山賊王への道

ロロネ

いいかお前ら！
ここにロロネ山賊団を結成する！

山賊

へい！　頭！

ロロネ

頭……。いい響きだ……。

ようやく自分の山賊団を持てるようになったんだ。
自分の山賊団を持ったら
次に目指すのは一つ………。

山賊の中の王、
山賊王にあたしはなるっっ！

山賊

うぉお―――ッ！
頭なら絶対なれますぜ！
おれたちついていきますぜ！

ロロネ

にひひっ。お前たちありがとな。

山賊

さっそくですが頭、
金目の物もってそうな一団が
こっちに向かってきますぜ。

ロロネ

よーし、ロロネ山賊団の初仕事だ！
お前たちかかれ――っ！

ロロネ

なかなか手強い相手みたいだな。
よし、お前たち。このあたしにまかせろ！

ロロネ山賊団の頭で一番強く！
いずれ山賊王になる
このあたしが相手だ！

覚悟しろ――っ！！

山賊

ひぃ―――っっ！！
こんな強ぇ奴らに勝てる訳ねぇ！
逃げろ―――――！！

ロロネ

おい！　お前たち！
逃げるんじゃない！！！

とほほ……。
せっかく結成した山賊団が……。

アンナ

落ち込まれている所すみません。
あなたが先ほど襲ってきた
山賊団のお頭さんですか？

ロロネ

うぅ……山賊王への道が……。
あたしの野望が……。

あんたたちのせいで
あたしの山賊団がバラバラに
なっちまったじゃねえか。

はっ！　いや、落ち込んでいる場合じゃない。
これは山賊王になるための試練なんだ。
でも、まずは強くならなきゃ……だな。

よぉし、燃えてきた！
そこの旅の人たち覚えてろよ！
次会う時はぶっ飛ばしてやるからな！！

アンナ

行ってしまわれました……。
なんだったのでしょう？

コンラッド

俺たち山賊の間には30年に一度、
山賊たちの王、つまり山賊王を
決めなきゃならねぇオキテがある。

山賊王は、その時代で一番強ぇ山賊が
なるってことになってんだ。

んで、ここからが本題なんだが……。
実は今年が、その新たな山賊王を決める年なんだよ。

だが魔物が復活し、多くの国が滅んでいるこんな
時に山賊同士が戦うってのは俺としては避けてぇ。

だもんで、山賊たちに延期する形で説得しようと
したんだが……。

あいつら、俺のいうことをまったく聞きやしねぇ。

俺の任期が切れただの、老いぼれだのと
言いたい放題言いやがる！

そこで頭にきた俺は、
そんなに山賊王になりたけりゃ
俺の見込んだ男を倒してみろと言ってやってな。

そいつを倒さなきゃ、
山賊王はそいつに譲るってな。

もちろん俺が見込んだ男ってのはあんただ。
さぁ、これから忙しくなるぜ？
なにせ、国中の山賊たちと戦うことになるからな。

山賊たちは魔物との戦いで戦力になるはずだ。
あんたにも悪い話じゃねぇはずだ。

俺の顔を立てると思って、山賊たちに
あんたの力を見せつけてくれ！

アンナ

私たちに有無も言わさず
山賊の標的にされてしまいましたね……。

山賊王の肩書きに興味はないと思いますが、
襲ってくる以上、迎撃するしかありません。
王子、戦闘の準備をお願いします。

フューネス

王子……倒す……。
山賊王……俺が……なる……！

モーティマ

王子、この場所を覚えているか。
俺たちと最初に戦ったこの地を！

ここでお前を倒して、名を上げてやる！

ロロネ

前に戦ったあの人が、コンラッドさんの
言っていた山賊王の候補……。
どおりで強ぇわけだ。

あたしの山賊団は無くなったけど、
他の山賊団の人と一緒に戦えば
どこかにチャンスはあるはずだ！

よぉし、あの王子を倒すことが
山賊王への近道だ！
やってやるぞおおお！！！

セリア

あ……王子……様。
見つけた……！

あの人を倒せば山賊王になれる。
でも……、私一人じゃ……。

聖霊

セリアさん。

聖霊

あなたは一人じゃない。

聖霊

私たちがいます。

セリア

え？　聖霊さん……！？

聖霊

人と聖霊。

聖霊

今が手を取り合うときです。

聖霊

共に目指しましょう。

山賊王！！

セリア

聖霊さん……！

私、やります！
聖霊さんと一緒なら
何でもできる気がします！

うん……。
一人じゃない……！
私にはこんなに仲間がいる。

王子様……！
聖霊さんたちと共にあなたを倒します。
お覚悟を……！

ロロネ

すげー！！
あれが聖霊の友って言われている
セリアさんかー！

王子は聖霊たちに気を取られている……。
このチャンス、逃さねぇ！

ライラ

まだだ！　斧の振りが遅い！
そんな弱腰じゃだめだ！
心のまま、力のまま振りぬけ！

ロロネ

はい！　ライラさん！！
こうですか！？

ライラ

うん、いい感じになってきたぞ。
肉を切らせて骨を断つ。
これが山賊流の戦い方さ。

アンナ

王子、あのお二方は……
何をされているのでしょうか？

魔物

ゲギャギャ！！

アンナ

魔物！？　このタイミングに
出てくるなんて！
王子、戦闘の準備を！

ロロネ

ライラさん！　魔物が出てきましたよ！

ライラ

なぁに心配はいらないよ。
魔物たちは王子がやってくれるさ。
あんたは特訓に集中しな。

ライラ

よし！　特訓終了だ！
これであんたもあたしと同じように
「捨て身」の攻撃ができるようになった。

良く頑張ったね。
さて、いい感じに魔物も減ってるみたいだし
早速、実践で試してみようじゃないか。

話は聞いてるよ。王子を倒せば
山賊王になれるんだろ？

ロロネ

はいっ！　今度こそ王子をたおして、
山賊王になるんだ――――っ！！

アンナ

王子、あの二人から
凄まじい殺気を感じます。
ご注意ください！！

山賊

お嬢、王子がきましたぜ。

イメリア

もう！　お嬢って呼ばないでってば！
何度も言わせないでよ！

王子を倒せば山賊王になれるって
話だからあんたたちを集めたんだよ？
ちゃんと戦ってよね！

山賊

へい！　絶対勝ちましょうぜ！

イメリア

よっし！　じゃあ王子には悪いけど
倒させてもらおうかな！
行くよ！　野郎ども！

イメリア

王子を倒すには最初から
全力で行かないとね！
行っくよ――！

うなれ！　冥斧ファスケス！！

アネリア

さぁ、野郎ども！　出陣よ！
そこらの海賊団とは鍛え方が
違うって所を見せてあげなさい！

アネリア

王子、ごめんね。
でも可愛い妹の望みなのよ。
だから私、妹を山賊王にしてあげたいの。

そういうわけだからちょっと本気、
出させてもらうわね。

一射で複数の敵を貫く私の愛銃！
この弾丸の嵐から逃れる者はなし！
轟け！　神銃ブリューナク！！

ロロネ

これが海賊の戦いか！
弾丸が飛び交っててあぶないなー！

この大乱戦の中なら、王子にも隙が生まれるはず！
ライラさんから教えてもらった
「捨て身」で王子をぶっ飛ばしてやる！

アンナ

王子、山賊王就任の儀式を
ここで行うからと呼ばれましたが、
なにが始まるのでしょうか……？

コンラッド

この場所に呼んだのは他でもねぇ。
山賊王になるための最後の儀式をやるためだ。

次期山賊王は、現山賊王より力がある所を
皆に見せなきゃならねぇ。
ってことで、今からあんたと戦わせてもらうぜ？

おっと、ここに来た山賊たちも戦いを
見るだけじゃ面白くねえだろ？
最後のチャンスをくれてやる。

この儀式で王子を倒した者は
山賊王を名乗ってもいいってのはどうだ？

せっかくの祭りだ……。
派手にいかねぇとなッ！

さあ、おっぱじめようぜぇ！！