エスカデ編(聖剣伝説LOM)

Last-modified: 2024-03-18 (月) 10:54:50

登録日:2018/09/11 (火) 15:30:20
更新日:2024-03-18 (月) 10:54:50
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Tag: 聖剣LOM 聖剣伝説 哲学 アーウィン エスカデ エスカデ編 ダナエ マチルダ 賢人 鬱展開 考えさせられる話 時代の変革期に起こった悲劇 自由 エゴ



人は自分を自分で決める力を持っている。あなたは、それを知るべきだ。
その人はあなたに色んなことを教えようとしている。耳を傾けなさい。


【概要】

エスカデ編とは、聖剣伝説LEGEND OF MANAで展開されるストーリーである。
聖剣伝説LOMはマルチ並行シナリオを採用されており、68個の個別クエストが用意されておりそれを大きく分けて10+αのストーリーに沿って進行していく。
エスカデ編はその中でも宝石泥棒編?ドラゴンキラー編?と一緒にメインストーリーとして位置づけされている。
この編のシナリオはLIVE A LIVE近未来編原始編の脚本やマジカルバケーション?の監督で知られる井上信行が脚本を担当している。
アルティマニアによると新時代と旧時代の対比をメインとしており、旧時代=古い考えで凝り固まった人間の象徴であるエスカデがタイトルとして銘打たれてる。
人の生き方、愛、自由を問いかけるシナリオであり、タイトルで銘打たれてるエスカデよりかはアーウィンとマチルダが中心に話が進んでいくため「妖精編」と呼ぶ人も少なくない。


【あらすじ】

司祭の娘であり司祭を継ぐことを運命づけられているマチルダ、数々の聖剣士を排出したライオット家の戦士エスカデ
寺院の僧兵を務める猫獣人のダナエ、人間と悪魔の混血児であり、人間と悪魔双方から疎まれていたアーウィン
4人の幼馴染による友情と対立。十数年に渡る思いのすれ違いはやがて人間世界をも巻き込んでいく。


【主要人物】


エスカデ?

28歳。名家であるライオット家出身の剣士。
名門の家柄ゆえの教育で、かつて起こった妖精戦争のしがらみを最も色濃く受け継いでおり、妖精と悪魔を激しく憎んでいる。
また、同じく王家を支える名門の家柄に産まれたマチルダが半悪魔であるアーウィンと交流する事も苦々しく思っていた。
性格は頑固で自分の正義を盲信しており、自分の正義に反する場合は主人公やダナエに対しても躊躇いなく剣を向け、マチルダの言動すら聞く事は無い。
奈落にて七賢人であるオールボンから10年間剣技を教えてもらった事もあるが、その事すらアーウィンを討つのは賢人の意思だと都合良く解釈していた。*1

とにかく他人を寄せ付けない自己中心的な印象を受けるが、独善的にせよあくまでも自身の正義に正直でいるだけなので、
倒れている修道女を助けたり主人公に忠告したりといった、常識的で善良な行動も見せている。
そもそもアーウィンのやったことと現状(※後述)を考えると、彼がアーウィンを敵視することは無理からぬ話であり、独善的且つ思想はともかくとして、的を射る発言も意外と多い*2
なお、過去に嫉妬からアーウィンを奈落に落とそうとしたら自分が奈落に落ちた。とダナエに教えられるのだが、
後に明かされる回想では、アーウィンがマチルダから精霊力を奪った場面に出くわしたため、激昂して襲い掛かっている。
他にも自分の意思こそ曲げないがマチルダの気持ちも一応慮る場面もあったりと、ダナエの人物評とは度々齟齬が見られる。

装備は大剣。固有必殺技は奈落へ落ちろ。自分が奈落にうっかり落ちたせいかNPCの中で運の値が最低値であり、ルートによっては死亡する。


ダナエ

25歳。ガトの寺院で僧兵を務めている猫のような獣人。かわいい。移動する時は四つ足で歩くケモナー歓喜なデザインをしている。
マチルダの事を姉のように敬愛しており、彼女の老化とアーウィンを止めるために奔走する。

マチルダを哀しませ、アーウィンを止めるためにはダナエにすら剣を向けるエスカデに対しては、当然だがかなり激しく嫌っている。
しかし、プレイヤーが得る幼馴染達の情報はほとんどが彼女からの話であるため(アーウィンとマチルダの関係・顛末に関しては聞く耳持たないこともあって分かっていない)、
プレイヤーにとっての幼馴染達の印象は彼女の主観や想像による所が大きくなりがちで、真実もある一方で鵜呑みには出来ないところ。
事実、ダナエからの話とその嫌われっぷりに加えて、マチルダとアーウィンに対する姿勢からエスカデはさぞ嫌われ者かと思いきや、
前述した様にエスカデが奈落に落ちた経緯を誤解していたり、他の当事者は事情を知っていることもあって、ダナエのみが一方的に極度に嫌っている関係である*3

紛れもなく純粋な善意から他者の幸せを心から望み行動しているなど善人であり、主人公への人当たりもそう悪くは無かったことなど、
一見すると極端な傾向にある幼馴染達の中でリベラルであるかのように見えるが、幸せの基準や他者の評価が主観に偏っており、相手の複雑な心境を慮る点に欠けている。
人間や悪魔といった種族の違いをなんて事ない様に言いながら、剣を向けたエスカデに対しては「悪魔!」と罵しる目的で使う迂闊な発言も見られるなど、
若いことも有って自身の理想に追いついていないのが実情。

こちらも仲間及び操作可能であるNPCでありルートによっては退場(明確には表現されてないが死亡)する。
固有必殺技はヒステリックラン


アーウィン

26歳、人間と悪魔の混血児のため人間と悪魔と双方から疎まれており、特に劇中ではエスカデには非常に嫌われている。
ダナエからも物語開始時の停滞感から良く思われてはいないが、そもそも彼の行動や考えが分かっていなかったことや、その過去やマチルダのこともあって同情心も強い。
物語開始時点では人間に対して反感を持つ妖精を支配し、「黒竜王」と呼ばれている。

家のしきたりに縛られるマチルダの解放を願い、彼女から精霊力を奪い、世界の破壊を目論む。
根本的な願いとして彼女を精霊王にする事で老化から救おうとしているのだが、その際に確実に反対するであろう妖精達を力で黙らせるつもりだった。
作中の口調こそかなり穏やかだが、この窮屈で差別的な世界の事を何度でも滅ぼしたいというセリフをしゃべることもある。
かつては悪魔としての半分の血が持つ破壊衝動の本能と、マチルダを愛する人間としての理性に葛藤していたが現在では…。


マチルダ

26歳、司祭の家柄であるハロ家の娘。エスカデ同様に凝り固まった教育を受けてきたが、彼と異なりそれに疑問や窮屈さを感じていた。
自分の運命に絶望しており、自由を期待してアーウィンに連れ出された際にも、自分の境遇を嘆く言動を漏らす。
しかしその道中で彼に精霊力を奪われてしまった事で急速に老化、80歳の老婆の姿になってしまう。

自身が常に他者からの強制を受けてきたために、(特に教えに反してアーウィンが好きということもあり)人は他人に委ねられるべきではないという思考をしており、
友人たちの諍いを嘆きつつも、それぞれの意思は肯定しているし、自分の考えも決して曲げない。
その過剰なまでの平等な精神ゆえか、既に故人となっている人形士アニュエラの穴を埋める賢人としてスカウトされている。*4
このストーリーは基本的に、彼女を中心にして3人の幼馴染たちが奔走する事で物語が進んでいく。

ちなみにアルティマニアによると名前の由来は機動戦士ガンダムマチルダさん?
万人を魅了する女性としては相応しいが、物語を紐解いていくとかなり皮肉な命名だと判明する。

【主要クエスト】


ガイアの知恵

クエストNo3。登場人物はダナエ。このイベント自体はエスカデ編として存在しているが、クリアしなくてもエスカデ編の進行は可能である。
ニキータ商い道中クリア後、リュオン街道でダナエに話しかけているとドミナの街の2階にダナエが登場。
話しかけ、「死後魂はなくなるか?」という問いに「なくならない」と答え、賢人ガイアに相談しに行くというダナエに「ついていく」と選択するとクエストが発生。
リュオン街道に鎮座している最初の賢人である岩のガイアの元へ辿り着くとクエストがクリアし、獲得した経験値を味方に分配できる「持たざる者の指輪」をくれる。

ダナエは友人(マチルダ)が呪いを受けて苦しんでる事をガイアに相談。
ガイアはダナエに対し「もっと彼女の言葉を聴くこと。」そして「彼女の意思を受け入れる事」をアドバイスする。
しかし、ダナエはそれに反発し「諦め(アーウィンの呪いで老衰して死ぬ事)は弱い心から来るもので、その心はアーウィンの呪いのせいで起きているから戻したい」とガイアに当たる。
そこで出てきたのがこのページの最初のセリフである。その言葉を聞いたダナエはいったん冷静になって考えると述べ、その場を去っていった。

まいごのプリンセス&ニキータ商い道中またはうごめく森&岩壁に刻む炎の道をクリア後にガトに入るとダナエが寺院に移動するためこのイベントは消滅してしまう。


うごめく森

クエストNo9。登場人物はエスカデ。ここから物語の要であるエスカデと妖精が登場。妖精自体はストーリーの進め方によっては「石の魚」で見る場合もある。

獣王をクリア後、ジャングルのマップの一部が妖精によって隠されてしまう。迷いながらもあるマップに入ると戦闘が発生し、
隠れていたペンギンのしるきーにおまじないをかけて貰うことで本当のジャングル及び妖精の姿が見えるようになる。
その後、妖精たちが迷い込んだ修道女をボコしている所を発見したエスカデが登場。エスカデが妖精たちを切り刻み、エスカデ編専用のカットインと共にイベントが発生する。
森の奥へ進むとアーウィンの陛下の悪魔であるレッサーデビルと戦闘し、倒すとクエストクリアとなる。

この物語はエスカデ編の導入となっており、
「アーウィンが26歳のマチルダを妖精王にしようとしている」
「その事に対して妖精は疑問を持っている」
「エル・クアシノの時代に発生した妖精と人間の戦争がまた行われる可能性がある」
等という断片的な情報だけが入ってくる。


二つの炎

クエストNo7。登場人物はエスカデ、ダナエ、マチルダ。ここから4人の関係性と過去が見えてくる。
うごめく森&岩壁に刻む炎の道をクリア後、寺院の廊下にいるダナエに話しかけた後に夢見の間に入るとイベントが発生する。

10年間奈落に落ちていたエスカデは、ついにマチルダと再会するが彼女は80歳相当の老婆の姿になっていた。
この原因となったアーウィンを責めないでとマチルダはエスカデに言うも、エスカデは聞き入れずアーウィンを追い始める事になる。
その際にダナエから4人の関係性を聞き、アーウィンに嫉妬したエスカデがアーウィンを奈落に突き落とそうとした、争いのタネは彼が蒔いたと教えられる。
その後、マチルダの誘拐イベントが発生し、エスカデ、ダナエと共に追い駆けると、悪魔がアーウィンの命令でマチルダを攫いに来たことが発覚。
エスカデ、ダナエと共に後を追いボスであるスプリガンと戦闘しマチルダを救出する。その後、会話が挟まりイベントが終了となる。

会話内容

「エスカデ・・・・ 聞いて・・・・」

「マチルダ、私が言うわ。あなたは静かにしてて。お願い。」

「いいえ、私が言うわ。 ねぇ、エスカデ・・・・私、司祭になんてなりたくなかった・・・・ 自由でいたかったの・・・・アーウィンは私を、規律づくめの生活から解放したかっただけなの。」

「いつまでも悪魔に心を奪われているんじゃない! 目を覚ませ!アーウィンが君から奪った力、どんなふうに使うのか、想像したことがあるのか!?」

「もういい、出ていって。 マチルダも少し眠らないと。 自分の身体のこと、少しはわかってちょうだい。」

「君は昔から俺の話には耳をかさなかった。 だけど悪魔に力をあたえるわけにはいかない。」(歩き去る)

「静寂だけが私を愛してくれる」(顔を手で覆う)

「バカなこと言わないで!」



流れゆく者たち

クエストNo11。登場人物はマチルダ、アーウィン、ダナエ。
二つの炎クリア後に寺院に入ると発生。ダナエがアーウィンを探しに行くと出て行ったきり帰って来ないので探しに行って欲しいと頼まれる。
ここで「引き受ける」「心に引き留めてく」を選択するとイベントが発生。「断る」を選択するとイベントが消滅しエスカデ編の進行が不可能になる。
再度選択することもできないため、とりあえず断ってみようで断ったら後悔した人もいたのではないだろうか?

ダナエを追いキルマ湖へ。ダナエはアーウィンに会いマチルダの力が欲しいのか、それともエスカデに復讐したいのか。または別の気持ちがあるのかを聞きに来たという。
奥へ進んでいくとダナエとアーウィンの会話が発生。親友の老化を起こさせた張本人のためか、この時はダナエの口調は今までのアーウィンを語る時の口調とは真逆で
敵意を隠そうともしていない、相手を責めるような強い口調になっている。

会話内容

「何をしに来た・・・・・ ダナエ」

「・・・・・・・・・・ ずいぶん立派になったな。」

「妖精をかき集めて、何をしでかす気なんだ? 妖精はオマエに従うのか?」

「・・・・・・・・・・ さて、オレにいったい何ができるんだろうな。」

「答えな。」(アーウィンに近づく)

「言いなさい! マチルダをどうするつもり!? 坑道で倒れたときから、歳を取り続けているんだ。エスカデはアンタがマチルダの精霊力を奪ったせいだって言ってる。どうすればいいと思う?」

「さてね。 困ったもんだね。」

「アンタ、寝てんじゃないの? アンタが奪った精霊力、マチルダに返してやれないのかって聞いてるのさ!」

(ダナエ、アーウィンに襲いかかるがはじき返される)

「マチルダに伝えろ。 全てが崩れ落ちる時、全て夢だったとわかる。」(歩き去る)

「くっ・・・・ なんて力だ・・・・」

会話終了後、ダナエはアーウィンを追い妖精の輪の中に入り妖精界へ。
ボスであるグランシェと勝負後、夢見の間にいるマチルダに対し「ダナエは妖精界へ行った」と告げる事でイベントは終了する。
主人公退室後、マチルダの元へ七賢人の一人である風の王・セルヴァが登場し、いくつか彼女にアドバイスをする。

会話内容

「マチルダ」

「あなたは誰?・・・・」

「ひさしぶりだね、マチルダ。覚えているかい? 私の名はセルヴァ」

「!!! 風の王セルヴァ!? 七賢人の一人?」

「そう、君が生まれた頃、ここへはよく来ていた。 君のこともよく知っている」

「ならば、私がアーウィンに精霊力を奪われたことも知っているのですね・・・・」

「知っているよ。 時代が変わるときには なんだって起きる」

「時代・・・・? セルヴァ様には未来がわかるのですね!?エスカデやアーウィンはどうなるのですか?」

「未来は、そこを歩むものが決めなければいけない。君やダナエ、エスカデ、アーウィン、瑠璃、真珠姫、ラルク、シエラ・・・・」

「・・・・ それに先ほどの(主人公名)・・・・」

「君もそう思うかい? その言葉を聞きたかったんだ。」

「そんな、めっそうもない。 七賢人の決めることに 私が口を出すなど・・・・」

「煉獄の主オールボン 大地の顔ガイア 獣王ロシオッティ 海を渡るトート 語り部のポキール そして、風の王セルヴァ今は賢人は6人しかいない。あなたがやがて7人目の賢人になるだろう」

「どうして私が?」

「この時代を断つ楔(クサビ)となった」

「・・・・・・ 確かに、私の身勝手が世を乱しました。アーウィンを・・・・・・ 愛していました。 ならば裁きこそ、わがさだめ。このまま息絶えることをお許しください」

「マチルダ、君は誰を愛してもいい。人はみな光さ。人を照らしながら、その後ろに影ができることを恐れている。でも私は見てきた。影なんてどこにもない。この意味がわかるだろう?」

「・・・・・・ 私は影ばかり見て来ました」

「見るのは未来だけでいい。 罪の意識は、君を記憶の檻に閉ざし、鍵をかける。鍵を開けて、マチルダ。 自分自身を許せない人が、いったい誰を許せると言うの?」

「・・・・・・・・」

「もうすぐ時が動く。 人は自由になる。」


ポキール、夢への誘い

クエストNo15。主な登場人物は幼少期時代の4人。
ウルカン鉱山の入り口にいるポキールに話しかけると発生。

ポキールの手引きで過去のウルカン鉱山へ主人公が意識だけ飛び、10年前に何があったかが判明する。

ちなみにポキールの誘導を無視し、洞窟を出て勝手に終わらすことも出来る。(当然イベント失敗になるが、先のエスカデ編進行は問題なし)

寺院での生活に嫌気が差したマチルダをアーウィンが連れ出し、エスカデがそれを追い駆けていたのである。
マチルダとアーウィンはウルカン鉱山の崩落に巻き込まれるも、なんとか最深部の安全な場所に辿り着いた二人は互いの思いをぶつけあう。

会話内容

&color(foreground[,background]){text};{「ここならだいじょうぶだ」

「・・・・・ どうしてエスカデは あなたのこと嫌うのかしら・・・・」

「・・・・・」

「悪魔だから・・・・?」

(大きく地面が揺れる)

「!!!」

「どうしたの!? 出口は大丈夫かしら!?」

「入口のほうだ・・・・ 朽ちかけていたからな・・・・」

「私、最初は少し わくわくしていたの・・・・・はじめてなの、自分から寺院を出たの・・・・」

「でも・・・・ もう、イヤ!! 怖いわ!!」

「君には精霊の加護がある。 君の家は代々、精霊の祭りの司祭を務めてきた。 たとえオレが朽ち果てても君は死にはしないさ。」

「私、司祭になんてならない。 だって司祭は悪魔と友達でいたらいけないんだもの。」

「友達なんかじゃない。 オレはオマエを食い尽くしたいだけさ。」

「そんなの、ウソよ・・・・・ 私、奈落へ行きたい・・・・・」

「私もあなたも、大人達のわがままに振り回されてばっかり」

「闇はウレシクないな。」

「精霊を呼んでみな 助かる道があるはずさ。」

「私・・・・・・ 帰りたくない・・・・・・」

「生きるんだ! そんなに嫌な世界なら、いずれオレが滅ぼしてやる! オレ達には生きる力があるッ! なぜそれを押さえこんだままでいなきゃいけなんだッ!」(マチルダの手から精霊を奪い取る)

「うおおあああっっっっっっ!!」

「イクス オス ベラス イルアクエクイヌ・・・・・ 精霊!! オレに従えッ!!」

「マチルダ!!悪魔野郎―――ッッ!! マチルダに何をしたぁぁぁぁぁーーーッッッ!!!」

生きるために精霊を呼び出せというアーウィンの指示に従い精霊を呼び出すマチルダ。
アーウィンはマチルダから精霊を奪い取り力を奪い取ってしまった。
それを見たエスカデが、アーウィンに切りかかった所で目が覚める。

ダナエ(アーウィン)とエスカデ、どっちに付くつもりかを主人公に尋ねるエスカデ。
ここでエスカデに付く又はどちらとも言えないを選ぶとイベント終了。ダナエに付くを選ぶとエスカデと戦うこととなる。


「気が付いたようだな。主人公・・・・・・・」

「オマエ、どっちに付くつもりだ?」

「オレに付いて正義をなすのか、それともダナエのように悪魔をかばって人を敵とするのか?」

  • 「エスカデに付く」を選ぶ

「オマエは不気味だ。下手すればオレの足をすくう存在になる。」

「だが今は、オマエのその言葉を信じる事にしよう。」

(イベント完了)

  • 「ダナエに付く・どちらとも言えない」を選ぶ

「オマエが選んだ運命だ。受け入れるがいい。

(エスカデと戦う。勝った後イベント完了)


彷徨の回廊

クエストNo13。登場人物は全員。
ポキール、夢への誘いをクリア後に夢見の間へ入ると発生。

時の流れの異なる妖精界でならマチルダを延命させアーウィンと共に生きる事が出来ると考えたダナエは、
本人の意思を無視する形で、マチルダを妖精界へ導くべく連れていこうとする。
そこに乱入してくるエスカデ。ダナエも悪魔に魅入られたと判断したエスカデはダナエを斬りつける。
目の前の争いを終わらせるために「クシノ タナンミ テメヤ ハイソラ アイクニミ・・・・・・」という呪文を使い主人公、ダナエ、マチルダをミンダス遺跡にテレポートさせる。
風の塔でアーウィンと再会したマチルダは童心に戻りアーウィンと会話をする。

会話内容

「アーウィン! 生きていたのね! 私、信じてた・・・・・ ずっと・・・・・・!!」

「マチルダ・・・・・ 君は変わっていないな・・・・」

「ウフフフ 何を言ってるの? ホラ、ちゃんと見て。私、たったの10年で、こんなにおばあちゃんになっちゃったのよ。」

「・・・・・ 外見は変わった。」

「外見だけなものですか。 考え方も、ずいぶん悲観的になったわ。あなたも悪魔のくせにずいぶん早く歳を取ったものですね。 ウフフフ・・・・」

「妖精界は思念を強く反映する。 イメージ力さえあれば、好きな歳で過ごせる。」

「・・・・・・・ だから私を妖精界へ?」

「それもある。」

「妖精達は受け入れないわ。」

「受け入れるかどうかじゃない。 俺には力がある。 受け入れさせる。醜悪な人間達の作ったルール、死すべき運命、君は何もかも黙って受け入れようとする。

マチルダ、君はこの世界にはいないのか?誰かが定めた道の上を歩むだけが君の人生なら、君は何のために生まれたんだ?」

「アーウィン、言ってる意味はわかります。だけど常に、受け入れるか、否定するか、二つの選択があるわけではないんです。」

「・・・・・・・・」

「選択できるのは、いつもたった一つ。 自由という選択だけ。」

後を追うように風の塔についた主人公は、エスカデとダナエがついに決定的に敵対し、対峙している所を見る。
「エスカデにつく」「自分には無関係」を選ぶとエスカデが仲間に。(なお自分には無関係を選ぶとダナエに「ここまで首を突っ込んどいて信じらんない!」と怒られる。)
「ダナエにつく」を選ぶとダナエが仲間に。選ばなかった方は死亡し、この周では一切登場しなくなる。(奈落にも出現しない)
戦闘終了後、仲間にした方が風の塔の屋上にいるマチルダとサシで会話するが結局マチルダは妖精界に行く事はなく、さりとて世界の破壊を目論むアーウィンを止める事もなかった。

ダナエとの会話

「マチルダ!」

「ダナエ・・・・」

&color(foreground[,background]){text};「アーウィンはどこ? 行きましょう、妖精界へ!」}

「私は行かないわ。」

「なんですって!? どうして!? アーウィンはどこへいったの?」

「ダナエ、いつも気づかってくれてありがとう。 だけどもういいの。アーウィンに会えて、昔の自分に戻れたような気がする。」

&color(foreground[,background]){text};「全然よくない!! マチルダ!! 今日だけはハッキリ言わせてもらうわ!!あなた、アーウィンのことを愛しているんでしょう!?」}

「愛してるわ。」

「だったら彼と妖精界へ行きましょう。そのまま死を受け入れるなんて許されない!それに、あなたがいないとアーウィンだって何をしでかすかわからないじゃない!」

「ダナエ、私とアーウィンは、お互いの自由を奪ったりはしないの。彼が世界を滅ぼすと決めたら、私はよろこんで、それを受け入れるわ。」

「ふざけないで、マチルダ!! そんなことを認めたら、死ぬのはあなただけじゃないわ! この世界の多くの人の、自由はおろか、命まで奪われるのよ! 冗談じゃないわ!!」

「ダナエ、私を信じなさい。 そして、あなた自身を信じなさい。奪うことによって、隠すことによって、閉ざすことによって、それでは何も解決しません。ただ、あなたが信じたことを行うだけしか道はありません。」

「私はマチルダとアーウィンに妖精界で幸せになって欲しいだけじゃないの・・・・・。 なんでわかってくれないの? マチルダのバカッ・・・・」

「だいじょうぶ。 私の幸せは私が決めるから。あなたはあなた自身が幸せであるように生きればいいのよ。」

「・・・・・・人を幸せにすることが 私の幸せ。 それはいけない考え方?」

「それで私があなたと同じように考えたら、二人はいつまでも不幸なままよ。」

「・・・・・・・・・・・ それでアーウィンは・・・・?」

「『世界を滅ぼしてみる』って、言ってたわ。」

「世界を滅ぼしてみる・・・・って、そんなぁ・・・・」

「全ての命はマナの女神が 作りたもうたもの。その意志は、女神のご意志よ。 さて、それでは私はガトへ帰ることにしましょう。」

「女神のご意志って・・・・・・ どうすりゃいいのよ・・・・ んもう!」

エスカデとの会話

「マチルダ!!」

「エスカデ?」

「無事だったか。アーウィンがいるものと思っていたが・・・・」

「ウフフッ」

「!?」

「ひさしぶりに会えて とってもうれしかった。」

「・・・・・・ フザケてんのか!?」

「?? ダナエは・・・・?? ダナエはどうしました?」

「さぁな。 生きてたら奇跡だ。」

「!!!!」

「・・・・・・・・・・ オレを恨みたければ 恨んでいい。」

「あなたを恨んだりはしません。 あなたが自由である限り。」



「光鱗のワーム、ルシェイメア 星より降り、その爪は地を裂く七つの都市と、三つの森を飲み 最後にガロア火山を飲みこんで燃え尽きた巨大なる、翼無き竜」

「??? 戦争の記録か・・・・?」

「歴史は心に刻まれるもの・・・・。 それが時の呪縛となって、いつまでもつきまとうのです。さて、私はガトに戻ろうと思います。 お送りしましょうか?」

「・・・・・・・・・・・ 一人で行く。」

その後ガトに戻りマチルダは眠りにつく。


上天の光

光鱗のワーム、ルシェイメア。その昔、星より降りてきて暴れまわり、七つの都市を呑み込んで最後に火の山を呑み込んで燃え尽きた。
その全身を覆っていた、固い甲羅だけが、数百年経った今も、朽ちずに残っていると聞きます。
アーウィンはその長竜を復活させる気です。再び大地を食い尽くし、世界を混沌に陥れるために。



クエストNo17。登場人物はマチルダ、ダナエorエスカデ、アーウィン。
エスカデ編最終シナリオであり、他の2編と同様にこのイベントでしか入れない固有ステージ、ルシェイメアを攻略する事となる。
彷徨の回廊をクリア後に夢見の間に入るとクエストが発生。ダナエorエスカデを連れていく事も連れて行かないことも可能。

アーウィンによって世界が明確な危機に晒されようとしている中、マチルダはそれぞれの自由意志を尊重し、
世界を破壊しようというアーウィンの説得も行わず、かといって愛しているはずのアーウィンが討伐される事を止めるつもりもないという。

ダナエとの会話

「どうしてアーウィンを止めてくれなかったの? 全く理解できない。」

「どうして止めなければいけないの?私は彼を愛しています。 彼に自由を与えることが私の喜びです。」



「好きな人の側にいたいと思うのが愛するってことじゃないの?あなた、どこかおかしいわ。」

「私はずっと、彼の一番近くにいました。 ただ、身体だけが遠く離れていただけ。」

「やめて! 聖者みたいなことを言うなら、悪魔なんかに肩入れしないで!彼と二人で妖精界に行けば、誰も死なないし、苦しまなくていいって、わかるでしょう?それが、あなたのためだし、彼のためだし、世界のためだって、わかるでしょう?」

「ダナエ、あなたの側には、もう長くはいられないから、聞いて。帝国の衛兵達は、不死皇帝の命を受けて、自らの意志とは無関係に争いを続けています。海賊達は己の欲を充たすため、金品や女達を強奪します。どちらの罪が重いと思う?」

「どっちもバカげてる。」

「私たちの胸の中に火を灯し、生きる力を与えたもうたのは、マナの女神です。その火を消すことが罪、自らの意志に従うことが、女神の意志に従うということ。」

「だったら私が彼を殺すわ! それでいいんでしょう?」

「そうよ。それでいいの。」

「・・・・・・・・・ あなたの意志は? あなたは何をするの?」

「私は、あなたとアーウィンと、主人公が、自由であることを見届ける・・・・それで私の役目はお終い。」

「お終いだなんて言わないで、マチルダ・・・・・あなたはまだ26歳よ・・・・もっと楽しいことがたくさんあったハズよ・・・・私、あなたの側にいたい・・・・・ もっとずっと長く、あなたの妹でいさせてよ、マチルダ・・・・」

「あなたの好きにすればいいわ。」

「さて、世界はどうなるでしょうねぇ。」

「・・・・・・オマエはもう寝ていろ。後はなんとかする。」(マチルダに背を向ける)

「待って! エスカデ!」

「・・・・・・?」(顔だけマチルダに向く)

「多分、これが最後だからもう少し話しましょう。」

「・・・・・・・最後になんかしないさ。未来はオレが作る。」

「アーウィンの現れる場所は、わかっているの?」

「・・・・・・・・・」

無言で立ち去るエスカデ

マチルダからもらったAF愛のブローチをマップに設置するとルシェイメアが蘇る。
既に腐っているルシェイメアの内部と外皮を渡りながら、アーウィンの元へ辿り着く。

このアーウィン戦のIrwin on Reflectionは非常にかっこよく人気の高い楽曲になっている。
ここでエスカデが生存しており、仲間として連れて行っていない場合はエスカデはアーウィンに敗れ主人公に対し「お前が英雄になれ」と遺し死亡する。きちんとエスカデと共に挑めば、生存してくれる。どちらを選ぶかはプレイヤー次第。
また、ここでアーウィンの挑発セリフに対してのNPCの反応は全員分個別に用意されている。
ニキータなどそのキャラらしい台詞が見られる一方、特に真珠姫?エレ?を連れてくと面白い反応が見られる。

アーウィンとの対峙

「俺は『人』という醜い種を滅ぼすために、この地上に生まれて来た。」

「消え去るべきが人間の宿命。この大地から、多くを奪ってきた、奢れる者の宿命。」

「もういい、聞きたくない。ケリをつけましょう。」
or
「雄弁だな。オマエも少しは人間臭さがでてきたって事か?」

「……あ、あの………。わたし……真珠姫です……。」

アーウィンを倒すとルシェイメアが崩壊。
崩れ切ったのと同時刻にマチルダも死亡し、遺体は消滅する。

その後、アーウィンとマチルダの二人は奈落で再会する。
相思相愛なはずのお互いの思いを劇中で初めて口にするも、アーウィンはマチルダの元を去り奈落の奥へ消えていった。
残されたマチルダは少し追いかけるも、その場にしゃがみただ泣くばかりだった。
ちなみに、冒頭でマチルダは「私の名は宇宙」と唐突に発言しシャドールを追い払うが、これは魔法であり真言の初歩だとマチルダ自身が直後に言うので勘違いしないように。


エスカデ編について

シナリオ自体に破綻は無いのだが、掲げられたテーマとは裏腹に主要人物が主義主張をかけて対立してしまう内容や、
結局誰も得しない後味の悪さから、3つのメインシナリオの中でも何かと低評価を下されがちなシナリオでもある。
しかし、それぞれの内面的な描写は明確にされておらずボカされており、見る人の考え方により様々な解釈が可能になっている。
例えば最後の、アーウィンが去りマチルダが泣き崩れる場面も「泣き崩れた事で、マチルダの言葉は上辺だけの物になった」と考えたり、
あるいは「あくまで相手の自由意志を尊重し、去っていく愛する人を泣く泣く追わなかった」と捉えたり、見方によって大きく異なる解釈が出来る。
複雑な人間関係をベースにしている割りに、それぞれの心境はどのようにも考える事が可能なため、作品内のシナリオの中でも考察の介錯が特に幅広い。
生き方、愛、自由は全体を構成するストーリーであるマナの女神の思いに通じる所があり、LOMという作品には3つの中で最もマッチしたシナリオであると言える。


メディアミックスでは

PS版発売当時の小説版『あまたの地、あまたの人』では第一章としてこのエスカデ編が展開されるが、まぁゲーム通りのバッドエンドを迎える。ダナエもエスカデも死亡してしまうだけでなく、主人公は「誰とあっても記憶に残らない」くらいショックを受けて、ただ生きているだけという状態となってしまう。
そんな精神状態のまま奈落へと引きずりこまれ、主人公は新たな出会い?をすることとなる…。

一方で漫画版だとアーウィンとマチルダは原作通り死亡するものの、エスカデとダナエは生存している。
トト?に対してイム?がマナの剣の力で生まれ変わらせる案を出し、アーウィンとマチルダは赤ん坊の姿になる。
赤ん坊の一人がアーウィンの生まれ変わりだと気づき、エスカデは憎悪が再び燃え上がりそうになるものの、二度とあんなことを起こさないように更生させることを決意。
ハッピーエンドとまでは行かなくとも充分に救いのある結末となっている。





追記・修正はエスカデ編をクリアし、チクチクした同居人から「空飛ぶ蛇?悪魔退治に行った?なんか嘘くさい」と言われた人にお願いします。





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*1 オールボンによると「アーウィンを倒したい、と言われたから剣術を教えた。アーウィンと仲良くなりたいなら、その為の手段を教えた」とのこと。ガイア曰く「エスカデがアーウィンを討つのは、賢人ではなく世界の戦う術を持たない人達の意思」だと言われている。
*2 実際、ダナエルートを通って色々理解したダナエも最後には彼と似た考えにいたる
*3 アーウィンはそもそもマチルダを除く世界というスケールで憎悪しているためか、エスカデ個人にそこまで直情的な態度は見せていない。一応これらが全ての感情というわけではないと思われるが。
*4 この賢人にする勧誘は、セルヴァによる独断らしい。オールボン曰く「セルヴァのわがまま」