用語 生成AI

Last-modified: 2025-05-07 (水) 21:42:07

データ

ひらがなようご せいせいえーあい
カタカナヨウゴ セイセイエーアイ

概要

ユーザーの指示に基づき、テキストやイラスト、動画、音楽、ソースコード、3Dモデルなど、様々な形式のコンテンツを新たに創り出す人工知能である。
これはジェネレーティブAIとも呼ばれる。
その仕組みは、膨大なデータを学習した大規模言語モデルをはじめとする機械学習モデルを活用し、ユーザーからのテキストによる指示(プロンプト)だけでなく、画像や音声といった多様な形態の指示を解釈してコンテンツを生成する。
複数の形式の指示をまとめて扱えるAIは、マルチモーダルAIと呼ばれる。
生成AIは、2022年にイラストや文章を生成するサービスが相次いで登場したことで一般に広く普及した。
これは、Googleが開発したTransformerモデルなど、特定の技術発展に端を発しているが、悪用リスクへの懸念から、その公開には開発者側で慎重な姿勢も見られた経緯がある。

生成AIを巡る課題

生成AIの普及に伴い、いくつかの重要な課題が指摘されている。
一つ目は「ハルシネーション」と呼ばれる問題である。
これは、AIがもっともらしい虚偽や事実に基づかない情報を意図せず生成することを示す。
初期のモデルではこの傾向が強く見られたが、現在は改善が進んでいる。
二つ目は法的リスクである。
他者の著作物をAIの学習データとして利用する事は、日本の著作権法では特定の条件下で原則として認められている。
しかし、生成されたコンテンツが既存の著作物に類似する場合や、特定の個人・団体の肖像権、パブリシティ権、商標権などを侵害する可能性がある。
特に、既存の作品に似せた生成物の公開や、業務における個人情報・機密情報の不適切な入力・利用は、様々な法律や契約に違反するリスクを伴うため、十分な注意が必要である。
三つ目は教育現場での利用に関する課題である。
生成AIが作成したレポートや論文をそのまま提出する事は、多くの学校で不正行為とみなされる。
生成物の判定ツールの精度に限界があるため、教員は評価方法の見直しを迫られており、適切な活用方法について議論が進んでいる。
文部科学省も小中学校での利用に関するガイドラインを示し、不適切な例や推奨される活用方法を提示している。
四つ目は電力消費の増大である。
AIの学習や運用には大量の電力が消費されるため、世界の電力需要が急増するとの予測があり、環境負荷の増大や、温室効果ガス排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)の達成を困難にする可能性が指摘されている。
これにより、再生可能エネルギー開発に加え、原子力発電所の増設を急ぐ動きも見られる。

特定のプラットフォームにおける扱い

コンテンツ投稿プラットフォームであるpixivでは、AI生成作品の投稿を一定の条件下で許容している。
これは、AI技術をクリエイターを助けるツールとして捉え、創作コミュニティーと技術の共存を目指すという方針に基づいている。
ただし、特定の第三者の画風を模倣する行為や、一部のサービス機能(pixivリクエスト、pixivFANBOX)でのAI生成作品の投稿は禁止されている。
また、ピクシブ百科事典では、生成AIを利用して記事を作成する事自体は可能である。
しかし、AIが出力した内容が誤っていた場合、その責任は投稿者自身が負う事になる。
虚偽の内容を投稿する事は規約違反であるため、生成AIの利用を問わず、内容の真偽を必ず確認する必要がある。
百科事典の性質上、解説を目的としない小ネタなどを生成AIで作成し投稿する事は、規約に反する行為となる。

外部リンク

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