電子カルテ

Last-modified: 2010-08-02 (月) 11:57:39

電子カルテ [#h0f37120]
電子カルテの導入を担当することになり、この1年近く身を粉にして働きました。
もともと、そういうのは得意です。
電子カルテ、大好きです。
でも、ほんっとに大変でしたわ。


電子カルテは機能的にも、まだまだ。

なんか、開発が始まったころの10年ぐらい前のシステムに機能を追加していっているので、すごく古い印象をうけますね。
ペーパーレスなんて、もってのほかです。


電子カルテは、今までの紙オンリーのカルテから、電子化した情報を組み合わせた状態になるということです。
つまり、電子カルテ=紙カルテの進化版なんです。
もちろん、紙情報は使います。かつ、PCも活用するのです。
ここがわかってもらえないと、進まないんですよね。。


ペーパーレスは、スマートフォンまで組み込んだ電子カルテができたら実現できるかも。。

電子カルテ導入に必要なこと

http://premiss.medis.jp/file/EDH20071213sec.pdf
↑このマニュアルが結構面白かった。。
電子カルテを導入するに当たっては、病院がチームで何かに取り組んできた経緯が必要なようです。
もちろん、それらの取り組みは、病院の資格となります。
つまり、資格をたくさんもっている病院、高いランクを実現している病院であることが、必要なんですね。
たとえばDPCに取り組んで黒字を計上しているとか、臨床研修指定病院をとって研修医を育てている、などがそれにあたります。


医者でいうと、資格が多いとか、論文をたくさん書いている、などでしょうか。
けっして、これらだけで医師の評価はできませんが、仕事はこなしているという指標になる?かな?
資格なし、論文なし、病院でずっと仕事してきました。。
というお医者さんだと、確かに電子カルテ導入の仕事を任せるのは心配ですね。
診療は出来るんだろうけど、病院の骨子を作る仕事はまた別じゃないかな?という気がします。



自分も電子カルテ導入を担当して感じたのは、院内のコミュニケーションがとれている部署はスムーズに導入ができる。
ということでした。
コミュニケーションがとれるというのは、つまりは部署で命令系統がしっかりしていることですね。
つまり日頃の仕事量も多くて、突発的なことにも対処してきている部署。
そんな部署は、電子カルテも導入がスムーズで、かつ頼もしいバックアップになってくれます。
まあ考えたら当たり前のことです。


DPCみたいな、大変なシステムを導入するには、情報管理室を中心に医師・看護師・医事課、みんなが一体となって理解と努力を繰り返さないとあきません。
そういう中で、指揮系統ができたり頼りになる職員がわかってきたり、いろいろ流れができてきます。
日本医療機能評価機構認定も、とるのが大変です。
仲が良かろうが、悪かろうが、職員は一体となって取り組まないと、とても準備ができません。
DPCとか、病院機能があるからいい病院というのではなくて、そういう努力を経験してきたんだからチームが出来ていると。
そういう状態であれば、電子カルテ導入はすっと進むわけです。
各部署がばらばらとか、職員が病院経営に気持ちを向けていない病院は、そりゃ電子カルテなんて無理、無理。
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「もっと病院かわらなきゃマニュアル」
↑塩谷 泰一先生の本なんかを読んでいて、しみじみ考えさせられました。


「会議で決まったことが、各部に通達出来ない。」
そんな馬鹿な。。と思いがちですが、例えばこんな基本のことにもすごく時間がとられます。
僕も最初のうちは、議事録をもって病院内に配って歩きました。
配って張り出してくれても、翌日には新しい紙の下になって、誰も見ていない。。
そんなことの繰り返しでした。


電子カルテ導入が進み出して、僕が議事録を持って歩かなくてよくなりました。
連絡も、なんだかスムーズな感じがしてきました。
外来終了後の費用計算の待ち時間が半分以下になった、という嬉しいニュースも飛び込んできました。
組織の風通しがいい、指揮系統がしっかりしている、機能的である・・
言い方はいろいろですが、仕事をこなせる組織というのは、コミュニケーションが重要なのですね。
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この辺は、やあっぱりドラッカー先生の著作が素晴らしい。。
生きて血が流れている組織になるために、今回の電子カルテ導入は病院にとってのプチ努力になったと思います。