概要
かけあいと呼ばれる、式姫の庭オリジナルストーリー。
キャラクターも式姫の庭オリジナルのデフォルメされたキャラである。
過去に見たストーリーは、「図録」>「かけあい」にて確認することが出来る。
- 見ていないストーリーは、選択できないだけで表示はされているので、自分が見ていないストーリーの確認にも使える。
かけあい
小烏丸の悩み(小烏丸の思い出)
小烏丸(ふう…疲れた…) 狗賓「小烏丸ちゃん、こんにちは。」 | ||
小烏丸「あ、狗賓さん。こんにちは。」 小烏丸「今、修行の洞窟へ行って、 無事帰りました。」 狗賓「ご苦労様。 でも、浮かない様子ですね?」 | ||
小烏丸「いえ…成り行きのままに、 庭をお借りしていますが…」 小烏丸「○○さんは 不愉快ではないのかなと…」 狗賓「ああ、なるほど。」 狗賓「○○さん、ずっとニコニコされていますよ。」 | ||
狗賓「賑やかになって むしろ嬉しいんじゃないでしょうか。」 小烏丸「そうだとよいのですが…」 狗賓「あまり深く考えず、 妖怪退治をがんばりましょう。」 | ||
狗賓「それが一番の恩返しですよ。」 狗賓「さ、疲れているでしょうし、 おにぎりでもどうですか?」 小烏丸「そうですね、 ありがとうございます。」 | ||
狗賓「さあ、どうぞ…? あれ?」 小烏丸「どうしました?」 狗賓「いえ…ここに沢山 握っておいたはずなのですが…」 | ||
小烏丸「狗賓さん…あそこ…」 狗賓「?」 | ||
小烏丸「こうめさんが、何かをたくさん 抱えてるような…」 狗賓「…ほんとですね。」 小烏丸「口いっぱいに何かを もぐもぐしてます…」 | ||
狗賓「………」 狗賓「これはお仕置きが必要ですね。」 小烏丸「よく見ると口の周りに ご飯粒がたっぷり…」 | ||
小烏丸「え?」 狗賓「小烏丸ちゃん、 私は用事が出来たから行きますね。」 | ||
小烏丸「は、はい……。」 | ||
庭中に響くこうめの泣き声を聞くうちに 悩んでいた事を忘れてしまった小烏丸なのでした。 |
迷子の理由(悪鬼の思い出)
悪鬼「いやー、ほんとに助かったよ、
もう戻ってこれないかと思った!」
小烏丸「本当によかったですね。みんなで心配してましたよ。」
「ところでなんであんなところにいたんですか?」
「花のあふれる神社に
向かったと聞いてましたが・・・・」
悪鬼「うーん、おかしいんだよなー」
「地図通りに花の溢れる神社に
向かったはずなんだけど。」
小烏丸「悪鬼さんてもしかして
方向音痴なんですか?」
悪鬼「えー、そんなことないって!」
小烏丸「花のあふれる神社って
庭を出て西に行くだけですよね?」
悪鬼「西?にしって左のことだよね?」
小烏丸「え?」
悪鬼「地図には左の方に書いてあるから
左に行けば着くんだよね?」
「だから分かれ道を
左に左に行ったんだ!」
小烏丸「悪鬼さん・・・」
その後、悪鬼だけ現地集合はナシになりました。
小鳥の怪我(天女の思い出)
天女 「今日もいい天気だわあ。」
悪鬼 「おーい天女ー!」
「ちょっとこっち来てくれー!」
天女 「悪鬼ちゃん?
そんなに慌ててどうしたの?」
悪鬼 「いいから、
早く来てくれー!」
天女 「まぁ! 小鳥さんが…。」
悪鬼 「木の上の巣から落ちたんだろ。」
「怪我してるからさ。
天女に治してほしくて。」
天女 「かわいそうに…。」
「はい、これでもう大丈夫よ。」
悪鬼 「元気になったみたいだな。
よかったな、小鳥!」
「ありがとう、天女!」
天女 「本当によかったわあ。
怪我は私が治してあげますからねえ。」
悪鬼 「あ、そうだ!」
「おい、小鳥!」
「また木から落ちても怪我しないよーに
これから修練だー!」
天女 「ちょっと、悪鬼ちゃん!?」
「小鳥さんは
きっとお家に帰りたいわよ。」
悪鬼 「そうだなあ。」
「天女がそう言うなら、
巣に戻してくるよ。」
「小鳥! 木の上まで運んでやるよー。」
天女 「小鳥さん、よかったわね。」
「ありがとう、悪鬼ちゃん。」
天女に怪我を治してもらった小鳥は
悪鬼によって無事に巣に戻ることができたのでした。
戦え!狛犬!(狛犬の思い出)
狛犬 「うおーーーーーー!」
狛犬 「うおーーーー!いてえッスーーーー!」
おゆき 「きゃっ!」
「ちょっとバカ狛犬!あんた何してんのよ!」
狛犬 「池にやられたッスーーー!」
おゆき 「池にやられたってどういうことよ!?」
ほら…治してあげたから。どう?」
狛犬 「お…お?痛くないッス!」
おゆき 「で、あんた池で何してたのよ!?」
狛犬 「池に槍落としたから飛び込んだっスー!」
浅くて頭ぶつけたッスー!いたかったッスー!」
おゆき (頭から突っ込んだのかこのバカ狛犬は…。)
狛犬 「でも、もう痛くないッス!」
ありがとうッスー!」
小烏丸 「狛犬さん、いいところにいました。」
「これから○○さんが討伐に行くみたいなんですが、
いっしょに来てくれませんか?」
狛犬 「お、討伐っスね、わかったッス!
おゆきさん、治してくれてありがとうッス!
これで討伐に行けるッス!」
おゆき 「はいはい、気をつけて行ってきなさいよー。」
狛犬が槍を忘れていることに気づいたのは
討伐で物怪と遭遇したときなのでした。
天狗の戸惑い(天狗の思い出)
天狗「ふう・・・やっとつきましたわ。
今日の討伐も大変でしたの。」
おつの「天狗ちゃんだーねーねーこの前森の古道に行ったときに小玉鼠が出てきて攻撃しようと思ったらねー後ろから音がして振り向いたら後ろにも物怪がいるわけーびっくりしてー私」
天狗「わっ、おつの!
相変わらずおしゃべりね。」
天狗「そういえば、おつの、昨日討伐に行ったときに・・・」
おつの「あははー天狗ちゃんがいたからおしゃべりしようと思ってさーあっちから来たんだけど天狗ちゃんがいるーと思ったら私うれしくてさー」
天狗「昨日討伐でバカの悪鬼が・・・」
おつの「昨日もいい天気だったよねー庭でひなたぼっこしてると気持ちよくてさー眠くなっちゃってねーこういうのってなんだっけーしゅんみんなんとかってー忘れちゃったあはは!」
天狗「もう!いい加減にして!」
天狗「少しはわたくしの話も聴いてほしいですわ!」
おつの「あはは!ごめんごめん。」
おつの「わかったー
天狗ちゃんの話聴いてるねー」
おつの「そりゃ天狗ちゃんの話だもんいっぱい聴くよー庭のみんなのことならなんでも知ってるよーなんでもっていってもほんとに全部は知らないかもだけどそういう言い方するってい」
天狗「悪鬼のバカがわたくしを・・・」
おつの「討伐ってさー大変なときもあるけどみんなと一緒だからおしゃべりできて楽しいよねー楽しいっていってもやっぱ戦うからずーっと楽しいわけでもないけどそれでもさーみんなでいるのと一人でいるのってやっ」
天狗「おつの・・・。」
おつの「また庭とみんなの感じが違うっていうかねーみんなとは仲良しだけどまた違った一面を発見しちゃったりしてーもっと仲良くなれるって感じーあ!そうそうこの前こうめちゃんとおしゃべりしてたんだけどこうめちゃんってば面白いんだよーなんと実は」
天狗は、おつのに話を聴いてもらうことはあきらめたのでした。
なにが好き?(白兎の思い出)
白兎「うー、おなかすいたー。」 狗賓「白兎ちゃん、こんにちは。」 | ||
白兎「あー狗賓さん、こんにちはー。」 狗賓「前から気になっていたのですけど、」 狗賓「いつも背中に大きなにんじんを 背負っていますね。」 | ||
狗賓「白兎ちゃんは、 本当ににんじんが大好きなんですね。」 白兎「これはねー矢筒だよー。 大好きなにんじんの形なのー。」 | ||
狗賓「本当ですね! よくできていますね。」 白兎「えへへーいいでしょー? 狗賓さんは何が好き?」 | ||
狗賓「私は、お餅ですね。 特に五平餅が大好きです。」 白兎「そっかー。」 | ||
白兎「じゃあ、武器のうちわを お餅にしてみたらー?」 狗賓「うちわを、お餅に?」 | ||
白兎「大好きなお餅と いつもいっしょにいられるよー!」 狗賓「なるほど、 五平餅のうちわですか。」 | ||
狗賓「白兎ちゃんは 面白いことを考えますね。」 白兎「でもー物怪がくっついちゃったら どうしようー!」 | ||
白兎「うー、 食べ物の話をしていたら…。」 狗賓「おなかがすきましたね。 一緒にご飯を食べましょうか。」 | ||
白兎「わーい! 狗賓さんとご飯だー!」 | ||
白兎は、狗賓と楽しくご飯を食べたのでした。 |
厳しい蜥蜴丸(蜥蜴丸の思い出)
蜥蜴丸「さて、素振りの稽古は これくらいにしておきますか。」 狛犬「すごいッス! 蜥蜴丸さん、いつも稽古してるッスね!」 | ||
蜥蜴丸「あとは、瞑想の稽古、 形の稽古、走り込みの稽古……。」 狛犬「うおーーー! そんなにッスかー!」 | ||
狛犬「狛犬ならすぐ忘れちゃうッスよ~。」 蜥蜴丸「「自分に厳しく」が 私の信条ですから。」 | ||
蜥蜴丸「次は、巻き藁斬りの稽古ですね。」 | ||
蜥蜴丸「私の巻き藁が……!」 狛犬「これ、蜥蜴丸さんのだったッスか!!」 | ||
狛犬「さっき槍の稽古してたら、 突っ込んで壊しちゃったッス!」 狛犬「ごめんなさいッス。新しい巻き藁を ○○さんに頼んで……」 蜥蜴丸「けじめです。」 | ||
狛犬「へっ?」 蜥蜴丸「狛犬には けじめをつけてもらわねばなりません。」 | ||
蜥蜴丸「けじめとは…… 切腹……!」 狛犬「うおーーーー!!! 嫌ッスーーーーー!!」 | ||
(じりっ) 狛犬「ごめんなさいッスーーー!!」 (じりっ) 狛犬「許して欲しいッスーーーー!!」 (じりっ) 狛犬「ギャーーーーーーーーー!!!!!」 | ||
追いかける蜥蜴丸に、狛犬は全力で逃げるしかありませんでした。 |
裁縫は得意?(邪鬼の思い出)
天狗「あの骨浪人のやつ! 私に斬りかかるなんて百年早いですの!」 邪鬼「どうしたんだ? ずいぶんご機嫌斜めじゃねえか。」 天狗「邪鬼さん! これ見てください!」 | ||
邪鬼「うお!? 羽織がぼろぼろじゃねえか!」 天狗「討伐中に骨浪人に斬られたんですの!」 | ||
天狗「攻撃は全然たいしたことなかったのに、 あんな錆びた刀で斬るんだもの!」 | ||
天狗「羽織だけが こんなにひどく裂けてしまいましたの!」 邪鬼「それは、災難だったなあ。」 | ||
天狗「それで今、お裁縫をしているんですの。」 | ||
天狗「……痛っ!! また刺しましたわっ!」 | ||
天狗「ああもう! あの物怪、本当に許せないですわ!」 邪鬼「どれ、貸してみな。」 | ||
邪鬼「この羽織の素材は羅紗だから、 ほら、こうして……。」 | ||
邪鬼「こんな風に、まつり縫いにすると 綺麗に仕上がるんだ。」 天狗「あら、意外ですわ。 邪鬼さんがお裁縫が得意だなんて。」 | ||
邪鬼「昔から暴れまくってたら よく装束を破いちまってさ。」 | ||
邪鬼「毎日のように自分で直してたら 得意になったんだ。」 天狗「なるほどですわ。」 | ||
天狗「また羽織が敗れたら お願いしてもいいですか?」 邪鬼「いや、天狗が斬られる前に 物怪をぶっ飛ばしてやるよ!!」 | ||
天狗は直してもらった羽織を着ると 邪鬼と一緒に討伐へ出かけるのでした。 |
今日の目標(黒兎の思い出)
黒兎(庭に来てみたけど……。) 黒兎(まだ誰とも話せてないなあ……。) | ||
黒兎「(よし、誰か一人でも話しかけよう。 それが今日の目標だ!)」 | ||
黒兎(あ…あそこに白兎がいる!) | ||
黒兎(う…が、頑張るぞ!) 黒兎「ね、ねえ、し……」 おつの「ねーねー黒兎ちゃん昨日甘味処に行ったらさーお茶がすごく熱かったわけ私すごくびっくりしてーお茶飲めなかったんだけどーいっしょに来てた小烏丸ちゃんなんてさーすごくてさー」 | ||
黒兎「あ、う…おつの?」 おつの「熱そうなのに、我慢して飲んでたんだよー!びっくりだよねー「このお茶はこの温度が一番おいしいと思ってお店の人が出してくれているに違いありません」って言っててさーほんと」 黒兎(こ、こういうときは、笑顔になるんだ!) | ||
黒兎(にこぉ) おつの「真面目だよねー小烏丸ちゃんってーでさーそのとき涙目になりながら頑張って飲んでてーそういう所かわいいよねーあはは!ねー黒兎ちゃんもそう思うよねー?」 | ||
黒兎「う、うん!」 おつの「でもねーお茶はびっくりしたんだけどお団子はすごくおいしかったんだよー小烏丸ちゃん無理しちゃって大丈夫かなって思ったんだけど「お団子おいしかったです」って言っててよかったーって思ったんだーそれから」 | ||
黒兎「……う、うん!」 おつの「おつの「あーそういえばくらかけみやちゃんとおにぎり屋さんに行く約束してたんだった!えーやばい遅刻じゃん!私遅刻してばっかりーでもくらかけみやちゃん優しいから許してくれるよねでも気をつけなきゃだめだよねー!!」 | ||
おつの「じゃーねー黒兎ちゃん またおしゃべりしようねーばいばーい」 黒兎「う、ば、ばいばい。」 | ||
黒兎「……。」 | ||
黒兎「も、目標達成だ……!」 | ||
黒兎は今日一日 幸せな気分になれたのでした。 |
シーサーの災難(シーサーの思い出)
シーサー「今日も太陽が照ってて嬉し……」 | ||
シーサー「……うう、なんだ? 急に寒くなってきたぞ……。」 おゆき「そんなところにいたのね! そこでおとなしくしてなさいよ!!」 | ||
シーサー「うおっ、おゆき!?」 おゆき「バカ狛犬! おとなしく氷付けになりなさい!!」 シーサー「待て、おゆき! オレは狛犬じゃねえよ!」 | ||
おゆき「あら? シーサー……。」 | ||
おゆき「……ごめんなさい。 バカ狛犬と間違えちゃって……。」 シーサー「なんでまた 狛犬を凍らせようとしていたんだ?」 | ||
おゆき「狛犬を私のコレクションの 番犬にしようと思ってねー。」 シーサー(相変わらずだなあ) | ||
シーサー「勘弁してくれよ、 寒いのは苦手なんだ。」 | ||
シーサー「故郷の琉球はそりゃあ、暖かくて。 この庭でも少し肌寒いくらいなんだ。」 おゆき「へえ、琉球が故郷なんだ?」 | ||
シーサー「うん、 オレは琉球の魔除けの象徴なんだ。」 | ||
シーサー「どんな災いや物怪からだって、 オレは命をかけて全力で守るぜ!」 おゆき「………。」 シーサー「………?」 | ||
おゆき「……あんたでもいいわね。」 シーサー「………!」 | ||
おゆき「……見た目も似てるし。」 シーサー「うおお!! やめてくれー!!」 | ||
おゆき「狛犬も、シーサーも、 私のコレクションの 守り神になりなさーい!」 シーサー「寒い!寒い!! 寒いのは苦手なんだー!!」 | ||
その日の庭は、霜が降りるような寒さが続いたのでした。 |
意外な能力?(織姫の思い出)
狗賓の休日(狗賓の思い出)
狗賓「ふふ、 今日はゆっくりできそうですね。」 小狐丸「あら、狗賓さん。 ひなたぼっこですか?」 狗賓「ええ、 今日は久々に休めそうなんですよ。」 | ||
狗賓「悪鬼ちゃんと狛犬ちゃんが 討伐に出ているんです。」 | ||
狗賓「二人がいると壁や修練道具を壊したりで いつも片付けが大変なんです。」 小狐丸「悪鬼ちゃんも狛犬ちゃんも 元気ですものね。」 | ||
狗賓「元気なのは、 いいことなんですけどね。」 小狐丸「狗賓さんも面倒見がよくて 尊敬しちゃいます。」 | ||
小狐丸「そういうことでしたら、 今日はゆっくり休んでくださいね。」 狗賓「ありがとうございます。 そうします。」 | ||
狗賓「……さて、 本当に今日はいい天気ですね~。」 小狐丸「……ああっ!! 塩と砂糖を間違えてました! 砂糖おにぎりになっちゃいました!!」 | ||
狗賓「……。」 がっしゃーん! 小狐丸「……ああっ!!つまづきました! 褒美処のツボが 粉々になっちゃいました!!」 | ||
狗賓「……。」 どんがらがっしゃーん! 小狐丸「……ああっ!!また転びました! 運んでた秘伝書を 池に投げちゃいました~!!」 | ||
狗賓「……。」 | ||
狗賓「……さあ、 今日も頑張りますか。」 | ||
今日も狗賓は、かいがいしく働くのでした。 |
ほっとけない羅刹(羅刹の思い出)
羅刹「今日も庭は平和だなっと。」 | ||
羅刹「ん? 一人でいる式姫がいるな……。」 黒兎(庭に来たけど 全然友達できないや……。) | ||
黒兎(ううん、 もう友達なんていらないんだ……。) 羅刹「おーい、 あんたは、黒兎ちゃん、だな?」 | ||
黒兎「う、うん、 羅刹、さん?」 羅刹「まあそう固くなるなって。」 | ||
黒兎「ひ、一人が好きだから……。 ほ、ほっといて……。」 羅刹「まあまあ、そんなに 片意地張らなくてもいいだろ?」 | ||
黒兎「でも、一人がいいんだ……。」 羅刹「庭に来て、 何か嫌なことでもあったのか?」 | ||
黒兎「う……ううん。」 羅刹「一人でいるより、 みんなといる方が楽しくないか?」 | ||
黒兎「う……。」 | ||
黒兎「うん……。」 羅刹「今は緊張しちゃって、 話しかけられないだけさ。」 | ||
羅刹「大丈夫。頑張らなくても、 友達はたくさんできるよ。」 黒兎「そ、そっか……。」 羅刹「何か困ったことがあったら ウチに言うんだよ。」 | ||
羅刹「ウチはいつでも 黒兎ちゃんの味方だからな。」 黒兎「……うん。」 | ||
黒兎「ありがとう、羅刹さん……。」 羅刹「おう。」 | ||
羅刹は、黒兎が笑顔になれてよかったと思うのでした。 |
小狐丸の特技(小狐丸の思い出)
小狐丸「きゃーっ!」 どーんがらがらがら がっしゃーーーーーーん 天女「きゃっ!」 | ||
天女「す、すごい音! 小狐丸さんの悲鳴も……!」 | ||
天女「小狐丸さん、大丈夫ですか?」 小狐丸「天女ちゃん、ありがとう。 私は大丈夫ですよ。」 | ||
小狐丸「ああっ!!雷神石像を 壊してしまいました…!」 天女「見事に粉々ですね……。」 | ||
小狐丸「本当ね……。」 天女「さすがに、私の回復の力でも 直せないかもしれません……。」 | ||
小狐丸「大丈夫ですよ、 破片を集めて組み立てますから。」 天女「こんなに粉々なのに、ですか?」 小狐丸「……。」 | ||
天女「!」 小狐丸「はい、できました!」 | ||
天女「すごいです!あっという間に 石像を直しちゃいました!」 小狐丸「よく物を壊しちゃうから、 組み立て直すのは得意なんです。」 | ||
小狐丸「えっへん!」 | ||
次の日には、 直した石像を壊してしまう小狐丸なのでした。 |
猫又の昼さがり(猫又の思い出)
猫又「お昼寝は猫のたしなみだにゃー…」 狛犬「うおーーーーーー!」 | ||
猫又「うにゃーーーーー!」 狛犬「うおーーー! 池に飛び込んじゃったッス!」 | ||
狛犬「水浴びッスー!」 猫又「にゃー! 水しぶきが飛んだにゃ!」 狛犬「天気がいい日の 水浴びは気持ちいいッスー!」 | ||
猫又「天気がいい日は お昼寝なのににゃあ……。」 狛犬「次は散歩ッス! うおーーーーーー!」 猫又「狛犬は騒がしいにゃ。 せっかくのお昼寝が台無しにゃ。」 | ||
猫又「…散歩に行ったみたいだし、 今度は、ゆっくり眠れそうだにゃ。」 | ||
猫又「にゃっ……!?」 | ||
猫又「チョウチョにゃ! チョウチョにゃ!」 | ||
猫又「あ、あっちに行っちゃうにゃ!」 狛犬「うおーーーー!」 | ||
狛犬「チョウチョッス! チョウチョッス!」 猫又「狛犬! そっちにチョウチョが行ったにゃ!」 | ||
狛犬「待つッスーー!」 猫又「待つにゃー!」 | ||
狛犬ともっと仲良くなれそうだと思った猫又なのでした。 |
飯綱のおともだち(飯綱の思い出)
白兎「わー飯綱ちゃんだ!」 飯綱「あー白兎ちゃん! こんにちは!」 白兎「こんにちは!」 | ||
白兎「飯綱ちゃん、 尻尾がもこもこだねー」 飯綱「うん、もこもこだよー」 | ||
白兎「もこもこの尻尾、 かわいいねー」 飯綱「ありがとう! 白兎ちゃん!」 | ||
飯綱「白兎ちゃんは 尻尾がふさふさだねー」 | ||
飯綱「かわいいー」 白兎「えへへ、ありがとうー」 | ||
白兎「庭にはみんながいて楽しいねー」 飯綱「○○さんも 優しいよねー」 | ||
白兎「今日も庭で飯綱ちゃんに会えて うれしいな。」 飯綱「うん!わたしも白兎ちゃんに 会えてとってもうれしいよー」 | ||
飯綱「あのねーおにぎり持ってきたのー 白兎ちゃん、どうぞ。」 白兎「ありがとう、飯綱ちゃんー」 | ||
白兎「お花持ってきたのー あげるー」 飯綱「お花だ! ありがとう白兎ちゃんー」 飯綱「わたしお花大好き!」 | ||
かわいいのでオチはいらないのでした。 |
噂好きの烏天狗(烏天狗の思い出)
烏天狗「あ! 噂をすれば織姫だー」 | ||
烏天狗「織姫ーこんにちはー!」 織姫「あら、烏天狗。 こんにちは。」 | ||
烏天狗「最近、織姫の噂をよく聞くんだ。」 織姫「私の噂、ですって…?」 | ||
烏天狗「織姫って 謎が多いよねって噂がよくあって…」 織姫「謎…」 | ||
烏天狗「畑によく来てるみたいだから ひょっとして…」 | ||
烏天狗「織姫の正体って ウリ坊だったりしてー?とかー」 織姫「ふふふ、私がうり坊だなんて、かわいいわね。」 | ||
烏天狗「つちのこなんじゃないの? …って噂も聞いたんだよね。」 織姫「つちのこ…? …つちのこもかわいいわよね。」 | ||
烏天狗「山も好きみたいだし… むじななんじゃないかって噂とか!」 織姫「私が、むじな……?」 | ||
烏天狗「実は… デイダラボッチだったりして~!」 織姫「きゃああっ」 烏天狗「…なーんて噂もあってさ。」 | ||
烏天狗「で、実際どうなの? 織姫?」 織姫「さあ……」 | ||
織姫「どうかしらね?」 烏天狗「ごめんごめん。冗談だよー。 噂は噂だもんね…!」 | ||
烏天狗「畑仕事が妙に得意なのが みんな気になってるみたいなんだ。」 | ||
烏天狗「あ、そういえば、 こんな噂も聞いたんだ!」 | ||
烏天狗「農業の神ってことで 織姫って…おしらだったりして!」 烏天狗「羽衣がちょうど 巨大な蚕に似てるよねーって!」 織姫「きゃああああっ!」 | ||
烏天狗「ごめん!やっぱ違うよね! おしらじゃないって噂を流しておくよ!」 | ||
烏天狗は織姫の奇妙な噂を聞くと、 織姫をかばう噂を流すようになりました。 |
吉祥天と甘味処(吉祥天の思い出)
吉祥天「シーサー、甘味処いこー!」 シーサー「おう吉祥天!行こう。」 | ||
シーサー「甘味処に行くなんて久しぶりだ。 楽しみだな。」 吉祥天「だよねーシーサーって 甘味処に行くイメージないもん。」 | ||
シーサー「えーっと、じゃあ、 オレはごまだんごにしようかな。」 吉祥天「えー ごまだんごってかわいくなくない?」 | ||
シーサー「食べ物にかわいいとかあるのかよ!?」 | ||
シーサー「…うーん、きんつば!」 吉祥天「きんつばってなんかごつくない? 名前もちょっと、いかついよね。」 | ||
シーサー「きんつばは、いかついのか…」 吉祥天「せっかく久々の甘味処なんだから、 女子っぽいの選ぼうよー」 | ||
シーサー「女子っぽい…か。 難しいな。」 | ||
シーサー「やわらかくて透明でかわいい… …くずもち!」 吉祥天「くずもちはー 華やかさに欠けるっていうかー」 | ||
シーサー「…まるくてかわいい感じの… …よもぎもち。」 吉祥天「よもぎもちって、 なんか緑でかわいくないじゃん。」 | ||
シーサー「なんか緑って…」 吉祥天「…ってことで、」 | ||
吉祥天「特性しらたまくりぃむいちごあんみつ、 2つおねがいしまーす!」 シーサー「わっ、ちょっと待ってくれ! えっと、みたらしだんごが食べたい!」 | ||
シーサー「…けど、みたらしだんごは、 色が地味でかわいくないし、ダメか。」 吉祥天「いいじゃん! みたらしだんご、逆に!」 | ||
シーサー「…逆に?いいのか? じゃあ、彩りがかわいい三色だんごも!」 吉祥天「えー三色だんごはー ちょっとやぼったくない?」 | ||
シーサー「やっぱり、女子って難しいな…」 | ||
吉祥天はシーサーと甘味をわけあって楽しんだのでした。 |
座敷童子の守護(座敷童子の思い出)
邪鬼「…よしっ。できた! 座敷童子の羽衣の破れを直したぞ。」 座敷童子「邪鬼さん!こんにちは!」 | ||
邪鬼「あっ、座敷童子! 元気そうだな。」 | ||
邪鬼「ちょうどよかった 羽衣を直しといたぞ。」 座敷童子「わあい、ありがとうございます! 邪鬼さんはお裁縫が上手ですね!」 | ||
邪鬼「へへっ、ありがとな! また討伐で敗れたら持って来な。」 | ||
邪鬼「ついでに、他のほつれも繕うか。 屋敷は意外と年季が入ってるからな…」 | ||
邪鬼「あれ?」 | ||
邪鬼「簾も座布団も 傷ひとつないぞ!」 | ||
邪鬼「そうか……。」 | ||
邪鬼「座敷童子ちゃんがいてくれるから、 きっと、屋敷が守られているんだな。」 座敷童子「そうかもしれません。」 | ||
座敷童子「お役に立てていたら、 ボク、嬉しいです!」 | ||
座敷童子「わああっ!! 狛犬さんが!」 邪鬼「うわっ、狛犬!?ちょっと待てっ!! 屋敷に突っ込んで来る!」 | ||
邪鬼「えっ…」 | ||
邪鬼「屋敷に突っ込む前に 飛び石につまづいて…」 | ||
邪鬼「持ってた槍が地面に刺さって、 一回転して…」 | ||
邪鬼「狛犬の突撃が止まった! 狛犬は無事だ!」 座敷童子「屋敷に突っ込まなくてよかったですね。 狛犬さんも怪我しなくてよかったです。」 | ||
邪鬼「おおっ!?今度は小狐丸が、 お茶を運んでいるのに転びそうに…!」 座敷童子「あっ、転んじゃいました!」 | ||
邪鬼「お?」 | ||
邪鬼「あたしが出しっぱなしだった座布団に 倒れ込んで平気だったみたいだな。」 | ||
邪鬼「…って、 お茶がこぼれてねえぞ!」 座敷童子「こぼれたお茶が、全部お茶碗の中に こぼれ落ちたみたいです!」 | ||
邪鬼「座敷童子ちゃんの 守護の力、すごいな!」 座敷童子「幸せをもたらすのが、 ボクの喜びですから!」 | ||
式姫たちが元気に活動しても、 座敷童子のおかげで、屋敷は平和なのでした。 |
一途な茨木童子(茨木童子の思い出)
烏天狗「あ、いたいた! 茨木童子!」 茨木童子「あら、烏天狗…」 | ||
烏天狗「邪鬼さんから 手作りの髪飾りをもらったんだ!」 | ||
烏天狗「茨木童子にもあげようと思って。 朱色と、浅葱色、どっちがいい?」 茨木童子「朱色がいいですね。 髪飾りは朱色がいいって決めています。」 | ||
烏天狗「…うーん、だけど、 茨木童子はいつも朱色の髪飾りだよね。」 | ||
烏天狗「たまには違う色も 気分変わっていいんじゃない?」 茨木童子「…でも、 ずっと朱色って、決めてますから…。」 | ||
烏天狗「分かった。 じゃあ、朱色の髪飾りをあげるね。」 茨木童子「ありがとうございます。」 | ||
烏天狗「…そうだ、おなかも空いたし、 一緒におにぎり屋さん行かない?」 茨木童子「いいですね。 行きましょう。」 | ||
烏天狗「へえ!珍しい種類のおにぎりが たくさんあるみたいだよ!」 茨木童子「ほんとですね。」 | ||
茨木童子「私は鮭にします。 どこのお店でも、おにぎりは鮭です。」 烏天狗「茨木童子は 本当にこだわりが強いね!」 | ||
烏天狗「私は話の種に 豆腐そぼろおにぎりにしてみるよ!」 | ||
烏天狗「う…味が薄い… 失敗したかな…」 茨木童子「ここの鮭おにぎり、おいしいです。 炭火で焙っていて香ばしいですよ。」 | ||
烏天狗「そういえば…ご飯のときくらい、 武器…マカちゃんを置いておいたら?」 茨木童子「マカちゃんはずっと一緒にいるって 決めてますから!それは無理です!」 | ||
茨木童子「わあああっ! 烏天狗、危ないです!」 烏天狗「うわあああっ!」 | ||
茨木童子「はあ…危なかったですね。 これで大丈夫です。」 | ||
茨木童子「強風で飛んできた枝を マカちゃんで薙ぎ払いました!」 烏天狗「ありがとう…茨木童子。」 | ||
烏天狗「こだわりも悪くないかもね。」 | ||
茨木童子はおにぎりの半分を烏天狗にわけてあげたのでした。 |
雨の日は好き?(コロボックルの思い出)
猫又「にゃーっ! 今日は雨にゃ。」 コロボックル「わあ、本当だネ。」 | ||
猫又「今日も縁側で お昼寝しようと思ってたのに…」 コロボックル「わーっ! たくさん降ってきたネ!」 | ||
猫又「ホントにゃ!」 コロボックル「コロのふるさとは 大雪がふるんダヨ」 | ||
コロボックル「この大雨みたいに 毎日たくさん雪が降るんダ!」 猫又「お、大雪!? 寒いのは嫌だにゃ!」 | ||
猫又「ただでさえ雨の日も寒いのに 大雪なんてとんでもないにゃ…」 コロボックル「猫又さんはコロのふるさとに 来たらしんじゃうね」 | ||
猫又「それにしても、こんな大雨じゃ 縁側で寝てたらぬれちゃうにゃ…」 コロボックル「コロは雨が好きダヨ!」 | ||
コロボックル「水たまりにとびこんで、 ばっしゃーん! ってするんダヨ!」 猫又「水たまり…! み、水は苦手だにゃ…」 コロボックル「あとね、フキの葉っぱで雨をよけて おでかけするんダ!」 | ||
猫又「…傘があっても水にぬれるのは 嫌だにゃ…!」 コロボックル「猫又さんは 本当にお水が嫌いなんだネ。」 | ||
コロボックル「じゃあ、コロといっしょに おうちで遊ぼうヨ!」 猫又「遊ぶのにゃ? 雨の日は元気が出ないのにゃ…」 | ||
猫又「うにゃっ?」 | ||
猫又「うにゃっ!うにゃっ! うにゃにゃにゃっ!」 コロボックル「えへへ」 | ||
コロボックル「コロのしっぽねこじゃらしダヨ!」 猫又「にゃにゃにゃっ!」 コロボックル「雨の日も、 おうちで遊ぶと楽しいネ! | ||
コロボックルは、雨がやむまで 猫又と遊んだのでした。 |
仙狸のひるさがり(仙狸の思い出)
仙狸「うーむ肩がこったのう… 年かの…」 小烏丸「こんにちは、仙狸さん。 肩をたたきましょうか?」 | ||
仙狸「おお、すまんのう。 お願いしようかの。」 小烏丸「はい!」 | ||
仙狸「肩こりがひどくてのう… 最近の悩みはこればっかりじゃ。」 | ||
仙狸「小烏丸殿は悩みはないかの?」 小烏丸「悩み、ですか。 そうですね…」 | ||
小烏丸「○○さんから 強くなる薬をいただいたのですが…」 | ||
小烏丸「どうしてもこの薬の苦味に 慣れないんですよね。」 仙狸「ほっほっほ。 小烏丸殿もまだまだじゃの。」 | ||
小烏丸「不甲斐ないです…。」 仙狸「そうじゃ。 いいものがあるぞ。」 | ||
仙狸「このお茶を飲むのじゃ。 苦味が和らぐぞ。」 小烏丸「ありがとうございます。 いただきます。」 | ||
小烏丸「こ、これは…!」 仙狸「お茶の風味で、 薬の苦味が消えたろう?」 | ||
小烏丸(確かに、 薬の苦みは消えたけど…) | ||
小烏丸(このお茶がまた、 ものすごく独特な風味だ…) 仙狸「少々変わった味じゃが、 なかなかうまいじゃろう?」 | ||
小烏丸「は、はい…!」 仙狸「そうかそうか、気に入ってくれたか! お茶っ葉をわけてやろう。」 | ||
小烏丸「あ、ありがたくいただきます。」 仙狸「ふむ。」 | ||
仙狸「…すまぬの、小烏丸殿。 口に合わなかったようじゃな。」 | ||
仙狸「気を遣ってくれたんじゃな。 小烏丸殿も大人じゃの。」 小烏丸「あ…」 | ||
小烏丸「…仙狸さんには敵いませんね。 恐れ入ります。」 | ||
仙狸は、おいしいお茶をいれて 小烏丸を労うのでした。 |
古椿と太郎坊(古椿の思い出)
古椿(タロちゃんが来たであります。 隠れるであります……。) 太郎坊「この練習用ぬいぐるみ… 古椿が夜中に喋るって言ってたんだよん…」 | ||
太郎坊「でも、しゃべるわけないんだよん。 お化けなんているわけないんだよん!」 古椿「そこにいるのは 誰だっ!?」 | ||
太郎坊「うわあああっ! 人形が…しゃっ、喋っ…」 古椿「ププププーッ! ひっかかったーっであります!」 | ||
太郎坊「古椿…!!」 古椿「相変わらずタロちゃんは 怖がりでありますな!」 | ||
太郎坊(古椿め…!悔しいんだよん……。 こっちも怖い話をするんだよん…!) | ||
太郎坊「あ…あそこの畑の案山子、 実は……夜中に動くんだよん!」 古椿「またまたー。 案山子が動くわけないであります!」 | ||
古椿「タロちゃんは昔から 嘘が下手でありますな!動くわけ…」 | ||
古椿「ぎゃあああああ!」 太郎坊「えっ?」 | ||
太郎坊「ぎゃあああああ!」 | ||
太郎坊「びっくりしたんだよん…」 | ||
太郎坊「案山子が…ほんとに動いてたんだよん。 嘘だったのに……」 古椿(あの案山子はたまに動くであります。 知らないんでありますな!プークスクス) | ||
古椿「なにを言ってるでありますか! 案山子なんて動くはずないであります!」 太郎坊「……!?」 | ||
太郎坊「ぴょんって、跳ねてたの… 古椿も一緒に見たんだよん…?」 古椿「タロちゃんに見えて古椿には見えない… 不思議であります!怖いであります!」 | ||
太郎坊「……。」 小烏丸「おや、太郎坊さん、古椿さん、 こんにちは。」 太郎坊「小烏丸! い、いま、あの案山子が…!」 | ||
小烏丸「あ、あの案山子ですか? あれって時々動くんですよね。」 太郎坊「……。」 | ||
太郎坊「……古椿! 今日という今日は許さないんだよん!」 古椿「タ、タロちゃん! 扇子を構えるのはやめるであります!」 | ||
古椿「ぎゃあああああああ!」 小烏丸(そういえば、あの案山子… なぜ動くのでしょうか…) | ||
古椿は太郎坊の扇子で吹き飛ばされてしまったのでした。 |
マイペースな雪女(雪女の思い出)
雪女「やっほやっほやほー! 今日は一緒に討伐だねー!」 シーサー「おう、よろしくな! 雪女!」 | ||
シーサー「…って、 そんな薄着で大丈夫か?」 雪女「だいじょうぶ、 問題ないよー」 | ||
シーサー「薄着っつーか、 そんな羽衣初めて見たぞ…」 雪女「これー水着だよー。」 | ||
シーサー「やっぱり、 水着なのか…」 | ||
シーサー「そんな恰好じゃ 敵から攻撃を受けやすいんじゃないか?」 雪女「あははー。 ファッションだからねー!」 | ||
シーサー「ファッション…なのか。」 | ||
シーサー(いくらファッションに疎いオレでも これはなんだか違う気がするな…) 雪女「なんかあっても 回復の術があるから大丈夫だよー。」 | ||
シーサー「それなら大丈夫…」 | ||
シーサー「…なのか?」 | ||
シーサー「水着といえば… 故郷の海を思い出すな。」 雪女「へー 海いいねー!海!」 | ||
シーサー「おう! 綺麗な海がいっぱいあるんだ!」 | ||
シーサー「でも、雪女は 暑い海は苦手かな?」 雪女「え? 炎天下の海水浴大好きだよー!」 | ||
シーサー「そうなのか!? てっきり苦手なものかと…」 雪女「シーサーは寒いの好き?」 | ||
シーサー「オレは寒いのは苦手だよ。 故郷は暑い地域だからな。」 雪女「そうなんだー。 吹雪出しちゃえ!あははー!」 | ||
シーサー「うわっ、寒いっ! やめてくれ!!」 雪女「あっ、もうすぐ出発だって! 早くいこー!おっおー!」 | ||
シーサー「…お、おう! 行くぞ!」 | ||
雪女はシーサーを翻弄しながら討伐をこなすのでした。 |
背伸びの髭切(髭切の思い出)
狗賓「髭切ちゃん、こんにちは。」 髭切「あ、狗賓さん、 こんにちは……。」 | ||
髭切「狗賓さん、 子ども扱いしないでください。」 | ||
髭切「呼び方は、「ちゃん」ではなく 「さん」で結構です。」 狗賓「あら、これは失礼しました。 髭切”さん”…!」 | ||
狗賓「お詫びにおにぎりをあげますね。 たしか、好物でしたよね。」 髭切「あっ、 ありがとうございます。」 | ||
髭切(まさか私がおにぎりで 喜ぶとでも思って…) | ||
髭切(わっ、おいしい!) | ||
髭切「おにぎりおいしいです!」 狗賓「よかったです! 機嫌は直してくれましたか?」 | ||
髭切(しまった… 子どものように喜んでしまった…) | ||
髭切「…どうもごちそうさまでした。 とてもおいしかったです。」 狗賓「吉祥天さんからもらった みたらしだんごもどうぞ。」 | ||
髭切「…いただきます。」 | ||
髭切(わあ、あまじょっぱくて おいしい!!) 髭切「とっても!おいしいです!」 | ||
狗賓「喜んでもらえたみたいですね。」 髭切(はっ、また子どもみたいに 喜んでしまった…) | ||
髭切(うっ、お団子が のどに…!) 狗賓「大変!のどに詰まったんですか!? このお茶をどうぞ!」 | ||
髭切「……」 | ||
髭切「ありがとうございます。 助かりま…し…」 | ||
髭切(うわあっ、このお茶、 後味が、す、すごく苦い…) 髭切「この…お茶…」 狗賓「あっ、これ…仙狸さんからもらった 苦いお茶だったんですが…大丈夫ですか?」 | ||
髭切「この…お茶… すごくおいしいです…!」 狗賓「あら、本当ですか! さすがですね!」 髭切「お、お茶を ありがとうございました…!」 | ||
無理をする髭切に、狗賓は甘味をごちそうしたのでした。 |
(九尾の思い出)
白兎 「あれー あのもふもふはなにかなー?」 | ||
白兎 「もふもふーっ!」 | ||
九尾 「わっ! なんなのだわ!」 | ||
白兎 「あっ、九尾さん!」 | ||
九尾 「白兎ちゃん? いきなり尻尾を触られて驚いたのだわ。」 | ||
白兎 「ごめんねー 九尾さんの尻尾だったんだねー」 | ||
九尾 「大丈夫だわ。 びっくりしただけなのだわ。」 | ||
白兎 「九尾さんの尻尾、 とってももふもふだねー!」 | ||
九尾 「そうなのだわ。 触りたくなるのも仕方がないのだわ。」 | ||
白兎 「私の尻尾はちっちゃいから、 もふもふの尻尾、いいなー」 | ||
九尾 「白兎ちゃんの尻尾も かわいらしいのだわ。」 | ||
白兎 「そうかなー、 えへへー」 | ||
白兎 「九尾さんの尻尾、 いっぱいだねー!」 | ||
九尾 「いっぱいだわ。 ここのつあるのだわ。」 | ||
白兎 「私の尻尾はひとつだけだから、 たくさんの尻尾、うらやましいなー」 | ||
九尾 「この立派な尻尾に憧れるのも 無理もないのだわ。」 | ||
白兎 「私も大きくなったら、 尻尾が九個になるのかなー?」 | ||
九尾 「……それは ならないと思うのだわ。」 | ||
白兎 「そっかー ならないんだねー」 | ||
白兎 「えへへっ。」 | ||
白兎 「もふもふーっ!」 | ||
九尾 「何をするのだわ!?」 | ||
白兎 「九尾さんの尻尾、 もふもふできもちいいねー」 | ||
九尾 「……」 | ||
九尾 「当然なのだわ! 好きなだけもふもふするのだわ!」 | ||
九尾は白兎に もふもふもふもふさせてあげたのでした。 |
鞍馬の先読み(鞍馬の思い出)
コロボックル 「あーっ!」 | ||
コロボックル 「どうしよう……届かないヨ……」 | ||
鞍馬 「コロちゃん、どうした?」 | ||
コロボックル 「あっ、鞍馬さん。」 | ||
コロボックル 「遊んでたら、 鞠が木に引っかかっちゃったんダ…」 | ||
鞍馬 「おや、困ったな。 私でも手が届かないみたいだ。」 | ||
鞍馬 「……」 | ||
鞍馬 「よし、コロちゃん、 私の言う通りにしてくれないか。」 | ||
コロボックル 「うん、わかったヨ!」 | ||
鞍馬 「あっちの池に松の木があるだろう?」 | ||
コロボックル 「うん、あるヨ!」 | ||
鞍馬 「あの松の木のてっぺんに 突き出た枝が見えるかな?」 | ||
コロボックル 「うん、見えるネ!」 | ||
鞍馬 「そうしたら、この位置に立って…… あの枝を矢で射るんだ。」 | ||
コロボックル 「……う、うん、わかったヨ?」 | ||
コロボックル 「えいっ!」 | ||
鞍馬 「さすがコロちゃん、見事命中だね。」 | ||
コロボックル 「射った枝が池に落ちたネ!」 | ||
鞍馬 「枝が落ちた水しぶきで 近くにいた猫又が飛びのいた。」 | ||
コロボックル 「飛びのいた猫又さんに 鍛錬してた蜥蜴丸さんが驚いちゃったヨ!」 | ||
鞍馬 「蜥蜴丸が驚いた声で、 昼寝していた狛犬が目を覚ました。」 | ||
コロボックル 「目を覚ました狛犬さんが 寝ぼけて突撃しちゃったヨー!!」 | ||
鞍馬 「寝ぼけた狛犬が、 鞠が引っかかった木に突撃だ。」 | ||
コロボックル 「狛犬さんに突撃されて 木から鞠が落ちて来タ!」 | ||
鞍馬 「木から揺すられた鞠は コロちゃんの手に落ちて来る。」 | ||
コロボックル 「鞍馬さんすごいんだヨ! ありがとう!」 | ||
鞍馬 「どういたしまして。」 | ||
鞍馬はコロボックルと取り戻した鞠で遊んだのでした。 |
閻魔の日常(閻魔の思い出)
閻魔 「(ごろごろ)」 | ||
羅刹 「おう、閻魔! 今日もごろごろしてるな。」 | ||
閻魔 「そうよー。(ごろごろ)」 | ||
羅刹 「閻魔は相変わらずだな。」 | ||
閻魔 「(ごろごろ)」 | ||
閻魔 「(ゴロンゴロン)」 | ||
羅刹 「うおっ!?ゴロンゴロン回転しながら 移動を始めたぞ……」 | ||
羅刹 「廊下に出たな…… どこへ行くんだ?」 | ||
閻魔 「(ゴロンゴロン)」 | ||
羅刹 「戻ってきた。」 | ||
羅刹 「ん、煎餅の袋を持ってるぞ……?」 | ||
羅刹 「煎餅が食べたかったのか?」 | ||
閻魔 「……!」 | ||
羅刹 「と、思ったら、 起き上がったぞ……」 | ||
閻魔 「おなかすいたわー。」 | ||
羅刹 「…歩いて台所から何か持ってきたな。 煎餅じゃ足りなかったのか?」 | ||
閻魔 「……」 | ||
羅刹 「ご飯を茶碗によそって、何かを乗せて… お茶漬けでも作ってるのか?」 | ||
羅刹 「ウチも真似して作ってみるか……」 | ||
羅刹 「おっ、うめえ!」 | ||
羅刹 「閻魔、料理得意なのか? 今度教えてく……」 | ||
閻魔 「すー。」 | ||
羅刹 「寝てる!」 | ||
羅刹 「持ってきた残り物の材料をご飯に乗せて お茶漬けにしたのか。」 | ||
羅刹 「……うん、それだけなのに シンプルでうまいな。」 | ||
羅刹 「閻魔の意外な特技かもしれねえな。」 | ||
閻魔が作っていた料理を、 次の日も真似してみた羅刹なのでした。 |
鳳凰訛り(鳳凰の思い出)
鳳凰 「おはようごさいまフ! よろしくお願いいたしまフ!」 | ||
鳳凰 「……うーん……。」 | ||
仙狸 「元気な挨拶じゃの。鳳凰殿。」 | ||
鳳凰 「仙狸さん……! おはようございまフ!」 | ||
鳳凰 「あっ…… やっぱりダメでフね……。」 | ||
仙狸 「どうしたんじゃ? 何か悩み事でもあるのかの?」 | ||
鳳凰 「鳳凰訛りを直したいのでフ……。」 | ||
仙狸 「ほう、訛りか。」 | ||
鳳凰 「どうしてもみんなみたいに、 しゃべれないのでフ。」 | ||
仙狸 「そんなに気にすることないと思うがの。 皆もかわいいと言っておるぞ。」 | ||
鳳凰 「でも、直したいのでフ! 訛りは格好悪いでフ!」 | ||
仙狸 「……そうか、そうか。」 | ||
仙狸 「そうじゃのう。喉の使い方が 標準語に慣れていないのかのう。」 | ||
鳳凰 「喉が慣れていない……のでフか?」 | ||
仙狸 「喉に効く薬草を配合したお茶が あるんじゃが、試しに飲んでみるかの?」 | ||
鳳凰 「本当でフか!? 飲みたいでフ!」 | ||
仙狸 「よし、ちょっと待っておれ。」 | ||
仙狸 「……できたぞ。 熱いから気をつけて飲むんじゃぞ。」 | ||
鳳凰 「ありがとうございまフ! いただきまフ!」 | ||
仙狸 「どうかの?」 | ||
鳳凰 「おはよフございまフ!」 | ||
鳳凰 「……フッ!?」 | ||
仙狸 「フが増えてしまったじゃと!?」 | ||
鳳凰 「どフしましょフ!?どフしましょフ!?」 | ||
仙狸 「すまない、鳳凰殿。 わっちが余計なことをしたばっかりに……。」 | ||
鳳凰 「どうしましょフ!?どうしましょフ!? ……あれ?」 | ||
鳳凰 「……おはようございまフ! 戻ったでフ!」 | ||
仙狸 「おお、そうか……。 余計なことをしてすまなかったのう……。」 | ||
鳳凰 「私のために煎れてくれたのでフから 仙狸さんが謝ることなんてないでフ!」 | ||
鳳凰 「やっぱり、 訛りを直すのは難しいんでフかね……。」 | ||
仙狸 「わっちは、 訛りを無理に直さんでもいいと思うがの。」 | ||
仙狸 「訛りは宝物じゃ。」 | ||
鳳凰 「訛りは宝物……?」 | ||
仙狸 「……故郷の言葉は、 自分と故郷をつないでくれるからの。」 | ||
鳳凰 「……確かに! そうかも知れないでフ! 仙狸さん、ありがとうございまフ!」 | ||
鳳凰は仙狸の言葉で元気を出したのでした。 |
輝夜とおしゃべり(輝夜の思い出)
輝夜 「おつのちゃん!! むーとんぴー!!」 | ||
おつの 「輝夜ちゃんこんにちはー」 | ||
おつの 「あはは、むーとんぴー!!」 | ||
輝夜 「エッペル人とパルパー!!」 | ||
おつの 「そうだよねーエッペル人って実は意外とパル パーってところもあるみたいだよねーほんと びっくりだよねー」 | ||
輝夜 「そうだみゅ~ん☆ 月ではみんなみんな優しいんだにょー♪」 | ||
おつの 「優しいんだーいいねー月って楽しそうだよねでもど うやって行ったらいいのかわからないけど行ったら 楽しそうって考えるだけでも楽しいよねーあははは」 | ||
輝夜 「妖怪が全部 綿アメになればいいのにねー」 | ||
おつの 「わかるー綿アメになったらいいよねー綿アメになっち ゃったらさーみんなふわふわになっちゃうから面白い よねーでももしかしたらべとべとになっちゃうかもし れないけどでもそれはそれで面白いかもしれないって」 | ||
輝夜 「そうだにょー☆ ヌーヌー♪」 | ||
輝夜 「プップクプーのプイプイプーイ☆」 | ||
おつの 「プイプイプーイ?」 | ||
おつの 「あははたしかにープイプイプーイだねーそれもみゅんみ ゅんのぷるぷるぷるとんプップクプーだよねーでさーピップル ピップルでさーものすごくむーんむーんって感じーこの前くら かけみやちゃんと一緒に月を見てたらさームームーな感じで本」 | ||
輝夜 「ムームー♪」 | ||
輝夜とおつののおしゃべりはいつまでも続いたプリ☆ |