【時の砂の巻物】

Last-modified: 2023-11-19 (日) 09:54:45

トルネコ1

【もっと不思議のダンジョン】にのみ登場する巻物。
【ときのすな】の名の通り、読むと時間が巻き戻ってそのフロアに降りて来た最初の状態に戻る。
純粋に時間が戻っているのでフロアの構造やモンスターの配置などは一切変わっておらず、トルネコの状態にしてもHPから所持アイテム、識別・未識別の状況もフロアに来た直後の状態に戻っている。
ただし、この巻物だけは失われている他、この巻物を使ったことで「時の砂の巻物を識別した」というフラグは巻き戻った後もちゃんと残る。
 
用途は多岐に渡る。
 
まず真っ先に思いつくのがアイテムの識別に利用するという方法。
未識別アイテムを実際に装備するなり使うなりした後にこの巻物を読めば、最小限のコストでアイテムを識別できる。
ただし【くちなしの巻物】に注意しておかないと、大惨事を招いてしまう恐れもあるが。
また、特に終盤など階段の位置やモンスターの配置などを把握してから使い、無駄な消耗を避けて階段に直行するという手段も有効。
その階の行動を詳しく覚えていない場合は、読む前に中断して【リプレイ】で見直すと良いだろう。
逆に【ベビーサタン】が出現するフロアで【地震】が起きるほど粘ったにもかかわらず満足のいく結果が得られなかった場合は、この巻物を使うことで階層を変えることなく泣きの一手がつかえる。
この他【パルプンテの巻物】を任意の結果が出るまで試行してみることもできる。
勿論この場合も「5階下に降りる」効果が出てしまったらそれまでだが。
どうしようもない大ピンチの時などに読んでもいいが、束で持ち歩くほどの価値は無い。
というのも、トルネコ1におけるピンチはかなりの割合で【開幕】なので(特に終盤)、開幕に戻るだけのこの巻物はただの悪あがきになりがちだからだ。
 
なお諸注意として、このアイテムの仕様を事前に知っておかないと無駄に使ってしまったり損をしたりすることがある。
まず冒頭で述べた通り読むと当然ながらこの巻物は消えるわけだが、この巻物を拾った階で読んだ場合、読んだ巻物がもう一度再配置されることはない。
これはモンスターのドロップにも適用されており、初期配備されているモンスターの中にこの巻物を落とすモノがいた場合、そのモンスターは使用後のリトライ回では何も落とさなくなる。
100%アイテムを落とすベビーサタンも例外ではなく、これを落とすベビーサタンを倒して落とした巻物をその階で使った場合、そのベビーサタンは再度倒しても一切何も落とさない。
階に降りてきた状態に初期化されるため「積み重ねていくこと」こそできないものの、同じフロアを延々と納得のいくまで無限に繰り返すことを防止するため、これ自体は何ら問題のない、むしろ当然の措置と言えることではあるが、問題はこの消滅フラグが「その階で拾える全ての巻物に紐づけられている」こと。
そのため同じ階で二枚以上拾い、その階で拾ったものを使うと残りの時の砂の巻物も全て消えてしまうのである。
モンスタードロップの方にも適用されているので、同じフロアで地べたに直置きされている時の砂の巻物とモンスターが落とした時の砂の巻物の二枚がある場合、どちらか一方を使えば必ずもう一方も消滅し、直置きの物は消え、これを落としたモンスターは上記のように何も落とさなくなる。
次の階に進むとこの紐づけは解かれるため、ケースとしてはあまりないとは思うが同じフロアで複数の時の砂の巻物を拾った場合は「次の階の進んでから使う」か、「事前の階で拾ったものを使う」ようにしておきたい。
これがまず一つ目。
 
二つ目の注意はこの巻物によるやり直しが「乱数等を含めてのやりなおし」になっていること。
イメージとしては外部ツールであるエミュレーターなどを用いたクイック・セーブ、クイック・ロードに近い。一種の状況再現である。
そのためフロアの構造や配置アイテム・モンスターに限らず、その後の行動の結果もすべて等しく同じになってしまう。
攻撃のミスや回避、与えるダメージ値等も一切変わらないので「強敵に対して攻撃がミスりまくったのでピンチになった」という経緯を変えようと思っても、同じ行動を採ってる限りは同じようにその強敵にミスりまくり、再びピンチに陥る。文字通りのリプレイ。悪夢の【無限ループ】である。
これを避けるためにはあらかじめこのことを把握したうえで、あえて意図的に前回とは違う動きをして乱数を変えていかなければならない。
フロアを右回りに探索したのなら今度は左回りにしてみるとか、とりあえずその場でしばらく【足踏み】してみる等でもいい。
ただしどのタイミングでどのように乱数が変わったかを把握する術などないので、あとは実際にプレイしてその結果を見るしかないのではあるが。
また一例として

  1. 開幕直後にモンスターに取り囲まれた。
  2. 一歩移動したら運よく(?)【地雷】が埋まってた。
  3. これが発動すれば周囲のモンスターを一掃できるのに、あろうことかこのタイミングで不発!…で詰み。

というような流れの時にこの巻物を読んで次を狙っても、「不発を引く」という乱数が変わらない以上、何度やりなおそうが絶対に地雷は起爆しない
特にフロアに降り立った直後は乱数を変える手段(猶予)に乏しく、状況の打破には地雷以外の何かでなんとかするほかないということになる。
上記の「開幕ピンチの救済にならない」のはこれが要因の一つと言える。
 
これ以外にも「乱数等を含めてのやりなおし」によって「同じことが繰り返される」の被害を被るのが上記のパルプンテの巻物の再試行。
こちらも乱数を変えない限りは単なる再現なので同じ結果しか引けない。
特にパルプンテの巻物は「フロアのモンスターが全て~」という内容が多いため、フロアに降り立った直後に使うことが推奨されると思うが、殊この巻物による再試行を狙おうとすると、よりにもよって乱数も何もかもが完全一致してる一番よくないタイミングで使ってしまうことになる。
これでは完全にアイテムの無駄である。
勿論「乱数を変える」一口に言っても、いつ変わったのかかもわからなければ、それこそいい方に変わったのかなんて尚更わかるわけがないので、結局は「変わった(できればいい方に)」と信じて適当なタイミングで使ってみる以外にはないのだが、それでも仕様を把握しないまま無駄に浪費するよりかは余程マシだろう。
少なくともワンモアのチャンスにはなっているので。
一応のアドバイスとして「まだ階層とアイテム欄に余裕がある」と「事前に【シャドーの指輪】を入手済みか、【目薬草】の予備がある」という二重の前提条件付きではあるが、一つの階に降り立った直後、開幕一番にパルプンテを使い、望みの結果が出なければこの巻物を使って「なかったこと」にした後、当該フロアの探索を済ませ次のフロアに降りてからまた同様の事をすれば間違いなく乱数だけは変わっている。
後は己の運を信じよう。
 
このように数少ないトルネコ1にのみ存在するアイテムで、後に登場する【やりなおしの巻物】とは大幅に異なるので混同無きよう。
あえて例えるなら、やりなおしの巻物が「0からやりなおす」効果だとするなら、時の砂の巻物は「1からやりなおす」効果と言えるだろう。