FF4(DS版)
月の民の館にてセシル心の台詞。ゴルベーザが実兄と判明した後の葛藤の言葉。
セシルよりも失ったものが大きい人々がゴルベーザをあっさり許しているので、
一瞬セシルの心が狭いように感じられるが、加害者が自分の身内と言うのは、
もともと複雑な感情を抱かせるものであり、更に天涯孤独の身で初めて会えた肉親であるのに、
敬愛していた父親同然の王を殺され、多くの人々が死に、やりたくもない悪事に手を染めるはめになり、
左遷された挙句に旅で多大なる苦労をさせられ、親友に殺されかけ、その兄本人にも殺されかけ、
そもそも自分を捨てた張本人であり、かと言ってゴルベーザも洗脳されていた故に、
憎んでいいのか許していいのか分からず、しかし自分が操られていた可能性もあり、
同じ血が自分にも流れているが故の苦悩もある。
これでも最後に「兄さん」と呼べたセシルはエライと思う。
- 自分のせいで母親が亡くなりそれが原因で兄に捨てられたと来れば、
罪悪感を感じたり落ち込んだり許せなかったり、そりゃ複雑な思いに駆られるだろうな…。- セシルは前段階で操られて悪事を働いた親友を「操られていたから」として許し、
そして自身も騙された上でとはいえミシディアやミストで起こした惨事を被害者に許された。
その上で実は操られて悪事を行っていたと判明したゴルベーザを許せるのか悩んでいる。
ゴルベーザをどうしても許せない気持ちが消えなかったから悩んだのだろう。
リディアとカインの心の台詞もセシルがゴルベーザを許せず苦しんでいる事を気遣っている。
- セシルは前段階で操られて悪事を働いた親友を「操られていたから」として許し、
ちなみにゴルベーザによる被害を勝手に順位付けしてみると
(人生狂わされたゴルベーザ本人が一番可哀相ではあるのだが)
テラ | 娘死亡、本人死亡 |
---|---|
カイン | 恋心を最悪の形で暴露させられ親友を殺しかけ、世界破滅の片棒をノリノリで担ぎ、 醜態をあっちこっちにさらすハメになる |
ギルバート | 家族、故郷、国民、恋人を一度に亡くし、恋人の父にボコボコにされ、 悲しむ間も与えられずに幼女に罵られ、フルアーマーの余所者に殴られ、 旅に同行するハメになり、半死半生の目に合わされる (全てがゴルベーザのせいでもないが) |
リディア | 家族と故郷と周りの人々全てを失う |
エッジ | 故郷を滅ぼされ両親とトラウマものの戦いをする |
セシル | 上記参照 |
ヤン | 部下が山で全滅、操られて偽バロン王の手先にさせられる |
シド | 自作の飛空艇を悪用された上に自分も投獄され、ついでに瀕死の重傷 |
ポロム&パロム | 故郷の惨劇、偽バロン王の道連れになりかかる |
フースーヤ | 甥っ子の所業にさぞかし心を痛めた事でしょう |
ローザ | 恋人が生死不明になったり自分もさらわれたり殺されかけたり大変だが、 ゴルベーザのおかげでセシルと結ばれたと言う説もある |
…恨み発散の矛先をゼムスに向けたカインやルビカンテを倒して溜飲を下げたエッジはともかくとして、
あんな目に遇っておきながらゴルベーザを簡単に許せたリディアは大物だと思う。
- リディアはDS版の一言メッセージで「許さなきゃセシル…ゴルベーザを…!」とまで言っている。
- だまされてとはいえ母親を殺してる実行犯Aを許すのも、なかなかできる事じゃないしな。
- 実行犯Bの事は許したんだっけ?
- 再加入時のやりとりからして、許していると思う。
- リディアは純粋無垢な子供だったから(さらに幻獣界で人間とは違う感覚で育てられただろうから)許せたのだろう。
大人というのは失うものも背負うものも色々とあるからそうはいかない。- 子供だからこそ、母を失った痛みは大きくなりそうだが。
- リディア母はセシル達「が」殺したわけではない、彼女がミストドラゴンとして戦った結果ミストドラゴンが負け、召喚の代償に亡くなったわけである。
元々命がけで自分や村を守っていたのだから、セシル達を過度に恨むのは母を汚すことになるとリディアは考えたのだろう。 - リディアの場合、再会時にセシルから母を殺したことを理由に助けたことに対する疑問を投げかけられようとした時には「言わないで!」と強い口調で遮っている。
幻界で長い月日が経ったことで彼女にとって悲劇が過去の出来事になったのだとしても、やはり何もかも割り切れたわけではないのだろう。
そこまで深堀りされてないから簡単に許してるように見えるだけなのであって、彼女含め各人が相応に葛藤や苦しみを抱いているはずである。
セシルが最後に「兄さん」と呼べたのは、ゴルベーザによる被害を多大に受けた仲間達が背中をおしてくれたから、と言うのもありそうだ。
アルティマニアによると、親友に殺されかけたり恋人がさらわれたり困難が付きまとうセシルだが(「常に悩みを抱えている」とも書かれていた)、
一番辛かったのは、憎んでいた相手が実兄で、同じ月の民を引いていたと言う事実らしい。
上記の様な悲惨な出来事や悩みごとは常につきまとっているが、
それでも某砂漠の詩人王子とかと違って決して絶望して自暴自棄になったりしないのが、セシルのエラいところだと個人的には思う。
しかし、悩み多き性格とか言われているわりにはあんまり悩んでないんだよね。むしろかなりポジティブ。
- セシルを幼い頃から知っているカインやローザが「いつまでもグダグダしてるのはセシルらしくない」「セシルは弱音を言わない」と言っているので
シナリオ上悩むシーンが多いだけで本質的にはグダグダ悩まず前向きに行動するタイプだろう。