神獣スフィンクス降臨

天使

－－遺跡の破壊は大分進みましたが、
この程度ではまだまだ足りませんね。

主より仰せつかりし命は、
天界に仇なす聖具が目覚める事なきよう、
人間の力になりうる聖具全ての滅却。

破壊できないようであれば、
利用されぬよう地中深くへ封じよとの事です。
徹底した破壊を……。

ケイティ

－－そこまでです！

アサル

酷い……偉大なる英霊達の眠る
祖先の墓を……絶対に許しません！

天使

……愚かな人間達ですね。
懲りずにまた来たのですか。

何度来ようとも同じ……
……いえ、人間なりに少しは
知恵を絞ってきたようですね。

ケイティ

そう何度も同じ手を食う訳にもいきません。
神獣の力が及ぼす効果の範囲は
既に見切っています。

アサル

例え私達が遠方に飛ばされようと、
後方に控えた部隊がすぐさま駆け付け
必ずあなた方を止めてみせます！

天使

人間如きが浅知恵を……良いでしょう、
主に背きし愚かな人間達よ……

……『神獣スフィンクス』その力を以て
愚かな魂を浄化して差し上げましょう。

ザラーム

神獣スフィンクス……奴の放つ威光の前には、
歴戦の勇者でさえ畏怖し、震え、
立ち上がる事さえ困難だと言われている。

あの巨像の状態……恐らくまだ
力を蓄えている最中なのだろう。だが、
刺激を加えればいつ動きだすかもわからんぞ。

ケイティ

……不用意な攻撃は避け、攻撃の機会を
しっかりと見極める必要がありそうですね。
王子、慎重な指示をお願いします！

スフィンクスの巨像は、倒されるか
一定時間が経過すると変身します。
変身後のスフィンクスは、
時間経過で味方全体を麻痺にします。

天使

（……神獣の力を持つとはいえ、
力を分け与えただけの巨像では
滅しきれませんか……仕方ありません）

兵士

天使達が引いていきます！

モーティマ

なんでぇ、神獣ってのも
案外大したことねーんだな。

ケイティ

モーティマさん、油断なさらぬように。
あの様子、ただ諦めたという訳ではないようです。

天使

……少しはやるようですね。
ですが、神獣の力がこの程度等とは
くれぐれも思わぬ事です。

間もなく本隊が合流します。
次は神獣の真なる力をお見せしましょう。
……その時こそ、人の希望が潰えし時。

神に背きしその罪、
必ずや後悔させてあげましょう。

兵士

－－ほ、報告ッ！
天使達の大軍が接近中！
敵の本隊が到着したものと思われます！

天使

悔悟の祈りは済みましたか？
神に背きし愚かな人間達よ。

モーティマ

けっ、何度来たって同じ事だぜ！
神獣なんざ、何度でもぶっ倒してやらぁ！

天使

……人とは本当に愚かですね。
力を分け与えた巨像を払い除けた事で、
まるで勝った気でいようとは……。

ニエル

……皆、気を付けて。
強い神獣の力を感じる……以前までとは
比べ物にならない力だよ。

天使

先遣隊であった我々に本隊が合流した今、
人間には万に一つの勝ち目もありません。

ですが、死にゆく貴方達を圧倒的な力で以て蹂躙し、
世界中の人間達に底なしの絶望を与えるため、
神獣スフィンクスの真の力をお見せしましょう。

アンナ

王子、ここが正念場です。
なんとしても天使たちを退け、
砂漠の人々と遺跡を守り抜きましょう！

天使

くっ……神獣の力をもってしても、
これほどまでに押されようとは……。
人間達の力を少し侮りすぎていたようですね。

……全軍、撤退。
これ以上の損害を出しては神の御心に反します。

バラッド

おう、とっとと帰れ帰れ。
二度と来るんじゃねえぞ。

アサル

て、天使達が退いていきます。
やった……私たち、故郷を守りきれたんですね！

ザラーム

あぁ、現世の英雄に率いられし勇士達のおかげだ。
王子、それに皆の者よ……ありがとう。
砂漠の民は永久にこの大恩を忘れぬだろう。

ケイティ

そんな……大恩だなんて。
ともあれ、遺跡の破壊を目論んでいた
天使たちの企みは阻止することができましたね。

アンナ

ええ……この勝利はきっと、
私たち人間にとって大きな礎となるでしょう。
皆さん、今回は本当にお疲れ様でした。

ザラーム

……また会ったな、王子。
天使達との戦いでは本当に世話になった。

砂漠の遺跡の復興は着々と進みつつある。
遺跡全てを破壊されずに済んだのは、
王子、お前のお陰だ。改めて感謝しよう。

さて、今回俺がここに訪れた要件なのだが、
実は先日砂漠の民による会合において、王子に
『獅子女を討伐せし勇者』の称号を贈ることが決定した。

これは砂漠の地を救ってくれた功績に対する、
我々砂漠の民からの深い尊敬と感謝の証でもある。

だが、それは同時に、
遥かな昔に砂漠の地を邪悪から救ったと伝えられる
偉大なる英雄に贈られたのと同じ称号でもあるのだ。

そして、その称号を得た王子には、
英雄が所有していたとされる
名剣も贈られることとなった。

英雄の魂が宿るといわれる天下無双の剣だ。
それ故に使い手を選び、
使いこなすのは至難の業だという。

いかなる戦局でも有利に働くとは限らぬ故、
以前の戦い方と状況に応じて使い分けると良いだろう。

この剣の力が必要となった際には
称号を『獅子女を討伐せし勇者』に変更してくれ。

王子ならその剣と、それに宿る力を
必ずや使いこなすことができると信じている。

その剣を振るう勇姿が見られることを、
今から楽しみにしているぞ。