ゴメンナサイ

Last-modified: 2010-12-07 (火) 16:30:11

ミツネさんのを見て突然書きたくなったもの。

前々から番外編は書きたかった

けど、海流限定の予定だったww

ゴメンナサイ

『ごめんなさい』

死人のような死んだ瞳の少女は

ただ、夢の中で謝る

かつての

その歪んだ性格からは想像もできぬ

涙を流しながら

『本当に、ごめんなさい』

己が傷つけた……殺した人たちに

未来を奪った人たちに

誰かを殺すことで、悲しませた多くの人に

滑稽なことに、少女は謝り続ける

『ごめんなさい』

人形のようなその瞳から、絶え間なく涙を流して

まるで責めるように流れる

いくつもの人を殺した時の映像に

謝り続けた

『ごめんなさい……』

今や人形と化した少女は

ただただ謝ることしか出来ず

その一言を、何度も繰り返す

この先に待つ『それ』を恐れるかのように

やがて

いままで嵐のようにながれていた映像が

ぱたりとおさまる

しかし少女は安堵することはなく

その表情を恐れに変える

やがて流れるそれは

少女が最後に殺したヒト

それは……その人は……

『いやああああああああアアアアアアア』

夢は

そこで強制的に終わる

最悪な、過去と共に。

目が覚めた少女の枕は、いつも涙でぬれていた

ボクは

彼女をずっと見守っていた

1年前のあの日から。

あの日からずっと、彼女は苦しみ続けている

1つは、優しさゆえの苦しみ

1つは、過去の残酷さゆえの苦しみ

1つは、能力故の苦しみ

1つは―――

彼女の周りには、苦しみが渦巻いている

その中で、必死に何かを探していた

そんな彼女を、助けることも、励ますこともできない

この苦しみから解放してあげるための一言を言ってあげることすら……

『ごめんね……風香』

届かない言葉を、この部屋から出る風香の背中に呟いた