交流図書館/2

Last-modified: 2014-08-13 (水) 17:53:50
サマリ異世界の旅
投稿者闇討善悪?
投稿日2014-08-13 (水) 16:47:12

中身

ストーリー書いていくよ。(これはサブで書いていた話を持ってきています。)

第1話:始まり

赤く照らされている光が見える。
その光はぼんやりとしている。
その光が強くなったと思いきや、そこから人が出来上がる。
その人物は見慣れない服装で、何処の時代かもわからない。
ただ、言えるのは、剣がある事と、男である事。
その人が、力尽きるように倒れる。
そこから、話は始まる……。

第二話:目を覚ました人物

賑やかな声がして、男は目を覚ます。
町の中にいるとは分かったが、彼は何処に居るのかわからないようだ。
起き上がって、ふと窓を見る。
太陽が照らされていて、眩しいと感じた。
「もう起きたんですね」
声がして、その声のしたところに視線を向ける男。
「あなた、倒れていたんですよ? 広場で。びっくりしましたよ」
「倒れて……いた……?」
「ええ。名前は分かるかしら?」
問われて気がついた彼は、名前も、住んでいた場所も思い出せないことを告げる。
「困ったわね……。名前もわからないなんて……。そうだ、ファイラってどうかしら?」
「ファイラ……?」
「ええ。あなたの、名前よ。名前がないと不便じゃない。私は遠里(えんり)。宜しくね?」
「あ、ああ……。宜しく。今後ファイラと名乗れば良いのか……?」
「ええ、そうよ。確り覚えてね?」
戸惑いながら、ファイラと名付けられた男は、まず外に出たい事を告げる。
外は大丈夫だということで出歩けることが認められた。
彼はすぐに建物の外に出た。
その剣を持って。

第三話:町中

町中を歩くファイラだが、人々には笑顔があふれている。
わからぬ感情を抱きながら、歩いていると、子供が近寄ってきた。
「ねぇ、その剣重たそうだね?」
「持つな。この剣はおもちゃではないんだ」
「そうなんだ。ねえ、お兄さん。どこから来たの?」
「……思い出せないんだ。きっと思い出せるかな……?」
「うん! きっと思い出せるよ!!!」
その笑顔を見て笑うファイラ。
母らしき人がその子供を連れて去っていった。
ただ、何かあると思い、再び歩き出す。

第四話:数日後の悲劇

だが、数日後、その笑顔が消えることになる。
帝国軍と名乗る敵がやってきて、人々の命を散らしていたのだ。
それを見たファイラは、剣を抜いた。
「お! 手頃のいいカモだぜ!!!」
ファイラは一呼吸置いた後、その姿が消えたと思いきや、その敵は既に倒されていた。
「く! 強いぞ! 援軍を!」
そのままその剣で二人を切り倒す。
帝国は様子見するように一旦ファイラの居る町から離れたようだ。
ファイラは剣を構えると、高速で何かを呟く。
それは言葉にならず、音になる。
その後剣に炎の力が宿り、そのままその剣を振るい、帝国軍に向けて炎の斬撃を放つ。
敵はそれで全滅したが、町もまた、廃墟同然となっていた。
「……遠里も、あの子もやられてしまった」
怒りを抑えつつ、その町だった廃墟から旅立つ。
矢張り、自らは死神なのか。
そう思って。

第五話:真の死神

食料等は魔法で作り、それでしのいでいるファイラ。
歩いている時に、ふと、遺跡を見つけたので立ち寄ってみる。
その遺跡は、冷たくてひんやりとしていた。
歩いている内に、クリスタルが見えた。
『お前か……』
「!?」
思わず身構えるファイラ。
『名を貰ったのも知っている……。もうすぐ生命を終える神だからな』
「神……?」
『そうだ。お前は……何故身構えている? 危害は無いぞ? 不法侵入者ではない。選ばれし者よ』
「え、選ばれし者……?」
訳の分からないファイラに、神と名乗ったものはキラリと光る。
『お前は、真の死神であるのを知らないだろう』
「え……?」
驚いたのはファイラだ。
真の死神。つまり、死者を運ぶ立場になる。
だが、神はそのまま話を続ける。
『人々から嫌われる立場ではある死神だが、好まれる者も居る。お前は異質すぎるが、死神だ』
「死神……俺が……」
『そうだ。力がほしいか?』
少し考えたが、あの時の怒りを思い出した。
「ああ、力がほしい」
『決まりだ。我の命と引き換えに、授けよう』
言うなり、光がファイラを包み、その後ファイラを包んでいた光は消える。
その後、クリスタルはヒビが入る。
『さらばだ、死神であるファイラよ』
その言葉を最後に、クリスタルは割れた。
「……ありがとう」
その後、遺跡から立ち去り、再び旅を続ける。

第六話:彼が願うは……

死神になってから、帝国軍の居場所を明白に分かるようになった。
術で移動し、その帝国拠点にやってきた。
死の気配を感じながら、時間がない、と感じるファイラ。
その後、城に入る。
どうやら城は別の何かによって人々が争っているようだ。
その魔城を歩き、罠を超えつつ、玉座の間に来た。
王は震えていた。
「お前は、人の命を奪った。罪深き者よ、業火により焼かれるがいい……」
涙を流しながら、ファイラは火の魔法でその王を焼き払った。
だが、ファイラは膝をついた。
「俺は……幸せだった。あの日まで……」
涙を流しながら、そう呟く。
その後ファイラは倒れる。
ファイラの体が薄くなって、消えていく。
「さよならだ……。バカ野郎、こんな事ならさっさと拠点に行けばよかったよ……」
驚く兵士をよそに、ファイラを抱えた兵士は、走って、空が見える場所に向かった。
そこは、城の屋上みたいな場所。
「ああ……。空が見える……。綺麗だな……」
「もしかして……魔力が……」
「違う……。これは、最後の時だ……。だけど……良かった……。きっと……次は平和だな……」
辛い感情をおさえる兵士。
「どうして、泣いているのですか……?」
「わからん……。だけど……お前も、苦しんでたんだな……。笑えばいい……」
「もし生まれ変われるなら。……君に会いたい」
「そう、だな……。俺も……だよ……」
その言葉を最後に、完全にファイラは消えた。
兵士は涙を流した。
ファイラが持っていた剣すら、一緒に消えたが、それでも彼の生き様はカッコ良かった。
そう感じて、墓を作る事にした。
弔いの曲も、一緒に作って。

第七話:最終的に……

それから月日が流れる。
死神が誕生したと聞いて人々は、驚き、恐れた。
だが、その死神は一風変わっていると言われ、きょとんとする。
この世界に居る、死神は優しい死神が多い。
亡くなったと思われていた、遠里と少年は生きていた。
遠里は、その死神に会えるのか問いただす。
「勿論、会えるぞ。ファイラ、呼ばれておるぞ。我は帰る。ここの民は変わらぬな。死神もおるし」
言うなりその死神は術で去っていった。
風が吹き付けた後、居ないはずの男―――ファイラ―――が立っていた。
「ファイラ……?」
「すまない。すこし時間かかったけど、遊びに来れるくらいまで回復はできたよ」
「お帰り。もう、前の町じゃないんだから、笑ってよね?」
「フフ、いつもどおりだな。遠里」
少年もファイラに飛びついた。
「お帰りー!!!」
「ああ、ただいま」
剣も持っているが、今後はもう使わないだろう、とファイラは言う。
住民たちが群がる。
「お、おい……」
「帝国軍は消えたからね。安心してここに住みなさい」
「ありがとう」

 

それからは、平和に暮らしているファイラ。
きっと、今後、ファイラも忙しくなるだろうと、別の死神は言う。
何かがない限りは。

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