セリフ/【ただ自由でありたいだけ】

Last-modified: 2021-12-14 (火) 05:17:50

FF12

ラスボス戦の直前、ヴェインの問いに対して答えたアーシェのセリフ。
セリフ全文およびヴェインの問いかけは以下の通り。

ヴェイン「ひとつお尋ねしたい
     ──あなたは何者だ?
     亡国の復讐者か?あるいは救国の聖女か?」
 
アーシェ「どちらでもないわ
     私は私──  ただ 自由でありたいだけ」

FFTの「あなたと同じ人間さ!」を思い起こさせる迷回答である。

「死者たちのための復讐」や「正しき歴史を導く聖女」は、他人から与えられた役割。
そのような役割をこなすのではなく、自分の意思で行動したいという内容。
アーシェは「苦しくても石に頼らないダルマスカを取り戻したい」という意思がある。
大灯台で石を捨てたのもそのためで、バハムートに乗り込んだのも復讐を遂げるためではない。
ただどうしてもヴェインを殺したかっただけである。

  • そもそも石に頼った結果生まれた国なので、取り戻すべき「石に頼らないダルマスカ」など元から存在しない。
    • 生まれを見るとその通りだが、実際にダルマスカが石を使ったことは一度もないのもまた事実である。この辺は、きっと作中でも言われ続けるのだろう。

この解答を聞いたヴェインは、こう言いながら
腕を振り構え、臨戦態勢を取る。

  • 王族とは義務と責務の「公」の塊である。私的な場での発言すら国家の意思と見なされることも少なくない。
    ヴェインが問うた以上は「国主たる在り様」であったはず。義務と責務を放り出したい、とすら捉えられるコレは返答としてはヴェインには許し難いものだったのだろう。
  • 感情を滅多に表に出さない(直後の戦闘後のガブラス相手への一回ぐらいか)ヴェインらしく、この台詞への返答は静かで冷たく、怒るというよりも蔑んでいるようですらある。
    しかし、一国一軍の主であるヴェイン自ら手に掛けようとするところに、言葉からは推し量れないほどの決意や敵意を感じさせるものがある。
  • 念のため書いておくがここでアーシェのいう自由とは『自らに課していた復讐の義務もオキューリアに望まれた聖女の役目も行わずに自ら考えて国を治める自由を選ぶ』という事であって何もかも投げ捨てて勝手にしたいという意味ではない。
    王族であり為政者であろうとすることの全てが義務である訳ではないことは留意したい。そもそも最終決戦は公的発言云々の場所ではない。アーシェだって公的な場所で節度ある発言をしている(はず)。
    ただ、ヴェインにとってはアーシェが仲間たちとの旅を経てそのような結論に至れた経緯を知らないことと、彼の生きる全てが義務と考える思想によって誤解を招いて怒りを感じたという事である。
    全てが「公」としか考えられない男が彼女の「私」を理解できない(若しくはしたくもなかった)ためにこんな奇妙なやり取りがうまれたのだろう。
    • アーシェについてだけ好意的に妄想...もとい超訳しすぎだろう。何もかも投げ捨てる気もないが自由にしたいだけである。
    • ヴェインはアーシェの回答を『誤解』して『怒って』いる訳でない。ラーサー他と手を組んで攻撃してきたので、反撃するしかなかっただけだ。部下も大勢殺されている。
    • 『奇妙なやりとり』と理解できているなら、その責をヴェインに押し付けないでやってくれ。アホな返しをしてきたのはあくまでアーシェだ。
    • 私憤で動いていたガブラスに対してもヴェインは快く思っておらず、後に怒り・苛立ちを見せている。
      立場のある者が私事で動くという事は断じて許されてはならないというヴェインの極端な思想、歪みとすら言っていいものがよく表れている気がする。
      確かに一理あるのだが、ヴェインのこの価値観は過去に公務として自らの兄弟を手にかけざるを得なかった際、自分の私的な感情と無理矢理に折り合いをつけた結果なのかもしれない。
    • 『立場のある者が私事で動いてはならない』というのは極端で歪んだ思想などではなく、当たり前のことである。警察官や裁判官が個人的な感情や私利私欲で動いていいとでも思っているのか。
    • 上記の通りここで言う自由とは「亡国」、つまり死者の恨みや死者の重みに囚われて生きるか、ここでいう「聖女」というのはオキューリアの言いなりになるか、という意味合いが強く、別に個人の自由は討論されていない。ヴェインは、血塗れの存在でもあり、多くの血を流した以上止まれないし、最後まで止まる気はない。しかし、アーシェは復讐することをやめ、ただダルマスカのために生きようとしている。ここでいう自由とは「誰かの幻影に囚われることなく、自分の意思で未来を作ること」。ヴェインは、作中で特定の誰かの死に囚われているシーンこそないものの、多数を殺した後ろめたさとそれを生涯背負い続けるシーンもあり、そういった意味では彼も死者に囚われている。「殺したからこそ進まねばならないヴェイン」と「その先を見て復讐をやめたアーシェ」。戦い続けるヴェインと、戦うことをやめたアーシェの違いなのではないか。
  • ヴェインは全てを「公」としか「考えられない」訳ではなく、「生きる全てが義務と考える思想」なども持っていない。
    • 父親が皇帝であり、弟が次期皇帝候補の1人(ライバル)であるため、家族との関係が「私」ではなく「公」になってしまっているし、王族ではない(絶対的な権力者の一族ではない)ため、アーシェよりも「私」を許されない立場のようではあるが。
    • そもそも主人公達(プレーヤー)からみて「敵」であるヴェインの「私」の部分などゲーム内に出てこないからわからない。

DFFAC・NT

ヴェインのネタチャットのひとつ(レベルは16)。
「あなたは何者だ?」
単発で打つなら暗闇の雲の「わしは暗闇の雲!」とかノクティスの「いかにも『王子ご一行』だろ」とかラムザの「僕はベオルブの名を継ぐものだッ!」と成立しそう。

  • 私は、お前の、母さん…
  • オエガ、バッシュダ!