錆びたナイフ

Last-modified: 2024-05-04 (土) 16:11:24

清原和博(元西武→巨人→オリックス)が巨人から受けた(とされる)仕打ちを表した言葉。

概要

西武でFA宣言をした*1頃、ある球団の人から「富士山は遠くから見るから綺麗なんや」と言われたことがある。

憧れは憧れとして遠くから眺めていた方が幸せだと言うのだろう。その時はその意味が分からなかった。

ジャイアンツの一員になって、その人が何を言いたかったかを理解した。

野球選手の夢の戦場だと思っていた場所は、裏から見れば大人の論理と

冷徹な計算が支配する寒々しい場所だった。僕は血の通った同じ人間ではなく

単なる使い捨て商品のように扱われた(中略)

彼らは高校時代に僕を刺したナイフ*2、錆びてボロボロになったナイフを持ち出して

最後の最後で僕の腹や心臓をまたグサグサ刺したのだ。

昔のことは水に流して、巨人軍のために戦ってくれないかと頭を下げたくせに

今はまた手の平を返したように、労いの言葉ひとつも無く放り出す*3
自分たちにとって利用価値が無くなればただのゴミだと言わんばかりだった。
(清原和博著書『男道』(2009年発売)より)

関連項目


*1 1996年オフ。
*2 いわゆるKKドラフト事件のこと。
*3 2005年に戦力外通告を受け退団。その後オリックスへ移籍。その一方、清原と確執があったとされる堀内恒夫も同年にチームの低迷の責任を取り監督を辞任した。