7スレ/まどか「ほむらちゃんが如何わしいホテル街に・・・」4

Last-modified: 2014-11-27 (木) 22:40:26

※編集者注:>>785はこちら(まどか「ほむらちゃんが如何わしいホテル街に・・・」3)

817 : 1/3 : 2011/10/14(金) 15:55:56.41
>>785の続き
「それじゃあ二人は部屋の中から勝負を見届けて頂戴。美樹さんがコインを投げて、着地したと同時に勝負開始、いいわね?」
「ええ、いいわ」
「私が勝てば・・・そうね、鹿目さんを泣かせた罰で、リボンに縛り付けたまま色々お仕置きしてあげる。聞きたいこともたくさんあるしね」
見届ける二人を安心させる為に、余裕の笑みを浮べながらウインクしてみせるマミ
「そう・・・かまわないわ。その代わり、私が勝てば・・・この一ヶ月の間は私の指示に従ってもらう。いいかしら?」
「ええ、それでいいわ。じゃあ美樹さん、合図をお願い」
「はい・・・行きます」
(貴女はあの時、私を見逃したつもりかもしれない・・・でもね、それは私にとっても同じことよ)
二日前の夜、まどかを庇って重傷を負ったほむらと対峙した時の事を思い浮かべるマミ
(確かにあの時、私は貴女の能力に対応できなかった・・・でもね、地面に残る血の跡に気がつかなかったわけじゃない。
 私がその気になれば、後を追って鹿目さんに介抱される前に、追い詰めることも出来たのよ?)
額や背中からにじみ出る血の量やその足取りから、ほむらが平静を装っていても戦闘継続不可能に近いことを、マミは薄々勘付いていた
そして、一瞬のうちに被っていた羽根帽子を奪い去り、空き地の入り口まで移動していたほむらだったが、
その足跡をなぞるように、わずかに地面には血痕が続いていた
(つまり暁美さん、貴女の能力は瞬間移動(テレポート)じゃない・・・と言うことは、間に障害物があればそれを無視して移動するなんてことは出来ないはずよ)
そう、だからこそ、マミは戦いやすい広間ではなく、あえて狭い廊下に陣取ったのだ
(これで夕日を背負えれば完璧だったのだけど・・・)
窓から差し込む夕日に照らされながら対峙するマミとほむらは、壁の崩れた大部屋から見守るさやかの手元の銀貨を横目で見やりながら、
油断なくお互いの挙動を探り合っていた
ピィイィィィンンン!
さやかの親指で真上に弾かれたコインが、乾いた音を立てながら宙に舞い、音を立てて着地する
と同時に、マミは更に後方へと軽やかにバックステップすると、瞬時に自らの前方に網状の結界を展開した
「勝負よ暁美さん!」
掛け声と共に右手をかざすと、幾重もの太い黄色のリボンが二人の進路を阻む柵のように、床から天井から現れる
そしてマミの目の前からほむらの方向へ、まるで防火シャッターが順番に下りていくように、行く手を阻み、その身体を捕縛せんと顎門の如く襲い掛かる


818 : 2/3 : 2011/10/14(金) 15:56:37.35
(更に後ろに下がった!・・・さすがね)
あえて狭い通路に陣取ったことと言い、そして開始の合図と同時に後方へ飛び下がった事と言い、ほむらは内心舌を巻いた
(一度見ただけで私の能力の本質を見抜くなんて・・・これでは真正面からリボンの結界を破って突っ切るしか手がない・・・)
しかし、この状況をほむらは待ち望んでもいた
正面からマミの挑戦を打ち破らない限り、潔く負けを認めさせることは出来ないと思ったからだ
(巴さん・・・かつての貴女の指導のお陰で、私はここまで強くなれた・・・勝負!)
ほむらは迫り来るリボンをぎりぎりまで引き付けると、時間を停止させて盾から刃渡り二尺八寸の日本刀・兼定を引き抜き、
その刀身に魔力を込めた
(勝ったわ・・・!)
ほむらの目の前までリボンの牙が迫り、勝利を確信したその瞬間、マミは自分の目を疑った
またしてもほむらの姿が忽然と消えたからだ
(え・・・?うそ、そんな馬鹿な・・・)
一瞬、後ろに逃げたのかとも思ったが、ほむらの居た場所へと続くリボンの檻は、丁度人が一人通れるほどの大きさだけ、見事に断ち切られ、マミの前まで道が出来ていた
(ありえない・・・私のリボンの結界をほんのわずかな時間差も無く、全て同時に切り裂くなんて・・・一体どうやって・・・)
「て、転校生・・・アンタ・・・」
「ほむらちゃん・・・?何がどうなったの?」
見守っていた二人も目の前の事態が理解できず、呆然と立ち尽くす
そして二人の声にハッとなったマミが背後を振り向いた先に、ほむらが佇んでいた
「私の勝ちでいいかしら?」
「なっ・・・!待って、私はまだ何も盗られては・・・」
言いかけたマミだったが、ほむらの右手の人差し指に見覚えのある、ピンクのレースがついたブラを見つけ、愕然とする
「な・・・いつの間に・・・私の・・・負けだわ」
服が斬られていないにも関わらず、下着のブラだけ抜き取られていることを確認し、マミは完敗を悟って両膝をついた
(さすが巴さん・・・あと5メートル距離を取られていたら、リボンに捕まっていたのは私の方だった・・・)


819 : 3/3 : 2011/10/14(金) 15:57:32.82
「約束通り、今月一杯は私の指示に従ってもらう・・・いいかしら」
「・・・・・・」
地面にへなへなと座り込んだマミに向かって歩み寄り、左手を差し出すほむら
「私だって貴女の信念を無視して従わせようだなんて思ってない・・・。そして、貴女のしていたことが分不相応の間違っていた事だとも思わないわ」
マミを見つめて語りかけるほむらの目は、勝ち誇った勝者のそれではなく、どこか優しげであった
「巴マミ、貴女は強くて立派な魔法少女よ。さっきの条件で貴女に勝てる相手なんて、おそらく他には居ない・・・。
私の能力が特殊すぎるだけで、貴女は私よりずっと強いわ」
「そんな気休めの言葉なんていらないわ・・・私の完敗だもの」
「・・・そんな貴女でも、この先見滝原を襲う脅威には、一人では立ち向かえない。それは私だって同じこと・・・。お願いします、力を貸して?巴さん」
真っ赤な夕日に染められながら、座り込んだマミに手を差し伸べるほむらの姿は、二人の秀麗な容姿も手伝って、まるで映画のワンシーンのようだとまどかは思ったが、
ほむらの右手に握られた場違いかつとても中学生のものとは思えない、大きなブラが全てを台無しにしていた
「巴さん・・・?やっぱり私のことなんか、信じてもらえない・・・?」
その事に気がつかず、いつまでも返事が無いマミの様子にわずかに不安の色を浮べるほむら
「・・・暁美さん。貴女の心遣いは嬉しいのだけれど・・・とりあえず、それ・・・返してもらえないかしら・・・」
マミとほむらの勝負の行方を呆然と見守っていたまどかが、ようやく事態を察して二人に駆け寄ったのは、マミがわずかに頬を染めてほむらの手からブラを奪い取り、
少し離れた小部屋でそれを付け直して戻ってきてからのことだった
「えっと・・・よくわからないけど・・・ほむらちゃんの勝ちなんだけど、ほむらちゃんはこれから魔女退治を手伝ってくれるってことでいいのかな?」
「ええ、その認識でかまわないわ」
「アンタ・・・なんかズルしてるんじゃないでしょうね!?マミさんがアンタなんかに負けるなんて・・・」
「・・・そうね、ある意味そうとも言えるわね。否定はしないわ」
「やっぱり!」
「落ち着いて美樹さん。そんな事を言ったら、さっきの勝負は私に限りなく有利な状況だったわ。それに・・・暁美さん、貴女まだ傷が癒えてないんでしょう?」
「・・・いえ、そんなことは」
「ほむらちゃん!?大丈夫なの?」
「大したことないわ・・・ただの貧血よ」
目の前で改めて観察したほむらの青白い顔色と、微妙な歩様の乱れからそのコンディションを察したマミは、驚きを通り越し呆れた表情で、ほむらとまどかのやり取りを見守った
(まだ血が足りてない上に、あの様子だと骨も何本か折れたままでしょうに・・・鹿目さんを心配させないために強がって・・・そして、そんな状態で私に勝負を挑むなんて・・・)
黒髪の後輩の不器用な優しさを悟ったマミは、右手を差し出して握手を求めた
「やっぱり私の完敗だったみたいね。ここまで負けるとむしろ清清しいわ。暁美さん・・・貴女にはまだたくさん聞きたいことがあるけれど。
とりあえず悪い子じゃないって言うのはよくわかったわ。これからよろしくね?」
「・・・はい、よろしくお願いします」
マミに握手を求められ、応じるほむらの表情は、わずかに照れたような歳相応の女の子のように見えた
(・・・私にはあんな顔、してくれたことないのに)
二人の和解で安心したはずなのに、チクリと胸の奥に痛みを覚えたまどかであった・・・
To Be Continued
なんかほむマミ気味になっちゃってごめんね・・・マミさんはほむほむにとっても大切な先輩だと思うし、
この後でちゃんと本編よりイチャイチャさせるから許してっ!


860 : 名無しさん@お腹いっぱい。 : 2011/10/15(土) 21:01:55.36
あわわ・・・自分の絵がSSWikiに・・・
拙い絵で申し訳ないです。載せてくれた方、ありがとうございます。
今回は、SS、騎士ほむシリーズの、日本刀を振りぬいている
ほむほむ>>818をイメージしてみました。
マミさん練習しなくちゃ。
07_860_attach_07-817.jpg

http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1316610084/817-819,860 (リンク切れ)