フィスケト

Last-modified: 2022-10-28 (金) 18:11:58

フィスケト(彗:Fisket)は、遊牧・スィーザーラントの食文化圏における、主に大麦・からす麦を主原料とした小型の焼き菓子の総称である。

概要

トラウ語の「ビスケット」が由来であるが、世界的にはクッキーの一種として知られる。スィーザー文化圏において特別な意味を持つ家庭菓子であり、家ごとにレシピが存在するほどの伝統を誇る。
フィスケトは粗挽きの小麦や大麦・からす麦粉に水・バター・卵・蜂蜜を加えた生地に、干しブドウやベリー、干しリンゴなどのドライフルーツを練りこんで焼いたものがメジャーであるとされ、スィーザー文化圏においては冠婚葬祭の他誕生日や進学・新級のほか"めでたい日"(個人の祝い事から友人同士で取り決めたものまで様々)に交換し、友情と愛情を示すものであるとされる。"祝福性"は各家庭においてオリジナルのレシピが存在する理由でもある。
三光の"ビスケット"と違い、きめ細やかな味わいと大きなサイズ(半径5cmの丸条で、2cmほどの厚さがあるのも多い)が特徴であり、フルーツのほか岩塩、ジンジャー、各種スパイスなど様々な味付けや香りづけが行われることが多い。手づかみで食べるものであるとされている都合上、チョコレートやアイシングなどの手に付着しかねない味付けは忌避される傾向がある。ごろごろと大きな粒や果実が入っており、ぼってりとした厚焼きである。食感は焼いた人の腕前に左右される。

歴史

スィーザーラントは北部のアスハーシン平野はステップ地帯で降水量が少なく、逆に南部の山岳スィーザーは盆地などで湿気が多いため、ナジギオテッマ地域を除き麦が非常に育ちづらい環境であった。これらは四望時代までのスィーザーラントの貧困や傭兵輸出の主な要因であり、大半を「血麦」で賄っていた歴史がある。しかしながら、エンディレーヴァ・トルトーリアによるスィーザーラント征服戦争?を通じてトルトーリア文化が輸入され、その一環としてトルトーラ米が持ち込まれると状況は一変した。多数の小河川や盆地を抱え温暖湿潤な山岳スィーザーは米の栽培に最適であり、そのほとんどは麦と混ぜあわせてべレード?(薄く延ばして焼いた米粉入りパン)にされた。食料自給率が向上した現代においても、スィーザー人は米粉入りべレードを主食とし、小麦粉パンはお高い食べ物とされている。故に、小麦を使って作る菓子であるフィスケトはスィーザー人にとっては高級なお菓子であり、冠婚葬祭をはじめとしたお祝いの示しとして送り合われるようになった。

分類