スタッフ/【渋谷員子】

Last-modified: 2023-11-08 (水) 01:43:57

「しぶや かずこ」と読む。
FFシリーズ黎明期の女傑。


FF5の各ジョブのキャライラストで時の人となったが実はFF1からマップ上のキャラCGを
担当していた古参社員。坂口博信がスクウェアの社内プロジェクトを発足し「RPGでドラクエを打ち負かそう!」と号令をかけるとすぐ参加した、FF制作チーム最初期メンバーの1名である。
スーパーファミコンの頃が絶頂期でFF、ロマサガシリーズとフル回転だったが,
PSに入ってからサガフロシリーズのみとなり、
ついにアンサガでサガシリーズからも担当をはずされてしまった。
最後に名前が確認されたのがFFCCのメニューデザインであったが、FF4TAでの久々のFFキャラドットに復帰した。
また、ドットにする時楽なのか女性のレオタード比率は高め。

  • FF1の橋を渡った時に見られるOP画面の絵もこの方が描いている。
    あまりゲームらしいイメージにはしたくなかったそうだ。
  • 意外と知られてないようだがメニューのUIデザインも担当していて
    青い画面に指のカーソル、フォントなど
    シリーズの印象を決定づける部分は彼女の手によるものである
  • 基本的にデフォルメキャラは真横を向いている構図が多く、クルルの様に斜め前を見ているイラストは少ない。あれは石井氏や他のグラフィッカーのアレンジなのだろうか?
    • 渋谷女史が描いたキャラが正面を向いたレイアウトになったイラストはFC版FF1・2か聖剣伝説の販促アイテムくらいしか存在していないようだ。他にご存じの方いらっしゃったら追記願います。
    • 斜め前を見ているイラストは石井氏の案。
      斜め前を向ける表現は渋谷氏も可愛いと認めており、クルルの子供らしさと可愛らしさを表現する為に倣ったものだと思われる。
  • 「サガ スカーレット グレイス」ではトロフィーアイコンの「ロマサガ3風ドット絵キャラ」を担当しており、EDにもクレジットされている。

FF3ではモンスターと戦闘背景とダンジョンMAPを担当(各ジョブのドット絵キャラはすべて石井浩一氏が担当したため)。
また、開発時に双剣をV字に構えたイラストを描いて「パッケージイラストはこんな感じにお願いします。」と天野氏に発注。
それで生まれたのがツインソード
ある意味、兄貴の真の生みの親は彼女かもしれない。

  • モンスターの担当を務めた事から当然暗闇の雲のドットもこの人が打ち込んでおり、天野氏の絵と全然違う見た目になった理由については
    「人型のデザインをそのまま取り入れると、こぢんまりとしたものになり画面映えがしなくなってラスボスらしくなくなる」とのこと(これは2の皇帝にもいえる)。
    「当時ラスボスが小さいのはあり得なかった」という風潮もあり、折角天野氏から描いてもらったのにも関わらず、やむなく全部変えたと語っている。
    • スクウェアに入社したての頃の野村哲也は、天野版暗闇の雲を見て「何でこんな素晴らしい絵をゲームに使わなかったんだ!」と憤慨したそうな。
      そして「いつか自分の作品で使ってやる!」とも思ったそうだ。後年、それが叶うことになる。
  • ピクセルリマスター版ではジョブグラも担当している。
    竜騎士のまっ黒化や魔剣士や忍者の勝ちポーズ改変など、不評を買ったり小首を傾げられたりしているが、他のジョブの再現度は概ね高く詠唱や構えのポージングは違和感なく溶け込んでおり、総合的に見て高いクオリティに仕上がっている。
    • 竜騎士の人相が某所の騎士と酷似している部分があり、FF2~3のリメイクにて修正したに見える。
      • よくわからんが修正するなら3の竜騎士の色も元の色に修正しろよと。
    • 一方で、元々赤色だった戦士等の髪が茶髪にされていたことに違和感を感じているユーザーもいる模様(そういう意見が散見されたり、MODで髪色を赤に改造したものが上げられたりしている)。
      しかし、これはFC版の各カラーパレットの3色制限による事情であり、石井氏の原画では茶髪である。
      故に批判や不満を述べたいならば、上記の点を踏まえなければならない。
      • 黒は背景に使われる透過部分であり、黒に近い茶色で補っている部分があり、他作品で黒髪のキャラクターも上記の事情で茶色が使用されているケースがある。

氏が担当した物に特徴的なのはキャラクターによってポーズ(瀕死時、倒れている時、魔法詠唱時など)
が違い、個性豊かなものになっていること(FF6のエドガーのキザっぽいポーズなんかが代表的)。
主に顔パーツがベースになっており、男顔パーツと女性・優男パーツとその他顔パーツがある。
FF5のジョブに至っては5人のキャラクターがすべて違ったデザインをしている。
これは、ただドット絵に起こすのではなく、キャラクターの設定・性格を
想像してドット絵を打つかららしい。


坂口氏等に比べるとやや知名度は低いが、2D時代のFFやサガシリーズをグラフィック面から支えた立役者である。
サガフロではちょっとしたメッセージも見られる。

ごきげんいかが?しぶやかずこです☆
今回もメインのカワイイ女の子達を描いたのよ。
サガ3ではあのステキな教授で登場したけれどみんな、覚えているかしら?
次回もぜひお会いしたいわね。ふふふ。

セリフではサガ3となっているがロマサガ3の間違い。

  • ロマサガ3には渋谷氏をモデルとした教授というキャラが登場するが、教授は「私は3・・・いえ、私は20歳」と、年齢を10もごまかしている。
  • ファミ通の30周年記念にはモデルとなっている教授のドット絵を寄贈している。

久し振りに「FF4TA 月の帰還」でグラフィックを担当している。

  • FFLのドットも担当している。
    古参のFFファンとしてはうれしい限り。
  • FF4TAに関する時田氏のインタビューでは、売りのひとつとして彼女の参入を挙げていた。
  • TAでは開発室に「ドットレディ」という女性スタッフがいる。
    おそらくは渋谷氏なのだろう。
  • なぜ本名ではないのか・・・
    • なお、渋谷氏は元々のFF4では、下絵を描いたのみでドット絵を打っていない。
      下記のように、GBの聖剣伝説の仕事をしていた。
      • FF4イージータイプの攻略本にはこの絵が掲載されていた。
      • GBA版FF4のデフォルメイラストは渋谷氏ではなく、渋谷氏のイラストや画風を下に小林元が担当。
      • 渋谷氏のツイート

FF2のフリオニールが1の戦士のほぼ使い回しだったり、
天野画で兜と鎧を着ていたガイがやたらと軽装になっていたり
5でシドがメガネかけててミドがメガネかけてなかったり
元となる天野氏のデザインから結構オリジナルアレンジを加えているものも多い。

  • 4TAでもの銀髪を受け継いだ息子青髪になっている
    • FF4セシルもドットでは青紫髪なので違和感はない、というかそっくりである。
  • 5はもはやアレンジと言うレベルではない。特にファリスとレナ。
    • 髪の色を派手目にアレンジした事によりオールドで白髪になる演出などが際立ったのではないだろうか。
    • 天野画やサガの小林画なんかはモンスターならともかく、小さいドット絵に起こすには
      やはりアレンジは必要なのだろう。FF2はミンウとかレオンハルトとかちゃんと作ってるので
      そんなに使い回しってわけでもないが、ロマサガ1とFF5はなかなか使い回しが多かった。
      • 兵士は恐らく色だけ変えて流用・レナとモニカ
        後容量が理由なのかロマサガではイスマスの兵士とジャンとガラハドの戦闘グラフィックが
        色だけ変えて使い回されているな。
      • 小林画はキャライメージなどが完成したのちに書いてます。
      • 小林さんは「サガフロで初めて参考用のイメージ画が届いた」という旨を裏解体で話しており、
        サガ20周年のトークで「実際に私の絵を渋谷さんがドット絵にしてくれたものを~」とも話している。
        河津氏曰く指定しすぎるとその通りにしかならないのでまずは好きに描いてもらうらしい。
        (おそらくロマサガ1の話だろう)

同社から発売された、ナナシノゲエムにて登場するFFを思わせるレトロゲームでは、再びドットイラスト担当している。ただし、ホラーゲームなので要注意。


バッツの髪型は、サガシリーズでも使われている。
ロマサガではアルベルト(能力アップのキックポーズ)、ロマサガ2ではシティーシーフなどに。


2008年にはスクエニのウェブサイト上で、ドット打ちの講義(現在リンク切れ。テキストのみ閲覧可能)を開いていた。
これによれば一度自分で色鉛筆などで大まかなスケッチをしてからドット絵を打つらしい。

  • あのスケッチはあくまで説明のためのものみたいだよ。同ページの記述より。

    ちなみに私は、イメージからドットまで、すべて頭の中で妄想してモニターに向かうので
    実は紙には描いたりしません。


携帯版ロマサガ1のドットもやはり担当されているのだろうか。

  • 画像見たところフィールドの人物が6みたいに戦闘画面の頭身になっていたので、
    渋谷氏が担当したとみて間違いはなさそう(戦闘画面のグラは変化なし)。

寺田によれば、彼女はFF2の完成を祝う忘年会でMr.ヨシイを口説いていたらしい。


聖剣伝説開発時は白黒のグラフィックがつまらなくて、SFCのグラフィック製作(たぶんFF4)の所に行っては
「色があっていいなあ・・・」と背後でつぶやいていたとの本人談。


FF13のおさらいサイトでは、FF6風のドット絵で表現されたFF13のキャラ達が見られるが、
これも渋谷さんによるものだろうか。
あと、「ゼロ」のジャケットのドット絵キャラも…?

  • オーファンやシ骸がみょーにリアルすぎるあたりその可能性が強そうだ。

FFレジェンズ「スマホ版」のキャラグラも実はこの人が担当している。
ドット絵の雰囲気を残しつつ高解像度のスマホに合わせたグラフィックを実現させている。
……が、どこか「あっさり」しすぎな印象があり、ガラケー版では多種多様だった女性キャラの髪型が、
スマホ版では基本的にすっぴん時の髪型そのままであったりと、何かと「こなれていない」。
特に忍者グレイブは不評。真ん丸な頭の形がおかしい。
反面、詠唱ポーズなどはガラケー版よりも躍動感にあふれる動きが多く、(個人的には)女性シーフのお尻を突き出す動作などが素晴らしい。

  • 紹介サイトなどの「静止画」だけを見るならば「ドット絵の方が良かった」という印象を受けやすいが、
    実際にプレイして、ゲーム中の「動画」での躍動的な動きを体感したならば「意外と良い出来」という感想に変わりやすい。

現在はスクウェア・エニックス モバイル事業部のアートディレクターとして活躍中(2013年3月現在)。
スマートフォン版のFFのドットは勿論のこと、スマートフォン版「ドラゴンクエスト モンスターズ WANTED!」の
戦闘シーンの背景も担当したということがインタビューにて明かされた(イメージ画および一部のゲーム内グラフィックス)。
名前が表に出ることこそ少なくなったが、常に何らかのプロジェクトに関わり、多忙な日々を送っているようである。

  • 上記のインタビューでグラフィックの使い回しを否定している。
    使い回しをしていると思われていたグラフィックはただ単に似ていただけのようだ。
  • 最近はチュンソフトから発売されるゲームにて似たようなドット絵を見かける。

スマホ版FF5、FF6のキャラドットも原作同様渋谷員子である
同じく高解像度で当時のドットを意識した別の人担当のPSP版FF1、2、4のキャラと較べて
丸っぽく表情豊かで女性らしいかわいらしいデフォルメに当時のドットの面影があり
詠唱中のグラや女キャラのかわいらしさにはこだわりが強く感じられる
ただし、もともと少ない情報量の原作ドットを引き伸ばしただけのような、のっぺりとした印象もあって
一部ではPSP版同様RPGツクールのように安っぽいと不評もある
男キャラの描き方や色のグラデーションの考え方の変化が違和感につながっているのかもしれない
天野絵に変に近づけず原作ドットを意識しているのはありがたいのだが

  • 上記のインタビューでも述べているが、例えばキャラ絵ならSFC版当時と比べてスマホ版のドットサイズは
    約6倍にまで膨れ上がっている。
    (ドラクエが良い例でマップチップこそSFCのものが使用されているが、キャラチップはでかくなっている)
    ドット打ちのやり方自体は当時とは変えようがないとのことなので、高解像度化に伴って様々な面で苦労しているようだ。
    絵の質感が変わった感じがするのも無理からぬことなのかもしれない。
  • スマホ版への批判の中には「当時のドット絵を打っていた人がいなくなったからこうなった」という無知かつ失礼なものも多い。
    ちなみに、SFC版とスマホ版のドット絵を比較してみるとキャラの体型のデフォルメ比率はあまり変わっていない事がわかる。
  • 高解像度やCGでのエフェクト多様などで荒い画質で誤魔化せたものが隠し切れなくなった変化について行けず裏目になった感もある
    (一つ一つの表情は豊かだが繋ぎ合わせたアクションの不自然さや椅子と重なっているだけで座っているように見えない等)

「ファミ熱!!プロジェクト」にて全5回のロングインタビューが公開されている。
→『ドット絵の匠インタビューシリーズ2『FF』のドット絵師 渋谷員子 編

  • 元々はアニメーションの専門学校に通っていたものの、アニメーターになるつもりはなく、
    そこへスクウェアから求人が出ていたので「絵の仕事ができる」というわけで応募したが、
    ご本人はもともとゲームにはまったく興味がなかったそう(ロマンシングサガ大事典で、ロマサガ1について
    『ゲームをしない私がちゃんとマトモにプレイした初めてのRPGです』とコメントしていた)。
    一時期は、3DやUI、文字フォントのデザイン等の仕事をしていて、
    FF4TAでドット絵を打ったのはじつに14年振りくらいだったとか(90年代後半にサガフロンティアシリーズに
    関わっているが、「SFC時代のFFシリーズ的なドット絵を打つのが14年振り」ということだろうか)。

2019年4月4日のファミ通によると6ではセリスが好きとの事。


2021年9月16日、スクウェア・エニックスのyoutubeチャンネルにてロングインタビューが公開された。
ドット絵制作35年の歴史 アートディレクター渋谷員子【スクエニの創りかた】


FF1~6の新しいリメイクである「ピクセルリマスター」シリーズでは、主要キャラクターのドット絵が渋谷氏によって打ち直されている。
数えてみたら、合計3870枚も描いていたそうである。
この渋谷氏によるリファインがピクセルリマスター版のウリとして宣伝されているのだが、見栄えの変化には賛否がある。

  • 旧スマホ版5・6やピクセルリマスター版共通の渋谷氏の色の置き方として
    「明暗のコントラストが弱い」という特徴が見られる。
    影の部分は濃く、明るい部分はハイライトを入れる…といった明暗の強調があまりされていないのだ。
    そのため、いまいち立体感や鮮やかさに欠け、のっぺりした感じに見えてしまう。
    特にFF6がオリジナルとの見栄えの差異が顕著である。
  • ファミ通2021年12月30日号のピクセルリマスター版特集記事にて、
    「(FF6では)オリジナルのドット絵はハイライトとして白色が多用されている。
    これはブラウン管で見ると膨張して効果的なハイライトになるが、不自然な見た目になってしまう」
    ということを渋谷氏は語っており、液晶画面を意識した描き方に変えているらしい。
    しかし、FFRK・ロマサガRS・オクトパストラベラーといった近年のドット絵作品でも
    濃い陰影やハイライトを意識した色の置き方は普通に行われているが、その表現に特に不評が出たりはしていないわけで、
    柔らかい色の塗り方にしようと気にしすぎなくてもよいのでは…と思える。

口下手である。
ピクセルリマスター関連のインタビュー動画を見ていればよくわかる。
まぁ、彼女は口よりも手を動か(してドットを打つ)す職人であり、ああいう番組に出てインタビューに答えるのは不慣れなだけだろうが。