ストーリーミッション/王都陥落1

ソーマ

（お城が、王子のお城が燃えて……。）

……いけない、泣いてる場合じゃないですよね。
今は皆を逃がさないと！
皆さんこちらです！　中庭から外に抜けられます！

警備兵A

ぐっ……あんたは……メイドのソーマさんだったか？
すまない、避難誘導は警備兵の役割なのに……。

ソーマ

今日は非番だったので、こんな格好ですけどね。
さぁ立ってください、ここもすぐに戦場になります！

警備兵B

はは……メイドに叱られてたら、
警備兵を名乗っていられなくなるな……。

だが、ここを捨てるわけにはいかない。
今、王宮に救出部隊が向かっているんだ。
中庭を魔物に明け渡したら、脱出路がなくなってしまう。

ゴブリン

ギャギャ！　コロセ！　コロセ！！

警備兵A

……ちっ、来たか魔物め。
あんたたちは逃げろ！　ここは俺たちが──

ソーマ

だめです、もう囲まれて──

王子

──ッ！！

ゴブリン

ギャーッ！？

ソーマ

お、王子！？　どうしてここに……！？

王子

……無事か、ソーマ。

ソーマ

は、はいっ！　無事です！　ぴんぴんしてます！！

警備兵A

王子、微力ながら、背中をお守りします。
我ら警備部隊、最後の時まで王家に忠誠を！

ソーマ

王子、私も戦います！
これでも弓の心得がありますから！

王子

…………（こくり）

ソーマ

はぁ……はぁ……っ！
ま、まだ魔物が向こうから……。

警備兵B

救出部隊はまだ戻ってこないのか……！
国王陛下、王妃様……どうか、どうかご無事で……。

警備兵A

待て、何だこの音は……。
破城鎚……いや、魔法か……？

警備兵B

まずい、反対側の城壁にヒビが……。
あちらからも魔物が来るぞ！！

警備兵A

王子、どうかあなただけでもお逃げください！
英雄王の血筋を、ここで絶やすわけには！！

王子

…………（ふるふる）

ソーマ

王子……わ、わかりました。
それなら私が、陛下を探しにいきます！

王子

……だめだ、ソーマ。

ソーマ

わがままを言っている場合ではないんです。
もう、昔とは違うんですよ……？

全部を選んで、全部を救うなんて、
そんなわがままが許される状況では──

警備兵A

くっ……王子、城壁が破られました！
次の魔物の群れが来ます！！