう場で取り仕切ってたダンタリオンはどこ行ったんだよ」
エウリノーム
「ヤツならヴァイガルドにいるぞ
今日はメギド72の手伝いをしているそうだからな」
サタン
「アイツがいねえなら、まとまる話も猶更まとまらねぇだろうが」
エウリノーム
「それを束ねるのが8魔星じゃないのか
ダンタリオンといえど、今では転生して両親と共に暮らしている幼きヴィータなのだ」
「小議会があるごとに呼びつけていたことの方が問題だろう」
バールベリト
「それにダンタリオンの用事ってのもよぉ
アジトで聞いた話にゃレアムに同行してやってるみたいだぜ?」
サタン
「あぁ…今日がその日か」
「だったらマモンだ!なんでアイツがいねぇ」
ゲストレイス
「マモン様については私が言伝を承っています」
サタン
「おう、言ってみな」
~~
(回想中のマモン)
「今回の小議会についてだけど、私とルシファーは欠席するわ」
「メギドラルも落ち着いた頃だからヴァイガルドに行くことにしたの」
「どうせプロセルピナも姿を現さないのだろうけど
あなたたち、今まで散々無断欠席してきたんだから、たまには男たちで議会を何とかしなさい
いいわね」
~~
サタン
「アイツ、何考えてやがんだ…」
ベルゼブフ
「議会の出席率のことを言われてはここにいる誰もがマモンに強くは言えまい」
バールベリト
「俺は割と出てた方だぞ!」
サタン
「いねぇ事実に変わりはねえんだしこれ以上とやかく言っても仕方ねぇか…」
「ただ、あのルシファーも出てこねえのは正直驚いたぜ」
バールベリト
「あいつこそ、次の統一議会あたりで正式に8魔星を降りる気なんじゃねえか?」
サタン
「!?」
「マジかよ…いつそんなこと言ってやがった」
バールベリト
「ああ…あの後、色々と目まぐるしかったからなぁ」
「確か抜ける意思を本人から聞いたのはオレとベルゼブフだけだったか」
ベルゼブフ
「いや…私は『今の』ルシファーとはろくに話したこともない」
「おそらく、母なるものの受肉後に僅かな間、覚醒していた方の『私』だろう」
サタン
「俺とベルを『大いなる意思』に封じ込めた時の人格か…」
「ベルやアスモデウスに続いてルシファーもヴァイガルド側に身を置く覚悟ってわけか」
(まさか、マモンのヤツも…)
モレク
「ヴァイガルドのヴィータのことも、今じゃ『隣人』と呼ぶ『新世代』も多い」
「片や、未だにオマエのでっち上げた『ハルマゲドン計画』に執着している一派もいる」
「変わっちまった今の世界で、8魔星によるメギドラルの意思統一も難しくなっていくのかもしれねぇな」
ベルゼブフ
「……」
バールベリト
「そういえば『デンジャー・ストライク』のヤツらもしばらく見てねぇな…」
エウリノーム
「ハルマとの休戦に強く反対していたからな」
「いずれは対峙することになるかもしれん」
サタン
「そんときゃ再び戦争で応えるだけだ」
「何、そう簡単に時代は渡さねえさ…ク・ク・ク!」
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