TWGP検証ルール編

Last-modified: 2017-02-23 (木) 08:52:24

既存のTCGメーカーが採用するメリットがほとんどない、既存のTCGプレイヤーが参加するにもまったく面白くなさそうと散々な分析をしてきたが、
TWGPに特化したBUDDY XECTORでなら新規プレイヤーが参入するメリットがあるのでは?

とにかく現段階でのルールの読みにくさ

序盤にカードタイプの説明がまったくない。
ユニットはどんな項目を持ち、どんなテキストを持つのかはっきりわからない。
このためフィールドは見えてくるのだが、カードに関しては想像のしようがなくまったくの白紙に見えてしまう。
また例示の少なさ。これがわかりにくさに拍車をかけている。
そのほかに『素材ユニット』『召喚の核』など誤解を招く表現もある。
さらには順番に読み進めていくと唐突に『「リフレクト/ハック/トラップ/カウンター」の4種は、ターン・プレイヤー以外が標的指定権を得る』とか『「連携」(パワーの合算)は、ダイレクト効果を得られない』と新用語が出てくる。
これらがトライアングルアタックを決めてくるかのように読者の思考を停止させてくるのである。

マトリクス(絶対則)の問題点

『次の10の規則に反してはならない』というルールの根幹といえるものだが、TCGプレイ経験者から言わせると実にキツキツかつガバガバである。

  • 普通のTCGで一般的な黄金律で設定されているルールがされていない。それどころかカード効果はシステムに負けるという真逆のルールが採用されている。
  • ユニットを捨て札送りには制限がかけられているが、手札に戻したりデッキやチャージに送ったりするのは一切問題はない。
  • 手札を捨て札・デッキを捨て札にするにも制限があるが、手札をデッキに戻したりするのは何枚でもセーフであり、デッキを捨て札にしつつ副次的効果をもたらすものはどうなるのか言及されていない。
  • (理論上の話だが)カードを引くのは代わりにチャージ置き場のカード1枚を手札に加えるのだが、手札に加えるのはこの制限には引っかからない。
  • 『山札から特定のカードを探す』のは無効。だが、「山札からカードを探す」のは有効なのかもしれない。
  • というか判定に無関係なテキストは全部無効なので、上記のことは考慮する必要がない・・・のだが、ならば他のルールは何のため?
  • ちなみにBUDDY XECTORのカードはユニットに書かれたテキストは無効という制限を受けないのだが、これ自体が絶対則を違反している。
  • 故に大幅な見直しが迫られるだろう。

変則ルールの多さ

とにかく変則ルールが多い。
麻雀のルールほどではないが、少なくとも一つ一つ確認を要するレベルである。
変則ルールを大量に採用しておいて、統一ルールと言い張るのも何か奇妙な感覚はしなくもない。
一応マジック:ザ・ギャザリングにおいても大規模な賞金のかかった大会で1つのボードで2対2で戦った変則的な試合形式が行われたことがあるが、
採用された変則ルールはルール上必ず採用されるルールと決まっていたもので、採用されなかった変則ルールはルール上採用してもまったく意味のないものだったのである。

略称の問題点

所々に出てくる略称表記。
略称を使うことは単純化するように見えるのでメリットに思えるかもしれないが、実はデメリットもある。
初心者に略称を多用して説明すれば余計な混乱を招く。そしてテキスト検索をするときに略称が混ざると非常に検索が難しくなる。
当然初心者であればあるほどデメリットのほうが大きく、かえってデメリットのほうが大きくなる場合もあるだろう。
略称は公式が設定するべきではないのだ。

無駄に多いタイミング

全25種類。
これがかえってゲームを複雑にしている要素ではないかと思える。
何しろこれを全部覚えて正しいタイミングで使えるようにならないと反則即敗北になる。
そしてわざわざ設定するほどなのかと思いたくなるようなタイミングもある。
特にデッキ・ダウンとマスター♀はよほどの事情か特定のデッキではないと使えないだろう。
それにしても『場札が捨札になった瞬間』とか『空きバトル・グリッド数が減った瞬間』とか「だれが」と定義されてなかったり、瞬間の最中に「行使権」があるのか不明な点も多い。
マジック:ザ・ギャザリングに例えればインスタント・ソーサリー・インタラプト・マナソース・・・え?まだ作りたいって?インスタントとソーサリー表記だけでいいんじゃない?という感じである。
25項目を絞るか、そもそも発動できるタイミングをテキストに記載するかが必要だと思われる。

無駄に多い特別な行動・特別な処理

とにかくカードに記されていない上にターンの移り変わりによって発生する処理ともいいがたい、特別な行動および特別な処理の数が多い

  • 前と同じ者がターンを獲得していた場合はビルド・シークェンスは発生しない
  • 基本パワー06以上でサージ3枚を消費してダイレクトアタック&6枚消費でもう1枚追加
  • チャージドライブでのダウンロード
  • パワー04以上はパワードライブ
  • カウンタードライブ
  • ステルス
  • チャージブースト
    なお筆者は現在の遊戯王はこの点でケチをつけたいと思っているが、ほぼ同等あるいはそれ以上にひどい感じはする。

カードに書ききれないような能力や属性のルールへの押し込め

ユニットの持つ基本パワーによるユニット・スキル、属性による効果3つと相性、それらをすべてルールに押し込んである。
これが初心者にはどれだけつらいか。

投了できない(できなくはないが、反則をする必要がある)

投了できるとはゲームに記載されてもいないし、勝敗条件にも記載されていない。
たしかに投了できないTCGもあるといえばある。
しかし、投了できないゲームでは、わずかではあるが強制的にゲーム勝利よりも上位の能力のマッチ勝利というものがあったりとか、フィールドをロックして時間切れまで粘って判定勝ちをするようなものもある。
ましてやロック戦術に関しては公式が1優先権で2分の思考時間を認めているわけだから、自分のターンだけで4分は確定であり、遊戯王のターン3分よりひどくなるわけだ。
はたしてそれを健全な環境と呼べるのだろうか?
もちろん意図的に回避する方法はある。それは反則をすることである。
特に1優先権2分ルールを超過すれば自動的に負けになるはずだ(ただし、チェスと同じくフラッグルールを適用するとされたらどうしようもないが)。

ペナルティガイドラインの異常な厳しさと、ペナルティ負けと通常の負けが同格扱いされていること

計算し忘れたことがあって誤って数値を伝えてしまったり、ヴァイタル効果を忘れて処理したり、そういった些細な違反でも即負けである。
たしかに違反をするのはよくない。だが、イカサマはともかく些細なミスでも一律でゲームを負けにされるというゲームレベルのシステムは初心者から見たら完全にクソゲーにしか見えないだろう。
これでは下手をしたらジャッジキル粗探しゲーになってしまうことは否定できない。
さらに、ペナルティによる負けと通常の負けがほぼ同格とされていることも問題だろう。
不正をするのと殴られて死ぬのは等しい恥であるとされていると見なしてもいい。
なおマジック:ザ・ギャザリングにおいてはプレイルール上ではライフが0になって死ぬのと毒で死ぬのは同格であるが、不正をした場合の処理はプレイルールよりも上位存在のルールで裁かれることになる。

新規性を訴えるも最大の欠点となっているチャージ

このゲームは直接カードを引かず、一度チャージを経由して、それから手札に加えることができる。
たしかに山札のランダム性をできる限り排除しようとしているのは評価できなくはない。
ただし、これは伏せて置いておかなければならない第2の手札と呼ばれる領域に相当する。
これの何がまずいのかといえば、都度確認作業を強いられるということである。
この作業がゲームのテンポを著しく殺ぐのだ。
ましてや初心者には序盤から知りえる情報を広げすぎており、なおかつそれを2分で必ず処理しろというのは酷である。
なお、遊戯王には裏向きで置く魔法&罠カードゾーンがあるが、これは意図しておくので記憶として印象に残るが、ランダム性のあるチャージは記憶に残りにくい。

結論

現段階ではとてもじゃないが初心者にはお奨めできない。
これはTCG初心者という意味ではない。
BUDDY XECTORというゲームの初心者という意味だ。
おそらくこのゲームの全容を把握し切れているとするならばそれはヒヨコ戦艦ただ一人であると思われる。
しかし、このただ一人というのが非常にまずい。
このゲームの真の面白さを伝えられるのはただ一人なのに、それがこの筆者に十分伝わっていないからである。