命と向き合う言葉

Last-modified: 2023-08-06 (日) 14:50:43
 
「ああ、みんなこんな気持ちで死んでいったんだなあ。
誰にみられることもなく、誰に語ることもできず……
ただわすれ去られるだけ……」
(漫画『総員玉砕せよ!』 丸山 …著:水木しげる)

主人公、丸山の最後の台詞。
戦争で最も強く訴えかける言葉は、
"語られた言葉"ではなく、"語られなかった言葉"かもしれません。
名も残らず、戦地に消えていった幾万の命。
彼らが言いたくても言えなかった、
聞いてもらいたくても聞いてもらえなかった、
そんな言葉の一つ一つこそが、最も重い"戦争を語る言葉"なのかもしれません……。
comment by 神居鈴
 
「生きながらえたところでといいますけどね、人生ってそんなもんじゃないですか。
つかの間からつかの間へ渡る光みたいなもんですよ。
それをさえぎるものはなんだって悪ですよ。制度だってなんだって悪ですよ。
生きるのは神の意志ですよ。自然の意志なんですよ」
(漫画『総員玉砕せよ!』 石山軍医 …著:水木しげる)

玉砕が決行されたにもかかわらず生き残ってしまった将校が零した
「生きながらえてみたところで……」というつぶやきに対し、
軍医である石山が反論した言葉。
「死」が「生」よりも優先されてしまうという、戦争時の異常な価値観。
そんなものは間違っている。生きることが、命あるものの最低限の義務なんだと、
軍人ではなく、医者として、そして人として語った言葉です。
comment by 神居鈴
 
「後方のラバウルには十万の将兵が惰眠をむさぼっているではありませんか。
どうして食うものもろくに食っていない我々が、
こんな陸の孤島のようなところで死なねばならぬのです。
いったいこの高地はそうまでして守る必要のあるものなのですか。
それ自体が大きな喜劇じゃないですか」
(漫画『総員玉砕せよ!』 中隊長 …著:水木しげる)

敵に包囲された陣地の中、まだ使える戦法は残っているはずなのに、
そして、たいして守る価値もなさそうな場所であるにもかかわらず、
楠木正成を信奉しているせいか、いたずらに総員玉砕を唱える田所支隊長。
その支隊長に対し、冷静な中隊長が「まだできることはある」と反抗した時の台詞。
しかし、結局は、死に急ぐかのような支隊長の命令により、
隊は玉砕への道を進んでいくことになる。
戦争は人を狂わす。それは、命の価値を見失わせるということ。
誰の命でも、等しく天からいただいたものであるのに、
ただ戦争だと言うだけで、ただ命令だと言うだけで、
苦楽を共にした友も、大地に残した思い出も、全てが銃弾と砲撃の中に消えていく。
そして、その成果は、あまりにも無意味なものだった。
「そうまでして守る必要のあるものなのですか」
中隊長の言葉を、今に生きる我々は、厳粛に受け止めなければいけないと思う。
comment by 神居鈴
 
「神様がいないから、人間が…人間の力で…
積極的に命を尊いものとして守ッていかないといけないんじゃないかな?」
(漫画『GANTZ』 小島多恵 …著:奥浩哉)

「命が重いとか尊いとかは嘘だ、神様なんていない」
という意味のことを呟いた主人公・玄野計に、恋人の小島多恵が返した言葉。
人間の価値は、他の誰かが決めるものではなく、
人間自身が価値あるモノだと証明していかなければいけないこと。
GANTZという作品の根底には、人間に対する強い問いかけが流れています。
comment by 神居鈴
 
「すべてのものは滅びゆくものである
不放逸によりて精進せよ」
(釈尊)

盛者必衰、この世は無常。
例え不滅に見えるものでも、最後には必ず滅ぶ。
命とはそういうもの。はかないもの。己がどれだけ望まなくても――。
だからこそ、今この時というのは、かけがえのない大切なものなのだ。
怠けず、外れず、堕ちず、今生きているという奇跡に感謝し、精進しなさい。
という、お釈迦様最後の言葉。
comment by 神居鈴
 
「闘うことって、生きるってことでしょう?」
(漫画『RozenMaiden』 真紅 …著:PEACH-PIT)

生きることは決して平凡なことでもありふれたことでもない。
奇跡のような一瞬の積み重ねが、今という時であり、
他の様々な事象から勝ち取った大切な物。
辛いことや悲しいことは、自分一人のものではない。
誰もがそれらと闘いながら生きている。
comment by 白詰草
 
「人に望まれ賞賛される勇気は、美しく死ぬ勇気ではなく、男らしく生きる勇気である」
(トーマス・カーライル)

死んでしまっては元も子もない。
かっこ悪くても、生き続けていなければなんにもならない。
生きることが苦しみの連続だとしても、
嬉しさや楽しさを感じるためには、生きていなければなりません。
comment by 神居鈴
 
「自分の痛みは想像できても、他人の痛みは想像できないっていうわけ?」
(漫画『17歳。』 大沢ミキ …著:藤井誠二・鎌田洋次)

自分に危害が及ぶのをおそれて、
赤の他人を残酷な暴力の渦中に投げ込んだヒロキに対し、
被害者の妹であるミキが投げた糾弾の言葉。
暴力から逃れるためとはいえ、
助けられるタイミングを何度も見逃したヒロキは、
直接の加害者と本質的には同じ。
時には、危険を承知で他人のために動かなければ、
結局は自らが存在するこの世界を崩壊させてしまう。
ミキの叫びは、全ての"善良な市民"に向けられたナイフなのかもしれません。
comment by 神居鈴
 
「明日死ぬかもしれないけど、俺は永遠の命なんてほしいとは思わないぜ」
(漫画『銀河鉄道999』 ゼーダ …著:松本零士)

見せ物としての戦争の道具にかり出され、
夢も希望も奪われたはずの傭兵・ゼーダが鉄郎に語った言葉。
大勢の仲間が死に、自らも常に死の恐怖にさらされているはずの彼が、
それでもなお望んだのは、限りある儚い命の灯火だった。
生死の境に身を置いているからこそ、
彼には命の尊さが何より美しく見えていたのかもしれません。
comment by 神居鈴
 
「我々は命あるものを、使い古したら捨ててしまう靴や身の回りの品のように扱うべきではない」
(プルタルコ)

命はそれぞれたった一つしかない。
失ったらもうやり直しは利かないのだ。
例えどんなに些細に見えようと、命はそれ自体に価値がある。
comment by 神居鈴
 
「天が私にあと十年の時を、
いや五年の命を与えてくれるのなら、本当の絵描きになってみせるものを」
(葛飾北斎)

おそらく、五年後だろうと十年後だろうと、北斎はその時にも同じ言葉を言ったはず。
生への執着は、すなわち充実と幸せの証。
comment by 神居鈴
 
「死者に対する最高の手向けは、悲しみではなく感謝だ」
(レーントン・ワイルダー)

自分が死ぬ時に、一人でも良い、
「今まで生きていてくれてありがとう」と誰かから言われてみたいものです。
comment by 神居鈴
 
「お前は助かった命に、いつか法を正すから、今は我慢して死ねって言うのか!」
(Xbox360『テイルズ・オブ・ヴェスペリア』 ユーリ・ローウェル)

法の順守を取るか、目の前の命を取るかの論争。
いずれにせよ、信じた道を歩むにはそれ相応の苦難がつきまとう。
comment by 神居鈴
 
「戦いに犠牲は付きもんだなんて言うつもりはねぇが…
どうしようもねぇことは、いつも、少しはあるさ」
(PCエンジン『天外魔境2 卍MARU』 天狗(三角))

だからこそ、流された血に少しでも報いるために、
生きている者は歩み続けなければいけない。
comment by 神居鈴
 
「私は英雄ではない。本当の英雄は死んでいった彼らなのだ」
(PlayStation2『Medal of honor ヨーロッパ強襲』 ウィリアム・ホルト米軍中尉)

共に戦った仲間の事を思うホルト中尉の気持ちに感銘を受けました。
comment by 剛瑠
 
「それは血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ 」
(特撮『ウルトラセブン』 モロボシダン 監修:円谷英二)

ちょっと解説? を。
新型水爆8000個の爆発力をもち、惑星をも破壊するミサイル・R1号。
そのような超兵器に疑問を持つダン(ウルトラセブン)は同僚の隊員に、
敵はもっと強力な兵器を作るだろう と、問いかけます。
同僚の隊員の 我々ももっと強力な兵器を作ればいいじゃないか 
という答えに対するダンの言葉です。
平和を手にするのにできることはなにか?
考えさせられる言葉です。
comment by 霧山伊吹
 
「でも違う!命は何にだって一つだ!
だからその命は君だ、彼じゃない!」
(アニメ『機動戦士ガンダムSEED Destiny』 キラ・ヤマト)

ラウの仇を討とうとするレイに対して、キラが放った台詞。
この台詞に心を動かされて、
レイは未来へと歩んでいく決意ができたんだと思う。
例えクローンであったとしてもそれは別の人間なのだ。
comment by 岩本国朗
 
「軽々しく『殺す』なんていうなよ。物騒だな……」
(漫画『スパイラル・アライヴ』  …著:城平京、水野英多)

『殺す』なんて言ってはいけない。
もし殺してしまったら
きっと貴方は後悔と罪悪感で潰れてしまうから…………。
comment by 疾風
 
「仲間が一人死ぬことは、私にとって「世界」の一部が滅びるのと同じこと」
(漫画『D.Gray-man』  …著:星野桂)

私にとっての世界はみんな。
貴方は世界を思い浮かべてなにが見えますか?
願わくば貴方の世界に私がいますように…………。
comment by 疾風
 
「誰かを殺す運命と誰かに殺される運命、どっちが幸せやろ?」
(漫画『スパイラル ~推理の絆~』  …著:城平京、水野英多)

紅に染まらなきゃならない運命ならば、そんな運命下らない。
この手を血に染めることなく新しい世界を創って行きたい。
comment by 疾風
 
「自分がいつか死ぬことを知っていると云う事は、
我々が天から授かった素晴らしい贈り物なのだよ」
(映画『ゲド戦記』 ハイタカ …監督:宮崎吾郎)

人はいつか死ぬ。
だからこそ…限りある命の旋律の中で、
人は、懸命に笑い、泣き、苦しみ、安らぎ、悲しみ、
そして、幸せになる。
それは、とても、とても美しく、そして尊い営みだ。
comment by 神居鈴
 
「人間が生きものの生き死にを自由にしようだなんて、おこがましいとは思わんかね……」
(漫画『ブラックジャック』 本間丈太郎 …著:手塚治虫)

前に進むこと、しかし、それは時として苦しみを伴う
本間先生の言葉は、全ての人間への警鐘でもある
comment by 神居鈴
 
「人間一人何十年も生きてきて、その全てを消し去ろうと決心したんだ、
あらゆるそれこそ数え切れないほどの事情がある。
それをこんないい加減な調子で待ち構えている連中に、何て説明するんだ?
はたして説明する必要もあるのかしら?
黙って死ねばたくさんさ!
君だってはたして例外かな?
死に方をうんぬんするくらいだから、自殺の理由はもう解ってるんだろうね?」
(推理小説『占星術殺人事件』 御手洗潔 …著:島田荘司)

人の無責任さを嘆いた、初期御手洗の台詞
考えてみれば、全くその通りだ
命を絶つ行為の真意など、
他者にわかるはずもない
comment by 神居鈴
 
「その仁清の大壷を見ろよ。
もしもあれが、あそこに生けてある楓の紅葉と同じように、命のあるものだったとしたら、
あの美しさがああして現在まで残っていたと思うかい。
まさかね。
とっくの昔にからからに干からびて、汚い土塊に還っていたことだろうさ」
(推理小説『霧越邸殺人事件』 真犯人 …著:綾辻行人)


歪んだ美意識もここにきわまれり。
しかし…しかし、それは、ある一面の真実を内包している
それは、人の持つ悲しさに他ならない
comment by 神居鈴
 
「ごめんなさい坂田さん、度合いなんていいんです。
わかりますから…よく、わかります…」
(漫画『おたんこナース』 似鳥ユキエ …著:佐々木倫子)

死への恐怖の度合いを語ろうとした患者にユキエがかけた言葉。
命と向き合うことは、つらく、おそろしい。
甘えたって、弱音を吐いたって、しかたないのだ。
悲しいことだけれど、それは、仕方ないのだ。
comment by 神居鈴
 
「お…おそい…よ…、もう
一生懸命生きていたんだよ、ハムちゃんたちは……
それなのになんで…なんで…
――あんたたちも踏み潰されればいいんだ!!」
(漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』 擬宝珠檸檬 …著:秋元治)

失った命は戻らない
そんな、当たり前のことが…
時として、忘れ去られる。
comment by 白詰草
 
「自分の人生とか、運命とかに、多少は干渉してみたい。
月並みだけれど、それが、つまり、人並み。
わかる?人並みだよ。
私たちって何? 人間だよね? 違う?
自分の死に方について考えるのが、人並みなんだって、そう思わない?」
(小説『スカイ・クロラ』 草薙 …著:森博嗣)

生きることではなく、死について考えることが、人間の証明。
死について考える…確かに、人間以外の、誰もそんなことをしない。
comment by 神居鈴
 
 

何かコメントあれば以下のフォームからどうぞ