【青山公士】

Last-modified: 2023-11-14 (火) 12:06:50

概要

ドラゴンクエストXの初代テクニカルディレクター(TD)で、2代目プロデューサー。TD時代は技術面の取りまとめを担当していた。

経歴

もともとはハドソン出身のプログラマー。NHKの「新・電子立国」にも当時開発していた『スーパーボンバーマン3』の開発者の一人として出演している。作品によっては「青山光」とクレジットされている。
同社では「新桃太郎伝説」(1993)、「スーパーボンバーマン3」(1995)、「天外魔境ZERO」(1995)のメインプログラムや、「桃太郎伝説Ⅱ」(1990) のバトルプログラム、「スーパー桃太郎電鉄II」(1991)で(初登場となった)キングボンビーの演出プログラムなどを手掛けている。【吉田直樹】とはハドソンでゲーム業界の今後について語り合ったことがあるらしい。
「ウェルトオブ・イストリア」(1999)ではディレクター兼メインプログラムも務めている(同ゲームのスペシャルサンクスに【吉田直樹】の名前が記載されている)。
1999年にスクウェアに移籍、ファイナルファンタジーXIの根幹となるプレオンラインの設計・ディレクターを担当。
2003年の【スクウェア・エニックス】合併のあと、ドラゴンクエストIXに助っ人として「すれちがい通信」のシステム周りを担当(テクニカルサポートとしてクレジット)。
それが縁で【藤澤仁】に請われ、ドラゴンクエストXのプロジェクトに従事するようになった。

テクニカルディレクター時代

主にサーバー関連に従事していたため、バージョンアップ等のアップデート後の混雑によるサーバー過負荷での動作不良にてよく槍玉に挙げられていた。
根っからのコンシューマゲームプログラマーであることが影響しているのか、
普通ならハードを意識することはないはずのSQL(データベース言語)の記述を「ハード面を意識して書いている」という持論を自身のTwitter上で展開したことがある。

藤澤仁いわく、「一番長く会社にいる」のだとか。
難産のDQ9が終わって戻ってきたものの、現場の空気に馴染めずオロオロしていた藤澤に喝を入れたのも青山である。
藤澤はVer.1ディレクター退任時、そして「ドラゴンクエスト夏祭り 2018 WEST」出演時においても世界で最も尊敬する開発者として青山を称えている。

2014年9月30日、【ドラゴンクエストX TV】に初登場。【移動干渉】の実装の難しさなどを語ってくれた。
その後、DQXTVには毎年よーすぴサンタのクリスマスSP(2014-2017)に出演し続けていた。
【椿彩奈】が語るところによると、初期の頃はDQXTVにはあまり好意的ではなかったようで、放送後にスタッフに「生放送してる暇があったらサーバー見ろよ!」と怒っていたらしく、この辺りからも根っからの技術者気質であることがうかがえる。
 
IT技術系雑誌『WEB+DB PRESS』にもDQ10の記事を寄稿している(2015年12月発売のVol.90号、後に増刊号にも転載)。
技術者でなくとも読みやすく、RPGとはなんぞや、DQとはなんぞやという話から始まり、社内の開発体制(ディレクタープロデューサーゼネラルディレクターの役割と各セクションの関係など)や開発ツール*1、移動干渉の技術的な詳細やデータベースについてのエピソードなどをより詳しく語ってくれている。
このあたりを1から書き直して書籍化したものが、2018年11月に出版された「ドラゴンクエストXを支える技術」である。
 
2017年10月7日の「DQXTV 秋の大文化祭10時間スペシャル」では懸案だったポリゴンモデルの刷新(【クリームパン】解消)についての講義『教えて青山さ~んのコーナー』を実施。その前の夏祭りあたりからやけに露出がふえていったが、実はプロデューサー就任の仕込みのひとつだったことがわかるのは1年ほど経ってからであった。

2代目プロデューサー

「ドラゴンクエスト夏祭り 2018 WEST」において、プロデューサーを退任する【齊藤陽介】の後任としてプロデューサー(2代目)に就任することが発表された。
 
夏祭りで齊藤から語られたこと、及び公式サイトの引き継ぎ記事によれば、齊藤は夏祭り2016が終わった頃からぼんやりとプロデューサー交代を考え始めて青山に白羽の矢を立て、2017年初頭頃からプロデューサー就任を打診しており、いきなり社内外両方の調整は難しいだろうと最初は社内向け業務だけと考えていたが、青山は半年ほど熟慮の上で、2017年初夏頃、自身の組織論の「責任者は1人であるべき。プロデューサーは組織の責任者」という責任問題の観点から「両方ともなら引き受ける」ということを条件にプロデューサー就任を引き受けたとのこと。
齊藤はそれを受けて、青山をDQXTVに頻繁に出演させるなど、自身が辞めたあと直ちにフルのプロデューサーとして仕事ができるように「研修」を重ねていった。
 
なぜ青山なのかというと、齊藤いわく、青山のキャリア的にスクエニが用意できるポストはあとはCTO(最高技術責任者)ぐらいしかなく、といってCTOは天才肌の人がなるべき役職であるという。齊藤は、青山はスペシャリストもできるがゼネラリスト向きでもあると評しており(実際上記の通りディレクター経験もある)、青山をプロデューサーにコンバートさせたがっていた。ただずっと技術畑を歩んできた青山にはいきなりフルでは…ということで社内向きから、かつ手慣れたタイトルであるDQ10の業務で、という話を振ったそうである。しかし青山がそれをよしとせず、やるならフルで、となったのは上記したとおりである。
 
テクニカルディレクターの後任はリードプログラマーを務めていた【西岡信賢】が就任した。
 
青山によると、かなり初期の頃から青山が不在な時などは西岡に開発や運営面の技術的な対処を任せていたことがあり、青山が作ったと思われていたものの中には西岡が作っていたものも沢山あったらしい。
そのため青山も西岡をとても信頼しており、2018年夏時点で殆どを西岡に任せていたと夏祭りで語っていた。
ちなみに、西岡をよーすぴサンタ2017に出演させたのも青山P体制への布石だったと言う。
 
尚、プロデューサー就任に伴い新たに広場用のアイコンが作られ、以降【たけやりへい】アイコンは使用されなくなった。

関連項目

【たけやりへい】 - TD時代にアイコンにしていた
【緊急メンテナンス】
【青山さあああああん!!】



*1 FFXIIIシリーズや旧FFXIVでも使われていた「Crystal Tools」をWii/WiiU向けのカスタマイズを加えて使用している。特にWiiU向けはツール開発当時はハード自体がまだ存在していなかったこともあり、本作独自対応となったという