TWGP検証メーカー編

Last-modified: 2017-02-19 (日) 16:47:19

TWGP検証メーカー編



まず既存のTCGを展開しているメーカーがTWGPを採用するメリットを考えてみよう。

  • 弱小TCGメーカーでも新規市場を開拓できる可能性が出てくる
  • TWGPの大会自体はTWGPの管理の下で行われるので負担は小さい

しかしながら、お粗末な頭を持つ筆者にはこれ以上のメリットを思いつくことができなかった。(どなたか加筆を求む)


デメリットは、

  • TWGPへのルール対応に追われる

たとえばA社で発売されたカードゲームルールXで運用されたカードαとβの組み合わせによる質問なら答えるのは楽であろう。
しかし、A社で発売されたカードゲームルールXで運用されたカードαとB社で発売されたカードゲームルールYで運用されたカードδの組み合わせによる質問は答えるのに困難なことになる。
その分窓口を増やすことになり、そして定型文『TWGPサイドへお問い合わせください』を用意することとなるだろう。
これが副次的な悪影響を及ぼす可能性は否定できなく、「製品サポートのできない会社」であるという印象を植え付けられるユーザーもいなくはない。

  • TWGP自体は何もしてくれない単なる知的財産権トロールのようなものである

TWGPはカードゲームルールを統一しようといういわば同盟宣言である。が、ルールを作っているだけなのでCM・アニメ化などのプロモーション活動をしてくれるという期待もできない。
『ルールはある!カードは作れ!販売は何とかしろ!もちろんルール使用料は請求する!』ということである。
悪く言えば同盟宣言と言っておきながら金をせびり取ろうとしているようにしか見えないのである。
仮にTWGPが『まとめてプロモーション引き受けてやる!』と言ったとしても、メーカーが納得できるプロモーション活動をしてくれる保証はないし、そもそもプロモーションに使う費用はライセンス費用に組み込まれたお金だろう。

  • 絶対則がカードに縛りを与えすぎている

強力な縛りとして
03.他者にターンを渡さず次ターンも同じ者が獲得する間は、手札補充やタテ置き復帰ができない
04.「掛け算(積算)の連続/山札から特定のカードを探す/デリートからの復帰」処理は無効
05.山札減少効果はトライアルを除き各ターン上限フル6枚/ハーフ3枚で、超える枚数は無効
06.「判定に無関係/ユニット/ウェポン/勝利条件やシステムに矛盾する」各テキストは無効
07.「瞬間効果」の発動コスト(数値)は、一律に「ヴァイタル1枚」として読み替える
08.手札は捨札にできない。 「手札を捨てる」条件は「手札を山札の1番下に戻す」と読み替える
09.山札からの選択は、「直前に6回以上シャッフルして上から2枚目の札」として読み替える
10.ドローは、ダンロード(チャージ追加)後のセットアップ(チャージ札を手札にする)に読み替える
というのがある。
もちろんこの縛りがあるおかげで部分的にはゲームとしての健全さが保たれる部分はあるだろう。が、それ以上にユーザーに斬新性を訴える余地を大幅に減らされている。

  • ルール文章があいまいかつスパゲッティ状態である。
  • ゲームの終了条件が無骨。まず最初に反則=ジャッジキルを謳っているのである。そして本来プレイヤーが目指すべき終局状態が一番最後に書かれている。これでは反則をしないことがゲームのメインコンセプトのように見えてしまう。
  • 「あなたがカードを引く場合、代わりにカードを2枚引く。」というテキスト。掛け算とは書いていないがこれが複数ある場合、積算の連続とされてしまう可能性は否定できない。
  • 「あなたはゲームに敗北しない。」は勝利条件やシステムに矛盾するとされる可能性がある。
  • というより「システムに矛盾するテキストは無効」とするならば、一般的なTCGで取り入れられている『カードテキストはルールの記述に勝つ』を完全に無視することになる。
  • それぞれの単語の定義が十分にはっきりではない。(しょうがない部分はあるが)カードタイプとか、ヴァイタルカードとして適切なのはどのようなカードなのか、項目項目で定義されていないのである。
  • ルールの著作権はTWGPにあり、メーカーにはない

当然のことながらメーカーにはルールを改良・改変する権利がない。
これは確実に統一ルールとして運用できるという利点はあるにはある。
しかし、もしルールに不備が見つかった場合、メーカーが独自では修正不可能、TWGPが修正するのを待つしかない。
また、キーワード能力を追加することもできない。メーカーがTWGPに追加依頼する必要があるだろうし、それに対して妥当かどうかを審査するための費用を請求してくるかもしれない。

  • TWGP頼りをメインにすると、自己責任では済まなくなる

完全自社製品ならば品質管理(主にテストプレイ)とアフターサービス(主にエラッタや禁止カードの策定)で信用のガタ落ちはある程度までは防げるのだが、そういうわけには行かない。
たとえば他社がTWGP上で極めて有効なカードを出した場合、相対的に信用がガタ落ちとなる。
無論、TWGP側が禁止カードに指定すればいいのだが、指定してくれる保障はどこにもない。
ましてや他社が超強力カード発行→信用ガタ落ち→(TWGP側が禁止カードに指定)→他の他社が超強力カード発行→・・・なんていうループも起きなくはない。
ユーザーの購買意欲を煽る方法としてカードパワーインフレは一番手っ取り早い方法で、インフレを目指すのが(短期的には)最善戦略となりうる以上、各社がインフレに次ぐインフレになる可能性は否定できず、それを規制する力がなければインフレが行ってはいけない領域までたどり着くのに5年もかからないだろう。
だからといって毅然とした対応(禁止カードを複数枚出した会社は排除)を掲げるのも胸先三寸でいつでも殺せると宣言するに等しく(例えばA社のXというカードとB社のYというカードのコンボで環境が壊れた。とりあえずA社のほうに禁止カード作ってた過去があるので、排除する意味でこっちだけ禁止にしよう・・・ということもできるといえばできる。)リスク要因、もちろん市場の萎縮の懸念があります。


ならばこのデメリットをどうにかする方法は?



答えはいうまでもないが、ルールは自社開発、各アニメやゲームとの連携関係を築いたカードゲームの製作・・・・・・昔から行われていますね。



個人的な感想としてはTWGPを採用するにはリスクが大きすぎるとはいいませんが、決して小さくはなく、リターンは大きいのか?と聞かれたらとてもリスクに見合ったリターンは期待できそうにないと私は答えます。