擬古田薬品 (8)

Last-modified: 2021-08-12 (木) 16:42:05

前回:擬古田薬品 (7)

157 名前:50・状況説明 投稿日: 2004/10/12(火) 22:37 [ VwP5VfXA ]

「ベ・ベビチャンガ シンダ?」
顔面蒼白の母親が呟くと、その呟きにモララーが答える。
「全員氏んでました。死後硬直まで始まってましたよ。事前の検査の時に、
レモナ先生が『胎動が無い』ってあなたに言ったんじゃないですか?
お腹に聴診器をご自分で当てて、ベビ達の心音も聞こえないことも確かめられたんじゃないんですか?」
「ベビチャンハ オトナシク オネムシテイタ ダケナンデス!!!!」
信じたくないといった表情で母親が叫んだ。

ちびが笑いながら口をはさむ。母親は得意の言葉をちびに吐くが、
ちびに死産ビデオの寝言を突かれると黙り込んでしまった。
「確かに『オネム』よね。永遠にだけど(笑) 」
「コノギャクサツチュウ! アンタハ ダマッテナサイ!」
「ベビが氏んで、あ・ん・た・が お金が入らなくて困るものねぇ。
産まれても売られるだけじゃ、ベビ達氏んだ方がましだったのかもね。」
「ウッ…」

二人のやり取りにサスガ(弟)が割って入り、これからの予定を話し出す。
「まあまあ。これからは、ベビちゃん達の死因についてお話をします。
スライドショー形式です。
動画ヴァージョンもあるんですが、こちらは医学生の教材として使わせていただきます。」

「その前に、お兄さん達におしもの世話をしてもらってねぇ~」
ちびの勝ち誇った笑顔に母親は、唇を噛んだ。

母親の下の世話を終えた介助担当の青年の一人が一旦部屋から退出すると、
サスガはホワイトボードに図を書き始めた。
丸を4つ、隙間なく時計の12時、3時、6時、9時の位置に並べ、
12時の位置の丸に3、3時の位置に2、9時の位置に1、6時の位置に4と番号を書き、
4つの丸の周りを逆さにした丸底フラスコのような感じの曲線で囲む。
フラスコの口の位置がちょうど四番のベビがいた場所を示した丸の真下にくる感じである。

指し棒で示しながら、サスガ(弟)は説明を始めた。
「子宮にメスを入れると、こんな感じでベビちゃんはいました。四番のベビちゃんの下が
ちょっとあいていますね。ここが子宮口だと思ってください。
ベビちゃん達を識別するために、番号をつけさせて頂きました。
では、ベビちゃん達の説明をさせていただきます。」

サスガが、スクリーンからスライドを入れてあるPCの方面に向かうと
誰かがスイッチを入れたらしく、スクリーンがホワイトボードの前に下りてくる。
PCにスライドをチェンジする役割の青年が座ると、サスガは彼に指示を出す。
照明が落とされ、一番のベビの全身を映したスライドが画面にお目見えした。

158 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:38 [ VwP5VfXA ]
顔以外あざだらけのベビ。腕には一と書かれたリストバンドが巻かれて横たわっている。
「これが、時計で言う9時の位置にいたベビです。一番のベビですよ。
このあざは産まれた時に既についていたものです。」
スライドがレントゲン写真とMRIの映像に切り替わる。
「このベビちゃんのお胸のあたりのレントゲンです。右の肋骨が全て折れていますね。
こちらの写真がMRIの写真です。通常肺は2つありますが、1つしか見えないでしょ。
折れた肋骨で肺がつぶれてしまいました。」

「ナオス コトガ デキナカッタカラ ソンナコトヲ イッテルンデショ? コノヤブイシャ!!!」
口調が荒くなりだした母親に、ちびが釘をさす。
「お腹にベビを入れたまま、ちびギコとセクースしてたくせに。
それに、産んだって育てる気持ちなんて無かったくせに。
サスガ先生。続けてくださいね。」
ちびの言葉に母親は唇を噛むしかなかった。

サスガはちびの言葉に返事を返した後で、スライドの係の青年に指示をし、説明を続ける。
「では、ベビちゃんの肺のスライドに。」
スライドがつぶれた肺の写真に切り替わった。

「ナンナノォ コレハ ナンナノォ!!!!!」 ガッ。 
思わず絶叫してしまった母親をちびが拳で黙らせると、サスガは説明を始めた。
「これは、一番のベビちゃんの右の肺です。つぶれてしまっていますね。」
カシャッ。
スライドが肺から小さな骨を取り出した映像に切り替わった。
「これはベビちゃんの肺からでてきた骨です。
肋骨が砕けて肺に刺さってしまったんですね。」

「ナンデ… ナンデ…?」
母親の呟きを聞いたサスガは一番のベビの死因について彼の考えを述べた。
「このベビちゃんがお腹にいた時に、直接棒のようなもので突っつかれたか、
それとも、ベビちゃん達がお腹の中で激しく動き回って、その時に折れちゃったか
どちらかでしょう。体中のあざについてですが、レントゲンで確認したところ、
骨折箇所はありませんでした。
あざはベビちゃん達があなたのお腹の中で動き回った時に、
恐らくついたものだと思われます。
このベビちゃんと二番のベビちゃんよりも先に氏んだベビちゃんが
逃げ場所ちょっと塞いじゃったんで、必死に逃げようとして殴り合いみたいになったんじゃないのかな。」

159 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:38 [ VwP5VfXA ]
「次。」 カシャッ。
二とかかれたリストバンドを腕に巻いたベビの全身写真のスライドに変わった。
やはり、全身あざだらけであった。
「このベビちゃんは一番のベビちゃんと反対、時計で言うと3時の位置にいたベビです。
このベビちゃんは左側の肋骨が全て折れていました。」

カシャッ。スライドが切り替わるごとに、サスガが説明を加えていく。
「これが二番のベビちゃんのレントゲン写真です。左側の肋骨が全て折れてますね。
続いてMRIの写真です。左の肺がつぶれていました。」
続いてつぶれてしまった左肺の解剖中の写真に切り替わる。
肋骨が刺さった部分が、細いマーカーで丸く囲んであった。サスガは説明を続ける。
「丸く囲んであるところがあるでしょ?
ここは肋骨が肺に刺さり、穴があいている場所です。早く一番と二番のベビちゃん達をお腹から出して、肺の穴を塞ぐ手術をすることが必要だったのですが、手遅れでした。
硬直が既に始まっていましたので。」

「ベビチャンンタチハ タスカッタンデスカ??」
青い顔をした母親がサスガに聞くが、代わりにレモナが答える。
「手術前の検査の時に、10ヶ月と答えてらっしゃったけど、
ベビちゃん達の育ちぐあいからいって、もっと時間がたっていたんじゃないんですかね。
早くお腹から出して、楽に空気を吸わせる環境を作ってあげるべきでした。
あれじゃ、酸欠で遅かれ早かれ全員死亡してましたね。
もっとも、母親よりも女であることを選んだような
あなたにそんなことを言ってもいまさら無駄でしょうがね。
一番と二番のベビちゃんは助けようと思えば助かる命でした。」
レモナの言葉を聞いた母親の顔に絶望の色が濃くなっていった。

160 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:39 [ VwP5VfXA ]
「他にご質問は?」 「アリマセン…」
サスガの問いに母親が消え入りそうな声で答える。
母親にとって、自分の罪を思いださせる忌まわしい『カシャッ』という音の後に、
耳もぎの前に撮影したと思われる全身のスライドがお目見えする。
腕には『三』と書かれたリストバンド。眠っているかと錯覚させるような氏に顔である。
彼は三番のベビの説明を始めた。
「このベビちゃんは他のベビちゃんよりも先に亡くなりました。
一番・二番のベビちゃんは全身あざだらけだったけど、このベビちゃんには無いでしょ?
あざっていうのは生きている時につくんです。心臓が止まった時に毛細血管が切れても
皮下出血はしません。血液はもう体を巡りませんから。」

スライドが頭部のレントゲンとMRIの写真に切り替わる。
彼は指し棒で三番のベビの受傷箇所を示しながら、
「お母さん。このベビちゃんは即死状態でした。ほら、ここ。骨折してるでしょ。
この骨折が元の脳挫傷です。続いてMRIの写真ですね。ここの部分が出血です。」

カシャッ。
スライドが変わり、ベビの脳が露出した映像が母親の目に映りこんだ。
「イヤァアアアアアア ベビチャン ベビチャァアアン!!!!」 ドゴッ。
悲鳴を上げた母親に今度はちびが蹴りを入れて黙らせた。
「自分のせいで氏んだべび達の氏にざまくらい、静かに聞きなさいよ。」
「ベビチャンハ ギャクサツチュウニ コロサレタンダモン!」
母親の的を外した抗議にちびは、頭に血が上るのを感じた。
母親に対し、殺意を感じたちびだったが必死に殺意を押さえ込み
彼女に鋭い言葉を投げた。
「そのギャクサツチュウとやらは、あんたでしょ!」
母親は返す言葉が無かった。

「続けていいですかね?」
サスガの問いにちびは肯く。
彼は、スライドにうつったベビの脳の場所を指し棒で示しながら説明を始めた。
「ここにあるのは血腫。血の塊ですね。ここを、ガーンと突かれて出血しました。
で、この範囲が脳の損傷部分です。ガーンと突かれて、中の柔らかい脳が振動して
血の塊があるほうの反対側が崩れてしまいました。
骨折の直径は2cmでした。
念のため、ちびちゃんの手とか、足とかを細かく測らせてもらったんだけど
どこにも2cmって数値はありませんでした。
あなたのお客だったちびギコ達のティンポの大きさも調べたんですよ。
どうも、凶器はちびギコのティンポのようですね。大きさ的にちょうどいい。
ちびちゃんを『ギャクサツチュウ』に仕立てたかったんでしたら、残念でした。」

161 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:39 [ VwP5VfXA ]
「コノ クソチビガ ベビチャンヲ コロシタンデス!」
今度はちびのせいにし始めた母親にサスガが釘をさす。
「ちびちゃんではありませんと申し上げたはずですが?
三体のベビちゃんの受傷部位がちびちゃんの手や足でやったにしては小さすぎるんです。
それに、指や爪でやったにしては受傷部位が大きすぎます。」

彼は、モララーやレモナに筆記用具を借りて、直径2cmほどの棒状にまとめて持ち、
母親の眼前に突き出し、問い詰めた。
「三番のベビちゃんはこれくらいの太さの棒のようなもので頭を突かれて死亡しました。
ちびちゃんがあなたのお腹にいたベビちゃんに直接危害を加えたと仮定したとすると、
彼女がお腹を殴ったり蹴ったりしたか、またお腹の上に乗ったか、お腹を踏んだか、
あなたのマムコの中に手を手首あたりまで突っ込んでいたか、この4つの可能性しかないんです。あなた、身に覚えでも?」
「コノ クソチビニ オナカニ ノラレマシタ!!」

母親とサスガのやり取りを聞いていたちびは母親の嘘に、力なくうつむいてしまった。
レモナが彼女の方に手を置き、慰める。
「お母さんの嘘はサスガ君にはお見通しよ。」
「…………」
モララーが彼女のそばに歩み寄り彼女に囁いた。
「お母さんの嘘に落ち込むのは、まだ先にしたほうがいいよ。
お母さんの嘘に、サスガが反論し始めたよ。
お母さんは、また黙るかな?もう少し、見てみよう…」
ちびは、モララーの言葉に少し元気を取り戻した様子で
サスガと母親のやり取りを観察することにした。

母親にちびがお腹に乗ったと主張されたサスガは、反論を開始した。
「羊水がベビちゃん達を守っていたので、その嘘は通りませんよ。
それにお腹に乗られたら、まず、流産してしまうでしょうね。
殴った、蹴った、踏んだにしても同じです。
まず流産するか、あなたの命の方が危なかったでしょう。
それに、ちびちゃんが手をあなたのマムコに突っ込んでたにしては、
肋骨を骨折していたベビちゃん達と、このベビちゃんの遺体がきれい過ぎます。
ベビちゃんの遺体がもっとひどい状態になっててもおかしくないんだ。」

162 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:40 [ VwP5VfXA ]
「ソンナ… ソンナコトッテ…」

「ちびちゃんが指であなたのお腹を押したとか、ちびちゃんが指をあなたのマムコに突っ込んでたとかの可能性も考えました。まず、指をあなたのマムコに突っ込んでたにしては
遺体の損傷がひどすぎる。それに彼女の指じゃ次に出てくる四番のベビちゃんの遺体がいた位置にまで届かないんだ。一番長い指でも。数本の指を突っ込んで中で広げたにしても。
それに、指でお腹を押したぐらいじゃ、いくら脆いといわれているしぃ族でも流産は無いです。ちびギコのティンポしか凶器は考えられないんですよ。こんなにピンポイントに
ベビちゃん達に直接攻撃できるの。」

母親は歯をカチカチ鳴らしながら恐る恐るサスガに質問する。
「アノ クソチビガ イッテタヨウニ ワタシガ 『ギャクサツチュウ』ッテイウコトニナルノ?」

「まあ、その答えは次のベビちゃんのスライドを見てもらえば
出てくるんじゃないですか?」

サスガは吐き棄てるように答えた。

163 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:41 [ VwP5VfXA ]
カシャッ。
お腹の周りが赤黒く変色している四番のベビの全身写真がお目見えする。
「このベビちゃんは、腹部に大量の出血が見受けられました。変色している場所が
出血部分です。MRIでわからないくらい大量に出血してたんですよ。
臓器が破裂している可能性があったので臓器を直接調べました。
異常があるあなたのベビの臓器が次に出てきます。
上が健康なベビしぃの臓器、下があなたのベビの臓器ですよ。」

母親の顔色は青ざめ、もはや言葉も無い。

カシャッ。
画面が変わり、ホルマリン入りの瓶に入った肝臓と膵臓がそれぞれ一組づつ映し出される。
上の瓶には『健康なベビ―肝臓』 『健康なベビ―膵臓』と書かれた紙が貼られている。下の瓶には、『四番のベビ―肝臓』 『四番のベビ―膵臓』と書かれた紙が貼られている。
上の瓶の肝臓は、暗赤色のきれいな立体の状態をとどめている。
同様に膵臓もきれいな立体の状態をとどめている。
ところが、四番のベビの臓器は肉たたきで叩いて伸ばされたかのように平坦で、
不規則な形に広がっていた。膵臓も、肝臓もである。

「あなたでもこのベビちゃんの死因くらいはわかるでしょ。内臓破裂によるショック死です。中でも酷く損傷していたのが、この2つの臓器でした。腹部に打撃を受けたと思われるんですが、ちびちゃんが指をあなたのマムコに突っ込んだにしてはこのベビちゃんの遺体の損傷が酷すぎます。フィストファックでもさせてたんですか?まだ、ちびちゃんがあなたのベビを頃したと言い張るつもりですか?」

「クソチビガァ… クソチビガァ…」
自分のしたことを認めたくない母親は、まだちびのせいにしたいらしい。ちびを指差し、泣きながらサスガに言い張っている。
サスガはポケットに手を入れながら母親の顔を睨みつける。
「やれやれ……。ちびちゃんでは無理だと何度いったらわかるんですか。
お母さん。実はね、警察からベビちゃん達の凶器と思われるものをこっちに送ってもらってるんです。ちびちゃんの握りこぶしでは、ベビちゃんの遺体がきれい過ぎるんです。
指では、このベビちゃんがいた所まで届きません。これが一番凶器に近いんですよ。
警察から送られてきたものです。あなた、覚えがあるでしょ?」
母親の目の前にサスガはポケットに入れていたものを出した。

ピストン運動をしている電動こけしが母親の前に突き出される。
「これか、客だったちびギコ達のティンポが四番のベビちゃんの臓器を破裂させた凶器です。刑事さんがあなたを発見した時、これを膣の中に入れてたそうですね?
自分のベビちゃん達をちびちゃんが頃したってよく言えたものですね。」
サスガの言葉を聞いた母親は、ただすすり泣くしかなかった。

「最後にレモナからあなたに報告があるそうです。」
サスガに目配せされたレモナが母親のほうに歩み寄り、報告を始める。
「お母さん。ベビちゃん達の血液から、細菌が検出されました。ちびギコ達とのコウビの時に破水してたんじゃないかしら。それに、血液内から尋常ではない量の
アドレナリンが全てのベビちゃんから検出されました。このアドレナリンというホルモンは、恐怖とか、怒りとかを感じると分泌されるんです。
氏ぬ直前にベビちゃん達は尋常ではない恐怖感を味わってたんじゃないかしら。」

母親の顔色は青ざめ、言葉を出そうにも出せない様子で
しばらく口をパクパクさせていたが、意を決したように深呼吸をすると医師団に向かって、彼女は勇気を出して言葉を発した。
「ベ・ベビチャンタチニ アワセテクダサイ! カオヲミルマデ シンダナンテ シンジマセン!」
医師団とちびは両手を広げ、やれやれといった表情を浮かべた。
サスガが代表して母親に応える。
「わかりました。保存してある場所へ参りましょう。」

レモナはパソコンの操作をしていた青年に命じ、母親の椅子の拘束を解いた。
そして、彼らはベビ達が眠っている法医学棟へ向かった。

164 名前:51・法医学棟にて 投稿日: 2004/10/12(火) 22:41 [ VwP5VfXA ]
一行が法医学棟に着くと、サスガはポケットの中からカギを出し、ドアを開ける。
「こちらです。」
彼は一行を冷凍庫のあるほうに導いた。

ちびは、前にこの部屋に来た時とは違う妙な明るさを冷凍庫のある部屋に感じていた。
(何のせいでこの部屋が明るく感じるのかしら?)
ちびの表情から何かを察したのか、モララーがちびに囁く。
「工事用のシートじゃないのかな?この部屋が汚れるのをサスガ達は予測して、
シートを床に敷き詰めたんだよね。」

彼女はモララーの言葉に思わず目を見開いて下を見た。
鮮やかな水色の工事用ビニールシートが部屋一面に敷き詰められているのだ。
シートとシートの重なったところは布製のガムテープで貼ってつながれ、
隙間がないように配慮されている。たるんでいる所も無く、ぴったりと貼られているところを見ると、相当丁寧な仕事振りである。
「結構丁寧なんですねぇ。」
ちびは思わず感想をもらすと、モララーがニヤニヤしながら、
「そろそろ酵素ちゃんのお目覚めの時間だからね。」
「酵素?」
「そう。それに、もう一つ違うところがあるでしょ?」
モララーに言われてもちびにはピンと来なかったらしい。ぽかんとした表情をしていると、
彼はうきうきした表情でちびに囁く。「お・ん・ど。」
「そういえば、前にきた時より暖かい…」
「腐らないように配慮してたんだよね。腹から出した時点で既に硬直が始まってたからね。
解剖後の保存にも、気を配ったんだ。それに、自己融解も避けたかった。
遺体を母親の前で腐らせるのが目的だったから。」

「ジコユウカイ?」
首をかしげているちびに、モララーが説明を続ける。
「臓器は、もともと酵素って言うのを持っているんだよね。
ほら、消化酵素とか言う言葉聞かない?で、氏んじゃうとその酵素が臓器自身をどろどろに溶かしちゃうの。これが自己融解。とんでもない高温か0度以下の低温だと、その酵素は眠っちゃうんで自己融解は止まるんだけどね。」
「高温にしとくと腐っちゃうんじゃないですか?」
「そう。湿気があるからね。それに腐敗と自己融解って同時に起こるし。
冷凍しておけば腐らないし、それに自己融解も起こらない。一石二鳥ってやつかな。」

「でも、もう、その必要も無いわけですね。」
「そう。」
二人はニヤニヤしながら母親の観察を始めた。

165 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:42 [ VwP5VfXA ]
一方サスガは冷凍庫のカギを開け、中から4つの小さな発泡スチロールの箱を出していた。
ちびがベビ達の解剖の時に見た時は、これらの箱よりもやや大きめの箱に、二体づつベビが詰められていたのだが、1体づつに分けられたようだ。
「前は二体づつ一つの箱に詰められてましたよね?」
ちびがそばにいたレモナに尋ねると、レモナは彼女に耳打ちした。
「ええ。解剖後に、1体づつにした方がいいってサスガ君が言ってたの
あまりにも、むごい氏に方だったんで、せめて最後くらいは…って思ったらしい。
それと、1体づつ4つの箱に詰めた方が母乳をボランティアのお兄さん達に多く渡せるのよね。」
ちびは思わず苦笑いを浮かべた。

4つの発泡スチロール製の箱にはそれぞれ赤いマジックで1・2・3・4と番号がふってあり、番号順に一列に並べられていた。
「全員、女の子さんでした。彼女たちがマターリの神様とやらの所に逝けるように
祈りくらい捧げてあげて下さい。」
サスガは母親に冷たい目で言い放ち、遺体がある机からちび達がいる方へ歩いていった。

母親は、発泡スチロールの箱のふたを全て開け、まず一番のベビを抱き上げた。
「ヤット アエタワネ ベビチャン。 ホラ オパーイ アゲルカラネ… サムカッタデショウ? ママガ アタタメテ アゲマスカラネ。」
ベビの紫色の唇に自分の乳房を押し付けるが、飲むわけが無い。
「オパーイ イラナイノ? ウンチサンカナ? 」
排便を促そうとベビの肛門をなめ始めたとたん、
プリンの様な柔らかい物を崩したようなグチュグチュッという音が聞こえた。

「イヤアアアアアア」
とたんに母親は、一番のベビを投げつける。
「自分が産んだベビなのに、何て事をするのよ!
*が無いからって投げること無いじゃない!」
ちびが罵声を投げつけるが、母親は無視して二番のベビに語りかける。
「アナタハ ママノ オパーイヲ ノンデ クレルワヨネ…… シィィィィィィィィ!!!!!!!」
乳房を押し付けられた二番のベビの唇がグチュッという音とともにはがれ、
肉が露出している。
「キモイ!!! アンタタチモ ギャクサツチュウダヨ!! ヤット ママト アエタノニ ナンテイウ シウチヲ スルノォ!!!!」
二番のベビまで、机に叩きつけてしまった。

一番と、二番のベビは机に叩きつけられ、顔は変形してしまった。
相当強く彼らの口元に乳房を押し付けたらしく、二体とも唇あたりの皮膚がずるむけになり、中の筋肉層が露出している。おまけに一番のベビは、尻の肉まで崩れていた。
両手、両足はベビとは思えないほど伸びきっており、腕や足はありえない方向に向いている。おまけに腐敗や、自己融解が始まったらしく、あたりに強烈な臭いが漂い始めた。

166 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:43 [ VwP5VfXA ]
母親は、二体のベビのことなど眼中に無い様子で三番のベビを抱き上げた。
「ベビチャン イタカッタデショ? コンナイト ハズシテ ママガ ペロペロシテ アゲマスカラネ。
イタイノナンテ トンデッチャウンダカラ… 」
観察していたレモナとサスガは思わず息を呑んだ。ベビの頭周りの皮膚を縫いつけていた糸を母親は爪や歯で切り、そして糸を抜き始めたのだ。

「お母さん。や…」
レモナが全ていい終わらないうちに頭蓋骨が机の上に軽い音をたてて砕けた。
糊の様にどろどろの脳が机にこぼれると、母親は絶叫し、またもベビを机に叩きつけた。

「ちびちゃん、お母さんは…」
サスガが、彼女に話し掛けると彼女は悲しそうな表情で首を振り、
机を指差しながらため息交じりにサスガに呟く。
「昔ありましたよね。育成型のゲーム。たま○っちでしたっけ?
全員あんなふうに酷くして、『フッカツ シテクダサイ』で、リセットできるとでも思ってるのかしら?復活なんてしないのにね。それに、自分の罪は消えないのにね………
………………………………。
あ、母ですか?正気は失っているでしょうね。完全に彼女を壊しますんで心配しないで。
あのね、先生。壊した後の使い道も考えてるんだ。ハハハ………」
レモナ、モララー、サスガはちびが最後に浮かべた微笑が妙に悲しく見えた。

一方、母親はといえば、四番のベビに向かって語りかけている。
「ベビチャン アナタハ ホカノベビチャンタチト チガッテ ママニ 『 チィ 』ッテ ナイテクレルワヨネ?
アナタハ ホカノ ベビチャンタチトハ チガッテ コワレタリ シナイワヨネ?
サァ オパーイ アゲルカラ。 ママノ オパーイ キョウハ ジカニ アゲラレルカラネ……」

口も開けるはずは無い。チィなどと鳴くはずも無い。
手足をばたつかせたり、体を動かずはずなど到底ありえない。
だが、母親は菩薩にも似た穏やかな表情でベビに語りかける。
「ベビチャン? ベビチャン? オパーイ イラナイノ? ナンデ オメメ アケテクレナイノカナ?」
歌を歌ったり、ダッコしているベビをゆっくりと揺らしてみたりもするが、
当然反応はない。
2~30分もすると母親の表情に焦りが見え始め、ベビに対する口調も詰問口調に変わっていった。彼女はベビの体を激しく揺さぶりながら、語りかけ続ける。
「ベビチャン!? ドウシテ 『 チィ 』ッテ ナイテクレナイノ? アナタマデ ママノコト バカニシテルノネ?」
2~3分ほど、母親はなにやらベビに向かってわめきながら体を激しく揺さぶり続けると、
ベビの首のあたりからなんとも嫌な音が聞こえてきた。

167 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:43 [ VwP5VfXA ]
「折れたか。」
モララーが呟くと、レモナも首を横に振りながら、
「あ~あ。せめてきれいな形でお別れくらいはさせてあげようと思ったのに。」
サスガも無言でうなだれている。

ちびは、彼らに対し恐縮しながら、
「先生方、本当にすいませんでした。サスガ先生にはさらに謝らなければいけませんが、
少し床を汚していいですか?自分をしたことのけりをあの女につけさせてやりたいんです。」
モララーは思わず、目を輝かせる。
「ちびちゃん、あれか?『完全に彼女を壊す』って言ってたの、これから始めるのか。
何か必要なものはあるかい?協力するよ。サスガもいいだろ?」
サスガは肯いた。表情も少々明るくなったように見える。

「で、何が必要かな?」
ちびがモララーに必要なものを囁くと、モララーは必要なものを調達しに退出した。

168 名前:52・復活してください 投稿日: 2004/10/12(火) 22:44 [ VwP5VfXA ]
「チビチャンニ タノンデ カワイイ ベビチャンニ フッカツシテモラオウネ。 ママ タノンデクルカラ チョット マッテテネ」

四番のベビまで机に叩きつけた母親は、媚びた表情を浮かべてちびの元に歩み寄る。
そして、彼女が今まで聞いたことがないような声でベビ達の復活を頼んだ。
続けて母親は、ベビ達が復活した後の彼女の夢をとうとうとちびに語り、
「 チビチャンモ イモウトタチガ ユウメイニナルノハ ウレシイワヨネ。
ベビチャンノタメニ ドレイノヨウニ ハタラケルノハ シアワセヨネ。 」
と、あまりに虫の良すぎる言葉で結んだ。

サスガは、悲しみが込み上げて今にも泣き出しそうなくらい
目を充血させて母親を見ていた。
レモナは、怒りのあまり歯を食いしばっていた。

ちびは笑顔を浮かべて、母親と一緒に遺体が散らばっているところへ行き
母親を抱きしめて、耳元で言葉を発する。
その言葉は『復活してください』ではなかった。

169 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:45 [ VwP5VfXA ]
「ママァ… ママァ… ナンデ ワタシタチヲ コロシタンデチュカ?」
ニコニコと笑みを浮かべながら彼女は恨みの言葉を母親に投げかけた。
まるで、机の上に散らかっているベビ達の心の中を見透かしているかのように。
母親が悲鳴をあげるが、ちびにはお構い無しだ。
「チィタンハ オモチデチュカ? ママノ オナカノナカデ マターリシテタノニ
ナンデ ボウノヨウナモノデ ボコボコニサレナキャ イケナイノ?」

「ママハ ワルクナイ!!! アンタガ 『カネヲ カセゲ』 ッテ イウノガ イケナイノヨ!」
ちびの手をほどこうとした母親だったが、必死にちびは母親を抱きしめている。
サスガがちびに加勢し、彼女に目配せをした。
二人で母親の動きを封じると、ちびは母親に恨みの言葉を発し続ける。
母親は、なおもベビ達を『復活』させようと、必死でちびに迫る。

「タトエ フッカツシタトシテモ ママニ カンシャナンテ シマチェンヨ。」
ママハ チィタンタチノコト アイシテナインデチュカラ。」

「ハヤク 『フッカツシテクダサイ』ッテ イイナサイ!!!」

「キケイノ オネエチャンニ  チィタンタチヲ フッカツサセルナンデ デキルワケガ ナイデチョ! ママハ オネエチャンノコト イツモ 『キケイ』ッテ イッテタジャナイデチュカ!」

「ベビチャンタチガ フッカツスレバ ママノ シタコトハ スベテ ユルサレルノ!
ダカラ ハヤク 『 フッカツシテクダサイ』 ッテ イイナサイ!! 」

170 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:46 [ VwP5VfXA ]
笑みを浮かべながら母親に対して恨み言を言い続けていた
ちびの表情がこわばった。
この女の命に対する考え方は、こんなにも軽軽しいものだったのか。
まるで、育成型のゲームでキャラクターを氏なせてしまい、『リセット』を
しきりにせがんでいる子供のようではないか。
一度氏んでしまったら『復活』なんてありえないのに…
命は『リセット』なんでできないのに…

「てめえの罪はなぁ、消えるわけがねぇだろうがぁああああ!!!!!」
ちびは母親を怒鳴りつけ、頬を平手打ちする。
「アニャァ?? ヒドイ! ヒドイヨ! チビチャン!!! チビチャンダッテ シィチャンナンダヨ?
『フッカツシテクダサイ』ッテイエバ ベビチャンタチト マターリデキルノニ! 」
虫のいい事をまたも言い続ける母親に対し、ちびは言葉を無くしてしまった。

サスガが、ちびに代わって口を開く。
「お母さん?一度失った命は復活なんてしませんよ?
それに、ベビちゃん達が復活すればあなたがベビちゃんにした
酷いことが許されるってあまりに虫がよすぎませんか?」
レモナがサスガに続いた。
「マターリの神様の中のしぃが、あなたのベビちゃんを復活させてくれるとでも?(笑)
いい加減にしなさいね。あなたのベビちゃんは氏んだの。あなたに頃されたのよ!!」
「ナカノ シィナンテ イナイモン!!!」
抗議する母親に対し、レモナは続けて鋭い言葉を投げた。
「マターリの神様とやらに頼んでも無駄でしょうね。あなたがベビちゃん達にした残酷すぎることを全てご覧になっていたでしょうから。」
母親は歯を食いしばり、レモナを睨みつけた。

モララーが数名のボランティアの青年とたくさんの刃物を持って到着した。
彼らはしばらくサスガ達のやり取りを聞いていたが、やがてモララーが口を開いた。
「お待たせ。なんかすごい展開になってるね。ちびちゃん、『復活の儀式』とやらを
そろそろお母さんのために、始めてあげたら?頼まれたものを持ってきたからね。」

ちびは、モララー達に近寄るとそれぞれの青年達に指示を出した。
ちび流の『復活の儀式』とやらを始めるために。

171 名前:53・復活の儀式 投稿日: 2004/10/12(火) 22:46 [ VwP5VfXA ]
「これから、復活の儀式を始めます。では、皆さんお願いしますね。」
ちびに指示された青年達はそれぞれの持ち場につく。
青年たちはまず、暴れる母親を押さえつけてベビ達の遺体がある机に仰向けに寝かせた。
右手と右肩を押さえつける者、左手と左肩を押さえつける者。
母親の首を少し前方に傾け、出産後のベビとの『ご対面』もどきの準備をする者。
モララーとレモナが二人がかりで、母親の両足を力ずくで揃えると、
ビデオの撮影係Aが彼女の両足の上にまたがる。母親の表情の撮影準備は万端だ。

母親は、ちびの口から『復活』の言葉を聞くと
とたんに顔を輝かせて、ちびに対して注文をつけ始めた。
「ハニャ? ヤット ベビチャンタチヲ フッカツサセルキニ ナッテクレタノネ?
コンドハ *ノアル ベビチャンニ フッカツサセルノヨ! ショウライ ベビチャンタチハ アイドルニ ナルンダカラネ!」
「わかったわよ。復活させればいいんでしょ?」
母親の注文にちびは投げやりに答えた。

「ちびちゃん、早く『復活』させてあげよう。ビデオも撮ってあげようね。」
うきうきしている表情のモララーに急かされたちびは、まだ指示を出してない青年に
耳打ちした。青年はニヤニヤしながら、ベビの顔を母親の顔に対面させるように
とりあえず腹の上に置いた。

「じゃあ。復活させましょうか?」 
ちびとモララーが青年に目配せすると、青年は小さな鋏を持ちちびに微笑みかけた。
「こちらも準備完了です。カメラ回しますね。」
撮影係の青年も、ちび達に合図を送る。

172 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:47 [ VwP5VfXA ]
「では、始めます。復活してくださぁ~い。」
パチッ。
ちびの『復活』という言葉を聞いた
鋏を持った青年がベビの首の後ろを持ち、一回でベビの右腕を切り落とす。

「お兄さんすごーい。」
目をきらきらさせて喜ぶちびに、腕を切り落とした青年ははにかんだ笑顔を見せた。
「今日は、ベビだからやりやすいだろ?」
モララーが彼に聞くと、彼は笑顔で首を激しく縦に振る。
彼はちびにこの青年について簡単な紹介を始めた。
「いつもは、成体のしぃの死体処理をしている人なんだ。しぃやちびしぃで『同族食い』から逃れる遺体もあるんだよね。きれいな状態で残っちゃう遺体。で、この人がいる処理班に来てもらって…」
「細かく刻むと、火の通りっていいですもんね。」
ちびが、モララーの言葉に相槌を打つと、モララーは微笑みながらうなずいた。

「シィィィィィィィ!! ナンナノォ! コレハ ナンナノォ????」
絶叫する母親に、ちびがあっさりと答える。
「細かく刻んで、灰にしてからコンクリートの一部にでも
『復活』してもらおうと思ってるんですが何か?」
「チガウデショ? チビチャン。 ベビチャント ママハ アイドルニナッテ ソレデ カチグミニナルノ。
ベビチャンハ イキテナイト コマルノヨ!!!」
「ハァ?あんたみたいな寄生厨の娘がアイドルに?
それに、あんたとベビの奴隷になるなんで嫌だし。」
「オナガイ チビチャン。 ベビチャンヲ イキテ フッカツ シテアゲテ チョウダイ…
ベビチャンガ イキテサエ イテクレタラ チビチャンハ スキニ シテクレテ イイカラ
オカネサエ ママニ クレタラ イイカラ」

母親の懇願を無視し、ちびは、冷笑を浮かべながら青年に指示を出す。
青年は、ベビの切り落とされた側の腹のあたりを持ち、次の指示を待っていた。
「復活してくださぁ~い」
パチッという音の後に、母親の腹の上にポトッとベビの左腕が落ちる音がする。
毛が生えそろっていれば、クッションの役割をして音もしないのであろうが、
まだ、母親の腹部には完全に毛が生えそろっていたわけではなかった。
絶叫する母親を、ニヤニヤしながらちびは見ていた。

173 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:48 [ VwP5VfXA ]
「ベビチャンノ オテテ ガァ… ベビチャンノ オテテ ガァ…」
「ほら、ベビチャンノオテテよ?」
ベビの切り落とした両腕を、ちびは母親の眼前に突きつける。
「好きにしていいから金だけよこせぇ?またずいぶんと虫のいい『オナガイ』ねぇ。
私に寄生してとことんしゃぶり尽くすつもりね?
私はあんたがすき放題やるための道具じゃないわよ。」

彼女はベビの両腕を透明なごみ袋に入れた後で、
鋏を持った青年から両腕を切り落とされたベビの遺体を借りた。
遺体を母親の眼前に突きつけながら、ちびは笑いながら話を続けている。
「ほら、ベビが泣いてるわよ。『チィタンガ シンデカラモ ツライメニ アウノハ
 ママノセイデチュ』ってさ。」
「チガウ! ギャクサツチュウノ アンタノセイヨ!!」
「あのね。もともと*がないベビが、*をつけて生き返すのは『フッカツ』って言わないの。
別のベビに『つくりかえる』って言うのよ。それに、一度氏んだベビはもう生き返らないの。わかるでしょ?ばらばらに刻んで、灰にして貰おうね。」
笑みをたたえ、ちびは母親に諭すが母親は聞く耳をもたない。
おまけにちびに向かって、悪態をつく始末だ。
「ベビチャント ママハ カコイイ ギコクント ケッコンスルンダカラ。 アンタミタイナ キケイノ バケモノハ ジゴクニ オチルトイイワ!」

「ふーん。」
ちびは母親の戯言を聞き流し、ベビの遺体を青年に渡す。
青年はベビの顔を、母親の顔に対面させるように持ってちびに微笑んだ。
「復活してくださぁ~い。」
パチッ。
右足が母親の腹の上に落ちると、ちびは、青年に続けて指示を出す。
「お兄さん。今度は、ベビの顔に*をつけてあげてくださいね。」

174 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:48 [ VwP5VfXA ]
「ちょっと待ってね。刃物を替えるからね。」
青年は、持っていた鋏を一旦机の上に置き、メスをもって現れた。
「ア…ア…」
「何?まだ妄想を語りたいの?下手に動くと『ベビチャンノアンヨ』が
床に落ちるでしょ。それとも、『ベビ達磨』が見たいから、早く左足を
切って欲しいのかな?」
言葉を無くしかけている母親にちびはなおも追い討ちをかける。
「『復活』なんて甘い考えをまだ持つつもりなら、『4体のベビのミンチ』を
あんたに食わせてやるからね。肉は腐りかけが一番おいしいって
グルメは言うけど、これは、完全に腐ってるから(笑)。」

「まだベビが生き返ると思ってるの?ちびちゃんが『復活』って言葉を口に出すたびに
あなたのベビちゃんが、『復活した姿』とは、程遠くなってるよね。」
モララーが母親に話し掛けると、母親はまだ、希望を棄ててはいないらしく
モララーに自分の夢を聞かせ始めた。
「ベビチャント シィチャンハ アイドルナンダカラネ! タクサンノ ギコクンタチガ シィチャンヲ ダッコシテクレルンダカラ。
チビチャンガ 『フッカツシテクダサイ』 ッテ イエバ シィチャンノユメガ カナウノニ…」
「『シィチャント ベビチャン』ばっかりで、ちびちゃんは蚊帳の外かい?
ちびちゃんの憎しみが、漏れにはが手にとるようにわかるよ。
こりゃ、『ベビミンチ』がママの口に運ばれそうだな…」
モララーが肩をすくめて呟くと、母親は聞きたくなさそうにモララーから顔をそむけた。

「そろそろ1体目が終わりそうですね。調理方法考えた方がいいですかね?」
用意を終えた青年とちびが、片足だけ残っているベビの遺体を持って現れた。
ちびに尋ねられたモララーは、少々不満そうな表情で返答する。
「脳出しのベビ以外は、定番の『耳もぎ』ができるじゃない。『オメメ』はもう
えぐれないけどさ。水分が蒸発しちゃったから。
ちびちゃん、もうちょっと時間をかけても大丈夫だよ。」
「薄切りの肉ができた状態でもよかったですね。調理方法を考えるのは。
ちょっとせっかちだったかな。」
ちびはぺロッと舌を出し彼に微笑むと、モララーは満足そうな表情でちびに微笑み返した。

「チビチャン オナガイ ベビチャンタチヲ イキカエラセテ。 ママト ベビチャンタチハ アイドルニ ナル…
シィィィィィ!!!!! ヤメテェエエエエエエ!」
頬筋に沿ってナイフが入ったサクッという音と、頬周辺の筋繊維が切れたぷちっという音をさせながらベビの右頬に、*印が刻まれる。ちびは、『復活』の言葉の後に*印を刻んでもらいたかったらしく、少々むくれながら青年に不満を漏らした。
「お兄さん、あんまり早いと嫌われちゃうぞ!
『復活してください』って言ってからにして欲しかった~。」
青年は笑いながら謝罪し、反対側の頬に*印を刻むのはどうかとちびに提案すると、
彼女は機嫌を直した。彼女は青年に合図を送る。
「じゃあ、いくね。『復活してくださ~い』」
彼は、今度はちびの言葉にタイミングを合わせてベビの左頬に*印を刻んだ。

175 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:49 [ VwP5VfXA ]
「ちびちゃん、ちょっと遊ばせてもらえないかな。」 
ナイフを持った青年の申し出にちびは少々面食らった表情を浮かべ、彼に質問した。
「何をして遊ぶんですか?」 「顔肛門ごっこ」
彼の答えに、ちびは思わずにやける。
「いいですよ。ただし、母親に見せながら遊んでくださいね。
でも、オミミを切り刻んでからじゃなくてもいいんですか?」
彼は、「お口を開けられないからね。」と残念そうに返事をした。

ちびの許可を貰った彼は、ちびの合図を待たずに切ってしまったベビの右頬を母親に見せ、
もう少し頬の傷を深く切り裂いた。絶叫する母親に彼は首を横に軽く振りながら
笑顔で話し掛ける。
「お母さん、お宅のベビちゃんが『アイドル』として、ダッコ以外に
初めて人の役に立つとこじゃないですか。もっと嬉しそうに見てもらわないと。
記録係さん、顔肛門のアップお願いしますね…」

彼は、ベビの右頬を切り裂いてできた穴に小指を出し入れしながら、母親に続けて語る。
「しぃちゃんやベビしぃちゃん・ちびしぃちゃんの顔肛門に
こうやってティンポをぶち込むことを望んでいる変態が
この映像を見ながらセンズリこいてますよ…
ほら、画面の向こうの変態が*のあるしぃちゃん達をマンセーしてますよ?」

「チガウノォ… シィト ベビチャンハ タクサン オウタヲ ウタッテェ… オドリモ オドルノ…
エイガトカニモ タクサン デテ… タクサンノ ギコクンガァ… 」

すすり泣きながら抗議する母親に、さらに青年は追い討ちをかけた。
「心配しないで。あなた達は十分変態達に『マターリ』を供給してます。
騒々しい歌や、ワンパターンの踊りよりもこっちの方が十分世の中の皆様のお役に立ってますよ。だって、変態たちが楽しんでくれることによって一般の人たちに被害が及ぶのが
減るんですもん。」
「変態達が一般人に及ぼす被害と、*があるアフォしぃが一般人に及ぼす被害、
両方減るんなら、一石二鳥ですね。」
ちびが青年の言葉に同意すると、彼はナイフを鋏に持ち替えて、
「達磨、いっとくぅ?」と、彼女に次の合図を促していた。
ちびは彼に、「いっとくぅ!」と返答した後、皮肉な合図を彼に送った。

176 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:50 [ VwP5VfXA ]
「復活してくださ~い」 パチッ。
ベビ達磨が1体出来上がった。
「ベビ達磨、いっちょあがりぃ。ちびちゃんどうする?オツムも切っとく?」
「もちろんですよ。肉を削ぎ落とすには、パーツは小さい方がいいですし。
その前に、オミミをもいでからですけどね。」

「ギャクサツチュウ…」
「酷いわねぇ。自分がベビの遺体を机に投げつけてたことは棚に上げて、
私のことを『ギャクサツチュウ』だなんて。私がやってるのは単なる『遺体の処理』。
『虐殺』じゃないわよ。それに、『復活』なんて私にはできないもの。
無理なことを私に強いて、できないからってギャクサツチュウ呼ばわり?
本当に最低よね。」
「ちびちゃんじゃなくたって、氏んだのを生き返らせるなんて事できるわけないのにね。」
青年がちびに相槌を打つと、母親は青年を一喝し、ちびにまたも媚びた口調で懇願する。
「キモオタハ ダマッテナサイヨ! チビチャン オナガ~イ。 ベビチャンタチヲ イキカエラセテチョウダイ。
シィチャント ベビチャンハ アイドルニナルンダカラ。 タクサンノ ヒトタチヲ タノシマセル ギムヲ ハタサナケレバ イケナイノ。
ダ・カ・ラ・ネ! イキカエラセテ」

彼女は、キモオタと言われた青年に謝罪した。
「お兄さん、母親の無礼を許してくださいね。」
彼はちびに微笑み、言葉を返す。
「ちびちゃんが詫びるべき事じゃない。この人に謝罪と…」
「賠償はベビ全員の顔肛門ごっこで。オミミは口内に入れられないですが(笑)」
ちびの素早い返しに青年は爆笑した。

「たくさんの変態を楽しませる義務は果たしているわけだから、いいじゃ~ん。
変態達のアイドルで十分でしょ?それに、無理なものは無理だし。」
ちびの笑顔の拒絶に、彼女は娘を怒鳴りつけた。
「ナンデ? ナンデ ベビチャンタチヲ フッカツデキナイノ?
ママノ マターリヲ ジャマスル アンタハ ギャクサツチュウダヨ!」
「あたし虐殺厨だも~ん。だから、ベビを復活させるなんてできない。
だからね、ベビをばらばらにしてねぇ。
あんたの夢もねぇ、粉々に壊してやるんだ。」
「ソ・ソンナ…」
母親は言葉を失った。

呆然としている母親の表情を楽しみながら、ちびはベビの解体を青年に指示する。
「お兄さん、お次は耳もぎで。準備はいいですか?」
ちびに聞かれた青年は、鋏を持って微笑む。
彼女は、OKの合図だと察し、すぐに合図を彼に送った。
「復活してくださ~い。」 パチッ。 パチッ。
ちびは切り落とされた両耳を母親の眼前にひらひらさせながら、冷たく言い放った。
「ベビ達の復活の妄想もこうしてばらばらにしてあげる。
アイドルの夢もまだ持ってるんだったら、ばらばらにしてあげるから。」

いったん、ちび達はモララー達とのベビの解体についての打ち合わせのため
母親のもとを離れた。達磨状態で顔と体の肉を削いだ方が作業が楽ではないのかという
モララーの提案があり、解体担当の青年が検証したいと言い出したためである。

177 名前:54・祈り 投稿日: 2004/10/12(火) 22:50 [ VwP5VfXA ]
あの子は妹達を『復活』させず、全員灰にするという。
その上、『復活』という言葉をキーワードにして、私の目の前で妹達を解体したのだ。
娘は虐殺厨に洗脳されたのだろうか? 
それとも、私があの子に何かひどいことをして、復讐されているのだろうか?
母親にはわからなかった。

自分の心を静めるため、そして娘が考えを改めてくれるように、
母親はマターリの神に祈りを捧げていた。とはいっても、
体を押さえられていた為、黙祷という形でだが。

「神様、どうかベビちゃん達を復活させてください。どうか、チビちゃんの考えを変えてください。あの子は、妹達を全員解体して私に肉を食べさせると宣言しました。
そして、妹達を灰にして、コンクリートにするそうです。
こんなのマターリじゃないです。
もし、チビちゃんが考えを変えて妹達を復活させてくれたら、
私とベビちゃんはアイドルになって、お歌をたくさん歌います。
そして、ダッコもたくさんしてもらって、たくさんのしぃちゃんのファンから
お金をもらって、そのお金からたくさん神様に寄付をします。
どうか、どうか、ベビちゃん達を生き返らせてください…」

178 名前:55・終演 投稿日: 2004/10/12(火) 22:51 [ VwP5VfXA ]
「達磨状態の方が、肉を削ぎやすかったですねぇ。」
「だろ?」
「で、残り一体を母親の前で解体して…」

モララー達が検証作業を終え、母親のいる部屋に戻る途中にかわされた会話である。
どうやら、ベビ達を『どのように再生させるか』について話しているようだ。
モララーがちびに内臓や、骨の処分について聞いた。

「こてっちゃんや、骨はどうする?」
「そりゃ、全部食べさせますよ。母は骨粗しょう症が気になるお年頃ですし(笑)」
「アハハハハ。ベビ4体じゃ、たいした骨粉も取れないからな。それいいアイデアだね。」
ちびの返答に、モララーは満足そうにうなずいた。

彼らが母親のいる部屋に着くと、母親は妙に落ち着いた表情をしている。
ちびはすぐに感づいたようだ。彼女は笑みをたたえながら、母親に話し掛けた。
「お母さん。三体のベビの肉と臓物を全部骨から外したところよ。これから、もう一体を解体するの。もう少しでベビのハンバーグができるから待っててね。
ソースは甘めにしておくからね。」

「アニャァ! コンナノ マターリジャナイヨォ!」
母親は身をよじりながらちびに抗議するが、ちびは無視してさらに続ける。
「骨は粉々にしてコンクリートにしてもらおうと思ったんだけどね、
4体のベビの量じゃ、たいした灰が取れないって言われたの。
それにレモナ先生から教わったんだけど、ベビを産んだあとってお母さんの骨の中のカルシウムががんがん減ってってるんだってさ。授乳とかで。だからね、骨もすりつぶしてカルシウムたっぷりのハンバーグ作ってあげるからね。」

179 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:52 [ VwP5VfXA ]
彼女は母親に「ほら」と透明なレジ袋を見せると、
袋の中には小さな骨盤と頭蓋骨が3体分、そして大腿骨が6本、
ほかにも小さな骨片が入っている。手間を省くため、あらかじめ砕いたものであろう。
もうひとつの袋の中には、まだ白い毛が混ざっている状態で薄い肉や臓物が入っている。
色あせたピンク色の肉や、腐敗して茶褐色に変色した肉の色と、毛の白が絡まり、奇妙なマーブル模様を作り出していた。

「アニャァ…」
ちびは、腹部に縫い目のあるベビを母親の目の前に出し、微笑んだ。
「でね。これが、最後のベビ。これを解体して、それからハンバーグの調理に入るのよ。
内臓も、骨も一緒に料理するから栄養たっぷり(?)よ。全部食べてねぇ。アハハハハ。
お兄さん、これで最後です。御願いしますね。」
解体役の青年はちびからベビを受け取り、刃物を持ち待機していた。

「コンナ コトッテ… カミサマ ナンデ ワタシヲ オミステニ ナッタノデスカ?」
あさっての方向を見て呟いた母親にちびは笑いながら彼女の目をしっかり見て答える。
「マターリの神様なんて元からいなかったからじゃない?それか、あんたがあまりに身勝手な祈りでも捧げてたんで神様は怒ってあんたの元から去ったのかもね。」
母親は目を潤ませながらちびを見ていた。

「そんな目で見ても、無駄無駄無駄ぁ!さぁ、『ベビバーグ』の準備を急ぎましょ。
お兄さん準備はOK?」
青年がうなずくと、彼女は皮肉な呪文を母親の目をしっかり見て唱え始めた。
「復活してくださぁい」 パチッ。
彼女の呪文を合図に、青年はベビの遺体の右腕を切り落とした。

「アニャ… アニャアアアアアアア モウ ヤメテェエエエエエエエエエエ ベビチャンヲ ラクニ シテアゲテェエエエエエ
モウ チビチャンニ 『ベビチャンヲ フッカツサセテ』ナンテ イイマセン!
チビチャンハ ママノ ドレイナンカジャ アリマセン! チビチャンカラ オカネヲ トロウナンテ オモイマセン!
ダッコシテアゲルカラ オナガイ…」

180 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:52 [ VwP5VfXA ]
悲鳴をあげながら今までの自分の言葉を否定し続けた母親に対して、
ちびは冷たい返事を返す。
「どうせ、また産めばいいって思ってるんでしょ?
だからさ、あんたが頃したベビ達にあんたの体の一部として、『復活』してもらってぇ。
いつまでも、罪の意識を持っててもらおうと思うのよ。
さて、続けるわよ。お兄さん、準備はいいですか?」

彼がうなずいたのを確認したちびは、もう一度呪文を唱えた。
「復活してくださぁい」 パチッ。

「イチド ナクナッタ イノチハ モウ モドリマセン! 『ベビチャンタチノ フッカツ』ナンテ ママハ モウ ノゾミマセン!
ベビチャンヲ コロシタツミハ ママノナカニ イッショウ ノコリマス! チビチャンニ キセイナンカセズ ママハ ジブンデ イキテイキマス!
ダカラ ダカラ モウヤメテ クダサイ オナガイ シマス…」

両腕を切り落とされたベビを見ながら、母親はおびえた表情で口走るが、
ちびは容赦せずに、青年に指示を出した。
「そろそろ最後にしましょうか?次で達磨にしちゃってください。
いや、お腹のガーゼを出してから、お腹に指数本出し入れするのも面白そうですね。
顔肛門ごっこ、これで最後になっちゃいますよ?お兄さんどうします?」
「両方で。夕食ぐらいには余裕で間に合うでしょ?ちょっと遊ばせて貰っても。」
「十分間に合う時間ですよ。2体分の顔肛門ごっこできなかったですもんね。
見せながらやってくださいね。」

ちびの許可を得た彼は楽しそうにベビのお腹のホチキスを外し始めた。
全てお腹の中に入っていたガーゼを取り除くと、彼は母親にベビのお腹の中を見せ、何もない腹の中に三本の指を出し入れしながら、楽しそうに語った。

181 名前:耳もぎ名無しさん 投稿日: 2004/10/12(火) 22:53 [ VwP5VfXA ]
「このベビちゃんは指を3本くらい出し入れできますね。
こてっちゃんがある状態で、もう少し新鮮な遺体だったら確実に抜く香具師いますよ。
こうやってティンポ出し入れして。(笑。)
モララーさん達笑ってるけどさぁ、現にいたんですよ。
ベビの遺体の腹掻っ捌いてオナホール代わりにして抜いた香具師。
そいつが言うには、こてっちゃんがヒダヒダみたいになってて、
血がローション代わりになって気持ちよかったそうですよ。
え?小さすぎるだろって?そうなんですけどね(笑)
背中まで突き破ったって言ってました。」

「ヒドイ! ヒドイヨォ! シィチャンタチハ…」

「アイドルなんでしょ?生きてる間は役立たずでも
氏んでから(変態の)男達を楽しませてるんだもんね。偉大だよね。しぃちゃん達って。
もちろん、ちびしぃちゃんやしぃちゃんの遺体で抜く変態もいましたよ。
そっちのほうがいろいろ遊べて楽しかったらしいです。いろいろなところに
入れられるからね。」

彼は、ベビの遺体の左頬に*印を切り刻み、さらにそこにできた穴に
小指を出し入れしながら続けた。
「お母さんさぁ、しぃ族ってギコ族の間でなんて言われているか知ってる?
『氏んだしぃと*印の無いしぃ、でぃは良いしぃ族だ』って言われているらしいよ。
そこまで言うかって最初思ったけど、あちこちでギコ達相手にケツ出してるの見たりとか、あと逃げ回ってるちびギコ捕まえて輪姦してたしぃ達も見てたらさぁ
最近奴らが言うのも、もっともだって思うようになったよ。」

「シィハ… シィハ… マターリシタカッタ ダケナノニ…」

「しぃたちのマターリが、ギコさん達にとっては、恐怖の時間だったんですよね?
一度、母さんがギコさん相手にお尻出してるの見た時、ギコさんが本当に嫌そうな表情してたんですよ。それを見てそういう事はしちゃいけないんだって思いました。
母が、私にしてくれた教育ってそれくらいかしらね。」

「反面教師ってやつだね。大切なことを学んだね。ちびちゃん。
そろそろ、これを達磨にしようと思うんだが、呪文はOK?」
青年の求めに従い、彼女は最後の呪文を唱える。
「OKですぅ。『復活してくださ~い。』」
パチッ。パチッ。

彼は両足を一気に切り落とし、ベビ達磨を一体作り上げた。
「お耳は切り落としてないけど、これで調理に行っちゃっていいの?」
青年の問いにモララーが答えた。
「かまわないよ。調理のところも母親に見て貰って、それから試食もしてもらう。
とりあえず、お母さんが投げたベビの腐汁の処理と、
ここで彼女が垂れ流しまくった糞尿の処理を頼むね。
体を洗ってから、拘束衣を着せて、外の臨時調理場に連れてってね。
人数足りないだろうから、手の空いてる人たちに手伝ってもらって。」

解体を担当していた青年はモララーの指示に頷き、そしてちびに感謝の言葉を述べた。
ちびはこちらこそ、と彼に頭を下げる。

医師団に退出を促されたちびは、部屋の掃除をしている青年達に何度も頭を下げ
法医学棟を退出した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
今回の引用
山口椿さんの著書
鈴木葬儀社さんのHPより 死体現象

次回『料理番組ごっこ』より始まります。

次回:擬古田薬品 (9)