悪魔諸侯名鑑

『I 魔術師：The Magician』魔女長ヴェロニカ

　“リリス”と呼ばれる魔女たちの主。淫欲の蛇アポピス。蛇の主。指輪の君。「女性による世界支配」を教義とし、結婚制度の破壊と、世界のあらゆるリソース（富、知識、権力etc）の、女性による独占を目標としている。麻薬や毒薬、媚薬などの製法を人間に広めた悪魔でもある。 　赤い瞳に赤い髪、赤いドレスを纏った妖艶な魔少女。先割れした蛇の舌を持つ。伏魔殿ではリリスたちが永遠の快楽に溺れている。

『II 女教皇：The High Priestess』黒の剣

　漆黒の大剣の姿を取る、剣魔族たちの盟主。世界最強の武器の一つ。
　この存在が悪魔諸侯の側にあることに、多くの魔族が安堵している。

『III 女帝：The Empress』竜祖セフィア

　美しい少女と七体の竜が融合した異形の悪魔。全てのドラゴンの始祖であり、最も古い悪魔の一人でもある。古の知識の守護者にして深淵の図書館の司書。

『IV 皇帝：The Emperor』百の瞳の魔竜ゲオルグ

　悪魔諸侯の盟主的存在。体中に瞳を持つ漆黒のドラゴン。体重体長自由自在。最大で２０ｍにもなる。知能は高く、全ての魔法を操り、政治的手腕にも長けている。

『V 教皇：The Hierophant』ワームの王コーリン

　地下世界に君臨し、拡張してゆくワームたちの王にして地底の支配者。地震が起こるのは彼らの仕業である。ワームの大半は知能が低く、おぞましい姿をしているが、コーリンは高貴な程に美しい宝石の鱗を持つ。

『VI 恋人：The Lovers』誘惑者フローラ

　堕ちた姫君。花の支配者。魔女長の恋人であるらしい。

『VII 戦車：The Chariot』傭兵将ベロース

　亡霊を従えた黒衣の将軍で、黒騎士や傭兵、暗殺者などの守護者。戦乱の絶えないヴァレフォールには傭兵団が数多存在するが、その中にベロースの傭兵団が紛れ、殺戮と収奪を繰り返しているという。また無関係ながらベロースの名前を冠した傭兵団も多数存在する。

『VIII 力：Strength』獅子将ネーベルスタン

　獅子面の半獣半人の将軍。部下達もいわゆるライカンスロープの魔族達である（絶対数からして主力は人間の兵士達であるが）。常に戦争の最前線に立ち、魔軍の士気を鼓舞する。

『IX 隠者：The Hermit』真実の書ライトワード

　本の姿を取る悪魔。深淵の図書館の主であり、書物と邪悪な知識の守護者。２ｍもの巨大な本であることもあれば、人間に持ち運びされるために普通の本になることもある。莫大な知識量と未来予知の能力を持ち、予言によって人間を翻弄する。

『X 運命の輪：Wheel of Fortune』永久に廻るもの、クラーリン

邪悪な調和の元に一つにまとめられた創造と破壊。様々な海の生物を組み合わせたような姿を持つ。海魔であり、水棲生物と海の深みの秘密を統括する。潮汐を操り、津波を起こす。

『XI 正義：Justice』魔血公メルティー

　吸血鬼六氏族のひとつヴァルデマールの長老。

『XII 吊るされた男：The Hanged Man』人形伯アリーチェ

　人形やゴーレムなどを操るとされる悪魔。無生物はもとより、運命の糸をも操るという。生粋の魔術師であり、蒐集家でもある。

『XIII 死神：The Death』疫病公プレーグロード

　疫病と疾病を司る恐るべき悪魔。異形の病魔や屍魔を従え世界を腐食させる。 　疫病のみならず毒物や化学兵器なども研究しており、その為に非道な人体実験を繰り返している。

『XIV 節制：Temperance』貪欲の魔元帥トルルカ

　金銭欲、名誉欲、食欲、肉欲、ありとあらゆる欲望に苛まされ満足を知らぬ醜悪な大悪魔。
　彼の下僕はおよそ人型を留めていない異形や女を犯すおぞましい触手たちである。また、奴隷商人の守護者とされる。

『XV 悪魔：The Devil』魔王ドロレス

　魔族たちの王、いわゆる魔王と称している実力者。冷徹で傲慢な性格を持ち世界征服を企み勇者との戦いを繰り広げる。

『XVI 塔：The Tower』魔界樹、ペルス＝ヴェル

巨大な樹木の悪魔であり、森そのものが知覚・思考する存在である魔の森を版図とする。自らの眷属である魔界植物を世界全体に広げることを画策している。

『XVII 星：The Star』極光の教え手アンゼロット

　擬天使の創造者。星雨の冠。白亜の星見塔。知識と教職の守護者。アンゼロット記念大学の学長。

『XVIII 暗月：The Dark Moon』恍惚の使徒プリスフォーリア

　堕天使。この世界に神は存在しないはずなのだが、外見は確かに清楚な天使といった風情である。かつて魔王の寵愛を受けていたが、彼の死後は完全に精神のバランスを失っており、常に不安に苛まされ、絶望から逃れるために情欲に溺れている。彼女の使徒は誰かの奴隷となり、被虐の快楽に溺れる清楚な天使たちである。

『XIX 輝月：The Light Moon』

『XX 審判：Judgement』妬みの魔蟲フラトコフ

　いくつもの蟲を掛け合わせたような巨大な悪魔。復讐者であり、憎悪と妬みを司る。妬みと憎悪の使者。制裁代行者。私刑執行者。
　その姿の通り、蜘蛛、蟻、蝿、イナゴ、百足、蠍など、ありとあらゆる蟲たちの支配者である。
　破壊と苦痛を与える術に長けている。信者には虐げられてきた過去を持つものが多い。

『XXI 世界：The World』冥帝フィンスタアニス

　優美な美少年の姿を取る死者の王。悪霊の召喚者。生と死の境界を歪めたアンデットの作り手。彼の能力は反魂と蘇生である。偉大な過去の英雄達すら彼の下僕となる。
　Abyssal（深淵）、Blazing（猛火）、Blizzard（吹雪）、Doomsday（終末）、Hypnotic（惑乱）、Silent（沈黙）、Hollow（虚無）の七人の死霊の騎士を従える。夢魔姫の弟。

『Mistress of The Dream..』夢魔姫ジャスリー

　愚者のアルカナに相当する。夢魔姫。誘惑者。堕落と破滅の使徒。英雄の介添え人。美の怪物。千年城の主。様々な呼び名で呼ばれる謎に包まれた悪魔（大抵の悪魔は複数の呼び名を持っているが）。 　相手の不安や願望が手に取るように解る彼女は、相手の望む夢を見せる事ができる。犠牲者を暖かく優しく幸せな夢に溺れさせ、魂の平安はもはや彼女のもとにしかない事を知らしめ、下僕を増やしていく。 　夢の世界ヴァレフォールの創造主にして管理者。様々な人々の夢を繋ぎ取り込み、世界を繋ぐ。そこに住む人々の愛憎や絶望が彼女の糧となる。 　女らしさに対して独特の拘りを持ち、家事全般、芸術全般が得意。