現在 キャストドールの 経年劣化(黄変・退色)は 素材の特性上、完全に防ぐことはできません。
扱い方や環境によって差はあるものの、約4年前後で変色具合が確認できるようです。
昨今は、黄変までの期間が長くなるように改善された素材もあり、こうした素材に関しては、5~6年前後あたりから徐々に黄変等の変色が生じていくようです。
いずれにしろ、素材の特性上、黄変の完全な解消には至っていません。
黄変までの期間が長くなるように改善された素材については、素材単価が高いため、商品価格も高くなります。
それ故に 2018年 ~ 現時点 においては、レジンアイなどの小さなパーツで使用されており、キャストドール本体で使用されることは まだ多くはない ようです。
また、日焼け肌や灰色肌は赤色が抜けやすいため退色しやすいと考えられています。
黄変や退色を防ぐための対策の有無により、劣化進行の速度に差が生じる場合等も見受けられますので、
以下に紹介する対策などをできる範囲で行う事をお勧めします。
- 目次
経年劣化が避けられない主な理由
- レジンやソフトビニール(ソフビ:ポリ塩化ビニル)等の樹脂素材は、紫外線が当たること、油脂成分に触れることなどで 徐々に黄変する特性があること。
- キャストドールの素材として使用されているレジン(合成樹脂)には常温で硬化させるために、ソフビには柔らかさを出すための成分として、
可塑剤( 合成樹脂に加えて柔軟性や加工しやすさを保持するための添加薬品類 )等が用いられているため。
主な経年劣化対策:例
- 基本的には紫外線に当てないことや、触れる前は皮脂の付着をなるべく防ぐため手を洗うこと。
- 余裕があればLED照明に切り替えたり、窓にUVカット効果のあるカーテンやシートを取り付けたりするなどしても良いでしょう。
- 可塑剤は期間経過とともに揮発していく性質があり、揮発した可塑剤を滞留させておくと変色の原因になることがあります。
このため、風通しの良いところに保管するようにすると良いでしょう。
また、ドール保管時に乾燥剤を入れておくのも効果的です( 乾燥剤の科学物質がドールに直接当たらないように留意してください )。 - このほか、ドール本体等に吹き付ける形式で使用する「UVカットスプレー」などの商品も発売されています。
効果の持続性等については、商品によって異なりますので、検索サイト等を利用し、ご自身で調べるなどしてから購入することをお勧めします。
これらの商品を使用する場合は、メイク等の質感を損ねる事のないよう、使用方法等を充分に確認した上で、自己責任にて慎重に行ってください。
黄変による色合いの変化等を軽減または改善させる方法など
経年による黄変等に関しては、基本的にパーツ表面の黄変した部分を削る ( 除去する ) ことでしか解決できませんが、
以下の方策を行うことで 黄変による色合いの変化等を ある程度軽減できるようです。
実際に行う場合は、パーツの目立たないところや、小さなパーツで試すなど、事前にテストしてから実施することを推奨します。
こうした事例等を紹介した個人サイト等もあります。ご自身で検索するなどして、自己責任で行ってください。
- パンパステル ( ホルベイン社製 ) の チタニウムホワイト や パールホワイト を黄変したパーツに塗装する。
黄変による色合いの変化等が目立つことを 一定程度 軽減する効果があります。 - 漂白剤に漬け込むこと や 重曹水で磨く事 で 黄変や色移り等が改善する場合もあります。この方法は主にソフトビニール素材に対して行われるものです。
レジンの場合は、一時的に変色や色移りが改善した後に、更なる黄変・変色等を伴う可能性があります(可塑剤等の薬剤が反応することによるものです)。
このため、実際に行うにあたっては、小さなパーツで試してみるなど、特に十分な注意が必要です。
また、この方法を行う場合は、薬剤で色素を落とすことになるため、ボディの赤み等の色味が抜け落ちる現象も伴います。その点にも留意してください。
※ 次のページも参考にしてください。
- タンスキン ( 日焼け肌 ) の ドール について注意することは
- クリアーコートがきれいに出来ません
- 素体への色移りを防ぐには
- パステルでメイクしたいのですが
- パーティングラインを消すとき気をつけることは
- 手入れの際気をつけることは
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