【齋藤力】

Last-modified: 2023-05-25 (木) 23:44:31

概要

本作の2代目ディレクター。
読みは「さいとう ちから」。愛称「りっきー」。
なお、プロデューサーの【齊藤陽介】(よーすぴ)とは「さいとう」の「さい」の字が異なる。
 
初期開発メンバーの1人で、【吉田直樹】と共に職人システムなどを手掛ける。
Ver.1でチーフプランナー。
Ver.2 から【藤澤仁】の後任としてディレクターに就任。
よーすぴ曰く、開発の際には「自分はこうしたいんだけど、みんなはどう思う?」とまず周りに意見を聞く民主主義タイプ(藤澤は「みんなでこれを作る」と方針を決めて引っ張っていくタイプ)。
ディレクターとしては、プレイヤーが「つらい」と感じる部分の緩和と、コンテンツの充実に注力したことが特徴的。
Ver.3完結をもって、ディレクターを【安西崇】に託して退任した。
 
ディレクター在任中、ロト三部作の三大ラスボスである【竜王】シドーゾーマを、いずれもサブコンテンツで実装した。
過去作への強烈なリスペクトが垣間見え、「【堀井雄二】に初めて会ったとき、本人に向かってDQ3の素晴らしさを力説した」ドン引きエピソードも思い起こされるところ。
 
「ろりっきー」との異称はDQ10TVにて 【リルチェラ】を強く推したことが由来。
なお、アスフェルド学園では【ラピス】を推しているようだ。
退任後の置き土産となった【吼えろ トビアス!】でも【ルビー】が登場。やはり期待を裏切らなかった。

経歴

専門学校卒業後、シャウトデザインワークスに入社し「東京魔人學園伝奇」シリーズや「九龍妖魔學園紀」のプランナーリーダーを務めた。
しかし後者の制作末期は給与支払がストップしており、発売後に退社。
その後、ゲーム開発から離れていたが、2005年にスクエニに入社*1
面接官の1人がよーすぴだったが、9か月間も給料が未払いで「1日でもはやく給料を振り込んでくれるところに就職したい」という必死な思いが通じたようだ。
スクエニでは「クロストレジャーズ」で、齊藤陽介プロデューサーの下でディレクターを務める。
なお、吉Pとはスクエニに同月入社で、中途の同期にあたる。
 
ちなみに「クロストレジャーズ」には【しもふりミート】【ふわふわこむぎ】【こくうまソース】【しんせんたまご】といったネーミングの食材がDQ10に先行して登場しているが、【おいしいミルク】(DQ8で初登場)のネーミングを踏襲していることもあり指摘があるまで違和感はなかった。

提案広場

1stシリーズでは職人担当として「りっきーCP」名で【ビッグハット】のアイコンで回答。
Ver.2でディレクターに就任し、アイコンが鳥山先生作の似顔絵、投稿名も「りっきーD」に改まった。
しかし、時々なんかの拍子にビッグハットに戻ってしまうというネタを披露。
 
ディレクター就任当初は回答が比較的多く、「【ふおおおおおおぉぉ!】」「ぐはあ!」「本当だ!」「ワロタ」など、ユーザーの視線に近いコメントが目立っていた。しかしある回答が炎上して以降は、立場を考えたコメントを心がけるようになった。
 
実家が魚屋のため、ズワイガニの足の向きシーラカンスのヒレはイタかった模様。
なおズワイガニ問題は予想外の反響を呼び、りっきーD的にトラウマな結末に。詳しくはこちら

ドラゴンクエストXTV

情報コーナー冒頭での「~しようとしている方! お待ちください」は緩和を告知する際のお約束であり、視聴者の期待と動揺を呼んだ。
地味コーナーでの「【不具合じゃねぇよ!!】」はもはや様式美と化し、先代Dの「いい地味」と同様にTシャツまで作られたのみならず、退任後も安西Dによって継承されている。
【見たか!りっきー!】は、本人発ではないものの、りっきーの親しみやすさから生まれたものと言えそうだ。

りっきー健康問題

ディレクター就任後、りっきーが目に見えてやつれていく姿がDQXTVで顕在化し、視聴者の動揺を招いた。
 
2015年1月19日のDQXTVでは、多少冗談めかしつつも睡眠不足であると発言。
時は逆天井以降の【カジノ】激変期。
事情を察しつつ放送を見たプレイヤーからも健康や体調を心配されており、提案広場における「ドラゴンクエストX おうえん」テーマでは、多くのプレイヤーがりっきーに対するおうえんメッセージを残している。
それらを見て21日未明には謝罪と感謝をツイートしたところ、さらに心配の声が寄せられ、翌朝(の出社中)の電車の中で涙が止まらなくなってしまった模様。そして「どこまで満足してもらえるかわからないが、ゲームを通じて感謝の気持ちを伝えられればと思う」との決意を示した。

「九龍妖魔學園紀」では自腹を切って制作費を捻出していたとか、「クロストレジャーズ」では開発中に6キロ痩せたとか、既存作でもクオリティの向上のために身を削るのを厭わないエピソードがある模様。
 
2015年6月のスクエニ株主総会(IRカンファレンス)では当件がついに株主質疑の対象になってしまった。
【三宅有】執行役員(DQブランド統括担当)の答弁によれば、りっきーの顔色は自分も心配しておりこの前日当日と休みを取らせた、とのことである(なお、同日はVer.3.0後期VUの当日)。
 
実は元々少食傾向で太りにくいという体質の持ち主。
しかし無類のジンジャーエール好きで、(おそらく2012年の会社移転前の)りっきーのブースは空ボトルで埋め尽くされていたという。それがなくなった途端に痩せたのだとか…。
実際、2014年のよーすぴサンタで青山TDが持ってきたりっきーのブースでの風景写真では、空ボトルの山は見られない。
 
ちなみに2ndの途中から体を鍛えだしたとのこと。それでも不健康に見えてしまうのは、食事の質の問題が大きいのかもしれない。

ディレクター交代へ

「ドラゴンクエスト夏祭り2017」にて、Ver.3完結をもっての退任が発表された。
退任を考え始めたのはVer.2.4開発中で、Ver.4のロードマップを書き始めたら半分程で止まってしまい、完成させられなかったことが発端であるとのこと。【吉田直樹】に相談して「まだ、やり切ってないだろ。やり切ってからにしろよ」と言われたことで、Ver.3ストーリー完結までは続けることにした由。
前任の【藤澤仁】と同様、退任と同時にチームも離れることにしたのは、まさに開発初期に藤澤Dがチームを外れて戻ってきたときの齟齬や混乱の当事者としての判断であろう。
 
ただし 【バトエン】のみ、元々Ver.3中の実装を予定して開発を進めていたものであり、Ver.4.0での実装まではりっきーの指揮で開発された。
また【吼えろ トビアス!】はVer.4.1で実装されたが、元々はVer.3ストーリーの一環としてりっきー体制下でシナリオ等が完成していたものであり、実際の開発に当たった安西Dも「りっきーらしいな」と述べている。

その後

「ドラゴンクエスト夏祭り2018 WEST」に出演したほか、11月13日にジュンク堂書店池袋本店で行なわれた【ドラゴンクエストXを支える技術】?発売記念のトークセッションでは進行役を務めた。新作企画のゴーサインを三宅に貰い、製作準備段階に入っているらしい。
 
2019年9月26日放送の【いれちゃん!S ~ドラゴンクエストXI S公式生放送~】に「ふしぎな鍛冶」の生みの親としてゲスト出演した。
2019年9月現在も、引き続き第二開発事業本部内に所属しているようだ。
 
2020年8月1日の「超ドラゴンクエストXTV 8周年カウントダウン特番」にも出演し、よーすぴや第7期初心者大使の西井万理那と共にタイ釣りをしているVTRも流れた。
 
2023年5月25日にサイバーパンク風TPSゲームの新作『FOAMSTARS』が発表、そのディレクターとしてクレジットされていた。
海外展開の広告も始まっており、Twitterでは早速英語で自己紹介をしている。



*1 スクエニHDのアニュアルレポート、2014年3月期の「Creator's Voice」紙面の記述より。