FF12
ガブラスがヴェインとの戦いで吹き飛ばされたとき、ヴェインによる追撃をラーサーが身を挺して防いだ。
ラーサーを守って死にかけのガブラスは、逆に自分を守ってくれたラーサーの立派な姿を見て、満足そうにバッシュに対し、このセリフを口にする。
「主」がおらずジャッジマスターの肩書きだけで「野良犬」として流浪していたガブラスだが、そもそも彼は、祖国を滅ぼした帝国には当初から忠誠心はなかった。
特にグラミス死亡後は帝国内に居場所がなくなり、ヴェインの周りを中途半端にうろつき、このころから既に「野良犬」同然の状況だった。
そんな彼に対してラーサーだけは心から信頼してくれた、「野良犬」にとっては唯一の、忠誠を捧げられる「主」だったのである。
- この台詞になんか無茶苦茶感動したのは私だけだろうか?ガブラスの必死さといい、この台詞を長年憎んでいた兄に言うとか、とにかく色々な感情がわいてきて、とにかく彼が死ぬのが惜しくて……。
で、バッシュはそんな彼の遺志を継いで(っていう言葉が正しいかどうかはともかくとして)ラーサーを護ることにしたようだ。
自分のふりして汚名を着せた弟に代わり、弟のふりして弟の護りたかった者を護る。なんだか見事にすれ違ってんなこの兄弟。と妙な感想を抱いたのは私だけでいい - ガブラスにとって「主」足り得る王者は「祖国を滅ぼした国家の元首」のイメージを拭えない。
最後の最期になって彼は初めて「臣」の道を見出した。- あ、だから最期の最期でバッシュと和解できたのか。なんだか非常に納得した
- 主君として認めてしまうと同時に侵略者の親玉として憎しみを募らせ始めてしまうから、死に際でなければ受け入れられなかった。ってこと?
メンドクサいやっちゃな。 - 実際ガブラス本人は、帝国に仕えることを目的にしていたはずなのだが、それよりも憎しみが忠誠に勝り中途半端になってしまっている。そのことをガブラス自身強く気にしており、そういった点からも彼は過去から逃れられないと話している。そんな彼が最後にバッシュと切り結んだことで過去を捨て、その後の「無力だったとしても諦めはしません!」というラーサーに未来を見出すことにつながった。
忠誠の何たるかを主人と犬に喩えて表現したのがガブラス関連のストーリーだといえる。野良犬という視点から切り込んでいる斬新な手法が面白い。