175針

Last-modified: 2024-05-02 (木) 14:18:18

館山昌平が現役時代に行った、手術による縫合の総数。

概要

館山は2002年ドラフト3巡目でヤクルトに入団*1。2008年から2012年まで5年連続2桁勝利、2009年には最多勝に輝くなどエースとして活躍した。

 

一方で肩肘の故障が非常に多く*23度のトミー・ジョン手術を含む計9回の手術*3を経験している。手術の回数が増える度にメディアで取り上げられることも多くなり、なんJでは「サイボーグ」「靭帯ソムリエ」などの別称が付けられた。

ここまで手術回数が多くなったことに対し館山本人は「絶対に怪我を理由に引退したくないんです。怪我の場所にもよりますが、今のスポーツ医学では肘の怪我からかなり高い確率で復帰できます。」という信念を挙げた。

引退後

2019年限りで引退を表明したが、引退登板後に自費で通算10度目となる手術を行うことが明らかになった
理由は「自身の肘がどのようになっているかを知り、そして、完治させてトレーニング方法などを研究するため」で、通算針数は191針に達した。
ちなみに10度目の手術の際に自分の肘の中の様子を画像、動画で撮影してもらい、それを見た感想を以下のように述べている。
https://www.chunichi.co.jp/article/66395?rct=baseball

 「焼き肉で言うと、メスの入っていない体が精肉とすれば、ユッケのよう。表面はきれいでも、中はびっくりするくらいぐちゃぐちゃだった。骨にも穴がたくさん開いているし、他の組織と癒着している部分もある

館山の腕の画像(ちょいグロのため閲覧注意)

館山の腕の画像(ちょいグロのため閲覧注意)
わかりやすいように傷痕をペンで黒くなぞってある。3E5CFBFA-360F-4964-8C2C-4A3DCE3FA6C9.jpeg

YouTubeチャンネル「フルタの方程式」に館山が出演した際(2024年4月6日公開)に語ったところによると、左肩腱板損傷によって11度目の手術を予定しているとのこと。


手術遍歴

回数時期内容備考
12004年3月右肘内側側副靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)右肘靭帯を断裂したため
22005年11月右肘の再手術右手薬指と小指の感覚が鈍いため
32011年11月右手血行障害の手術右手の異常を訴えて
42013年4月トミー・ジョン手術(2度目)右肘靭帯の再断裂(全治1年)のため
52013年6月股関節の関節唇損傷の修復手術オフの予定を前倒しで
62014年4月右肘外側滑膜ひだ切除手術
7トミー・ジョン手術(3度目)↑の際に見つかって
7'右前腕の屈筋腱(けん)縫合手術↑と同時に
82016年4月右肘関節の遊離体摘出とクリーニング手術
92017年10月右肩と右肘の手術
102019年10月右肘の手術引退後
11予定左肩腱板の修復術引退後


トミー・ジョンTシャツ

館山自身も手術の多さをネタにしており、トミー・ジョンTシャツなるものをチーム内に配布している。
プリントされている星の数はトミー・ジョン手術を行った回数を表しており、選手それぞれに星の数に合ったTシャツを配ったという。

不退転の燕・館山に独占インタビュー!「同じ間違いはできない」

https://www.sanspo.com/baseball/news/20150131/swa15013105030001-n4.html

★縫い跡は勲章

戸田球場で投手陣がよく着ている、通称「トミージョンTシャツ」。実はこれ、館山が昨季に作製し、投手陣にプレゼントした。力こぶをつくっている腕の肘に注目すると、手術経験がある選手には縫い跡があり、経験がない選手は縫い跡がない。しかも左胸の★マークは手術の回数。館山には★3個、左腕の江村は★2個…。「いいでしょ、これ」と館山。つらさも笑顔に変え、縫い跡を勲章に変える気持ちの強さが表れている。

(参考画像)左から、古野正人(手術なし)→江村将也(手術2回)→館山(手術3回)。
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館山の発言で打線組んだ


1(一)手術は9回、トミージョンは3回した。
2(中)左腕、右腕、足の腱まで取って、もう腱を取る場所がない。
3(ニ)移植する腱が体にあっても、肘の骨がもう耐えられない。
4(左)腱の種類でパフォーマンスは変わる。
5(右)薄筋の腱は、速球は最速142キロ程度でフォークで空振りが取れなかったが、左手の腱を使った今回*4は直球が良くなり、フォークが130キロ後半出て空振りが取れる。
6(指)投げる前に指先をボールに押し付けると、縫い目の跡がそのまま残る。そのへこみに引っかけて投げると、コントロールがつく。
7(三)たいしたことはない。ちょっと違和感がある。投げ続けても投げられたけど。
8(遊)肘から先が抜けて、皮だけでつながっているような感じでした。そこからはフォークしか投げられなかった。
9(捕)靱帯くらい断裂しても6カ月すれば戻れる。


先発 今で175針。あと25針で名球会に入れるんじゃないかな(笑)*5
中継ぎ ケガを引退の理由にしたくはない。
中継ぎ 何度手術しても皆さんがいればこうやって戻って来ることができるんです*6
抑え 僕より数が多い選手も知っている。ツワモノはもっといる。


代打 (手術回数の星マークがついたトミージョンTシャツを着て)いいでしょ、これ。


守備固め 過去にも色々な選手が再断裂しているので手術から9年経った僕にもそろそろ来ると思っていた。


画像

175.jpg

余談

現役時代に9回の手術を経験した内竜也(元千葉ロッテ)が2021年4月30日東北楽天ゴールデンイーグルス対千葉ロッテマリーンズの試合中継(トゥエルビ)の副音声に出演し、手術の話題を振られた際に「館山さんの方が(手術の回数は)多いんじゃないですか?」と発言した。
前述の通り館山の手術回数は現役時代9回+引退後1回の合計10回なので、内の見立ては正しい。

関連項目


*1 ちなみに1位は(高井)雄平
*2 館山自身が体の関節が緩い体質の持ち主であるために「猿腕」と呼ばれるほど関節の可動域が広く、靭帯に負担がかかりやすいため。
*3 プロ入り後のみでの回数であり、大学時代にも右肩棘上筋の部分断裂による手術を経験している。
*4 3回目の手術の時。
*5 ちなみに館山の勝ち数自体は85勝。
*6 2015年、3度目のトミー・ジョン手術後初勝利を挙げた日のヒーローインタビューでのコメント。後に館山の引退試合でもVTRで使われた。