シン・ユニバースロボ

Last-modified: 2024-05-22 (水) 12:21:02

登録日:2023-06-09 (金) 10:02:47
更新日:2024-05-22 (水) 12:21:02
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Tag: エヴァンゲリオン ウルトラマン バンダイナムコ 誰がここまでやれと言った 仮面ライダー ゴジラ シン・シリーズ シン 佛田洋 特撮 ロボ ロボじゃない! サイクロン号 高橋洋子 スペシウム光線 ATフィールド ライダーキック 公式が病気 ライダーは乗せるだけ 馬鹿と冗談が総動員 シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース キメラ 悪魔合体 合体事故 混ぜるな危険 そうはならんやろ てんこ盛り 風邪ひいた時に見る夢 アニメ どうしてこうなった 丸出しコックピット 悪夢 パイルダーオン ダイアナンA 胸ゴジラ 真ん中の顔←誰だお前は 何、この…何? 世界よ、これが日本のヒーローだ!! シン・ユニバースロボ 胸ゴジラ 圧倒的存在感 ディスペクター



シン・ユニバースロボとは、バンダイが生み出した謎の製品である。
その内訳はウルトラマンゴジラ(2016)、仮面ライダー?(のサイクロン号)、エヴァンゲリオン初号機?合体して生まれるスーパーロボットである。
なお「スパロボとかにも出てるエヴァはともかく他はロボットと違うじゃん!!*1」というツッコミは恐らく見た人間のほぼ全員がしたので割愛する。


【概要】

庵野秀明氏が参加した映画作品

を一纏めにした企画「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」の一環で登場したのがこのロボットである。ゴジラがヒーローなのかどうかはこの際置いておこう。
見た目はスーパー戦隊のロボットのようであるが、その内訳が

ゴジラ胴体と両足首(頭部が胸から出てきており、放射熱線?を発射できる。)と背部ユニット。
ウルトラマン右腕と右足とスペシウム光線?から生まれた剣。
エヴァンゲリオン初号機左腕と左足とA.T.フィールドから生まれた盾。胸部のゴジラの保護も担当。
仮面ライダーサイクロン号にライダーが乗った状態で頭部に合体。

という具合。
なおロボになるに辺り元々でかいゴジラとエヴァはそのまま、ウルトラマンは巨大化している*2のだが、仮面ライダーは巨大化?できないので頭部になったサイクロン号の上にそのまま跨っている。
最も縮尺が原作設定のままだとコード●アスのキャラ?もかくやというような頭身になりかねないので少し大きめになっているが。

こうしてみると全員の設定や得意技を見事に活かしたロボと言えるが、仮面ライダー以外の3人は合体するに連れて手足が分離しており、ゴジラに至ってはもう「ひらき」みたいになっている。
更に言うと全員が生物であり、よくよく考えるとグロい。なぜロボにしたし。
だのに唯一の完全なるメカであるサイクロン号はサイズの都合があって分離しない。仮面ライダーは乗ってるだけ。乗り手(ライダー)だから間違っちゃいないが。
他にも取ってつけたような4大ヒーローの顔とか、一見するとかっこいいのだがツッコミどころが多いデザインとなっている。

なおバンダイ主体ということでこれのおもちゃも出ているが、合体する都合上ウルトラマンが妙にマッシブである。
また、当然ながらちゃんと関係各所に許可を取っている。取りに行く方も出す方も何考えてるんだ。


【PV】

とまぁこれだけなら、狂気の産物として有名な「サンリオロボ」や「藤子・F・不二雄キャラクターズ」を出したバンダイの暴走か、くらいで終わるのだが、

奴らは次の一手を用意していた。

それがこの特別PV。
しかもPVの監督にはスーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズ、『ウルトラマンVS仮面ライダー?』など様々なヒーロー作品を手掛けてきた佛田洋氏を招いた。
なおこれらの作品に庵野氏はノータッチだが「話は聞いてます。ケレン味たっぷりでお願いします。巨大ロボが爆発の中を堂々と歩くカットが見たいなあ。」とノリノリ。
それに呼応してか着ぐるみまで作成。
そのスーツアクターに戦隊メインロボで活躍する藤田洋平氏他を採用と力に力を入れるところを間違えまくったかっこいいのに笑えてくる物が完成した。

高橋洋子氏の新曲「罪と罰 祈らざる者よ」をバックに現れるのは謎の黒い存在。
全身が煙のような闇で包まれた巨大な怪物で、更に体を分裂させてファンネルのように放ち、その巨躯とビームの乱射でビル街を破壊していた。
そこに現れたのはゴジラ、ウルトラマン、やたら良いフォームで走っているエヴァンゲリオン初号機、そして仮面ライダーの4大ヒーロー! ゴジラは破壊する方だとか言わない。

闇の存在の攻撃に、4人のヒーロー(?)は最初からフルスロットル。
ゴジラは放射熱線?、ウルトラマンはスペシウム光線?と必殺技をぶちかます!
…一方さしたる必殺技がないエヴァンゲリオンはパレットライフルを必死に発射。
そもそも巨大化できない仮面ライダーは決めポーズをしているだけであった。

そして突如ゴジラが合体コールだとばかりの咆哮を挙げ、他の3人がそれに応えてグッとガッツポーズをした。この際仮面ライダーが他の2人と同じサイズになっているので遠近法の有効活用だとか言われている。
空を飛ぶサイクロン号と他3人。何が始まるかと思いきや突如体が開くゴジラに上半身と下半身が分裂するウルトラマンとエヴァ!
ゴジラにくっついたウルトラマンは一回分離したはずの腕を使ってスペシウム光線を発射。
反対側についたエヴァもこっちも分離したはずの腕からA.T.フィールドを展開。
そのA.T.フィールドは何故かパカッと三枚開きになり、ゴジラの首に合体する。鳩時計みたいだと話題。
そんな彼らの上に現れるのはサイクロン号に乗った仮面ライダー。なんとバイクが変身し顔となり合体!
こうして現れたのはスペシウム光線で出来た剣、A.T.フィールドで出来た盾を持った正義のヒーロー「シン・ユニバースロボ」である。ライダーは乗ってるだけ。

この時点でかなり頭が痛くなるがこの4大ヒーロー(?)が合体したロボを見て、闇の怪物は総攻撃を仕掛ける。
しかしシン・ユニバースロボは攻撃を食らってもびくともしない。せっかく用意した盾すら使わずに、のっしのっしと草原を練り歩く…。

圧倒的防御力を見せるシン・ユニバースロボは攻撃力も桁外れ!
サビ入りから高橋洋子氏の歌も一瞬遅れて音量が上がり*3、頭の仮面ライダーがライダーキックの準備を始める。
それに呼応するように稲妻がほとばしり、ロボはスペシウムソードを振るいA.T.フィールドシールドを投げつけ、胸のゴジラも放射熱線を発射!
最後は何故か全員元の姿に戻り、スペシウム光線、放射熱線、パレットライフルのエネルギーを受けた仮面ライダーのライダーキックが炸裂し、哀れ闇の怪物は爆発四散!
その爆発をバッグに4人のヒーロー(?)は帰路に付くのであった。(が相変わらずエヴァが全速力でダッシュしているので逃げているとか言われている)
最後はシン・ユニバースロボが佇むところでタイトルロゴ(よく見たらフォントがごちゃ混ぜ)*4が出て〆!

…実際見てもらえれば分かる通り、確かに超かっこいいし力も入ってるんだけど、各作品を知っているとほぼ全てがツッコミどころの嵐であり、そしてこんな濃いムービーが1分40秒くらいにこれでもかと詰め込まれているのでともかくエネルギーが必要である。
とは言えネタも全部勢いでぶっちぎっており、本気かつ真剣に作られたのは間違いないだろう。


【各キャラ紹介】

  • シン・ゴジラ

ユニバースロボの上半身*5と背中の翼のようなもの、足首担当。
ゴジラの頭が胸部に来るというトンデモ変形の末にA・Tフィールドがゴジラの頭を覆うという、これまた歪…、ユニークな変形を魅せてくれる。
フィギュア単体の出来は4体の中では良い部類に入る。

  • シン・エヴァンゲリオン

モデルはエヴァ初号機で、ユニバースロボの左腕、左足担当。
こちらは頭が肩に来るという変形を行い、ウルトラマンも同様の変形機構である。
変形も然ることながら、ゴジラの部分でも紹介したA・Tフィールドの使い方が独創的過ぎる…
あと変形機構を考えると、とてもシンジ君が乗れるとは思えないのでダミープラグなのだろう、きっと。

下半身に目を瞑ればフィギュアの出来は良い。
どう見ても原作から掛け離れた太すぎる胴体&下半身なのだが、次に紹介するものと比べればまだマシな方

  • シン・ウルトラマン

ユニバースロボの右腕、右足担当。
上記にも挙げたが、変形内容はほとんどエヴァと一緒。
そしてスペシウム光線が剣に変わるという仕様。

フィギュア単体の出来は一番微妙
問題はこれまたエヴァと同じ下半身であり、恐らく変形時の違和感を失くすためなのだろうが、映像作品とは似ても似つかない太ましい下半身をしている。
合体時はウルトラマンの下半身が足の部分になるのだが、この足の部分が細いとどうしても合体時にプロポーションがおかしくなってしまう………というか最悪自立しないまであるため、ここまで太くがっしりした下半身が求められていると思われる。
細身でエヴァのような装甲も着いてないことから余計に太ましさが目立ち、『シン・ウルトラマン』としてはいまいちなプロポーションだが、初代のように着ぐるみに人が入っている体型と思えば悪くないかもしれない。

  • シン・仮面ライダー

モデルはお馴染み仮面ライダー第1号。
ユニバースロボの頭担当。
肝心の変形内容だが、ライダー自身は変形せずにそのまま頭にくっつく。
変形、合体するのはサイクロン号であり、頭というより司令塔のような役割で仮面ライダーがユニバースロボを動かしているのかもしれない。
必殺技の際は、決めポーズをしてからスーパー戦隊のロボ戦時によくある剣を振る仕草をするという非常に目立つ役割を担っている。
変形しないのが幸いしているのかフィギュア単体の出来はゴジラ同様に良い方。


【余談】

  • というわけで合体しちゃった4大ヒーロー(?)だが、全員人との関わりが苦手気味*6ということでそこを心配する声も上がった。そして合体の合図をゴジラがしているので怪獣がリーダーしているとネタになった。
  • なんなら、他がプラーナやベーターシステムの応用だとかゴジラの進化とかのような作中の用語・設定で説明がつけられなくもない中で、エヴァだけはシステムのせいで半身が分離した時にシンジに激痛が走るんじゃないかとか使徒並におっかない存在と合体することをNERVはどう思ってんだなどとツッコミが入りまくったのは言うまでもない。
  • また「エヴァンゲリオンにはさしたる必殺技がない」と上述したが、カシウスの槍、ポジトロンライフル等の高威力の物はいくつか存在する。しかしそれらは存在自体がネタバレとか撃つのに色々厄介とかTV版と劇場版ではデザインが違うとか色々な事情があり、そういう意味ではその両方で共通したデザインのパレットライフルがエヴァの象徴的な戦い方になるのは仕方がないだろう。
  • 仮面ライダーが巨大化しない理由は『ウルトラマンVS仮面ライダー』でライダー原作者の故・石ノ森章太郎氏が「仮面ライダーは巨大化させないで欲しい、させるのならばウルトラマンをサイクロン号に乗せて欲しい」と難色を示していたからだろう。つまり今回ウルトラマンがサイクロン号に乗ればワンチャンあったかもしれない。
    • ちなみにサイクロン号がそのままコックピットにもなるアイデアは恐らくマジンガーZ?のプロトタイプであるエネルガーZ?が元ネタと思われる。仮面ライダーのおかげでホバーパイルダーが生まれたという逸話を考えるになかなかの因果を感じさせる…かもしれない。ちなみにマジンガーZシリーズにはバイクがパイルダーになるロボットがいくつかある。
  • PVとかに気を取られがちだが、あくまで本命は玩具。2023年6月現在、プレミアムバンダイで予約中。お値段は23,100円成。買う人がいるのがすごい
  • デザイン的には全員の顔が正面を向くようになっている。これは前年に大ヒットを記録した『暴太郎戦隊ドンブラザーズ?』のドンオニタイジン?のノウハウが早速活かされたとも言われており、実際この商品が発表された際には同時にトレンド入りを果たしている。……が、その狂気的なデザインからウルトラシリーズでも屈指の悪趣味さを誇る合体怪獣?もトレンド入りした
  • 本製品の発表時に公開中だった『グリッドマン ユニバース?』も何かと絡めてネタにされている。名前もさることながら、こちらと同様世界を跨ぐ合体ヒーローモノで造形も近いなど、共通点が多いこともネタにされる要因か。特にグリユニの主題歌『uni-verse』の歌詞はこれユニバースロボのこと歌ってんじゃないかと思えるくらい内容が合致しており、小改変した替え歌が数多く作られている。
  • さらに同時期の話題で言えば現役で放送中の仮面ライダー?吾妻道長/仮面ライダーバッファ?というライダーが居るのだが、彼がユニバースロボの登場の少し前に獲得した新フォームが対仮面ライダーに特化*7しており、それに付随して「ユニバースロボになってしまえば仮面ライダーではなくなるのでバッファに有利」とか「シン1号の対バッファ対策」「そもそもバッファがこいつ殴ったらどうなるんだやっぱ頭部だけ大ダメージなのか設定的にはギーツ世界のライダー特攻なだけかもしれないというマジレスは禁句という色々なネタ混じりの考察の対象となっている。
  • なんとも戦隊ロボ的な見た目だが、一部では「秘密戦隊ゴレンジャーが原作からしてギャグなので、シン・ゴレンジャーを作ろうにも庵野の作風と合わないから、いっそのことここでシン・戦隊のネタとして消化したのではないか」などと言われている。
    • ただし、庵野自身は『愛國戰隊大日本』という戦隊パロディの制作に携わったことがあったりする。





追記・修正は、今後のシン・シリーズのヒーローも合体させてからお願いします。



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*1 更に言うならエヴァもロボと言うには少し怪しいが、他ならぬ庵野監督が「ロボットアニメ」と言っているのでロボ扱いでも問題ないと思われる。ちなみに別シリーズだがウルトラマンとゴジラもスパロボに出てたりする
*2 作中によれば身長約60mで彼も元々でかいといえばでかいが、118.5mのゴジラ、80m(新劇場版準拠)の初号機に比べると小さめ
*3 サビの「無慈悲な夜から」というフレーズの「慈」辺りから大きくなる
*4 「シン・」はエヴァ、「ユニ」はゴジラ、「バース」はウルトラマン、「ロボ」は仮面ライダーのフォントに寄せている
*5 正確には腰から上
*6 意思疎通の不可能なゴジラはいざ知らず、地球に来たばかりで世俗や慣習に疎く色々浮き気味なシン・ウルトラマン、良くも悪くも等身大の少年な初号機パイロットのシンジ、劇中でコミュ障と明言されているシン・仮面ライダーの本郷猛。
*7 簡単に言えば相手が仮面ライダーであるならば攻撃を無効化したうえでバッファ側の攻撃性能を大幅に向上する能力。あくまでも対仮面ライダー特化であり、劇中では仮面ライダーではない相手にはダメージを受ける描写があるのも裏付けとなっている。