魔神最終決戦　ウェパル＆グラシャラボラス

メフィスト

――いざ実物を見ると凄まじいね。
全くの無から魔界に海を創り出すとは、
魔神ウェパルの権能はこれ程だったかな？

アブグルント

そうねメフィスト、
ちょっと泳いでみてくれない？

メフィスト

ははは、面白い冗談だアブグルント。
あれはウェパルの血潮のようなものだぜ？
私に死ねと言ってるようなものじゃないか。

ムルーア

そうかなー、普通に泳げそうだけど。
むしろ海の中にいるみたいで元気かも！

メフィスト

そりゃあウェパルは海を司る魔神だ。
君たち魚人が適応できても不思議じゃない。
だが我々、乾いた地に生きる者からすれば――

ラピス

うるさい、いいから一回行ってこい。

メフィスト

――！？　――！！　――！？

アブグルント

……駄目そうね、私たちの身体には毒みたい。

イヴリール

……茶番は終わったか。
雑魚と野良犬がこちらに気づいた、
このまま墜落船に乗り込むぞ。

レオナ

突入と同時に戦闘開始だ。
各員、作戦は頭に入ってるな？

アブグルント

念のためおさらいしておきましょうか。
グラシャラボラスは透明化する眷属を使役するわ。
攻撃を当てたければ足止めして捕まえることね。

イルムガルト

ウェパルはあらゆる生物の傷口を腐らせてきます。
ダメージの増加には最大限の注意を払ってください。

イヴリール

お前たち、ここから先はもう後戻りできん。
人間の形で死にたいのなら今が最後の機会だ。

フレイ

はいはい、聞き飽きたよキャプテン。
もっと他に言うべきコトとかないの？

イヴリール

良い度胸だなフレイ。だが、その通りだ。

おれの船に乗った以上、
敗北は許さん、勝利も要らん。
蹂躙だ、蹂躙のみを許可する。

圧倒せよ！　圧倒せよ！
奴らの尊厳を奪え、矜持を嘲笑え！
存在そのものを根底から否定し尽くせ！

デューオ

圧倒せよー！　圧倒せよー！

イヴリール

――おれたちは海賊、あらゆる全てを奪う者！

我らこそが嵐である！

開戦だ！　奴らの首を船の上に掲げてやれ！

　　　　【魔界の瘴気】
攻撃力と防御力、時間経過による
コスト回復量が低下します。
王子【神器装備】王子【ケラウノス】
皇帝を配置すると攻撃力と防御力の
低下について無効化することが
できます。
一部ユニットも無効化できます。

2体の魔神は
臨界近く貯め込んだ魔力の影響で
体が崩壊を始めました。
　
HPが徐々に減少し、
一定時間が経過するたびに
攻撃力がアップします。
　　　　　　 （1/2）

第二形態に変身した魔神は
一定時間が経過すると
能力が暴走を始め、戦場に
さらなる影響を及ぼします。
　　　　　　 （2/2）

わわわっ！？　なんか変な感じ！
船の上なのに水の中にいるみたい！

ウェパルが『暴走』を始めました。
自らの領域で周囲を強引に侵食しています。
警戒を、もはやこの場は深海と変わりません。

この程度で騒ぐな、雑魚の無駄な抵抗だ。
奴め、まだ自分の立場を理解していないらしい。

おれは奪う、お前は差し出す――お分かり？

分からんのなら……そのまま死ねぇっ！

――ッ！？　気を付けろ！
グラシャラボラスの様子がおかしい！

ふむふむ、自らの魔力を込めた羽を撒き散らして、
その周辺の眷属たちに透明化を付与しているのかな？

ええ、随分と怒らせたみたいね。
さっきよりも強力な一撃を溜めてるわ。
ねぇメフィスト、試しになんだけど――

――試しで殺されちゃあ堪らないねぇ！
海から這い上がるのも大変だったんだよ！

喚くなメフィスト、さっさと構えろ。
本当に死にたいなら止めはしないがな。

敵も追い詰められている！
総員、ここが正念場だ！
今日こそ奴との長き因縁を断つ！

イヴリール

お前たち仕上げだ！　最大火力を持ってこい！

レオナ

総員照準合わせ！　王子、合わせろ！

王子

――――ッ！

イヴリール

冥土の土産だ、まとめて消えろォ！

カーナ

……魔神二体の沈黙を確認。討伐、完了です。

メフィスト

精神体の崩壊も始まっているようだ。
あとはただ消えゆくのを待つのみだろうね。

アブグルント

ウェパルの血潮というのも本当だったみたい。
この海も三日もすれば消えるんじゃないかしら。

パヤモ

これで……私の領地も……水没しないで済みます……。

イヴリール

ふん……大した戦利品は無しか。
魔神を名乗る割にはしけてやがる。
描き上げた航海図もゴミ当然だとはな。

デューオ

まあまあキャプテン、
魔神を二体も同時に倒したんだよ？
これは恩賞もたんまりに違いないって！

レオナ

そうだな、報酬には色を付けさせてもらおう。
無事帰還した暁には国を挙げての宴も約束する。

イヴリール

……まあ、今回はそれで良しとしてやるとするか。
お前たち帰るまでが航海だ、最後まで気を抜くなよ。

ジョヴァンニ

アイアイサー！

イヴリール

サーではない、次間違えたら銃殺だ。

ジョヴァンニ

ア、アイアイ、マム……。

メフィスト

いやはや、何はともあれ一件落着だね……ん？

アブグルント

（グラシャラボラスは死んだ。
だけどウェパルはまだ運命に抗っている。
もう、できることなんて何もないのに）

（精神体が消えるまであと少し。
その死に体でこの世に何かを遺せるのか。
それとも、徒に苦痛を引き延ばすだけなのか）

メフィスト

アブグルント、何か気になることでも？

アブグルント

……いいえ、今しがた終わったわ。

残念ね、面白くなると思ったのに。

セイレーンは撃破数に含まれません。

メフィスト

――さて、後日談を始めるとしようか。

ウェパルとグラシャラボラス、
両魔神の肉体の消滅を先程確認した。
現状、復活や転生の兆しもみられていない。

パヤモ氏の領地の復興も迅速に進んでいるようだし、
おおよそハッピーエンドと言っても差支えないだろう。

ただし――

レオナ

――魔神の二体同時の暴走。
一度ならば偶然で片付けられるが、
二度も続けば必然を疑わねばならん。

アンナ

前回のアモン、キメリエスの件と、
今回の事件は何かつながりがあると？

メフィスト

何らかの大きな渦の予兆か、
それとも誰か裏で手を引いているのか。
今の状況ではまだ何とも言えないが……。

ケイティ

二度あることは三度ある、ですか。

イヴリール

用は終わった、おれは帰るぞ。

ソラス

ちょちょちょ、もう出ていくんですか！？
この流れで！？　かつての戦友を置いて！？

イヴリール

千年疎遠なら他人も当然だろ。
おれは忙しいんだ、他を当たれ。

ソラス

えーっ！　そんな薄情な！
ほら、王子くんですよ王子くん！
なんとあの英雄王くんの子孫！

イヴリール

死んだ人間に興味はない。
よってその子孫にも興味はない。

おれを雇いたいのなら、
相応の報酬を用意するんだな。
話はそれから聞いてやろう。

ソラス

むむむ、確かに正論ではありますけど……。

サナラ

（確かイヴリールちゃんへの依頼料って、
城どころか国が建つ金額でしたよねぇ……）

イルドナ

……イヴリール、あなたの野望とは、
この世全ての海を制覇することでしたね？

イヴリール

……だったら何だ？

イルドナ

あなた以上の船乗りを私は知りません。
しかし、世に名高き海賊王とて限界はあるもの。
どうしても埋まらない海図に不満を覚えたことは？

千年以上もずっと、航海を続けてきたのです。
あなた自身、手詰まりを感じているのでしょう？

イヴリール

回りくどいぞ、何が言いたい。

イルドナ

海底神殿、竜宮城、そして――アトランティス。

イヴリール

――――ッ！

イルドナ貴様……やってくれるな。

イルドナ

いいえ、私は何もしていませんよ。
全ては王子が自ら切り開いた道です。

イヴリール

……気が変わった。偶には星の海も悪くはない。

王子、当代の英雄か。顔は覚えた。
お前に海賊王の流儀を教えてやろう。

ケルピーの攻撃を受けると
「水の檻」状態になり、
攻撃後の待ち時間が増加します。
また一定時間
継続ダメージを受けます。
　
　　　　　　（1/2）

「水の檻」は
深海の影響に対する
ユニット能力で
軽減、無効化が可能です。
　
　　　　　　（2/2）