「グループ」について

Last-modified: 2015-02-11 (水) 15:50:52

「グループ」について

 

コンピュータのようにキューブパズルの全体を一度に揃える事は、人間の能力ではまず無理です。そのため、たとえば4x4x4では 中央の2x2→エッジペア→3x3x3 といったように、細かい単位に分割して解く事になります。そして、そのような分割の単位として「グループ」*1というものを考えることができます。

 

「グループ」を考えることで複雑なパズルをより単純なパズルとして解釈できるようになり、解法を見つけやすくなります。

 

「グループ」は、あるパーツが通常の回転*2によって移動することができる全ての位置の集合の事を指します。同じグループに属するパーツは移動可能な位置を互いに共有しており、そのうえ他のグループのパーツと入れ替わることはできません。つまり、それぞれのグループは互いに「独立」しているのです。
3x3x3のエッジを例にとると、それぞれのエッジは12か所×2面の24か所でグループを形成します。そして、他のグループであるコーナーとは、絶対に入れ替わることはありません。

 

「見た目が同じでもグループは分かれている」というパーツも存在します。

Word_1.png

たとえばSkewbの場合、色分けされた頂点は同じ色の頂点にしか動くことができません。また、異なる色の頂点同士が入れ替わることは絶対にできません。
よって、Skewbの頂点パーツは4か所 × 3面 = 12か所のグループ2つから成ると言えます。
このとき片方のグループだけに影響を与える手順を考えるならば、揃えるべき対象が半分になるので、考える必要のあるパターンの数を大幅に減らすことができます。
Master SkewbFace Turn Octahedron等も、グループの考え方が有効なパズルです。*3

 

変形するキューブの一部では、変形したときに異なるグループの間でパーツが入れ替わることがあります。この場合、変形を含む手順を使って各グループに正しいパーツを入れなおす工程が必須になります。
また、回転する面やその量を制限することでグループが作り出されることもあります。(3x3x3のエッジは、回転を180度に限ると 4か所のグループ×3に分解される)

 

どうにもパーツが思い通りに動かせないときは、どこかにグループが存在しないか探してみると何かヒントが得られるかもしれません。

 

BLD

各グループはそれぞれ独立しているので、それぞれ別個にループを作って覚える事が可能です。
また、覚える必要のある位置の数はグループの要素数を超えません。例えば4x4x4のエッジは見掛け上 24か所 × 2面 = 48か所ありますが、実際は 24か所 × 1面 = 24か所しか無いので、覚えるのは最長でも24文字になります。


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*1 群論にも同じような概念があり、そちらは「軌道(orbit)」と呼ばれています。
*2 持ち替えを含まない
*3 それぞれ、インナーエッジを揃える工程で「グループ」が利用されています。