ICHI

Last-modified: 2025-08-28 (木) 21:03:07

データ

ひらがないち
カタカナイチ

概要

アニメーション作品の版権管理および実写映画を主体とした映像作品の企画・制作を主な事業内容とする日本の映像制作会社。
2008年(平成20年)8月26日付で、旧社名「株式会社ナック(KnacK)」から「株式会社ICHI」へと社名を変更した。
1963年に『鉄腕アトム』の放映を契機として日本国内でテレビアニメの制作が本格化し、多数のプロダクションが新規参入する中、既存の大手制作会社と差別化された「アニメーション作家主体の制作プロダクション」として設立されたのがナックである。
東映動画(現・東映アニメーション)出身の月岡貞夫、時報映画社取締役の鈴木元章をはじめとする7名が発起人(登記上の役員)となり、1967年(昭和42年)9月25日に株式会社ナック(アニメーション工房ナック)を設立した。
初代代表取締役には月岡が就任したが、後に独立し退社したため、発起人の一人であった西野清市(聖市)が長期にわたり代表取締役を務める体制となった。
登記上の社名は後年「株式会社KnacK」とアルファベット表記へ改められたが、制作作品のクレジット表記では旧来の「ナック」の仮名表記が引き続き使用される場合も多かった。
設立初期の事業は、コマーシャルフィルムやテレビ番組のオープニング映像制作などが中心であり、テレビアニメ制作からは一定の距離を置いていた。
しかし1970年に放映開始された『いじわるばあさん』を契機としてテレビアニメの元請制作に参入し、その後アニメ制作会社としての存在感を高めていった。
特に『チャージマン研!』(1974年放映)は、放送当時にはほとんど注目されず評価も低かったが、2000年代後半以降、インターネット上において「独特の作画・演出・脚本展開の奇妙さ」が逆に話題を呼び、カルト的な人気を獲得するに至った。
1969年(昭和44年)、本社を東京都中野区から東京都練馬区関町北1丁目14番7号の自社ビル(通称ナックビル)へ移転。
後年、同ビルの壁面に自社制作作品『ドン・チャック物語』のキャラクタータイルアートが施され、「ドンチャックビル」として地域住民やファンに親しまれた。
1984年(昭和59年)には『アタッカーYOU!』を企画・制作。
日本国内での評価は低調であったが、フランスやイタリアでのテレビ放映により爆発的な人気を得た。
特にイタリアでは同作がバレーボール人気を加速させ、プロリーグ創設の契機となるなど社会的影響を与え、2008年には続編アニメが制作・放送された。
1988年(昭和63年)、OVA作品『渋谷ホンキィトンク』の制作を通じてOVA分野へ本格進出。
1989年には『冒険してもいい頃』で18禁OVAの制作元請を手掛け、以降はオリジナルビデオの企画・制作を精力的に行い、1990年(平成2年)に制作した『冒険してもいい頃2』は同ジャンルの代表作の一つとされる。
その後はアニメと並行して実写映画作品の制作にも取り組むようになり、事業領域を拡大した。
しかし1996年(平成8年)、『LUNATIC NIGHT』を最後にアニメ制作事業から完全撤退。
以後は実写映画やオリジナルビデオ制作に経営資源を集中したが、その分野も徐々に縮小した。
2008年(平成20年)8月26日付で株式会社ICHIに改称。
2017年(平成29年)4月には吉野晴亮と吉野百子が共同で代表取締役社長に就任。
同年12月、老朽化したナックビルを解体し、本社を現所在地へ移転した。
2018年(平成30年)9月25日には、長年経営を支えた2代目代表取締役・西野清市が死去。
2023年時点においては、過去に制作したアニメーション作品の版権管理・プロモーション事業を主軸とし、とりわけ『チャージマン研!』などの旧作が新たな収益源として再評価されている。
なお、アニメーション作画チェックシステム「クイック・アクション・レコーダー(Q.A.R)」を開発製造した株式会社ナック(2000年に「ナックイメージテクノロジー」に商号変更)とは、資本関係・事業関係ともに一切の関連性を有さない全く別法人である。

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