書き起こし/宗教

Last-modified: 2016-01-10 (日) 03:44:37

まゆ「ひっく、ぐすっ、ぐすん。ひっ・・・ひっく、ぐすっ、ぐすん、・・・ひっ」
早苗「どうしたの・・・?」
まゆ「・・・・・・おッお母さんが・・・病気になっちゃって、私・・・」
(早苗がまゆを神社に連れて行く)
まゆ「!?」
早苗「お祈りしなきゃ!信じるものは救われるンだよっ!」

早苗「はじめまして東風谷早苗です。中学校に入学してもう一週間になります。みんなウキウキしちゃって」
早苗「!?」
まゆ「早苗ちゃんッ、部活決まった?」
早苗「私は特に・・・・・・なぁ~。まゆちゃんは?」
まゆ「運動苦手だけどバレー部にしようかなって!」
早苗「この子は幼馴染のまゆちゃん」
早苗「昔は泣き虫だったのにね」
まゆ「ちがうもーん!目標持ってがんばって変わるんだから!」
まゆ「てゆーか、早苗ちゃんはやりたい事とかないの?」
早苗「みんなが幸せならそれでいいかな・・・」

早苗「ただいま」
早苗「あのあとまゆちゃんに『やりたい事じゃなくってお願い事じゃん』って言われて納得、確かに私にはやる事があるので出来ない。なので目標とか夢とかある人はすごい羨ましい。」

早苗「それでねっお母さん、まゆちゃんったらね、バレー部に入るんだて!あの泣き虫だったまゆちゃんがだよ!びっくりだよぉ~。それでねっそれでねっ」
早苗母「早苗。さっさと食べなさい、すぐ行くわよ」
早苗「・・・はい」

田中「・・・はぁ」
早苗母「私たち『勧誘』はしないの。ただ神様の教えを守ればみんなが救われるということについて、ね?」
早苗母「興味があったら・・・っていうだけで、ね?」
田中「・・・はぁ」
早苗母「私たちはね、信仰のおかげですっごい今ね、幸せなンですよッ。うちの娘だって!!ほらッ幸せそうでしょ!?」
早苗「信じるものは救われる。よかったらお話だけでもどうですか?」

早苗「あれはお母さんの『やりたい事』」
早苗「今、私の『やりたい事』は・・・本を読むこと」
早苗「本は私のことをいろんな世界に連れて行ってくれる気がします」

早苗「まゆちゃんの同じ部活の人とお昼食べる事になったけど・・・・・・流行りの話題についていけない・・・どうしよう」
あかり「ねぇ東風谷さん、メルアドおしえてよ。てゆーかそんなことより、このスマホカバー可愛くない?うさぎなの」
早苗(せっかく話しかけてくれたのに)
早苗「ごめんね。私、ケータイ持ってないんだぁ・・・」
あかり「あ・・・そーなん・・・だ」
あかり「見て見てぇこのケース可愛くない?イオンでさ、超高かったんだよぉ~」

早苗「学校でね、スマートフォン流行ってるンだって!今なんかね、地図なんか見なくたってスマートフォンが道案内してくれるんだって。」
早苗「それでクラスの全員持ってるみたいで・・・ね?あのね、それでね、それで・・・それで私も」
早苗母「その月々払う携帯代で何百人のカンボジアの難民が救われるんでしょうかね!?教えを背く事は許されないのッ!」
早苗母「私たちには使命があるのッ!!!素晴らしい教えをみんなに広めてみんなを幸せにするの!!!!携帯の悪い電波で頭がおかしくなるわよ!」
早苗母「無駄ッ、信仰しなきゃハルマゲドンで死ぬわよ!!!」

早苗「予想は出来てたけど・・・なんだかなぁ。はぁ・・・」
早苗「!?」
諏訪子「早苗・・・大丈夫だった?つらかったねぇ・・・」
早苗「この人は諏訪子さま。子供みたいだけど神様らしい・・・」
諏訪子「こんなのおかしいよォ・・・」
早苗「あーあっ、諏訪子様泣いちゃって・・・。私は大丈夫ですよ」
早苗「泣かないでーっ」
諏訪子「だって、早苗がかわいそう・・・」
早苗「私が凹んだ時に必ず泣いて現れる泣き虫な神様です」
早苗「泣いた後はかならず怒る。そして必ず決まったセリフを言う」
諏訪子「こんなのおかしいッ!!早苗は早く幻想郷に来るべきだ!!!」
神奈子「はーい、ストップストップ。」
諏訪子「あーうー」
早苗「ここまでが一連の流れ。正直もう馴れました。」
神奈子「早苗が困ってるだろ。また余計なこと話そうとして・・・しゃべりすぎ!」
早苗「こっちは諏訪子さま。この人も神様。諏訪子様の保護者みたいな神様・・・かな?」
早苗「ところで幻想郷ってどうやって行くんですか?」
諏訪子「幻想郷には特殊な結界が張ってあってだな、歩いていくことはできなんだな。そこで2つ方法があるんだよ。」
神奈子「・・・」
諏訪子「1つはその結界をくぐって幻想郷に侵入する方法」
早苗「なんだかメルヘンですね」
諏訪子「2つめは死ぬ」
早苗「わぁー素敵なぁ・・・」
神奈子「という事だ!!!詳しい話はまた今度しよう。早く寝ろよ!!!」
早苗「えっ・・・。1番気になる所・・・」

早苗「・・・」
女子「東風谷さん変わってるよね。携帯持ってないんでしょ?趣味とかないの?」
早苗「うん、趣味はねー、読書かなぁ。おすすめは岩波文庫かなぁ~。表紙じみだけどおもしろいよ~」
あかり「ちょやっばwいまどき読書ってwなんか古臭ッはは」

(神社)
早苗「あのねっ、なんかねっ、今日学校でねッ、友達に『読書とか今どき古臭ッ!!!』って!!」
早苗「私っておかしいの!?どー思う、お父さん」
神奈子「そんな事はないと思うぞ。知的で良い趣味だと」
早苗「あ、神奈子様ッ!!!
神奈子「変ではないだろう。みんな馴染みがないだけ。別に無理に合わせなくてもいいだろう?」
早苗「・・・でも、ある程度は合わせておかないと人間関係築くのはむずかしいって・・・本で書いてた」
早苗「多少、無理してでもみんなと仲良くしたい・・・って思うことは変な事なんでしょうか?」
神奈子「早苗は賢いし優しいなぁ・・・。無理に合わせるんじゃなくてさ、自分に出来る事をすればいいんじゃないか?早苗にしか出来ない事、たくさんあると思うぞ」

何これ!?手作りッッ!?
しゅごぉぉぉぉぉいッッ。
東風谷さんが作ったの!?
わーすごぉい。私もちょーだい!
なになにクッキー!?

早苗「よかったら沢山食べてねッ。いーっぱい持ってきたンだぁ」
早苗「私にしか出来ない事、自分なりに考えてみたけど、やってみたけど・・・」
女子「うん、うまい」
まゆ「もぐもぐ」
まゆ「早苗ちゃん、センスあるよぉ~。昔からお菓子作り上手だったもんね。美味しいよ」
早苗「やってよかったぁ」
早苗「えへへ、ありがとう」
男子「東風谷が作ったの?すげ~っ」
男子「超★うンめぇ~(クチャラー)」
あかり「ちょっと男子ィ~!!東風谷さん困ってるじゃ~ん」
早苗「あ・・・あっ、あの、沢山あるから・・・っ。良かったら食べて・・・ね?」
早苗「沢山の人に喜んでもらえるって嬉しいな」

あかり母「あかりちゃん、今日は学校どうだったのぉ~?」
あかり「は?ふつう・・・」
あかり母「部活ばっかりでお勉強してるの?ママ心配よぉ~」
あかり「いちいちうるせーな、今忙しいンだよ。しゃべりかけンな」
あかり「チッ、うざ」
ピンポーン
あかり母「あらやだ誰かしら」

早苗母「あなた今幸せじゃないでしょ!?あなた不幸な顔してるわ!けど大丈夫。神様にお祈りするだけで幸せになれるんですよ!」
あかり母「近所迷惑なんで止めてください!」
早苗母「神様が助けてくる、救ってくれんです!祈って祈って祈りまくって、祈ったぶんだけ幸せになれるんです」

諏訪子「早苗は嫌じゃないの?あぁやって毎日、毎日・・・」
早苗「お母さんは可哀想なんだ。お母さんが幸せなら私は良いんです。私が支えてあげなきゃいけないんだ。お母さんの唯一の心の拠り所なんです。お母さんが幸せなら」
早苗「私も、私の心の拠り所を早く見つけなきゃ。ねッ」
早苗「辛い時こそ笑うんだ。良い事だって逃げちゃうもん。お母さんの事、支えてあげなきゃ。私じゃなきゃ駄目なんだ。私しか居ないんだ。辛くない、辛くない、辛くない」
早苗「!?」
諏訪子「そっか。早苗がそう言うなら、明日も頑張ろうね」

(セミ兄貴の迫真の演技)
あかり「あっつぅ~、溶けちゃいそ」
女子「もうすぐ夏休みだよ。部活死ねる~。」
女子「先輩早く引退しろよ」
女子「あかりのツイッターの投稿画像マジ面白いンだけどwはっは」
あかり「全裸のおっさんが電車の中で寝てる奴?」
女子「そうそうwwww」
女子「あかりマジ笑いのセンスあるわぁ~はははははは」
(早苗登場)
女子「あ」

はははははははははははははははははははははは
うっける
近づくと呪われるぅ~

女子「は~い、おつかれ」
(早苗の背中に張り紙をくっつける)

ははははははははははははははははは
きんもー
気づくかな?気づくかな?
おい、東風谷の顔見て見ろよ
また泣いてたよ~
てゆーか次何するw
なんかやりきった感あるよね
近づくと呪われるぅ~

(水道の音)
神奈子「早苗、早苗」
諏訪子「早苗」
神奈子「早苗、早苗、早苗」
諏訪子「うぅ、早苗ぇ」
神奈子「早苗、おい、早苗」
早苗「はい、すみません。ぼーっとしてました」
早苗「いつからこんな嘘吐きになったんだろう」

テレビ「次のニュースです」
テレビ「中学1年生の男子生徒が自宅で首をつって自殺していたことが分かりました」
テレビ「生徒が通っていた学校は『いじめ』が原因で自殺したと」
テレビ「いじめですかぁー。この手の事件が多いですね」
あかり母「!」
あかり母「あかりちゃんと同い年じゃない。あかりちゃんは大丈夫なの?お母さん心配だわぁ」
あかり母「何かあったらすぐ言うのよ。お母さんにすぐに・・・・・・」
あかり「あ~だいじょうぶだいじょうぶ」
あかり母「いじめは卑怯者がする行為よっ。親の顔が見てみたいわ。どういう教育してるのかしら!?」

あかり「は~い、もしもし」
まゆ「あ、ごめんね。ご飯食べてたんだよね?」
あかり「あーいいよ」
まゆ「あのさぁ・・・東風谷早苗ちゃんの事なんだけどさ」
まゆ「私と早苗ちゃんって、小学校からの友達でさぁ・・・。もうさ、ああ言うのやめ・・・」
あかり「は?なんで?」
あかり「話題も流行も付いて来れないくせに自己主張はかかせない。こうなっても仕方が無いんじゃないの。だってウチらに合わせようってしなかったじゃん。友情が感じられないよねぇ~」
あかり「そもそもいじめられる奴って原因があるのにさ、なんでいじめられる奴が被害者なの」
あかり「一緒にいて不愉快にさせられるうちらも被害者なのに不公平じゃね」
まゆ「間違っていないけどさ・・・。他の人と一緒になれない環境とか状況とか人には色々あるんだよ」
あかり「ただの甘え」
まゆ「あんまり他の人の家庭事情話すのって気分良くないけどさ、あかりちゃんに分かって欲しいから話すね。早苗ちゃんのお家ってね・・・」

ぐぉ~ぐぅ~(睡眠)
はははははははははは
面白すぎだろ
自習とか何すんの
性教育でよくね?
ふぁっく!ふぁっく!
やだ!下品
お前キモ!
ははははははははは

(あかりが早苗の本を取り上げる)
早苗「!?」
あかり「あのさぁ・・・。お前んち父親居ないんだって?通勤中交通事故で死んだんだっけ?まゆに教えてもらったんだぁ。ウチらマジ親友のずっ友だしぃ★」
早苗「へ?」
まゆ「違う そんな・・・っ ちがうよ こんなつもり ちがう ちがうちがうよ 私は・・・ ちがうちがう 違・・・違う 違うくなんか・・・ 」
あかり「あーあ、次はまゆがキチガイになっちゃったよ。お前は周りの人を不幸にする疫病神みたいな奴だな」
あかり「父親じゃなくお前だったら、お前が死んだら母親もキチガイになんなくてよかったのにな」
あかり「お前なんて居ても居なくても一緒なんだよ。お前が死ねばみんな幸せだったのにな」
あかり「泣いたら済むとか思ってるでしょ。目障りだわぁ。甘えの境見たいな奴だよなー。悔しかったらやり返してみろよ」

(トイレ)
早苗「嫌だもう嫌だ嫌だ助けて助けて助けて」
諏訪子「もう、見てられないよ。幻想郷に行こう?早苗」
早苗「幻想郷に行くには死ねばよかったんでしたっけ。お母さん一人になっちゃうよ」
早苗「神様でしょ!?なんとかしてよ!!!!ねぇ!」
早苗「私がしてる事って間違ってないはずなのに、諏訪子様も言ってたじゃん、みんなおかしいって」
早苗「私の何がおかしいの?私の何が間違ってるの?理解できない」
神奈子「なぁ早苗、正義の対義語って何だと思う?」
早苗「悪じゃないんですか」
神奈子「正義の反対はまた別の正義。悪と決め付けるのは自分の主観でしかないんだよ」

バン!(トイレのドアの音)
早苗「また別の正義?あんなのが正義なわけない!」
早苗「ふざけ・・・」
早苗「!?」
あかり「卵爆弾成功★」
女子「さっき独り言言ってたよ。マジで悪霊ついてんじゃね」
早苗「え?」
女子「やっぱキチガイだね!」
あかり「ウチらお祓いの天才だからお祓いしてやるよ!」
早苗「これが正義なの?」
女子「悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊退散」
早苗「居るんでしょ?この状況を変えて・・・。神様ならなんとかしてよ・・・。なんで、どうして、助けて」
女子「やばい、独り言始めた」
女子「お払いしなきゃ★」
女子「マジでイカれてるって」

神奈子「弱いものには強く、強いものには媚びる。空気を読む事が最も重要視される」
神奈子「周りに合わせられない早苗が悪なんだよ。これが彼女らの正義だよ」
諏訪子「助けれる、助けれるよ。助けてあげられる。けど早苗が今の気持ちを言葉にしなければ助けてあげれないんだよ」
早苗「私は間違ってない。けど」
諏訪子「状況を変えたいんだろ!?自分は正しいんだろ!?間違ってないんだろ!?早苗!!!」
早苗「言ったら、いじめられるよ」
早苗「無理、嫌だ。嫌だよ。」
諏訪子「言葉にしなきゃ何も分からない、何も伝わらない、何も変わらない」
諏訪子「早苗がいつも我慢してる気持ちを吐き出すんだよ」
早苗「無理だよ・・・」
諏訪子「もういい子を演じなくていいんだよ」

早苗「私、信じてるんです。時間が経てばみんな変わってくれるって」
早苗「そう、信じたいです」
諏訪子「信じる者が救われるならみんな救われてるよ」
諏訪子「信じて行動するから救われるんだよ」