JIHAI~磁海~

Last-modified: 2008-09-28 (日) 11:00:38

JIHAI~磁海~/二越としみ

494 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 09:54:32 ID:???

磁海1巻やります。まだ完結してないので間違ってるところがあるかもしれません。


設定
遠未来、地球は地軸移動の危機を迎え、科学者は地軸に杭を打ち込んだ。
それは土星の輪のように地球を支え、裕福な人間は
輪の美しく見える場所に住居を構えることをステータスとした。
しかし、その杭の影響で磁海と呼ばれる磁場が乱れ、生物が生存できない荒野が発生する。
磁海は広がり続け、都市は分断され、地域間の交流は激減し、文明は衰退していった。
人口が減少を続ける中、人間は労働力としてのクローン人間、レイバントを作った。
レイバントは人間による支配、管理の観点と高齢化対策から、
製造された当初から寿命が決められている。


495 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 09:56:39 ID:???

登場人物
アオイ
18年の寿命を持つレイバント。戦争で元の主人と幼馴染のヨシノを亡くし、
母国ロスニアを攻略した大国ヘイズガルドの英雄、アルクラインを殺すために旅を続ける。
磁海の影響を受けない特殊能力を持つ。


ディス(=アルクライン)
レイバントが人権を持てる国、レスバレンツ建国の立役者。
以前はアルクラインの名でヘイズガルドの英雄として戦果を挙げてきたが、失踪。
現在もヘイズガルドに敵対する各国の賞金首となっている。


普段はレスバレンツで定食屋&配食サービスを行っている。


トリス
レスバレンツにある教会の司教。身寄りのない子供やレイバントを保護している。
35年の寿命を持つレイバントだが秘密にしている。


シラクサ
医者兼情報屋。


シオン
トリスの教会に住むレイバントの少年。人の心を読む特殊能力を持っている。
ディスを慕っている。


496 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 09:59:57 ID:???

磁海に無傷で進入できることを武器に運び屋で資金を稼いでいたアオイは、
依頼人に役所に売られ拘束されそうになる。
そこに食料の買い付けに来ていたトリスが乱入、隙を見て逃げようとしたアオイは
トリスに同行していたディスの車にはねられ意識を失う。
気がつくとディスの車に乗せられていたアオイは傷を後からバイクで追いついた
シラクサに治してもらい、彼らの国、レスバレンツに同行することになる。


レスバレンツに着いたアオイは教会に置きたがるトリスをよそに
成り行きでディスの定食屋の2階を間借りすることになる。
アオイはここにきてやっとディスが自分を全くの善意で置いてくれていると


信じることができたが、なかなか素直にお礼を言うことができず、またヨシノの復讐の為、
この環境に甘えてはいけないと気持ちを新たにしていた。
一方アオイの治療にたびたびディスの家に来るようになったシラクサは、
トリスがアオイを特別な理由で助けに入ったのではないかといぶかしむが、
アオイは詮索するようなシラクサに自分の能力については明かさなかった。


しばらくし、アオイはディスの配食と定食屋を手伝うようになる。
定食屋ではアオイの料理が異国の懐かしい味がする、と話題を呼び、
ずっと手伝ってくれたらいいのに、というディスにアオイはやっと今までの礼を言うことができた。


497 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 10:04:22 ID:???

磁海1巻続き。


ある日、店に遠方からの客が訪れる。客足が途切れた瞬間彼はディスを撃ち殺そうとする。
アオイはディスをかばい目の上を負傷し、男は逃げていった。
ディスは男は賞金稼ぎで再び襲撃の恐れがあると用心し、店をしばらく閉める事にするが、
通りすがりの強盗だと考えているアオイは店を閉めるなら自分は本当にただ飯喰らいだから、と
ディスの元を去ることを考える。そんなある日ディスが急に正装で公会堂へ行く、といい
外出するのを見てアオイはそんな偉い人なのか?と驚く。


一方、買い物に出ていたシオンは通りすがりの賞金稼ぎの意識を偶然読み取り、
ディスが狙われていることを知る。
定食屋を訪れたシオンはアオイの意識を読み公会堂へ向かう。
アオイは何が起こっているのかさっぱりわからなかったがシオンのあとを追う。


ディスはレスバレンツの議会に参加していた。若手議員は西方のサハール王国と共同で
レイバントの子供たちの面倒を国で見ながらその特殊能力を研究していこう、と提案するが
ディスは研究は能力の軍事利用につながりかねないとたしなめる。


休憩時間に入り、ディスは、サハール王国の申し出が軍事利用とは限らなく、
科学者の気持ちも理解できるが、それでもなおこの事業は国家主導で行えば
必ずエスカレートする、と自分の考えを整理する。
そんな時、もう戦時の知恵はこの国に必要ない、という若手議員と
再び戦火に巻き込まれれば、血を流すのは君たちの世代なのにな、とやりあう壮年議員たちの
別室の声が漏れ聞こえ、ディスは自分もそう年をとってるつもりはないんだけど…と苦笑する。


498 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 10:07:03 ID:???

磁海1巻続き。


そこに賞金稼ぎがディスを再度殺しに現れた。しかしディスは難無く男を拘束する。
そこに到着したアオイはまた店を再開できることをディスと喜ぶ。
面白くないシオンはディスを自分の方がよく知ってるということを主張する中で
ディスがアルクラインだということを話題にする。
自分の復讐相手がディスだと知り、シオンにその心を読まれたアオイはその場を逃げ去る。
ディスはシオンに人の心を軽々しく読むなと叱りアオイを追う。


アオイは雨の街をさ迷いながらヨシノのことを思い出していた。
ヨシノを殺されて一人になり、自分の18年の寿命の中で、誰にも知られず死んでいくのが
怖かった、どうせ死ぬなら英雄を殺したレイバントとして存在を残しておきたかった。
英雄を殺したら自分もただではすまない。アオイは自分は死に場所を探していたんだな、と思った。


一方ディスはシラクサの元にアオイを探しに行っていた。
ディスはシラクサに戦時中あなたにしたように、自分はアオイにひどいことをしたんだと思う、
だが、何をしたかなんて覚えてないし、覚えてもいないことは残酷なことだと思う、と嘆く。
シラクサは戦争っていうのはそんなもんだから、お前は今自分のしたいことをやれ、と
発破をかける。


499 名前:マロン名無しさん[sage] 投稿日:2007/10/06(土) 10:08:43 ID:???

アオイは定食屋に戻り屋上にいたディスにナイフで突っ込む。
反撃を期待したアオイにディスは全く抵抗せず、ナイフを寸止めしたアオイは
自分に殺されてどうするんだ、と逆に問い詰める。
ディスは、先の戦争で、信じる大義に従って戦っていたなら言うべき事もあるだろうが、
自分は軍事教育のまま戦場に出て、自分のやっていることを理解したときに怖くなって
逃げ出しただけ、償いをしたいが方法もたぶんないんだろう、
でももしアオイが自分を殺して救われるなら殺されてもかまわない、と伝える。


そんなディスにいまさら殺せないと泣き崩れるアオイ。
それを見たディスは自分が楽になる為にアオイを利用しようとしていたことに気づき、
自分はどうしようもない人間だから、もう殺すか、ここを出ていくかどちらかにしなさい、と
アオイに選択を迫る。


1巻はこれで終わりです。