ディズニー作品「ノートルダムの鐘」のキャラクター。
フルネームは「クロード・フロロー」。
お偉いさんが着るような黒と紫を基調とした装束を纏っており、目つきは悪い。
カジモドの育ての親であり彼からはご主人様と呼ばれているが、世間の人間はカジモドの醜い姿を罵ると言いくるめて彼を大聖堂に閉じ込めている。
自分のすることこそが正義だと信じて疑っていない。
- そのため、3Dリク編においては自分の心が闇に墜ちている事を最後まで認めなかった。
街の平和のためにジプシーを一人残らず始末しようとしており、エスメラルダの事も執拗に狙っている。
- 日本ではどうしてそのような極端な事になるのか理解することは難しいがジプシーは中世ヨーロッパにおいて差別されていた民族である。どんなレベルかというと彼らは移動する犯罪者集団だと認識されていてジプシーを殺しても原則無罪となる、ジプシーの入国を禁止し領土を追放するなど。近代から現代でもこうした差別は行われている。
おそらくこの前提を理解していないと「ノートルダムの鐘」の話は完全に理解できない気がする。 - 映画ではエスメラルダに恋心を抱いており、彼女を付け狙う理由もその想い(+相手が自分にとって悪であるジブシー故の葛藤)故だったりする。が、それによる劇中の判事の言動が若干過激であるため、一部のファンからは変態扱いされている。
CVは佐々木省三。
- 原作でのCVは日下武史。
北米版における声優はコーリー・バートン。
3Dでは分かりやすく邪悪で身勝手な権力者として描かれている。
だが、実は原作映画のフロローはディズニーヴィランの中でもひときわ異彩を放つ悪役だったりする。
まず、ディズニーにしては珍しい、力や魔法といった本人の持つ能力ではなく、地位と権力を振りかざす男。
精神面についても、正義を絶対とする価値観を持ち、悪を徹底的に排他しようとする、ある意味では真面目で実直な性格。
物語の進行につれて起こす暴走も、エスメラルダへの恋心を抱いたがために、(当時多くの人の認識であった)害悪なジプシーの一味に恋するのは邪悪なこと、エスメラルダの誘惑が悪なのだと葛藤して狂気に走った結果である。
ある意味原作世界の価値観の被害者といえる人物である。
- そのため、あの女王とは似て非なる存在。あちらは単なる我儘である。
……等等、原作映画ではキャラクターとしてかなり見所がある悪役なのだが……
KHでこのような面を全く掘り下げられていないのは、ちょっとだけ惜しい。気になった方はぜひ原作映画をチェック!
3D
ラ・シテ・デ・クローシュにて登場する。
ソラ編とリク編の両編でナイトメア・バレットガゴイルを操った。
自身の街の平和がジプシーに続いて突如現れた魔物に乱されている事に怒りを露わにし、その歪んだ心は既に闇に侵されていた。
ソラ編
街で見覚えの無い(上に彼らからすると妙な格好の)ソラをジプシーと勘違いして引き止め、尋問したが、フィーバスによって遮られる。
- この時のムービー名は「怖いおじさんとの出会い」となっている。間違ってはいないが「怖いおじさん」で済ませるソラ…。
彼に魔物(ドリームイーター)が現れたことを報告され、広場に駆けつけるとそこにはカジモドがおり、しかもジプシーであるエスメラルダまで現れた事により怒りを露わにする。
その後、ジプシーを始末するために彼女らの根城である奇跡の法廷を突き止め、一人残らず始末することをフィーバスに話したが、彼が異議を唱えたため解雇する。
しかし、その後彼やカジモドが奇跡の法廷を突き止めてエスメラルダの元へ向かう事を予想していたため、彼らを尾行。
奇跡の法廷にたどり着き、ナイトメアを操って彼女を捕らえ、しかもすでに使いこなしていた闇の力でバレットガゴイルを召喚し、ソラを気絶させてその場を立ち去る。
その後捕らえたエスメラルダを広場で火あぶりにして処刑しようとしたが、カジモドによって彼女が解放され、再び召喚したバレットガゴイルもソラに倒される。
しかし執念深くも大聖堂の屋上まで上がり、カジモド達を追い詰める。
- この時、カジモドの母親の死の事実を彼に明かした。
- 映画では、「母親は醜いお前を捨てた」とカジモドに嘘を言い聞かせていた。
しかし大聖堂の神の怒りに触れ、大聖堂から落下。広場の燃え盛る業火の中へ身を落とした。
冒頭で広場に彼がやってきた時、それまでカジモドが意のままに操っていたドリームイーターが突然目の色を変えてカジモドに襲いかかっている。これはすでに心が闇に染まっていたフロローの影響だと思われる。
リク編
フィーバスにエスメラルダを追わせていたが、彼が彼女を取り逃がしたため激怒する。
その後、バレットガゴイルを召喚し、ジプシーをかばったと言う理由だけで民家の家族を焼き払おうとしたが、リクの介入によって阻止された。
しかしその後大聖堂の屋上へ向かい、神の裁き(バレッドガゴイルの力)を用いて、街ごとジプシーを焼き尽くそうとした。
リクに心が闇に染まっている事を指摘されるも結局認めず、闇に囚われた者の末路として燃え盛る業火の中に身を落としていった。
- 「私が裁くのだ!」と叫びながら火の海へと落ちていくシーンはなかなかに狂気を感じさせる。
- その様子を見ていたアンセムは「哀れ、闇に溺れた者の末路」と語っている。