Sci-Fi HARRY

Last-modified: 2012-03-03 (土) 23:19:19

Sci-Fi HARRY/阿部 忍

792 :マロン名無しさん:2012/01/17(火) 23:38:13.05 ID:???
お次はSci-Fi HARRY
Sci-Fi HARRY漫画版は二種類あって東城麻美と阿部忍の二人が描いてる。
東城版は1995年刊行で二冊で途中打ち切り。安部版は2001年刊行で完結済み。
東城版に読む価値はまあ無いので安部版のストーリーを。


793 :Sci-Fi HARRY:2012/01/17(火) 23:40:54.03 ID:???
舞台は現代アメリカ。とある大学のバスケットの時間。
気弱で運動もできないハリーのところにボールが来た。
お前に何ができるはやくパスしろと周りにせっつかれるなか、
クラスメイトのキャサリンがシュートして!と声をかけてくれた。
やる気を出してシュートするハリーだったがなぜかゴール後ろの窓が割れガラスがキャサリンに降り注ぐことに。
それが原因でクラスメイトに殴られているのを助けてくれたのはキャサリンの恋人のジョンだった。

一方そのころ、町では器物破損事故が多発していて刑事が捜索していた。
道路標識が捻じ曲げられたり信号機がねじ切れたり……

ベンチに座りいじめられている時のことを思い出しているとキャサリンがやってきて
やさしい言葉をかけてくれ、キャサリンが気になってくるハリー。

その夜、キャサリンがジョンとデートをしていると不意を突かれキャサリンが連れ去られてしまう。
犯人は昼間ハリーをいじめていたクリスだった。
レイプされる間一髪のところに現れたのは、キャサリンになにかあったと勘でわかったハリーだった。
しかしハリーはクリスに強く言えず殴られ、キャサリンを助けることができない。
いよいよキャサリンが危ないとなったとき、近くの工場が大爆発を起こして炎上し、
それに驚いたクリスは逃げて行きキャサリンは助かるのであった。

一方そのころ、刑事たちは爆発のあった工場の近くで起きた首をねじり殺された変死体を発見していた。

ハリーはキャサリンの家に招かれていた。
キャサリンの弟のエリオットが見ているテレビに出ていた超能力者ミラキュラス・ミックの
スプーン曲げを真似てみたところ驚くほど簡単に曲がるのである。
何度やってもスプーンは曲がる。これでハリーを馬鹿にする人は誰もいなくなるとキャサリンは大喜びする。

一方そのころ、変死体を捜査する刑事たちのもとに、別の場所でも同じ殺害方法の変死体が発見された
報告が入る。その場所は奇しくもキャサリンの家の近くであった。

公園でキャサリンとともにスプーン曲げの練習をするハリー。

一方そのころ同じ公園で母親が子供の前で首を折られ殺害されていた。

大学の校舎内でクリスとジョンの喧嘩を止めるためナイフを曲げるハリー。

一方そのころ、校舎の外では首を折られた学生が……



794 :Sci-Fi HARRY:2012/01/17(火) 23:44:10.87 ID:???
超能力があると自覚したハリーはキャサリンに連れられTVショーに出ることに。
首が折れる変死事件の新聞を見ながらその番組のCMを見ていたジョンはハリーと変死事件の関係を発見する。
ハリーの超能力はコントロール不能で周りの人の首を折ってしまうことをハリーに告げるジョンだったが、
やっと巡ってきた自分のチャンスを捨てられないハリーはジョンを気絶させTV局へ向かう。

ハリーのTVショウがはじまる。
刑事を連れてTV局に入るジョン。
デモンストレーションで満員の観客の前でスプーン曲げを行うハリー。
TVスタッフがジョンの目の前で首を折られて死ぬ。

いよいよハリーのスプーン曲げを電波に乗せる間際、ジョンが放送を止めることに成功する。
そしてスタジオに向かったジョンが見たものはハリーとキャサリン以外観客が全員首が折られて死んでいる状況だった。
ぼくじゃない…そういって力を解放させたハリーはスタジオを爆発させ行方をくらますのだった。

ハリーを探すジョンはTV局のプロデューサに会う。
その帰りなぜかFBIに拘束されそうなところを刑事にたすけてもらう。
もう一度プロデューサーに会いに行くが首を折られて死んでいた。
彼が残したメッセージから告発者アキューザーという言葉が浮かび上がる。

ハリーは謎の組織に拘束されていた。その組織の名はアキューザー。
そこで、スタンリーという男にレイプされそうになったハリーは力を暴走し脱出をする。
そしてジノリという少女に助けられる。
ジノリと友達になるハリー。裏切らないでねというジノリ。
そこにハリーの勘がキャサリンの危険を感知する。
キャサリンはハリーによってTV界を追われたミラキュラス・ミックに襲われていたのだった。
そこに駆けつけるハリーだったがミックがハリーに銃を突きつけ絶体絶命。
しかしミックは逆に超能力で首を折られ死ぬのであった。
そこに現れたヘリ。急に熱を出して倒れたハリーをそのヘリに乗せるキャサリン。
とそこには謎の組織アキューザーのケイトがいた。
ハリーを預けて一息ついたキャサリンのもとに子供とは思えない冷たい顔をしたジノリが現れる。
ハリーが帰りたいというから帰らせたのに…とキャサリンを責めるジノリ。
そしてもうハリーは返さないからと告げ去っていく。



795 :Sci-Fi HARRY:2012/01/17(火) 23:47:52.04 ID:???
ハリーの容態を見ていたケイトのもとに扉をサイキックで壊しながらジノリが入ってきた。
口論の末、ハリーを殺そうとしたスタンリーをサイキックでバラバラにして殺してしまうジノリ。
そしてそのままハリーを自分の家に連れ帰ってしまう。

そのころFBIと接触していた刑事はアキューザーの正体を知る。
アキューザーとは冷戦が終了して不要になったCIAが持っていた
冷戦時代のアメリカの暗部と言っていい会社を買収した企業家やCIA・OBによる組織だったのだ。

ジノリの家に連れていかれたハリーだったが、今までのことがうそのように穏やかに、二人で楽しく暮らしていた。
ところが、アキューザーからハリーに抹殺指令が出ていたのだ。
ハリーを暗殺しようとした少女をサイキックで殺そうとするジノリだったが、
その少女は対サイキック用に強化されていて逆襲される。
そこへ現れるハリーだったが様子がおかしい。
ハリーは何者かに体を乗っ取られていたのだ。のっとっていた存在こそが真のアキューザーであった。
真のアキューザーとはCIAによって利用され、冷戦時代に繰り返された薬物実験などで
後遺症に苦しむ超能力者たちだったのだ。
彼らはCIAの管理下に置かれジノリの家の地下で植物人間状態で幽閉されていたのだ。

ハリーの体を乗っ取ったアキューザーはその超能力を電波に乗せる力を利用して、
アメリカ国民すべてにアキューザーが味わった苦痛、屈辱、罪を知らしめようとしていた。

アキューザーの力を束ねる存在として生まれたジノリはアキューザーに裏切られサイキックも使えなくなってしまった。
ジノリはハリーを取り返すためにハリーの心にダイブする。そこはTVショーの舞台だった。
アキューザーに唆され、もう一度、今度はちゃんとスプーンを曲げるから邪魔をするなとジノリに告げるハリー。
ジノリはハリーを説得する。



796 :Sci-Fi HARRY:2012/01/17(火) 23:49:17.09 ID:???
「超能力なんかなくたっていいじゃない。普通のハリーでいいじゃない」
「それじゃ駄目なんだっ!何も無い僕じゃ!ジノリにはわからないよ。僕のことなんか」
「わかるわよ……ずっとあの家で一人で暮らしていたのは人の悪意に触れないためよ。
人は必ずいつか私を裏切る……でも」
「ハリー……あなたは違う。人に悪意を持たない。うらやんでも畏れても悪意は持たない、裏切らない」
「私はあなたのそばしかいられないの」
「ハリー」

そう言ってハリーの心の中から消えるジノリ。
ジノリの説得でアキューザーに刃向うハリー。
200人の超能力者たちであるアキューザーを圧倒するほどのサイキックが発揮される。
気を失っていたハリーはキャサリンに起こされる。
人間として成長したハリーはキャサリンに別れを告げジノリのもとへ向かう。

そのころ、組織の方のアキューザーは軍隊によって攻撃されていた。
FBIとCIAを束ねる男、アメリカ合衆国大統領の命令でアキューザーを、ジノリを消すよう命令が出たのだ。

ジノリは自分の家でハリーのことを思い涙していた。
銃弾を止め、攻撃ヘリを落とし、ジノリの家に向かうハリー。
そして二人が出会い、抱き合った瞬間、戦車による砲撃が……

一年後

スプーンでアイスを食べながらTVの野球中継を見ている大統領。突然画面にハリーが大写しになる。
場面は変わって野球場。ハリーとジノリは手をつないで野球場にいる。
「あの人TV見てたかな?」
「それは大丈夫だと思う。でも……」
「また、はずしちゃったかもしれない」
曲った血まみれのスプーンが描かれておしまい。



797 :マロン名無しさん:2012/01/17(火) 23:53:31.09 ID:???
というわけでSci-Fi HARRY以上です。
アニメのほうはもっと無茶苦茶でアキューザーの正体がアメリカ国民全員のことだったり、
ラストはジノリとハリーがフュージョンENDという理解不能の終わり方だったりした怪作でした。