爆れつハンター

Last-modified: 2011-06-20 (月) 11:06:31

爆れつハンター/あかほり さとる

571 :爆れつハンター 1:2011/06/13(月) 22:11:39.09 ID:???
未解決から「爆れつハンター」いきます
深刻な雰囲気ですが、核心に関係ない話は概ねどうしようもないノリです

人物紹介
キャロット・グラッセ
主人公。無類の女好きで性欲の塊。
悪意のある魔法(=攻撃魔法全般)を吸収して、獣人化することができる。
ティラ・ミス
眼鏡をかけたまじめな少女。眼鏡を外すと鞭を振るって高笑いする女王様になる。キャロットが好き。
マロン・グラッセ
キャロットの弟で、兄とは似ても似つかない知的な美少年。しかし強度のブラコン。
ショコラ・ミス
ティラの姉。キャロットが好きで、所かまわず脱いでは迫る。元養父を、孤児仲間の仇と恨んでいる。
ガトー・モカ
強靭な肉体を武器に戦うマッチョな青年。美しいものが好きでナルシスト。

スプゥールナ大陸では、魔法を使える者を法族(ソーサラー)そうでない普通の人間を庶民(パーソナー)
と呼んで区別し、一握りの法族が支配階級として君臨している。
無力な庶民たちは、驕った法族の圧政や非道な仕打ちに耐えるしかなかった。
そんな中、依頼を受けて庶民たちの無念を晴らす仕事人たちがいた。
悪しき法族に天誅を加える仕置き人、人は彼らを法族狩り(ソーサラーハンター)と呼ぶ。

ファミル帝国の帝都ファザード。ここを拠点とするステラ教団は、表向きは宗教団体として活動し
裏では法族狩りを組織して庶民の救済に当たっている。
キャロットたちは、教団の教母にして法族狩りの元締めである「ビッグ・マム」のもとで
法族の仕置きに禁呪(魔法の中でも特に危なくて忌まわしいもの)の消去にと大陸中を奔走していた。

ある日、仕事先に向かうと標的はすでに殺されており、驚くキャロットたちに謎の敵が襲いかかる。
その正体は、ティラとショコラのかつての養父であり、ガトーの両親を殺して妹を連れ去った男、
ザッハ・トルテだった。
ザッハの手下の中に、妹エクレアを見つけて愕然とするガトー。しかし、確かめる間もなく猛攻に晒される。
危ういところで逃れた五人は、法族狩りの隠れ里に避難する。



572 :爆れつハンター 2:2011/06/13(月) 22:13:14.10 ID:???
里の長老グラン・パによると、ザッハはもともとマムの親衛隊の一人だったという。
しかし十三年前、突如反旗を翻し、養っていた孤児たちを殺して出奔した。
グラン・パにザッハの狙いはお前だと忠告されたが、襲撃に際し臆することなく飛び出していくキャロット。
ザッハは、キャロットが自分の探していた人間だと確信してその場を退いた。

ザッハは各地にプラチナストーンという石を配置して魔法陣を作り、力を発揮しているらしい。
キャロット達は、プラチナストーンを全て破壊するため、守護五妖と呼ばれる強敵と闘うことになる。

プラチナストーンの残り一つはザッハの本拠地にあり、五人は決戦に臨んだ。
最後の守護五妖はエクレアだった。
彼女はデネブと名乗り、ガトーの事も憶えていない様子で容赦なく攻撃してくる。
石の破壊をガトーに任せた四人は、一気にザッハの元へと到達し、先制攻撃を仕掛ける事に成功。
ザッハは本気を出すそぶりもなく、戦闘員をけしかけるのみで、何かを待っているように見えた。

戦いの中で兄の事を思い出したエクレアだったが、洗脳はされておらず、
法族も庶民もない世界を作りたいというザッハに同調し従っていた。
ガトーは、死ぬつもりだったエクレアの、隙だらけの攻撃をあえて食らい、命と引き換えにプラチナストーンを破壊した。

ザッハがプラチナストーンを置いた目的は、自らの強化のためではなかった。
大陸に満ちた魔法の力を制御し、石が全て破壊された時、その流れをキャロットに集めるのが狙いだった。
凄まじい魔法力を浴びたキャロットは、獣人化を通り越し、彼の内に宿る古代の荒神「破壊神」になってしまう。
キャロットの周囲にいる四人には、かつて破壊神を倒した神々「四柱天」が宿り制御をしていたが、
ガトーが死んでバランスが崩れ、破壊神復活に歯止めがかからなくなってしまった。
ザッハは、破壊神の力で一度世界を滅ぼし、そのうえで平等な社会を作ろうとしていた。
かつて、理想を同じくしていたマムのやり方に、手詰まりを感じての暴挙である。

辛うじて意識を保っていたキャロットは、マロンたち三人の呼びかけに答え、破壊神はひとまず沈黙した。
ザッハは、エクレアのためにガトーを蘇生し、キャロットに「破壊神は必ず蘇る」と言い残し死んでいった。



573 :爆れつハンター 3:2011/06/13(月) 22:14:25.21 ID:???
過去編が挟まります。キャロットたちの母アプリコットがメインになります。

法族狩りの少女アプリコットは、極悪人とはいえ標的を殺すことに疑問を感じていた。
マムの指示で向かった谷で、アプリコットは同行の仲間、居合わせた敵ともども過去へと飛ばされる。
着いた先では、一つの街が魔兵(グール)の軍勢に滅ぼされかけていた。
アプリコットを助け、城へ招いてくれた少女カヌレ・ステラ(若い頃のマム)によると、ここ以外の国は
戦争目的で発達した魔法技術を制御できず自滅、この砦もその技術で生まれた魔兵たちにより陥落寸前らしい。

滅亡を回避するには、カヌレの弟、シャルロットの力を解放する必要がある。
怯えて嫌がるシャルロットが恐慌状態になった瞬間、アプリコットは奇妙な映像(=未来というか本編)を見た。
気がつくと、人が無数に眠る空間におり、突然現れたグラン・パにこれまでの経緯を聞かされる。
昔、人が自我を捨て、一つの生命体として生きる道を選んだ都市があった。
しかし、その生命体そのものに強烈な自我があり、他者の存在を一切認めなかった。
遂には世界大戦が起き今のような惨状を招いた。

念のため用意されていた策により、都市、リデラの力を制御するための因子(シャルロット)を送りこみ
共に眠ることで安定が得られた。
しかし、城にいた皆が精神的に繋がった結果、シャルロットを介してリデラの魔力を受ける者(法族)が生まれた。
彼らが邪悪な念にかられるとシャルロットが動揺し、再びリデラの暴走が始まるという。
法族狩りは、世界の秩序を守るために組織されたのだった。

さらに、シャルロットの力が発動すると同時に、リデラの暴走により蘇っていた破壊神が、
四柱天の手でアプリコットの中に封じられたという。
世界を滅ぼしかねない力が、自分の生む子供に宿るだろうと聞いたアプリコットは、どんな運命からも
子を守ると誓った。



574 :爆れつハンター 4:2011/06/13(月) 22:16:35.07 ID:???
ザッハの出てくる夢でうなされるキャロット。同じころ、マムの所にもザッハが「来る」とだけ告げに来た。
寝ざめが悪く街をぶらつくキャロットは、偶然助けた旅商人の娘、ムースと親しくなり翌日も会う約束をする。
その様子をこっそり覗っていたティラとショコラは、キャロットの背後に黒い影を見る。

ムースに惹かれていくキャロットだったが、ティラに長年の想いを告げられ、答えが出せずに悩む。
ムースに「抱いて欲しい」と縋られた時、土壇場でティラとショコラの顔が浮かび「好きな女がいる」と拒否。
直後、「四魔王の一人アーモンド・ラッセル」と名乗る相手に襲われる。
四柱天が宿る四人も「破壊神復活の邪魔」と襲撃され、マムも過去に因縁のある相手
「クール・ミント(この人も四魔王)」に追い詰められる。
クール・ミントは退けたものの、キャロットはアーモンド・ラッセルに連れ去られてしまった。

二人の魔王は、シャルロットに従い動いていた。
眠りから目覚めたシャルロットは、リデラを取り込み莫大な力を得た。
孤独と、姉への恨みに呑まれた彼はリデラのエゴに感化され、破壊神による世界の滅亡を目論む。
シャルロットがいる城では、先に到着した親衛隊の一人が結界を張り命がけで足止めをしている。
キャロットは城とは別の場所で、まだ生きていると思われる。
結界が破られるまでにキャロットを助け出し、シャルロットとの接触を防がねばならない。

まだ人間が存在しない昔。高位の精神体達が世界を支配していた。
彼らはやがて、他者を受け入れる者(神)と否定するもの(魔)に別れ争った。
四魔王は魔の頂点に立ち、ひとまず手を組んで神を滅ぼそうとした。
無論その後は魔の者同士最後まで争うつもりで、である。
しかし、神々は手ごわく魔王たちは窮地に陥った。
そんな中、神でありながら自分を愛し、他者を拒んだ破壊神が世界を滅ぼし、魔王たちは破壊神に心酔した。
そして、彼らは一度破壊神に取り込まれる。
魔王二人は、再び破壊神と一体になることを望んだ。
(残りの二人は、その後人間に感化され人の中で生きてきた。一人はグラン・パ)
そして、人が生み出した「リデラ」も破壊神に等しい存在と認め、
最終的に破壊神とリデラ(を取り込んだシャルロット)の
どちらか勝ち残った方に混じるのを目的に動き出したのだった。


575 :爆れつハンター 5(終):2011/06/13(月) 22:19:33.03 ID:???
キャロットの精神力を面倒とみて、魔王たちは一度神の依り代となったアプリコットの複製を作り
キャロットと交わるよう送りこんだ。
それがムースであり、交わってしまえば破壊神を彼女に移すのは容易であるらしい。
あわやという所でアプリコットの魂がキャロットを守り、仲間たちが到着した。

幼かった子供らには病死と偽っていたが、実はアプリコットは魔王からキャロットを守るため命を落としていた。
精神だけの存在であるアーモンド・ラッセルに、自らの体に閉じ込めることで「死」の概念を与え、行動を牽制した。
体はアプリコットのアーモンド・ラッセルは、夫(キャロットたちの父)のオニオンが。
クール・ミントは、グラン・パと昔馴染みの魔王ギン・ナンバが相討ちに持ち込み倒した。
しかし結界を破ったシャルロットが、世界中の法族から吸い上げた魔力をキャロットにぶつけ、破壊神が復活してしまう。

圧倒的な力でシャルロットを跳ね除け、世界各地で破壊神の分身が暴れまわる。
誰もが絶望する中、ムースが「手はある」と言い、自分はアプリコットだと明かした。
精霊に守られたアプリコットの魂は、ムースの中に潜んで時を窺っていた。
残された手は四柱天を完全に蘇らせる事。破壊神に対抗はできるが、キャロットを救えるかはわからない。
それでも四人は四柱天として破壊神に向かって行った。

戦いを有利に進める四人だが「キャロットが死んでしまう」と我に返る。
ティラは必死にキャロットに呼びかけ攻撃に身をさらした。
「キャロットに好きと言って欲しかった」と、心残りがありながら死を覚悟したティラを、キャロットが迎えに来た。
キャロットの意志と、お約束の「愛の力」で破壊神は消え、法族たちにも魔力は戻らなかった。

マムと親衛隊はシャルロットを一人にした事をわびて、共に眠りについた。
アプリコットが新たに教母となり、人々は街を復興し、法族、庶民の別なく暮らしはじめる。
最後はキャロットとティラの新婚旅行のドタバタでおしまい。

続編の「ちょっとだけ帰ってきた爆れつハンター」は禁呪の消去をメインに話が進むんだけど
一巻分だけなのでとりあえず割愛します。
キャロの性欲が食欲に取って代わって劇太りしてたり、ティラでなくショコラにキャロとの子供がいたりと
たいへんカオスです。