CLAYMORE

Last-modified: 2012-05-04 (金) 17:52:19

CLAYMORE/八木 教広

38 :クレイモア1:2012/04/01(日) 18:55:24.04 ID:???
その世界では人を食べる妖魔が存在していた。
妖魔は禍々しい外見と飛びぬけた身体能力を持ち、
人に化けて村に紛れ込んでは人間を食べる恐ろしい存在だった。
少年・ラキのいる村にもとうとう妖魔が紛れ込んだようだ。
数日ごとに血まみれになった村人の死体が転がるようになり、
村人は"クレイモア"を呼ぶことを決意する。

"クレイモア"は人と人に化けた妖魔を判別して、
妖魔を退治している組織と、そこに属する者の総称。
莫大な報酬と引き換えに妖魔と闘う。
人間が妖魔に対抗する唯一の手段ではあったが、
妖魔の血と肉を取り込むことで力を手に入れた半人半妖の"クレイモア"たちは
畏怖と嫌悪の対象だった。
また妖魔に近い彼女たちは銀色の目を持ち、"銀眼の魔女"とも呼ばれていた。
(男の実験体はことごとく死ぬため、"クレイモア"はすべて女性)

ラキの住む村に訪れた"クレイモア"は外見こそ若い女性の姿だったが、
噂通りの銀眼を持ち、華奢な体にむきだしの大剣(クレイモア)を携えていた。
無表情のまま冷徹に受け答えをする彼女に村長は腰を抜かす。
「想像以上に恐ろしいな。あれじゃまるで… 妖魔の方に近い気がするよ…」

39 :クレイモア2:2012/04/01(日) 18:58:09.02 ID:???
村人たちがクレイモアを恐れる中、ラキだけは彼女に興味を示す。
被害者夫婦の子供だったラキは、
妖魔を退治してくれるクレイモアに好意を持っていた。
家に戻ったラキは妖魔の本性を現した兄に殺されそうになるが、
からくもクレイモアに助けられる。
(妖魔は血肉を食うことで相手の身体と脳を得て、肉親さえだませる)
目の前の惨劇に恐怖で支配されていたラキだったが、
ふと彼女の孤独な姿を思い出して、クレイモアを追いかけた。
去っていくその背にラキは大声で感謝を述べた。
本当は両親を殺されて怖かったこと。くやしかったこと。
だから、妖魔をやっつけてくれたお姉ちゃんのことを忘れたりしない。
「俺、ラキってんだ。ねぇ、お姉ちゃん名前 教えてよ」
去っていく彼女は、ラキに背を向けたままようやく一言答えた。
「クレアだ…」



クレイモアは戦士が妖魔を退治した後に、
黒服の男が報酬を回収する手はずになっている。
黒服の男は金の回収をするだけではなく、組織と戦士の連絡係でもあった。
クレアを担当している黒服の男・ルヴルは次の依頼を告げる。
仲間(クレイモア)を手配したとルヴルは話すが、
妖魔が早いペースで食人をしていると知ったクレアは仲間を待たずに出立してしまう。
クレアは無事に妖魔を倒したものの、
独断で走りがちなクレアは組織に目をつけられる存在だった。


40 :クレイモア3:2012/04/01(日) 18:59:26.46 ID:???
少年・ラキは荒野を渡ろうとする途中で行き倒れ、クレアに助けられる。
ラキは家族に妖魔が紛れ込んでいたため、自身も妖魔でないかと疑われ、
村を追われていた。
ラキと同じく、兄に化けた妖魔に家族を殺された自身の過去をクレアは思い出していた。
そして同じように村人から拒絶されたことも。
クレアはラキが落ち着ける村までは、料理番として付いてくることを許した。

ラキは料理番としてクレアと旅を始めたが、
半人半妖であるクレイモアの生態は驚きのものだった。
食料は2日に一度、少量を口にするだけでいい。一週間飲まず食わずでも耐えられる。
そんな中、クレアはルヴルから"黒の書"を渡された。
クレイモアは妖魔の力を人間の意思で操っている存在。
力を使うにつれてその存在は妖魔に近づき、いつかは妖魔になってしまう。
自分の限界を認識したクレイモアは人であるうちに死にたいと願い、
殺されたい相手に"黒の書"(自分を示す印の書かれた黒い紙)を出す。
(クレイモアには個人を識別する印が与えられており、剣や衣服についている)
そして今回、クレアが黒の書を受け取った相手は、同じ時期に組織に入ったエレナだった。

エレナは以前と変わらぬ姿のままでクレアを待っていたが、限界は近い。
とうとう見た目にも妖魔化が始まったエレナは人間でいるうちに死にたいとクレアに願った。
ラキは仲間を殺してはいけないと泣きながらクレアに訴える。
クレアはラキの懇願を聞きながら、エレナを斬った。倒れながら、エレナは言う。
「ありがとう……クレア…。これで…」人のままいける…。

エレナを埋めて、彼女の大剣を墓標にした。
墓の前でクレアは語る。
「幼い頃に組織に入った私にとって…生涯において唯一の友だった」
無表情でうつむくクレアの横で、ラキは号泣している。
「どうして…どうしてこんなに辛いのに妖魔と闘うんだよ。
 闘わなければ…エレナも死なずにすんだし…クレアだって…」
クレアは答える。
「それが私たちの…存在理由だからだ」


41 :クレイモア4:2012/04/01(日) 19:00:23.17 ID:???
今回の依頼地は聖都・ラボナ。
神の名の下に一切の妖しの術・道具・者を排斥する町。無論、クレイモアも入れない。
そのためクレアはラキと古美術を扱う姉弟としてラボナに潜入していた。
わずかに妖力を抑える薬を飲んでいるため、クレアの銀眼は一時的に元の色に戻っている。
ただし、妖魔と人を見分ける力も損なわれるため、歩いて捜査をする必要があった。

クレアはさっそく依頼人であるヴィンセント司祭に接触して調査を始めた。
聖堂の警備兵2人(ガークとシド)に正体がばれたクレアは対峙することになるが、
その時、妖魔が現れて、クレアはとっさに2人を庇って大怪我を追ってしまう。
妖魔の正体は洗礼の間に安置された殉教者の死体だった。
警備兵・ガークとシドの助けを得てクレアはからくも勝利するが、
負傷したクレアは肉体と精神の限界を超えて妖魔化が始まってしまう。
限界を悟ったクレアはガークに殺してくれるように頼んだ。
長剣を構えるガーク。
ラキはクレアを抱きしめて、自分を救ってくれたクレアに感謝の言葉を伝えた。
「だから…クレアが死ぬんだったら俺も一緒にいくよ」
限界を超えたと思った次の瞬間、クレアはそのまま姿を保っている自分に気づく。
妖力の暴走が止まっていた。
信じられないという顔をしているテレサにガークは言う。
「最後はあんたが救われたのさ。その少年にな…」
クレアは泣きながらしがみついているラキをやさしく抱きしめた。

翌朝、クレアは出立する。
見送りに立ったのはヴィンセント司祭とわずかな兵士だけっだったが、
彼らはクレアへ礼を述べて、見送りに立てない者たちの感謝の気持ちを代弁した。
クレアはラキをこの聖都・ラボナに残すつもりだったが、
ラキの希望通りにふたりで旅を続けることになる。


42 :クレイモア5:2012/04/01(日) 19:01:44.72 ID:???
第77期182番目の戦士・テレサ。
軽い言動とは裏腹に最強の戦士(ナンバー1)であり、どんな妖魔でも妖力解放なく惨殺する。
人形のように整った顔で妖魔を斬る彼女は「微笑のテレサ」と呼ばれていた。
ある時、彼女は殺した妖魔に玩具として連れまわされていた少女に出会う。
口もきけず心も閉ざしていた少女はなぜかクレアに懐いてついて来ようとする。
クレアは何度も邪険に振り払うが、あきらめない少女に根負けして、
次の村までの面倒をみることにした。
少女の名前はクレア。
美しく清らかで愛に満ち溢れた双子の女神・クレアとテレサにちなんだ名前だった。

クレイモアたちは鉄の掟により、偶然でも人を殺すことを禁じられ、
殺人を犯した戦士は仲間のクレイモアに狩られることになっていた。
それを知る盗賊たちにテレサは身体を狙われるが、
半人半妖の証がある腹部を見ると一様に顔を背けて去っていった。
少女は泣きながらテレサを抱きしめた。
「……くない…の? いたくないの…?」
少女が口を聞いたことに驚いて、テレサは目を見開く。
テレサはもう痛みはないのだと説明するが、少女はなおもテレサを抱きしめた。
少女は出会った時からずっとテレサのつらさ、苦しみ、さみしさを感じていた。
妖魔に大切なものを奪われ、信じていた者たちからは裏切られ捨てられて。
少女は自分が傷ついているからこそテレサの痛みを感じ、
自分が一番されたいようにテレサを抱きしめようとしていたのだ。
それを悟ったテレサは銀色の瞳から涙を流して、少女を抱きしめた。

次の村に到着したテレサは、いつも通りに妖魔を退治する。
テレサはクレアに村に残るように言い、人として幸せになるべきだと諭す。
村人の思いやりにも触れて、クレアは泣きながらテレサを見送った。
その直後、村は盗賊に襲撃される。
クレアを傷つけられたテレサは激昂して掟を破り、盗賊を皆殺しにしてしまう。
クレアはテレサに生きる意味を見出し、ふたりで組織から逃げることを決意する。
一方の組織は組織のナンバー1であるテレサを始末するために、
ナンバー2~5を集結してテレサ討伐隊を結成する。



43 :クレイモア6:2012/04/01(日) 19:04:57.80 ID:???
ナンバー4を争うソフィアとノエル。
高速剣を持つナンバー3、イレーネ。
そしてナンバー2は数か月前に印を受けた新人・プリシラ。
どんくさく理想論に固まったプリシラだが、潜在能力はテレサ以上と言われ、
妖魔への強い憎しみを持っていた。
揺るぎないナンバー2と目されていたイレーネさえも凌駕するプリシラだったが
テレサはさらに圧倒的な実力差をみせてプリシラをねじ伏せる。
クレアと出会って感情の揺れを見せ始めたテレサはプリシラを見逃すが、
組織の裏切り者に情けをかけられたプリシラは逆上して妖力を暴走させてしまう。
泣きながら殺して欲しいと願うプリシラにとどめを刺そうとするテレサ。
その油断した一瞬に、プリシラはテレサの首を刎ねた。
そして妖力を抑えきれないまま、覚醒者となったプリシラは呟く。
「ああ 内臓食べたい」
イレーネ、ソフィア、ノエルを順番に斬り捨てたプリシラは、
なぜか人間であるクレアには目もくれず、村の方へと飛び去って行った。

それからテレサは村を彷徨い、黒服の男を探していた。
そしてとうとう出会った眼鏡の男・ルヴルに駆け寄って、テレサの生首を差し出した。
「あたしに… あたしの中にテレサの血と肉を」
  そして私は自らの意志で組織の門をたたいた 初めての者になった



妖魔の中には特に強い"異常食欲者"がいる。
異常食欲者とは年月を経て食欲が増し、狡猾になった妖魔。
…というのは表向きの説明(嘘)で、本来の名前は"覚醒者"という。
覚醒者とはプリシラのように、クレイモアが限界を超えて妖魔になったもののこと。
組織の不始末を隠すため、覚醒者の名前・由来は一般人に伏せられている。



47 :マロン名無しさん:2012/04/08(日) 01:35:23.08 ID:???
クレイモア乙です

>>42
>口もきけず心も閉ざしていた少女はなぜかクレアに懐いてついて来ようとする。
>クレアは何度も邪険に振り払うが、あきらめない少女に根負けして、
>次の村までの面倒をみることにした。

ここクレアじゃなくてテレサの間違いでは?