【デルコンダル】

Last-modified: 2024-03-26 (火) 18:43:44

概要

DQ2、および同一世界が舞台のキャラバンハートで登場する国。
【ローレシア】南の孤島に位置する城。
英語版での地名は、NES・GB版ではOsterfair、スマホ版ではDirkandor。

DQ2

本作中で唯一ロトと血縁のない人物が治めている城(人間以外も含めると【竜王の城】も該当)。
船入手の直後から訪れる事が可能。話に沿っていくと【ベラヌール】の次に訪れる予定となる。
島全体が浅瀬と岩山に囲まれており、西側に空いた狭い海峡が唯一の出入り口でここを通って島の中央にある湾からでないと上陸出来ない構造で、これによりまっすぐローレシアへ向かおうとすると必然的に【精霊のほこら】が見つかる様になっているが、逆に【ザハン】の位置が西の海峡からまっすぐ南下すると画面外になる(デルコンダル島の東から南下すれば見える)ので、情報がありながら見つけにくくなってしまうという皮肉な地形をしている。
 
城下町は存在せず城内に施設がある構造であり、王様からして軍事国家っぽく、おそらく外敵の侵入を阻むためだと思われる。そのためか、他5つの城(【ハーゴンの神殿】含む)と違って普通に外から入ると真正面ではなく城壁の片隅から入るような格好になる。
施設は、【宿屋】【武器と防具の店】がある他、占い屋という一風変わった施設もあり。探し物のある方角を教えてくれるが、話し掛けるたびに違う方角を口にするので、GB版までは単なるネタの一種の様だ。
ただし、携帯・スマホ版からは【5つの紋章】の在り処を妙に具体的に教えてくれるようになったので、参考にしても良い。さらに、紋章を全て手に入れると彼の台詞が変わる。
また、後述の決闘イベントを終えれば【復活の呪文】も聞ける様になる。
 
しかし【道具屋】が存在せず、【教会】も情報をくれるだけで蘇生などは行ってくれないという、非常にお粗末な実態も。
【やくそう】【キメラのつばさ】購入や不要品等の売却はもちろん、蘇生すら出来ないので、拠点とするには厄介な不便さである。
道具屋に関しては最寄りのローレシア or 【ザハン】まで出航しなければならず、蘇生の場合は近場の世界樹で済まさなければならない。全滅してここに戻されたら面倒な事この上無いだろう。
 
なお道具屋がない理由は恐らく、ここで比較的高価(といっても150Gだが)で売却できる「【せいなるナイフ】」が宝箱から入手できるため。
FC版ではフィールドに出るか、もしくは旅の扉で移動すると宝箱が復活するので、ここに道具屋があると「武器屋の宝箱から入手→目の前にある旅の扉でローレシア南のほこらと行き来する」の繰り返しで簡単に大量入手できるので、持ちきれなくなったら最後にまとめて道具屋で売れば簡単に金が稼げてしまうのだ。
逆にローレシアでは道具屋がある代わりに、建物の外部から宝物庫までの距離が長く、宝物庫をあさっても時間と面倒の割にはそれほど金が入らないようになっている。ただしこちらも60Gで売れるキメラの翼や、数十ゴールドの入った宝箱もあるので、一回あたり100G以上は稼げる。
皮肉にもデルコンダルから一番近い道具屋は(旅の扉経由で)ローレシアなので、持ちきれなくなった聖なるナイフを売りに来たとき、ついでに宝物庫を物色しても良い。
金策なら他にも方法があるのでやる価値は低いのだが、もしやるならローレシア⇔デルコンダル間の移動は、片道はルーラで、もう片道は旅の扉+トヘロスで行くと良いだろう。
 
この城を治めている【デルコンダル王】は道楽好きらしく、「強い者の戦いを見るのが何より好き」という名目で、玉座の目の前が闘技場となっている。この闘技場はFC版だと「コロシアム」と呼ばれており、ここで【キラータイガー】を倒して王様を喜ばせると、褒美に【つきのもんしょう】が貰える。
普通に戦えばまず負けることはないだろうが、このキラータイガー戦で全滅すると復活した先で【レクイエム】がフィールドに出るまで流れ続けるというバグがある(因みにこれは【ムーンペタ】【ベビル】戦で全滅した場合も同じ)。
シリーズ屈指の暗い曲調で聴いてて憂鬱な曲なので、全力で戦ってそんな事態は避けたいところ。
 
占い屋の裏手にある【牢屋】にいる兵士からは、【きんのカギ】の情報を聞く事ができる。
金のカギがあれば【ローレシア南のほこら】へ旅の扉で直通出来る他、武器屋から【ガイアのよろい】を盗めるので忘れずに。
 
近郊のモンスターは【ウドラー】【ガスト】【ホークマン】等、ペルポイ周辺の敵が主に出てくる。また、【メタルスライム】の集団生息地でもあるので、一撃で倒せるなら経験値稼ぎの場所として役立てるだろう。
ただメタル狩りなら同じ【エンカウントエリア】に属しているザハンの方が何かと都合がいいので、そちらが推奨される。ここは復活の呪文発行所として利用しよう。
 
攻略面では【海底の洞窟】が近くにあるので、【じゃしんのぞう】を取得する際にはここが拠点となるかもしれないが、上記の通り、非常に不便な城なので蘇生の際は注意する事。また、【精霊のほこら】 へ向かう時もここから行くのが最も近い。
 
余談だが、FC・リメイク版共にキラータイガー戦は「逃げる事が可能」なのだが、逃走してしまうと、

*「てきに せなかを みせるとは…。
  もう そちたちの かおなぞ 
  みたくもない! ゆけ!」

と専用セリフで王様に激怒され、紋章を貰えないどころか一度城外に出るまで一切相手をしてくれなくなる。
また、FC版ではここで復活の呪文を聞いて一気にロンダルキアまで行き、シドー戦で負けてデルコンダルで復活すると【デルコンダルにシドー召喚】という伝説的なバグがある。

リメイク版

教会が、FC版と同じ情報をくれた後で通常の教会同様機能するようになり、【預かり所】も追加された。
宝箱は復活しなくなったし武器屋も他の町同様アイテムの売却が可能になったが、道具屋だけは相変わらず存在しない。
なお移動は半歩単位になったのに通路の狭さはFC版と変わっておらず、住民に道を遮られやすくなっている。
 
牢屋の兵士には10年以上入れられている旨の言葉が追加されたり、【ろうやのカギ】で解放するときんのカギについて教えた甲斐があったものだと言い残してそのまま牢屋から出て姿を消してしまうなど、妙に力の入った改変がされている。
また、一度も話しかけずに先にろうやのカギを入手してから来ても、解放後の台詞は変わらないため、初見なのに「おまえは いつぞやの」だの「きんのカギについて教えた」だの身に覚えがないことを言われる羽目になる。
初見でこの状況に陥ったプレイヤーはさぞ困惑したことだろう。
なお、この兵士が去ることで牢屋の奥に落ちている【ちからのたね】を拾うことができる。
 
理由は不明だが、闘技場の呼び名が「コロシアム」から「スタジアム」に変更になっている。
 
SFC版で【サマルカンスト技】を起こす場合、【ベラヌール】の宿屋を当分は使用できないので、【満月の塔】【ロンダルキアへの洞窟】を攻略する場合はここでセーブするのが良い。
なお宿屋に宿泊すると、なぜか店員がパーティのいる右側ではなく上側を向く。
また【シドー】撃破後は、預かり所の【おばさん】だけがいなくなっている。

キャラバンハート

キャラバンハートでは主人公キーファが最初に訪れる町。【ルイン】の故郷である。
同作はDQ2の数百年後の世界であるが、長い年月の間にぐうたら王政が滅び、共和政になっているようだ。
施設は宿屋・教会・酒場(道具屋を営む旅の商人がいる)・ルインの家・お屋敷。
城郭は健在であるが、かつて闘技場だった中庭も居住区になっている。
町の北には【旅立ちの洞窟】なる海底トンネルが開通し、ローレシア地方に歩いていけるようになっている。
 
街の外観から見て、城は一応残ってはいるが入ることはできない。
その代わり町長の屋敷が存在することから、城は一種の観光史跡のような扱いなのだろう。
まともに王政が維持されている国がサマルトリアしかなく、ローレシア・ムーンブルクの城は廃墟と化しているため、
維持されている城は観光資源として価値のある物なのだから。
観光客を当て込んだ酒場(DQ2の時代には存在しなかった)が建てられている点で、観光業が主力産業なのだろう。
 
ここではチュートリアルの意味も含め、踊り子のリップルが仲間に加わる。

ビルダーズ2

【アーマン】【ルル】から聞いた、現実世界にある「さまざまな 町や国」のうちの一つとして、彼の台詞中にのみ登場。

関連書籍での描写

【小説ドラゴンクエスト】の2では、かつて勇者ロトと同時期にアレフガルドへやって来た【カンダタ】
戦災孤児を保護したのが国のはじまりであると解説されている。
(この設定の元ネタはおそらく、前年に刊行されていたゲームブックドラゴンクエスト3)
ただし盗賊出身のカンダタの下にはあらくれやならず者も多く集い、その結果デルコンダルは海賊との太いパイプを持つと噂されるガラの悪い国となった。
小説中では主人公たちも、海に関する情報を求めてデルコンダル国王に謁見している。
ここでのデルコンダル王は成金趣味の粗野な人物、しかも先祖が勇者ロトに敗れたという伝説からロトの一族を嫌悪しており、それゆえ主人公にキラータイガーとの決闘を強いる。
 
【知られざる伝説】ロト2の「デルコンダル王のお忍び道中記」では小説版と大きく異なり歴史と気品ある伝統主義の国として描かれている。
こちらのデルコンダル王は若手だが格式張った保守的な人物であり新興国であるローレシアやサマルトリアが台頭している情勢にいらだちを隠せない。
そこで彼は騎士長のキャシオーと共に旅商人に変装し、自らローレシアに乗り込んで彼の国の繁栄の秘密を見届けようと企んだ。
紆余曲折の末、彼はローレシア王宮の宝物蔵に入るのだがその一番奥の部屋で見たものは、ローレシア建国直後に当時のデルコンダル王が贈ったという小さな壺だった。
今でこそ古ぼけた壺だが、当時の最新技術で作られたこの壺を惜しげも無く贈り伝統ある国の技術を見せてくれたデルコンダルの心意気に応えたい。
それがローレシア発展の原動力なのだと知ったデルコンダル王は、己の傲慢さを大いに反省するのだった。

ゲームブック(エニックス)

【ローレシア】とは当初敵対関係にあり、ローレシア側では沿岸警備を怠るとすぐに攻め入ってくるという厄介な存在であったらしい。
このゲームブックでは星の紋章を目的に身分を隠して訪れ、原作通りにキラータイガーとの闘技大会が行われる。闘技大会は【ローレシアの王子】だけが参加し、ここでは指定された武器のみを使用可能。
キラータイガーを倒すとさらにオリジナルキャラの戦士ガルダーとの決闘になり、彼に勝てば紋章が手に入るが、敗れると紋章は持ち去られてしまう(後に終盤で譲り受ける)。
大会後、デルコンダル王から旅の目的を問われ、返答次第では身分がバレて追われるか戦うかの選択を強いられる。
 
2度めに訪れた時にはハーゴン軍の襲撃に遭っており、ローレシアの王子たちが魔物を撃退後、デルコンダル王を説得。結果彼は和解し、ハーゴン軍との戦いに参戦する。
また、【デルコンダルにシドー召喚】の裏ワザが再現されており、デルコンダル王から貰える「不思議な宝石」を【シドー】に敗れたときに持っていれば、【バシルーラ】の効果が発動してここに飛ばされ、そのままシドーとの再戦になる。