書き起こし/いしころ

Last-modified: 2016-01-10 (日) 03:18:38

こころ「私の名前は秦こころ。人にはポーカーフェイスだとよく言われる
    こんなにも表情豊かなあたしのどこがポーカーフェイスなのだろうか
    今日はこいしと待ち合わせ。なんでも人間の里を見て回りたいらしい」
(回想開始)
 こいし「こころちゃん。明日里の方に遊びに行こうよ!
     おいしいお団子屋さんがあるらしいの。
     それにほら、いろんな人に会えばこころちゃんも少しは
     表情が緩むかもしれないしね!」
(回想終了)
こころ「何であの妖怪は一々私に構ってくるのかしら。
    振り回すだけ振り回して何時の間にかいなくなっちゃう癖に、いい迷惑よ
    というか、あいつは私の希望の面を盗んだ宿敵同然の妖怪
    新しい面こそ手に入ったものの、あいつとは、あっ・・・」
(被せて)
こいし「こーころちゃん!」

こころ「こいし・・・」
こころ「いきなり目の前に現れるなといつも言ってるだろう
    びっくりするじゃない・・・」
こいし「えー・・・、私は普通に飛んできただけなのに・・・
    気付かないこころちゃんが悪いんだよぉ」
こころ「お前のこと気付かないって普通・・・」
(被せて)
こいし「じゃあ、行きましょうか!喜怒哀楽の飛び交うネオン街へ、レッツゴー」
こころ「もう・・・」

こいし「いやー里は人がいっぱいだねぇ・・・
    こころちゃんって目立つから、なんだか私も注目されてるみたいで
    しーんせん!」
こころ「そう?でも、ほとんどの人はお前のことを
    しっかり認識できてないんじゃないか?」
こいし「そうだけど、感じ、感じ!こんな気分も友達様々だねぇ!」
こころ「友達!?何時から私たちは・・・」
(被せて)
こいし「ここ、ここ!。おじさん、お団子2つくださいな~」
こころ「はぁー。」

 少女回想中・・・
(回想開始)
 こころ「こいしが消える・・・」
 神子「あーいやいや、あくまで可能性の話だ
    うん、あの子は元々こころを閉ざした妖怪だろ
    それが希望の面を拾ったことにより
    ああした感情を持っているのだとしたら
    新しい希望の面を使いこなすことで
    古い希望の面は力をなくす可能性がある」
 こころ「つまり、どういうこと?」
 神子「つまり、こころ・・・君が感情を理解したとき・・・
    あの子は元の空っぽな存在になって
    誰からも認識されなってしまうだろう」
 こころ「あっ、あっ・・・」
 神子「ぬっ、あっ、いや、仮説だから仮説。
    もしかしたらって、事ね・・・」
(回想終了)

こころ「まぁ、いつもうっとしいくらい私にまとわりついてくる
    あのこいしに限って、そんなことあるわけないっか・・・
    そもそも、そうなったとしても私には関係のない事」
こいし「こころちゃん?」
こころ「あっ、」
こいし「なにぼうっとしてたの?
    はいっ、これこころちゃんの分」
こころ「えっ、私はいい。こいしが欲しくて来たんだろう
    お前が二つとも・・・」
こいし「何を言ってるの?私はこころちゃんと一緒に食べに来たの
    こころちゃんが食べてくれないと、意味がないの
    いらないって言っても、無理矢理食べさせちゃうからねっ!」
こころ「あー、わかった、わかったから、食べるから
    ありがとうね、こいし」
こいし「どういたしまして」

こいし「それにしても、今日ってあれよね
    外の世界で言うところのクリスマスって奴よね?
    これで雪が降ればホワイトクリスマスって言うんじゃない?」
こころ「夕方から降ると言う噂を聞いたぞ。クリスマス、か。
    あの父親気取りの仙人がサンタクロースにでも扮して
    出てきたりしなけりゃいいんだけど」
こいし「サンタ、クロースって?」
こころ「なんだ、こいし、お前はサンタを知らないのか・・・
    サンタというのはだな・・・」
聖「あらー、こころさんにこいしさんじゃないですか」
神子「ほぉう、私の愛しいこころがこんな所に・・・
   近頃見ないからパパは寂しかっただぞぉ~」
こころ「何がパパだ。私が里や霊廟の方に立ち寄る度にストーカーのように
    現れやがって・・・」
神子「うっ、うっ・・・
   手厳しいな、我が子よ・・・」
聖「それにしてもこいしさんが人里に来るなんて珍しいですね~
  いかがなさったんですか?」
こいし「この辺にはちょこちょこ来てるよ~、皆が気づいてないだけ
    今日はこころちゃんとデートに、ねっ?」
こころ「なっ、デートだと・・・お前意味わかって使っているのか?」
神子「それは素晴らしいなぁ。
   こころは無愛想で友達付き合いが上手ではないからな
   こいしくんの良い友達ができて、私たち保護者も安心というものだ」
こころ「えっ、ちょっと、とも、とも、ともだち?
    えっ、というか、いつからお前達が保護者になったんだ」
聖「うふふっ、本当ですね。お二人とも何時見ても仲睦まじいようで
  見てて、微笑ましいですね」
こころ「うっ、うっ・・・うっ・・・」
こいし「なぁに?こころちゃん?私が友達じゃあ不満?」
こころ「まっ、まあ・・・最初の相手がお前というのが少し納得いかないが
    友達というのも、悪く、ないかな?」
聖「まぁ・・・」
神子「あっ・・・
   こころ・・・お前・・・今、笑って」
聖「凄い・・・です。こころさんが、笑顔に・・・」
こころ「私が、今笑ってた?これがうれしいという感情?笑顔を・・・」
神子「これも、私の新しい希望の面のお陰かな・・・
   うん、これなら、こころが完全に感情を取り戻す日も近いかな?」
こころ「私が笑えたなんて・・・こいし、私あなたのお陰で・・・
    こい、し?」
聖「どうしたんですか?こころさん?」
こころ「こいしがいない・・・こいしが・・・」
神子「何を言ってるんだこころ、ここにはお前しかいなかったろ?
   そういえば、もう一人誰かいたような・・・」
こころ「そっ、そんな・・・こいしが・・・
    嘘でしょっ!・・・こいしー!!!」
神子「こころ!・・・どうしたんだ急に!!!」
こころ「こいしが、あのこいしが消えるはずがない。こいしー!」

♪~(愛する人の名を呼ぶために/奥井亜紀)
(9:52まで台詞なし)
こころ「はぁ、はぁ、はぁ・・・
    こいし、どこに行ったのよこいし・・・
    ばかっ、あたしにあんなこと言っておいて勝手に消えるなんて・・・
    私が感情を取り戻したって
    あなたがいないと意味がないじゃない・・・
    こいし、出てきてよ
    こいしぃー!!!」
こいし「呼んだ?そんなに泣いてどうしたの、こころちゃん?」
こころ「はっ、」

♪~(愛する人の名を呼ぶために/奥井亜紀)サビ

こころ「どうして、こいし・・・
    こいしがもういなくなっちゃったかと思って、あたし・・・」
こいし「う~ん、よくおぼえてないんだけどね
    気が付いたら、白い髭のおじいさんがいてね
    私にプレゼントだって言って、ソリに乗ってどこか行っちゃった」
こころ「そっ、それって・・・もしかして・・・」
こころ「こいしが帰ってきて良かった。もうどこへも、行かないでね
こいし「うん、一緒に行こっ!」

♪~(愛する人の名を呼ぶために/奥井亜紀)

こころ「こいし?」
こいし「なぁに?」
こころ「・・・なんでもない・・・」
こいし「なに?もう、変なこころちゃん」

 Happy Christmas