世界観
本GENESISサーバでは、数々の記録物が残されている。至る所(便器一択だけど!)に記録が落ちているため、是非全てを集めてみてほしい。ちなみに1冊400トークンで売れるので、ビンボーな時は売りさばくのが吉。
※本記録物に記載されている内容は、MOD製作者が7DTDの世界観を想像したものである。
クラスについて - 記録物
支給品に同封してあるクラス申請書に必要事項を記入し通信装置で送信していただければ、あなたの希望するクラスの入門書を送付します。
どのようなクラスを選ぶべきかは、スキルウィンドウをご確認しながらご自身の得意なプレイスタイルと相談してください。
焦る必要はないので、後悔しないようゆっくりと考えて決めると良いでしょう。
-WRP司令部相談員ローデリカ
司令部より伝達 - 記録物
国軍高等研究事業局WRP司令部よりサバイバーへ。
繰り返す、国軍高等研究事業局WRP司令部よりサバイバーへ。
指定区域への投下完了、これより作戦を開始する。
サバイバー、君のいる区域は特に危険な場所だ。
ゾンビだけではなく、生き残った生体兵器も数多く確認されている。
だが、幸いにも緑地の安全は確保されている。
まずは緑地に拠点を構え、生存に必要な物資を確保するのだ。
大丈夫、君なら出来るさ。
君はどんな訓練でも乗り越えてきたし、どんなテストでも優秀な成績を残してきたのだから。
-国軍高等研究事業局WRP司令部
博士の残した記録物
博士の残した記録01 - 記録物
この世界は欺瞞に満ち溢れている。
誰もが誰もを出し抜こうとし、そのためにどれだけのものが犠牲になっても構わないというのだ。
綺麗な言葉を並び立て、戯言を世の理と説き、自分こそが特別であると見せかけの権威を振りかざし、愚者を従え神の真似事を始める。
おお、かつて世界を正しき方向へと導こうとした神々よ!
我々はいつから、示された光を見失い歩むべき道を外れてしまったのか!
この世界はいつから、地面に落ちた果実のように腐り始めてしまったのか!
神々はいつから、愚かな我々をお見捨てになられたのか!
-ヴェルジット博士
博士の残した記録02 - 記録物
焼かれたパンが小麦に戻らないように、熟成されたワインがブドウに戻らないように、腐り切ったこの世界は二度とあるべき姿には戻らない。
この色褪せた世界が辿ってきた歴史を振り返れば、いつの世も我々は醜く争ってきた。
民は権力に怒り、怒りは正義に名を変え、勝利を掲げた正義は新たなる権力となり、心を失い腐敗していく権力は民の怒りを生む。
光が失われたこの世界で、どれほどの血が意味も無く流されてきたのだろうか。
-ヴェルジット博士
博士の残した記録03 - 記録物
我々はどう在るべきなのか、そんなものに答えなどない。
真に愚かな存在と成り果てた我々は、不浄なる暗き地の底で醜く這い回るだけだ。
ぼろ布をその身に被せ、いつか光が己を照らす時が訪れると信じて。
だが、我々こそ神々がお造りになられた光そのものだったのだ!
堕落した我々が自ら輝きを捨て、絶望を嘆きながら希望を捨て、全てを失ったのは神々が奪い去ったからだと浅ましく叫び続けているだけにすぎない。
-ヴェルジット博士
博士の残した記録04 - 記録物
我々が失ったものは、もう二度と我々の手には戻らない。
だが、我々が自らの過ちを認め、神々に与えられた楽園から立ち去るのであれば、或いはそれらが再び与えられるかもしれない。
もちろん、与えられるのは出来損ないの我々にではなく、新たなる人間にだが。
そのために私が成すべきことは、この楽園にこびりついた不浄を削ぎ落し洗い流すことである。
新たなる人間から光が失われないように、我々の失敗が再び繰り返されないように。
-ヴェルジット博士
博士の残した記録05 - 記録物
理由も無く全てを投げ捨て、ただ許しを請うことは償いにはならない。
我々が如何に愚かなる存在であるかを晒し、犯した罪を認め、もう一度だけ信じてみようと神のご慈悲が与えられるその時を静かに待ち続ける。
我々に出来る償いなど、それくらいのことしかない。
考えるに、我々の愚かさとは、種の繁栄よりも個の繁栄を優先するところにあるのではないだろうか。
つまり、己が渇きを癒すためなら、他がどうなっても構わないということだ。
-ヴェルジット博士
博士の残した記録06 - 記録物
人間は共食いなどしないというが、私に言わせればそれは完全なる誤りだ。
誰もが渇きを癒すため、誰かを食べて自分を満たそうとしている。
そして、満たされた者の横には、必ず食べられた者がいる。
優秀な遺伝子を残すという生物の本能に従えば、食べた者を称賛するべきなのだろうが。
だが、それこそが人間が愚かな存在と成り果てた原因、つまり犯した罪なのではないだろうか。
我々が残してきた遺伝子、紡いできた歴史、間違え続けてどれほど経ったのか、私には想像もつかない。
-ヴェルジット博士
博士の残した記録07 - 記録物
この世界では、人が人を食べる様子はもはや珍しいものではない。
ならば、実際に人が人を食べる光景を、我々が紡いできた間違った歴史を罪の形として、神の御前に包み隠さずさらけ出すべきだと私は考える。
神よ、あなたの怒りは最もだ。
あなたが指し示した道を外れた、食べるという選択をした我々の末路がこれなのだと。
私はこれから、鉢を地に傾ける。
同志の手により放たれる私の研究成果が、神の怒りが、世に終末をもたらすであろう。
汝、神を呪うなかれ。
悔い改めよ、我々は皆等しく愚かなのだから。
-ヴェルジット博士
捨てられた提言書
捨てられた提言書01 - 記録物
以前より過激な言動が目立っていた例の博士の件についてですが、やはり彼の主張はただの空虚な戯言などではなく、これから起こそうとしている大災害に対する人類への警告だったようです。
そして、彼の研究はその実現に値するほど具体的なものでした。
問題は、彼に賛同する者たちが彼の夢を叶えるのに十分な資金提供を行っているところです。
おそらく、彼らは世界の終焉など頭の片隅にも無く、ただ道楽気分で彼を応援しているだけに過ぎないでしょう。
ですが、それが事態を悪化させているのです。
-エージェント・ローデリカ
捨てられた提言書02 - 記録物
金持ちの道楽なんてものには理解が及ばず、何故そんなものを面白いと思うのか私にはわかりません。
ですが、その面白いという感情こそが厄介極まりない。
何故なら、人は面白いと思うものには投資を惜しまないからです。
こんな腐った世界は全て終わってしまうのが良いと考える人は世の中にいくらでもいるでしょう。
ですが、本当に終わらせようと行動を始め、それを実現させる域にまで近づける人はいません。
ですから、彼の提供するエンターテイメントは狂人を魅了するのです。
-エージェント・ローデリカ
捨てられた提言書03 - 記録物
彼の研究は無から有を創り出すような荒唐無稽なものではありません。
既に在るものを作り変え、時には手を加え、それが現実的な脅威となるよういくつもの論理を積み重ね、そして導き出された答えが彼の研究成果、生体兵器なのです。
人は歴史の中でいくつもの生体兵器を作り上げてきましたが、実用的なものは精々ウマやイヌくらいのものでしょう。
ですが、彼の生体兵器に用いるのはヒトです。
スクリーンの向こう側に映るゾンビが、現実のものになろうとしているのです。
-エージェント・ローデリカ
捨てられた提言書04 - 記録物
ヒトを用いた生体兵器など、当然ながら許されるわけがありません。
ですが、私たちは皆、愚かにも改造されたヒトを好みます。
超能力者、サイボーグ、動物や昆虫の能力を得た超人、それらが巨悪をなぎ倒す姿に人々は熱狂し興奮します。
それがスクリーンの向こう側である限りですが。
もしもそれらが自分たちの方を向いたとしたら?
残念ながら、その日が訪れるのは遠い未来のことではないでしょう。
何故なら、彼はもう実験を終えているのですから。
-エージェント・ローデリカ
捨てられた提言書05 - 記録物
私たちの最大の失敗は、地下に潜る前の彼を捕らえなかったことです。
機会はいくらでもありました。
彼をただの異端者だと、軽く見ていたのはあなた方ではないのですか?
まあ、今更責任を追及したところで意味などないのですが。
私たちに出来ることは、これから起こる大災害に対して備えることだけです。
幸いにも、私たちは彼の研究成果に対抗する術を持っています。
世界の平和を保つこと、その使命を今こそ果たす時です。
-エージェント・ローデリカ
捨てられた提言書06 - 記録物
生体兵器の弱点は、あくまでも生体であるというところにあります。
合金の装甲に覆われた機械とは異なり、木や石で作られた武器も効果的です。
おそらく痛みは感じないと思われますが、ダメージは確実に蓄積されます。
つまり、いざとなれば原始的な戦闘方法でも対抗が可能ということです。
もちろん、それくらいのことは彼もわかっているでしょう。
ですが、人はその最も原始的な方法を実に馬鹿げたことだと想定から外すものです。
単純に強い力を以って正面から迎え撃つ。
私はこれが最も効果的な策だと判断します。
-エージェント・ローデリカ
捨てられた提言書07 - 記録物
私たちが開発した万能型強化改造パーツは、彼の研究成果に対抗する最も効果的な手段となるでしょう。
この発明が人に向けられず、世界の平和を脅かす存在に対して使われるのであれば、私にとってこれほど喜ばしいことはありません。
思い返せば、私たちは進むべき道を外れそうになったことが何度もありました。
私たちは権力に媚び、取り入り、支配に加わるために組織を立ち上げたのではありません。
思い出してください、マスター。
あの寂れた田舎町の酒場に集まって、皆で朝まで平和や幸福について語り合った、あの頃は確かに心の中に在ったものを。
-エージェント・ローデリカ
生存者の日記
生存者の日記01 - 記録物
俺がこの日記を書こうと思い立ったのは、この腐った世界で生き残るために必要だと思ったからだ。
世界がこうなる前、自分の頭ん中にあるもんを紙に書きだすことで、頭がスッキリして色んな気づきが生まれるってどこかで聞いたことがあったんでな。
まあ、嘘か本当か確かめる方法はもうねえが、日記を書くってのは皆やってたことだし悪いことじゃあないのはわかってる。
幸いにも、紙なんかその辺でいくらでも手に入るからな。
世界がなんで突然こんなことになったのかは知らねぇが、なっちまったもんは仕方ない。
かかってこいゾンビども、俺は絶対に食わせねぇぞ!
-穴掘りネズミのダニー
生存者の日記02 - 記録物
俺は今、郊外にあるちょっと高い山の中に穴を掘って、そん中を根城に活動している。
町中に住んでた時期もあったが、物資に困らないメリットよりも夜にぐっすり眠れねぇデメリットの方が大きかった。
それで、ちょっと郊外に拠点を移したってわけだ。
人がいなけりゃゾンビもいねぇ、こんな静かな暮らしは前の世界でも味わえなかったな。
ちょっと音出しただけで騒ぎ立てる下の階のジジィ、夜中になると歌い出すイカレた隣のババァ、バイクに乗って目立つことが生きがいのクソガキ集団ども、多分あいつら死んだかゾンビになってるかだろうが、今じゃあ良い思い出だよ。
-穴掘りネズミのダニー
生存者の日記03 - 記録物
前の世界ではゴミでしかなかったもんが、こんな世界では重要な役割を持つこともある。
人間は途方もねぇくらい長い時間をかけて文明を進歩させてきたが、俺たちはその成果だけを使えるってわけだ。
電気のない時代、俺たちはどうやって生活してた? 生活に必要なもんはどうやって調達してた? 飯は何を食ってた? 動物を狩るのに何を使ってた?
知識を共有する手段すらなかった時代の人間でも出来てたことを、現代の俺たちに出来ねぇわけがねぇ。
よーく考えろ、絶対に方法はある。
-穴掘りネズミのダニー
生存者の日記04 - 記録物
俺は前の世界では本なんてものとは無縁の生活を送っていたんだが、こんな世界になってからは熱心な読書家になった。
本っていうのは知識の宝庫だ。
そこら辺に落ちてた本を一冊読むだけで、ちょっと不便だったことが一気に解消したりすることもある。
金を払うだけで無条件で得られていた便利さ快適さを失った今、必要なのは知識だ。
だから、落ちてる本は積極的に拾いに行け。
自分を助けられるのは自分自身だけだ。
今じゃあ紙幣なんて燃やしたりケツを拭いたりするくらいにしか使い道がねぇんだからよ。
-穴掘りネズミのダニー
生存者の日記05 - 記録物
人間ってのは不思議なもんで、こんだけ進化したってのにまだ動物の本能が残っているんだ。
つまり、危険を予知して回避する能力ってことさ。
危ねぇと思ったら直感を信じてすぐに逃げろ。
無理して危険と向き合ったところで、命を失ったらそこでお終いなんだからよ。
生きてりゃ次があるさ。
全てを諦めてそこで死にたくなる気持ちもわからなくはねぇが、てめぇの頭の中に描かれたてめぇ自身の物語は、そんなところでゾンビに食われて終わるようなしょーもない結末にはなっていないはずだぜ。
-穴掘りネズミのダニー
生存者の日記06 - 記録物
大体の生き物は目や耳や鼻で危険を察知するんだそうだ。
ゾンビに考える力ってもんが残っているのかはわからねぇが、少なくとも俺が見る限りでは奴らにはまだ視力や聴力は残っているらしい。
つまり、一応あれでもまだ生き物ではあるってわけだ。
そんなわけだから、俺は奴らを見かけたらまずは物陰に身を隠して音を立てないようにする。
正面から殴り合うのも悪くはねぇが、そんなことばっかしてたら命がいくつあっても足りねぇ。
奇襲に勝る攻撃なしってやつさ。
-穴掘りネズミのダニー
生存者の日記07 - 記録物
人間がいつから火を使い始めたのかわからねぇが、石の槍を持ってマンモスを狩ってた時代にすら肉を焼いて食べる文化はあったらしい。
つまりはどんだけちっぽけな脳でも、肉は焼いて食べるもんだってことをご先祖さまもわかってたってことさ。
だからどんだけ腹が空いてても、口に入れるもんは一度熱を加えた方が良い。
こんな世界にはもうお医者様なんて残ってないからな。
壊したら終わりの大事な身体を、わざわざ自分から傷つける必要なんてどこにもないだろうぜ。
-穴掘りネズミのダニー
戦闘報告書
戦闘報告書01 - 記録物
突如として各地に現れた未知の生物、いや化け物と呼ぶべきでしょうか、とにかくこの未曾有の災害は、瞬く間に各地に破壊と混乱をもたらしました。
常にあらゆる有事に備えている軍でさえこれらの出来事は想定の範囲を遥かに超えており、我々の部隊も発生した事態に迅速に対処せよという命令のみを受け、何の情報もなく出動する他ありませんでした。
幸いにも銃火器による対応は可能でしたが、民間人の救助活動や他部隊の応援にまで手が回る状況では到底なく、ただ目の前の敵に対して応戦することしか出来ませんでした。
-ヴィンス大尉
戦闘報告書02 - 記録物
民間人からの情報によると、これらの事態は世界各国で同時多発的に発生しているようです。
宇宙人の侵略、地球規模のテロ、未知のウィルスの蔓延など、インターネット上では様々な情報が飛び交っているようですが、共通しているのはどこも壊滅的な被害を受けているということです。
奇妙なのは、これらの敵が創作物でよく見るいわゆるゾンビに酷似していることです。
おそらく、この認識は正しいと言わざるを得ません。
これが地球規模のテロだったとして、そんなことが出来る組織など存在せず、また世界中の誰にも気づかれることなく準備を行うことなど不可能だからです。
-ヴィンス大尉
戦闘報告書03 - 記録物
そして、この敵がゾンビのようなものだという物的証拠もあります。
何故なら、敵に噛まれた隊員が死亡した後、敵と同じ姿に変貌して我々を襲ってきたからです。
現状、軍本部との通信は途切れ、我々も民間と同じようにテレビやインターネットで情報を集めるしか手立てがありませんが、どうやらこれらの事態は世界各国の大都市のみで発生しており、無事な地域も多数あるとのことです。
不本意ですが、軍本部と連絡の取れない現状を考慮し、我々はこの地域を撤退して一度安全なところに向かい体勢を立て直すことにします。
-ヴィンス大尉
戦闘報告書04 - 記録物
我々は現在、ショッピングモールで調達した二台の輸送用トラックに無事だった民間人を乗せ、ここから最も近い北部にある基地に向かっています。
その基地から近い町に両親が住んでいるという方がいたので電話で確認を取ってみたところ、ここでは何事も起こっていないとのことでした。
残念なことに、この戦闘で部隊の半数以上を失ってしまいました。
ですが、悲しんでいる時間はありません。
今は一刻も早く基地に向かい、他の部隊と合流しこの事態に対処しなければなりません。
-ヴィンス大尉
戦闘報告書05 - 記録物
移動中に何名かの民間人を救助しましたが、その中に奇妙なことを主張する女性がいました。
これらの出来事は全てアポカリプスという組織によって引き起こされたものだと言うのです。
彼女の話すことがあまりにも具体的で且つこの事態の核心を突いていることから、我々はこの女性が重要参考人になり得ると判断し両手足を拘束しました。
周囲の様子からこの地域はまだ安全だと思われますが、おそらくはここが安全で無くなるのも時間の問題でしょう。
基地に到着後ただちにこの女性を尋問し、持っている情報を全て引き出します。
-ヴィンス大尉
戦闘報告書06 - 記録物
このローデリカ・ペレスと名乗る女性を尋問したところ、自身はフォアナインズという秘密組織に属しており、その組織は世界の平和を保つために地球規模で様々な活動を行っていたようです。
平時であればこんな話は薬物中毒者の妄想と聞き流してしまうところですが、いくつか気になる話があったので情報としてまとめて基地の司令部に提出します。
また、核による事態の解決こそがヴェルジットの狙いで、それがトリガーとなって生体兵器が完成するという彼女の言葉は無視できないものがあるので、軍本部と連絡が取れ次第速やかにお伝え頂ければと思います。
-ヴィンス大尉
戦闘報告書07 - 記録物
基地内部に鳴り響くこのアラートは、某国による我が国への核攻撃の危険性を知らせるものです。
未だ軍本部と連絡が取れないことに疑問を感じますが、もしも敵が何かを狙って軍本部を攻撃していたとすれば、今の我々にはどうしようもありません。
これから何が起こるのか、世界はどうなってしまうのか、先の見通せないことばかりですが、我々が成すべきことはただ一つです。
軍人として最後まで国のために戦うこと。
この使命を決して忘れることなく、我々は銃を持ち、この基地にも押し寄せてきた敵を全力で迎え撃つのみです。
-ヴィンス大尉
運命の旅路
運命の旅路01 - 記録物
どうやら、私のことを基地の人たち、いや国は信じてくれるようだ。
この現状の悲惨さを考慮すれば、多少のギャンブルは仕方なしといったところか。
とはいえ、こんな私を信じてくれるのであれば、私もその信用に応えなければならないだろう。
幸いにも政府はまだ機能しており、世界も滅亡はしていないようだ。
それなら、まだ出来ることがある。
運命の天秤が傾き切る前に、私が重りとなってこの世界をあるべき姿に戻さなければならない。
-ローデリカ
運命の旅路02 - 記録物
基地で輸送機に乗せられた私は、国軍が直轄するという聞いたこともない研究施設に送られた。
軍の人間はそれ以上のことは教えてくれなかったし、私もそれ以上のことを聞くつもりはなかった。
どうあれ、私がすべきことは決まっているのだから。
今の私に組織のデータベースにアクセスする術などないが、必要なものは全て手元にあるので問題ない。
この事態を予見して、リスクを覚悟の上で行っていた準備が功を奏した。
滅亡するのは、神の名を騙る愚か者どもだけでいい。
-ローデリカ
運命の旅路03 - 記録物
生体兵器に意思は存在しないように見えるが、どうやら多少の思考力は残っているようだ。
いや、動物的本能というべきか、それとも直感とでも表現するべきだろうか。
ともかく、狂暴な生物が武器を持って襲い掛かってくる様は十分な脅威に値する。
だが、それでも生物の範囲は逸脱していない。
痛みは感じないだろうが、肉体へのダメージは蓄積されやがては崩れ落ちる。
幸いにも、ここには優秀な科学者、技術者が大勢いる。
状況は壊滅的と言えるが、それでもまだ間に合うはずだ。
-ローデリカ
運命の旅路04 - 記録物
軍から奇妙な報告を受けた。
通常の個体の中から、稀に発光する怪物が現れるそうだ。
そしてその怪物は通常の個体とは異なり、桁違いの強さで暴れるとのこと。
信じがたい事実ではあるが、私の持つデータにはそんな個体は存在しない。
おそらくは、アポカリプスも想定していない生体兵器の突然変異だろう。
パンドラの箱は既に開き切ってしまっているが、底に希望が残っていることを私は願うばかりだ。
-ローデリカ
運命の旅路05 - 記録物
人間を素体とした生体兵器というおそらくは人類が初めて相対する未知の存在は、私の想像を遥かに超える混乱を世界中に引き起こしている。
それもそうだろう。
我々人類の歴史を紐解けば、いつの時代もいかにして多くの情報を得るかを重要としていたかがわかる。
だからこそ、我々は何の情報もない存在にここまでやられているのだ。
だが、状況は改善しつつある。
困難を乗り越え発展していくのも、また人類の歴史である。
我々に少しでも時間が残されているのであれば、必ずやこの困難も乗り越えていけるだろう。
-ローデリカ
運命の旅路06 - 記録物
別々の歯車が偶然にも重なり噛み合い、そしてこの状況を引き起こすに至った。
私もその片棒を担いだ者として、最後まで責任を取り続けなければならない。
知らなかった、想像できなかったでは済まされないほどの大事になってしまったのだから。
世界はもう元の形に戻らないかもしれないが、そこから始まるのは新しい世界だ。
過去を未来への糧として、私は十字架を背負いながら前に進むしかない。
-ローデリカ
運命の旅路07 - 記録物
さすがは国軍直轄の研究施設と言うべきか、驚くべき早さで生体兵器への対抗策が出来上がりつつある。
やはり生物である以上は強い電流で動きは止まるし、血液を大量に失えば死に至るのだ。
それなら、対象の防御性能を上回るだけの攻撃を行えばいい。
単純すぎて馬鹿らしいと早々に考慮から外すようなことが、時には最も効果的な策ということもある。
それに、複雑なことを考えるだけの時間は残されていない。
この場所だって、いつまでも安全だとは限らないのだ。
私に限らず、皆やれるだけのことはやっている。
たとえ悪い運命が待っていたとしても、それを変えられるほどの努力はしたはずだ。
-ローデリカ
偽りの天国
偽りの天国01 - 記録物
惜しまぬ資金、技術、設備の提供。
同志と呼ぶには疑わしき存在だったが、ともかく私の計画の実現に奴らが大きく役立ったのは確かだ。
そして、互いの目的のため利用し合う関係であったこともわかっている。
だが、奴らの求める平和が実現されることだけは絶対に止めなくてはならない。
この腐った世界に新たなる支配者を登場させてはならないのだ。
審判の後に訪れる浄化された世界、善き者にとっての天国こそ、私が望む新たなる世界である。
-ヴェルジット博士
偽りの天国02 - 記録物
平和というのは、つまり均衡が維持されている状態のことだ。
力が拮抗している者同士がぶつかればどういう結果になるのかわからない、だから両者の間には平和がある。
奴らの掲げる世界平和という理念、それはまるでハエがたかる腐った果実のような見るに堪えないものだ。
だが、もしも世界と戦えるほどの力を持った組織が現実に存在したとしたら?
地球上の全ての国と対等に話し合える組織が出てきたとしたら?
奴らの望む世界平和こそ、この私が最も忌み嫌うものだ。
-ヴェルジット博士
偽りの天国03 - 記録物
奴らは、私の生体兵器を支配のための道具として利用する気だ。
自らの命が脅かされる状況であれば、それがどれだけ理不尽な要求であろうとも、誰だって交渉に応じるだろう。
そんなものに屈することなどあってはならないが、私が見るところでは自らの安全と引き換えに国を売り渡すどころか、自らもその新たなる権力に媚びへつらい加わろうとする愚か者しかいない。
実に馬鹿げている。
この腐った世界が形を変えて維持されるのであれば、これから起こることに何の意味もない。
-ヴェルジット博士
偽りの天国04 - 記録物
善き者が救われ、不義者が滅びる。
それが人間の辿るべき道の終わりにある事象であり、神が定められた絶対の規則だ。
だが、そのような絶対を覆そうとする、神を超えた存在になろうとしてる者たちがいる。
己が目的を果たすためであれば、その他全てが滅んでも構わない。
歴史上の独裁者が求めてきたものを我々は手に入れる。
物事を決めるのに議論は必要ない。
ただ我々の言葉に従うのみ。
そのような思想を決して許してはならない。
-ヴェルジット博士
偽りの天国05 - 記録物
私が望むものは、あくまでも世界の浄化だ。
審判の後、神が再び純粋なる人間のみが集う天国を与えてくれるのであれば、私は地獄に墜ちることに何の躊躇いもない。
人の世には、神の寵愛がやはり必要なのだ。
完璧な人間などいない。
誰もが、どこかで必ず道を外れる。
進むべき道を照らす光が無ければ、無能な先導者が人々を誤った方向へと導いてしまうだろう。
人間よ、正しき道を歩め。
善き者を踏みつけながら進む道の先に、天国など存在しないのだから。
-ヴェルジット博士
偽りの天国06 - 記録物
今は亡き我が子よ、私は父親としてお前に何一つとして立派なことはしてやれなかった。
地獄に墜ちた私を笑い、罵倒し、憎悪の限りをぶつけると良い。
寛容なる主の御使いは、それが当然のことだとお前の行為を許すだろう。
私に残された道はただ一つ、自身も兵器となり奴らと戦うだけだ。
傍観者として安全な場所で生き長らえる資格など、罪人の私にあるはずもない。
この世界の理は争いであり、勝者が全てを手に入れてきた。
私が敗者として地獄に墜ちるのは、必要な勝利の後で良い。
-ヴェルジット博士
偽りの天国07 - 記録物
フォアナインズ、暴食なる欲の成れ果て共は地獄の底でも悔い改めることはないだろう。
残された希望すらも喰らい尽くし、ただ満たされぬと嘆き、偽りの天国を夢見ながら、泥濘に横たわりただ天を見上げ続ける。
この記録を読む者よ。
私は既に奴らに敗北しているか、もしくは自我を失っているだろう。
もしもお前が奴らの一部でないのであれば、頼みがある。
事を成し遂げてくれ。
世界が奴らの思い通りにならないように。
-ヴェルジット博士