概要
西ヤード海に浮かぶアトリオン島を中心とする立憲王国の連合国家。アーカルソン王国とリペルニア王国を始めとするさまざまな領地から成る。首都はスタックバラ(65)。
公用語 | アトリオン語 |
国歌 | アトリオンの民は大洋を行く |
首都 | スタックバラ |
最大都市 | スタックバラ |
国王 | ヘレン1世 |
首相 | ジョセフ・ウォルター |
政体 | 制限君主制、同君連合、テクノクラシー |
歴史
やど箱3開始まで
古代ヤード帝国時代、文明世界の辺境として扱われたアトリオン島は大陸とは異なった民族・文化圏に属していた。
ヤード帝国崩壊後、アトリオンの大地は度々ヤーディシアの覇者の侵入を受け、そのたびに支配者を交代していた。
やがてこれら大陸からの侵入の嵐が止むようになると、今度は島内は数百年の群雄割拠と小国分立の時代に入った。
この時代の終わりは大陸との交易の再活性化であり、商業の復活のなかでアーカルソン王国において指導権争いが始まったことによる。
国王と貴族と市民の入り乱れての内戦と五王国戦争と呼ばれる島内の覇権争いという混乱の末、一つの君主の下でアトリオンの諸王国は同君連合を成し、現在の立憲王国体制が成立。
かくして他のヤーディシア諸国より遅れつつも形成された立憲王国はそれ自体が外洋に直接接しており大陸情勢の影響を受けにくい優位から後発組として植民地の拡大を進めつつあった。
しかし、時の国王リチャード9世が子をなさないまま逝去し、立憲王国は各構成王国の継承の慣習の異なりから後継者の決定が捗々しくなく空位状態に突入、王権の混乱が続いた。
最終的に、この混乱は、リチャード9世の曾祖父の血を引くリペルニアの有力貴族がアーカルソン王国議会による権利の憲章を承認することでその支持を得てアン5世としてアーカルソン王に即位、リペルニア王としても認められたことで終結し、立憲王国体制が復活した。
アン5世は勢力均衡を掲げ巧妙な外交政策と北方世界への開拓によって勢力を拡大、フォロノワ帝国の瓦解もあって合同立憲王政を覇権国家に押し上げた。(やど箱3)
この後、アン5世が玉座にある数十年の間、合同立憲王政は大洋の支配者、覇権国家として栄華を極めた。
しかし彼女が崩御して後、アトリオン側の王国とヤーディシア大陸側の所領は王位継承法の違いによって分裂することになる。
しかしヤーディシア大陸の所領を失ったものの、ヤード暦1500年ごろになると立憲王国は植民地帝国が再び興隆、本国経済もそれなりに安定を取り戻した。
しかし本土の国力という点ではやはり立憲王国は大陸諸国に比べ劣勢であり、アトリオンの民は常に向こう岸に覇者が成立する危険性について不安感を持ち続けていた。
その不安の中で合同立憲王政は対岸のメリエンヌ共和国と協調を図り、同国の崩壊後は同地に進出、一時的に西ヤード海を取り巻く版図を形成した。(やど箱1)
これについては後にメリエンヌ地域に独自の政府が成立すると合同立憲王政は撤退することになる。
なお、植民地帝国の一つとして、アトリオンはプラガヴィアにはあまり面的な拡大を行わなかった。しかし、点としての拠点は存在した。アトリオン・プラガヴィア貿易会社の統治するポート・エンジェ自治領がそれである。(やど箱4)
ルーンラント・リーゼンバウム戦争において、合同立憲王政は参戦することはなかったものの、それによる国際貿易活動の低下はアトリオン経済に大きな打撃を与えた。
この事態に対処すべく合同立憲王政は産業力に注力、その一環として貴族院への科学技術人材の参入を積極的に認め、工業技術の向上を図った。
地理
アトリオン島本土
この島全体でアーカルソン=リペルニア合同王国を形成する、合同立憲王政の中核部。
スタックバラ(65)
アーカルソン王国の首都であり、合同立憲王政全体にとっても首都である。
この地域にアトリオン島の交通網・情報網の結節点が集中しており、商工業の中心地。
ホイーリントン(63)
リペルニア王国領。近郊に良質な炭田と鉄山が所在し、鉱工業は盛んだが、海運・金融業はスタックバラ系資本がほとんど支配している。
ベレエイス(64)
アーカルソン王国領。ウィルキスシャーと同じように諸公国が分立していたが、アーカルソン王の政策により最終的には同化された。
基本的には何のこともない田舎ではあるが、外洋への出入り口として産業の成長が見られる。
ウィルキスシャー(66)
諸公国領。アーカルソンやリペルニアのように独自の強力な王権が出現しなかった(あるいは出現を阻まれた)ため、アーカルソン=リペルニアの合同と同時にその支配下に飲み込まれた。
古代には南ヤード海との交流のためにアトリオンにおける最先進地域であったが、その交流が中世以来ずっと低調なままのため今ではただの田舎である。
セレントス島(62)
長らくリペルニア王に臣従してきた地域。数代前の領主が統治権をアーカルソン=リペルニア王に返上したため、現在はアーカルソン王が島の領主になって代官を派遣するという統治形態をとっている。
しかし代官は基本的にお飾りで、実際には島民集会も同然の議会が自治を行う。そのような統治が可能なことから明らかなように人口は多くない。
オードヴィー=カルヴァドス
伝統的にはテリトワール・ド・メリエンヌの北部地域なのだが、ブランデー、ルーンラント、リーゼンバウム、そして合同立憲王政など歴史上さまざまな勢力が進出してきたことがあり、多国籍的な雰囲気のある地域。
都市の力が強く、オードヴィー・カルヴァドス双方で自治都市的な制度が多く残され、合同立憲王政下でも自由都市の法的地位を持っている。
オードヴィー(3)
リーゼンバウム・ルーンラント戦争によって出た難民が多数流入し、その労働力によって産業が発展、大陸側の工業の中心地となっている。
カルヴァドス(4)
一時はブランデー王国の首都にもなった都市だが、ブランデー王権の崩壊後はルーンラントの下で人口が減少し経済は低迷したものの民会による自治体制が続き、現在の自由都市の地位の権原となっている。
グラン=アルマニャック地方
アルマニャック(2)
ルーンラント・リーゼンバウム戦争においてリーゼンバウム領であったため戦場となった地域の一つ。現在では除染はかなり進んでおり、農業地帯としての再建が進められている。
ポルトーアルマニャック(1)
のどかな漁村だったが、アルマニャック地方の北ヤード海へのアクセスを改善し、地域振興と交易ルートへの参入を目論む合同立憲王政によって港湾が大規模に拡張された。
現時点ではアトリオン本土とユズリアを始めとするルーンラント領沿岸部との交易の中間拠点となっているようである。
北ヤード海諸島
北ヤード海における島々。歴史上長らく放置され、海賊などの巣となってきたが、北ヤード海と西ヤード海の間の航路が安全であることを望んだ合同立憲王政が入植を行った。
ハリエヤール島(59)
北ヤード海諸島の北端の島。島の内側は急峻な山岳地であるため、外周の狭い陸地に張り付くように入植者が住んでいる。主要産業は漁業。
ヴェザンランド島(60)
北ヤード海諸島の南側の島。ハリエヤールに比べると平地の割合が広いが、北方に位置し冷涼なため農業よりは畜産が主産業。
セント・ミカエル海上城砦(61)
ヴェザンランド島の南端に位置する陸繋島に建設された巨大な城塞都市。大型船の造船も可能な軍港でもあり、北ヤード海における合同立憲王政海軍のプレゼンスの源となっている。
政治
二院制の議院内閣制国家。庶民院はアン5世以来の自由主義的統治の継続を求めているものの、貴族院において一定数を占める科学技術人材はテクノクラシーを主張している。
政策スライダー
民主的 | ―◆――――― | 独裁的 | この権利の憲章に基づき、全ての臣民は政府からの自由を持つ。 |
左派 | ――◆―――― | 右派 | 産業と技術の力によって、アトリオン社会を改善できないだろうか? |
開放社会 | ――◆―――― | 閉鎖社会 | 大陸の連中にはあまり近寄り過ぎないほうがよかろう…。 |
自由経済 | ◆―――――― | 中央計画経済 | アトリオンの紳士諸君の努力が立憲王国を豊かならしめんことを祈ろう。 |
常備軍 | ―◆――――― | 徴兵軍 | ふむ…忠誠な者によって立憲王国は守られる、か…。 |
タカ派 | ―――◆――― | ハト派 | 戦わずに目的を達成できればよい。しかし初めから戦いを放棄してはならない。 |
介入主義 | ――◆―――― | 孤立主義 | 我らの戦場は外交交渉の場だ。我々には擁護すべき諸価値があるのだ。 |
人物
アン5世
合同立憲王政の最盛期(やど箱3)の女王(神の恩寵によるアーカルソン=リペルニア王、ソレイアードおよびマールリンゲン公、アトリオンの諸小公国の盟主、セレントス島領主、エンヘリアおよびファフレリンスク地方ならびにナスコーおよびオードヴィー市の庇護者)。
リペルニアの上級貴族の家の出であり、もちろん前王とも近くはないが親戚関係にある。しかし母方は王家には相応しからぬ下級貴族の家で、そのために彼女の即位に否定的な声もあり、彼女自身にとってもそれはコンプレックスになっている。
能力的には空位時代の混乱を勝ち抜いて女王に即位する程度の美貌と知性は持ち、廷臣は充分掌握できている。
彼女は出自の微妙さを民衆の支持によって補おうと考えており、自由主義に対しては好意的な態度を取る。ただし王殺しのようなものは嫌悪する。
ヘレン1世
現在の合同立憲王政の女王(神の恩寵によるアーカルソン=リペルニア王にして自由都市オードヴィーおよびカルヴァドスならびにグラン=アルマニャック地方の庇護者にして北ヤード海諸島嶼の領主)。アン5世から見て従姪の関係にある。
アン5世の即位時と同じくうら若き女王であり、それは国民にとっては期待となっている面もあるが、彼女にとっての重荷となっている面もある。