ヒヨコ戦艦考案システム28項目検証

Last-modified: 2024-01-30 (火) 08:26:12

ヒヨコ戦艦考案システムは40項目となりましたが、ページ名はヒヨコ戦艦考案システム28項目検証のままにします

基本的にここでは『進歩性』のみを検証します。
まず、進歩性に関しての特許庁判断・裁判の判例を先に雑にまとめます。


  • 最適材料の選択・設計変更、既存技術の単なる寄せ集めでは進歩性は認められない
  • 発明の課題解決のために、関連する技術分野の技術手段の適用を試みたのでは進歩性は認められない
  • 引用発明と比較した有利な効果が多少あった程度では進歩性は認められない
    • ただし、技術水準から予測される範囲を超えた顕著なものである場合は進歩性が認められる


なお、当記事はあくまで慣例に対しての推測であり、また反論に対しての再反論は原則としていたしません。
特許を取得可能であるとするならばぜひ取得してくださいというスタンスです。
論破するべき相手は当記事ではなく『特許庁』です。

01.連番召喚。 札を場に出す処理で、予め場札に連番の条件を要す。

02.優先権を得てから宣言を出すまでの間隔に制限時間(持ち時間)を設ける。

制限時間を設けているゲームは多数存在しますので慣用されている技術でしょう

03.山札が尽きたら、コストを払わずプレイできる。

山札が尽きたら負けとかその手のルールを持つゲームはたくさんあります。
山札が尽きたら何かが起こる、およびそこから山札が切れたら何かができるという発想は既存技術の寄せ集めでしかないでしょう。

04.場に置ける限界数が設けてあり、引算するコスト処理を伴って札を出す。

場に置ける限界数・引算するコスト処理・札を出すのすべては既存技術です

05.数字1つで2つの反比例した表現(戦闘力と、速度または類似の序列 など)。

06.自由に選んだ最初の手札で、ゲームを開始する。

おそらく容易に考え付く技術です。
ほとんどのアーケードTCGや十二季節の魔法使いなどがこの形式といえるでしょう。

07.山札から手札へ移動させず、原則として手札を場(場札)から追加する。

その場札はどうやって増えるのでしょうか?
山札→場札→手札だったとしても、明確な利点がなければ結局山札→手札と同じです。
自分だけがその場札を見ることができるとしても、それは山札にしても変わらないでしょうし、場札のカードを手札にとるという発想は既存技術というべきでしょう。

08.三竦み「判定の更新」を2度(判定を通算3回)以上、連続させる。いわゆる後出しジャンケンを2度以上、重ねる。

単なる判定の更新を最低1度行うシステムが存在するならば、2度以上行うこともほぼ既存技術の付け足し程度ですし、(後出し)じゃんけんも既存技術です

09.標的の指定ができない限定的な行使の権利(行使権)と、標的を指定する権利(標的指定権)などに、優先権を細分化する。

自分の呪文だが対戦相手に選択権のある呪文カードはあらゆるゲームで存在しますので、既存技術をちょっと応用しただけでしょう

10.干渉する選択の直後、無条件かつ強制的に自分の優先権が必ず被干渉側へ移る。

行動したら相手に行動する権利が渡るという図式はほとんどのカードゲームに存在しており、既存技術の単なる寄せ集めでしょう。

11.ユニットが行動済み状態でゲーム決着する要素への干渉に対抗できる機能を得る。

例えば生け贄に捧げるだけで戦闘ダメージをすべて0にするやつとかですかね?
だとしたら既存技術そのままです

12.速度や類似の序列で、優先権(プレイの権限など)や手番(ターン)を獲得する。

TRPGなどでは速度によって行動順序が決まるというのは定番というべきレベルのシステムで、TCGでもカオスギアで採用されているシステムなので、別に目新しい技術ではないですね。

13.格上の相手に1対1の比較で勝つ条件と、進化や成長などの強化とを結び付ける。

14.手札の機構を備えたシステムで、山札内に在って作用を生ずる山札専用のカード。

山札はすべてのプレイヤーに原則非公開であるのは暗黙の了解と呼べる事項ですが、さて、このカードをどうやって山札の中にあると証明をするか?
悪魔の証明をするわけでしょうか?
仮にある特定の場所に逆面で置くとかならドミニオンのプロモーションカードであるへそくりが類似のことをやっています。
既存技術の応用どころか悪化させている(シャッフルの際の処理が記されていない以上、悪化と呼ぶべきです)というべきではないかと。

15.裏置きで出した場札を表置きに変更した際に、出す条件を満たす or 判定する。

裏向きで出したカードがそれが合法的に出したものであるか後々チェックするルールは普通にあります。
ゲーム中だったり、ゲーム終了時だったり。
既存技術そのままです。

16.キャラ基礎属性値に、攻防カード毎で対応した属性の場合のみ値を計上する。

ステータス値の増減自体が既存技術、属性も既存技術であり、それらの組み合わせに過ぎません。

17.干渉しない行使に限り、その自己完結に向け能動的に他者が介入するカードの分類。

18.最初のターンのみ、山札から手番と等しい数値 + X 枚だけ引ける。 X=0でも可。

19.最初のターンのみ、手番と等しい数値 + X 枚だけ場札を出せる。 X=0でも可。

20.優先権を獲得する判定に腕相撲を用いる。

Magic:the gatheringに公式では使えないカードですが、腕相撲をして勝ったときに効果が得られるカードがあります。
この腕相撲をするという要素をとって、カードゲームのほかの要素にくっつけただけのものです。

21.属性を複数ずつ選んで比較する場合に、共通の属性同士を優先する処理。

22.標的の選別や指定可否の判定に、属性の強弱や優劣のメタ相関を用いる。

ルール上対象にできないのと、カードテキスト上対象にできないという違いでしかなく、既存技術であることには変わりません。

23.特定カード自体に対し、それを使えるプレイヤー年齢や性別を制限する。

Magic:the gatheringに公式では使えないカードですが、性別や年齢を参照するカードがあります。
この性別や年齢を参照するという要素をとって、厳しく締め付けただけのものです。

24.ゲームの最中に、相手の捨札と自分の手札や捨札とを交換する。

Magic:the gatheringにかつてのルールにアンティというゲームに勝った場合相手のカードの所有権を得るというルールがあり、また賭けの対象となっているカードを追加する・変更するなどのカードもありました。
所有権も含めた交換であるならば上記の要素をとってつけたようなものですし、ましてや賭博に類する行為として公序良俗に反する可能性(特許対象外となりうる)もあります。
単に領域の交換(一時的な交換)で済ますならばMagic:the gatheringのカード『分かち合う運命』と比べて進歩性を比較する必要がありますが、厳しいと思います。

25.ゲームが決着する要素への干渉を阻止あるいは対抗できない活動可能ユニット。

さまざまなゲームにおいて、ユニットが原則として攻撃を阻止できないルール(カードテキストによってはできる)がありますし、逆にユニットが原則として攻撃を阻止できるルール(カードテキストによってはできない)もあります。
既存技術をそのまま適用しただけといえます。

26.カード文に記さず、同じ場札を取除ける異なった処理系の値を2項以上ルールに用いる。

27.自分の伏せたカードと、そうではない自分のカードとを混在させたデッキ構成

Magic:the gatheringが既にやってしまいましたね。

28.ゲーム用カードの書式を『 4~6W + 1H 』で書き分ける。

カード文をいたずらに長くするだけです。もしくは不可能です。(例えば「このユニットはブロックされない」を翻訳してみてください。)
進歩性は全くないです。

29.カード文面に依拠せずとも、捨てずに山札を減少させてコストを支払うルール

山札の1枚の価値はどれくらいでしょうかね?それはさておき「宝船の巡航」というカードがマジックに存在していますが、これは山札ではなく墓地のカードを減少させてコストを支払うカードです。で、このカードはカードプールが広い環境では禁止にされてしまいました。墓地を肥やしやすくリターンが大きいというのが原因です。
さてさて、話を元に戻しますと除去体制の高い強いクリーチャーが序盤からバンバン出てくるというゲームになるでしょうか。それ以外のクリーチャーにはお呼びの声がかかりませんね。山札1枚の価値なんてライフより軽いでしょうからね。面白そうにないです。

30.カード文面に依拠せずとも、取り除いた場札や手札を加えられる2つ目の山札

31.カードタワーを対戦型カードゲーム内の各種条件に用いる

カードタワーとはこのようなことを言うのでしょうか?
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/01/Card_castle6.JPG/250px-Card_castle6.JPG
カードの状態変更とか不可能ですし、倒れたときに盤面がぐちゃぐちゃになりますし、そもそも誰が倒したのかの議論が大変ですし、カードはスリーブに入れて使うものだと思っている人が大多数ですから作れないでしょうし、進歩性がなくはないですが、それ以上に問題がありまくります。

32.札や器具類の物理的な変化や操作の要否で分類する手法および仕組み

33.ゲームで1手毎の持ち時間を参加者が要望し合って決める仕組み

持ち時間を決める仕組みは囲碁や将棋では普通にあります。それを毎回民主的な方法で決めるのは手間がかかるだけでしょう。

34.起動能力をコスト要求型に、誘発能力を状態要求型に差別化するゲームデザイン

普通にどのゲームでもやっています。

35.誘発能力の使用前と使用後とを能力記載札の向き変更で区別するゲームデザイン

誘発型能力という基本的な概念に一般的な要素を付け加えただけにすぎませんね。

36.札や器具類の物理的な変化や操作を要さない能力の使用前と使用後とを能力記載札の向き変更で区別するゲームデザイン

37.宣言と解決が連結した仕様だが、敵軍から自軍の操作を要求されたら追加の後出し宣言で処理を巻き戻す事なく要求のみ変更できる正順処理カードゲーム設計

ポケモンカードゲームのように思えますが、実際のやり取りを聞く限りではMagic:the gatheringのスタックではないですか?

38.札1枚を記載に依拠せず処理の違いだけで類別するゲーム仕様

はたして可能なのでしょうか?可能だとすると、と金みたいなものとしか推測できません。だとすると進歩性は全くありませんね。

39.[ 最小値を採用する代数 ]と[ 最大値を採用する代数 ]とを区別および定義付けした仕様

40.カードの使用可否を曜日で割り振る仕組み

デュエルマスターズに「ロックマンエグゼ&勝太」というカードがあり、曜日ごとに違う能力を持ちますが、それを強固にし、デッキ構築も週2で組みなおさなければならないほど面倒なことになっています。進歩性は見当たりません。もっとも元のものもよろしいものではありませんが。

41.兵種に次の機能を設定した仕様 → 工兵が橋頭堡を構築する機能。通信兵が航空支掩や火力支掩を要請する機能

42.海兵や空挺兵の活用に其の輸送を担う戦力 / 騎兵の活用に騎馬や騎獣 の下敷き処理ゲーム用カードを別途で要する仕様

Magic:the gatheringの搭乗に近いものではないかと思います。そして数々のRTSゲームでは同じような仕様が実装されています。進歩性は大して見当たりません。

43.ゲームの機能が誘発する条件を[ 命令形の選択肢などではなく常に全て必ず過去形として定める ]手法および仕様

文章の変更に進歩性もあったものではありません。「あなたのスタンバイフェイズの開始時に、~」とかどう変更するつもりなのでしょうかね。

44.数値の文字種類や字体でゲーム用カードを類型化し機能や種類が分別される仕組み

ユーザアビリティの低い行為だと思いますがいかがでしょうか?

45.誘発攻撃能力を counter(カウンター)や cross(クロス)として分類する。

単に攻撃時に誘発する能力に名前を付けてるだけです。

46.数値の大小関係表現で【未満】と【超】を使わずに【以下】と【以上】だけを使う仕様

既存技術の塊ですね。

47.単品1個1個の型番と会員番号や事業者番号および年月日時刻とを組み合わせた流通の履歴で利用者の在庫数など各種情報を一元管理するカードゲームの仕組み

トレーディングカードの根底を覆してしまう愚かな発明ですね。システムの維持費もバカにはならないかと思います。

48.盤面を巻き戻さず、処理を遡らず、割り込みに同義の結果を得る正順処理の仕組み

マジックザギャザリングのスタック相当のものの劣化版でしょう。