用語集

Last-modified: 2015-02-12 (木) 18:10:12
 

知っていると便利かもしれない単語について解説します。比較的初心者向けです。

 
 

逆再生

ある手順を逆順に行うことを指します。
元の手順が3点以上のループ交換を行う場合、逆の結果が得られます。
(A→B→C→Aの逆再生は、A→C→B→Aとなる)
元の手順が2点交換のみからなる場合、同じ結果が得られます。
(A⇔B、C⇔Dの逆再生は、A⇔B、C⇔Dとなる)

手順が長いor複雑な時は脳内での変換が困難になるので、手軽さには欠けます。
しかし、状況を問わずおよそあらゆる場面に対応できるのが強みです。

3x3x3の場合、以下の要領で逆再生手順を作ることができます。
①記号は右から読む
②回転させる面はそのまま
③回転方向は反転させる(180度回転は実質的に変化なしとなる)
例:R2 U R U R' U' R' U' R' U R' ⇔ R U' R U R U R U' R' U' R2

 

グループ

パズルをより簡単に解釈するときに使える概念のひとつです。
これを理解するのとしないのとでは雲泥の差が出ることがあります。きっと。
詳しい解説は「グループ」についてのページを参照してください。

 

左右反転

ある手順を左右反対に行うことを指します。
元の手順が左右非対称の結果を生む場合、左右反転した結果が得られます。
(n1 / U-perm:b の左右反転は n2 / U-perm:a)
元の手順が左右対称の結果を生む場合、同じ結果が得られます。
(n6 / H-perm の左右反転は n6 / H-perm)

手順によってはパーツの移動パターンそのものが増えるので、逆再生とはまた違った場面で重宝します。
手順を手で覚えてしまっている場合、いちいち記号を考えなくても手の動きで何となく実行できてしまうのも強みです。
回転の制限があるパズルでは制限に引っかかる事が多いのが欠点です。

 

3x3x3の場合、以下のように記号を置き換えることで左右反転手順が作れます。
U = U'
U2 = U2
D = D'
D2 = D2
F = F'
F2 = F2
B = B'
B2 = B2
R = L'
R' = L
R2 = L2
例:R U R' U' R' F R2 U' R' U' R U R' F' → L' U' L U L F' L2 U L U L' U' L F

 

ステッカー

表面に張られているシールをこう呼びます。
ステッカーの色と配置から、パーツの位置と向きを知ることができます。
あるパーツに貼られたステッカーどうしの位置関係が変わることはありません。そのため、理論的には1パーツにつき1枚のステッカーだけ見れば十分な情報が得られます。この考え方は、目隠しでは必須のものになります。

 

ステッカーが1枚しか張られていないパーツは、
・向きが変わっても見た目でわからないことが多い
・同色・同形のもの複数あると見た目では区別がつかない
ことから、パリティの温床になることが多いです。

 

セットアップ

ある手順を行う前後に別の手順を加えることで、パーツの移動法則にバリエーションを作り出すことを指します。
セットアップ手順をA、セットアップに挟まれる手順をBとすると、全体の手順はABA'(A'はAの逆再生手順)となります。
(このABA'全体のことを、まとめてconjugateと言います)

 

何はともあれ、実例を見てみましょう。
R2U-RUR'U'R'U'-R'UR'
(F2) R2U-RUR'U'R'U'-R'UR' (F2)

Word_4.png

上の手順は見慣れた3点交換ですが、その前後にF2を足すだけでこのような3点交換ができるようになります。
同様にして、下図のような3点交換が可能なのが分かるでしょうか?(クリックで拡大)

Word_5.png

セットアップ手順
右から F,R2,D R2,R,Dw R'
よくわからないという人は実際に動かしてみましょう。手を動かしたほうが理解は進みます。

 

このように、セットアップによって1つの手順から多数の新たな手順を作ることができます。
新しいパズルの全パターンに対していちいち手順を作っていたのでは非効率的すぎますので、
手頃な手順を見つけたらセットアップを利用してその恩恵をしゃぶりつくすのが完成への近道となるのではないかと思います。

 

パーツ

キューブを構成する部品のことです。「全てのパーツの位置と向き」が揃えばパズルは完成します。
大抵は複数種のパーツがあり、どのパーツから揃えていくのかが解法の重要な要素になります。
表面上はつながっていなくても内部でくっついているパーツも時に存在し、そのようなときはパーツに着目する考え方が得に有効です。

 

配色

キューブ表面の色の配置をこう呼びます。
日本配色 = (白-青、黄-緑、赤-橙)
海外配色 = (白-黄、青-緑、赤-橙)
4x4x4のようなセンターが無いorセンターが入れ替わるキューブでは、配色を意識せずに解いていると最後の方で大幅な修正を迫られることがあるので気をつけましょう。

Word_2.png
 

パリティ

キューブパズルの世界では、「このまま普通に回すだけでは絶対に解けない」状態をパリティと呼んでいます。

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上の図は、いわゆる「パリティ」の状態です。
1つ目のパリティは、キューブを分解しない限り絶対に解消しません。これが本来の意味のパリティです。
2つ目のパリティは3x3x3用の手順では絶対に解けませんが、4x4x4特有の手順を使えば解くことができます。
これは、2つ目のパリティが、4x4x4を3x3x3に見立てたために生じた、いわば「仮の」パリティであることを表しています。

 

当然ながら、このwikiで扱うパリティは全て「仮の」パリティです。
さらに詳しい解説はパリティについての項目を参照してください。

 

分割

パズルの1辺がいくつのパーツに分かれているかを表す数です。
分割が多いと手数が増えますが、難しくなるかどうかはまた別の問題です。
また、分割が多いと構造がどうしても複雑になるのでPOPやLock upを起こしやすくなります。丁寧に扱いましょう。

 

変形

回転させることで全体の形が変わることを指します。
回転を制限したり、パリティを作り出したり、ただの飾りだったり、と様々な効果をもたらします。
変形のあるパズルは、最初に形を揃えてしまうのがセオリーです。

 

マヌーバー

UFエッジとUBエッジを反転させる手順のことを指します。
M U M U M U2 M' U M' U M' U2が有名です。

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BLD

Blindfoldの略で、目隠しでキューブを解くことを指します。
BLDの手順は動かす対象のパーツ以外になるべく影響を与えないように考えられており、未知のパズルの解法に応用できることがあります。とりあえず1種類だけでも理解しておくと、手順の幅が広がります。

Deep-Cut

回転の切離面がよりパズルの中心に近いことを表します。
例として、Dino CubeStar CubeMegaminxStarminx 2 など
下記の要素を満たすパズルが多く、難易度は高くなる傾向にあります。

  • パーツの種類そのものが多い
  • 一度に回転するパーツの数・種類が多い
  • 一度に回転するパーツの割合が全体に比して多い
     

LBL

Layer-By-Layerの略。ルービックキューブの構造を3層と見て、各層を順に揃えていく解法です。
スピード型解法としての進化が著しく、ちょっと練習するだけでそれなりのタイムが出てしまいます。
長所はスピードだけでなく、実は多くのパズルに応用可能な考え方がてんこ盛りの解法です。
(F2Lの考え方、3点交換のPLL手順、T-perm、Y-perm、OLLによるコーナー向き合わせなど)

 

Lock up

パーツとパーツが引っかかりあって回転ができなくなってしまうことを指します。
複雑な内部構造をした、ゆるめのキューブで起こりやすいです。
うまく戻せればいいのですが、どうにもならないときは被害が最小限になるようにPOPさせてからパーツを戻すのが無難かと思います。

 

POP

パーツがキューブから外れてしまうことを指します。最悪キューブがばらばらになってしまいます。
6x6x6~のような構造の複雑なパズルでやらかすと目も当てられない事態になります。
メガハウス製2x2x2の戻し方で議論が繰り広げられたのも今は昔、最近のキューブはよく回る上にPOPしにくいです。
とはいえ動作を実現するために安定性が犠牲になったパズルも少なくないので、怪しいパズルは丁寧に扱いましょう。

 

T-perm

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PLLにて図のような4点交換を行う手順のことを指します。
手順としては
R U R' U' R' F R2 U' R' U' R U R' F'
が挙げられます。

 

tribox

キューブパズルをメインに扱う店としては間違いなく国内最高です。(ステマ)
競技用のキューブから誰得なパズルまで、幅広い商品を取り扱っています。
そのうえ中の人が筋金入りのキューバーなので、かゆい所に手が届く対応が受けられます。
triboxが無かったら、このwikiが作られることもなかったでしょう……。

 

Speedsolving.com

スピードキューブに関しては世界最大手のサイトです。Wikiと合わせれば、膨大な情報を得られます。ただし英語。目隠しを含むスピード競技に関する情報が特に豊富です。情報ソースとしてそれなりに優れているので英語が読める方は活用してみてはいかがでしょうか。英語が読めない方でも、英語に慣れるつもりで翻訳サイトを片手に特攻するといいと思います。
このWikiで取り扱うような変わったパズルの解法は充実しておらず、YouTubeで検索した方が圧倒的に効率がいいです。

 

Y-perm

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PLLにて図のような4点交換を行う手順のことを指します。
手順としては、
F R U' R' U' R U R' F' R U R' U' R' F R F'
などが挙げられます。

 

2点交換

ある2点を互いに入れ替えるような手順のことです。例として、2x3x3の R2 U2 R2 U2 R2 U2 が挙げられます。
解法としては最も強力な部類に入り、純粋な2点交換のあるパーツは大抵それだけで全て揃います。
とはいえ最終段階まで実用的な2点交換手順のあるパズルは少ないのが実情です。
しかしOld Pochmannのように2点x2の4点交換+セットアップを連続で行ったり、3点交換のうち2か所を同じ色で揃えたりすることで擬似的に2点交換を運用することはできます。便利です。

 

3点交換

ある3点を順々に入れ替えるような手順のことです。例として、3x3x3の R2 U R U R' U' R' U' R' U R' が挙げられます。パリティが存在し得ることなどから、解法としての強力さは2点交換にやや劣ります。
しかし、
・多くのパーツに3点交換が存在する
・セットアップと合わせれば大抵の状況を処理できる
・手順を見つけるのが楽
と便利の塊のようなものなので、多くのキューブで解法の要になります。(少なくとも私の場合)
あまり依存すると全体の手数が多くなりがちなのが欠点です。

 
 
 

Tag: 知識・理論