ヘビーガン

Last-modified: 2024-05-15 (水) 09:06:42

登録日:2011/12/27 Tue 16:13:25
更新日:2024-05-15 (水) 09:06:42
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Tag: F90 F91 MS RGM-109 Vガンダム アナハイム・エレクトロニクス社 ガンダム ガンダムF91 クロスボーン・ガンダム ジム ヘビーガン ヘビーガンダム ←ではない 地球連邦軍 深刻なダム不足 ←確かにふくらはぎのくびれがない 連邦「おカネがないんです」 量産機



正気かい!?
敵地に入って止まるやつがいるか!


ヘビーガンとは、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ(MS)である。

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ヘビーガン

HEAVYGUN

【性能諸元】

型式番号RGM-109
所属地球連邦軍
開発アナハイム・エレクトロニクス社?
生産形態量産機
頭頂高15.8m
本体重量9.5t
全備重量23.5t
出力2,870kw
アポジモーター数59基
スラスター推力21,250kg×2
9,940kg×4
総推力82,260kg
装甲材質ガンダリウム合金
武装バルカン砲×2
ビームサーベル
ビームライフル
4連グレネードラック×2
シールド
主なパイロット地球連邦軍一般兵
マケドニア軍一般兵
ビルギット・ピリヨ?

【概要】

機動戦士ガンダムF91?』で初登場したMS。「ヘビガン」とも呼ばれる。

U.C.0100年代の後半、非戦時下の平和な時世において、連邦軍が「モビルスーツ(以下MS)小型化計画」を発動、その結果生み出されたMSである。

文字通り小型MSの開発計画であり、この計画は

  • 大型化に伴いひたすら高騰するMSの調達費・維持費を削減する
  • 艦船や付帯設備もこれ以上大きくしなくて済むようにする
  • それらによってトータルの軍事費を削減する
    …といった、主に予算上の都合で立案された。

あくまで低コスト化が主目的であり、小型化による劇的な性能の向上は思わぬ副産物であった。(少なくとも連邦にとっては)

その流れの中でアナハイム・エレクトロニクス社?が地球連邦軍に小型MS開発の依頼を受けた。
そして5年以上の歳月をかけて開発された連邦軍初の量産小型MS、それがヘビーガンであった。
小型化以外の仕様としては「対MS戦を重視しない*1」「コロニー内での運用に配慮する」といった部分が目立ち、標準装備の状態では後のGキャノン?と同様、暴動鎮圧などを主目的に調整されていた可能性が高い。

【手抜きの産物】

上述の様に連邦軍からは小型MSによる経費削減を求められていた。しかしアナハイムとしてはMSは大きい方が儲かる。
その為これまで通りの利益を得ようと、意図的に軍の要求したスペックを満たさず小型MSの性能の限界を演出しようと企んだ。

もちろん純粋に戦闘用の小型MS開発経験の無さも問題ではあった*2が、製造費も維持費も安い小型MSは「儲けにならない」のを嫌った。
アナハイムにとっては、MSは大型で複雑でなにより「高い」方が都合が良い。
彼らがMSや武装の設計から運用する艦船等までも含めた生産や管理・維持などあらゆるシェアを独占していた為、競合相手がいないのも裏目だった。

こうして「カネを出させたいから小型機を開発したくないアナハイム」「カネを出したくないから小型機を開発したい連邦」という利害不一致のまま開発は進行。
結果完成したヘビーガンは、確かにサイズこそ15m級の「UC初の主力級小型MS」として完成した。

…が、この時期のアナハイム社はコロニーや宇宙艦艇の建設に注力していてMS開発に積極的ではなく*3
開発に5年もかけた割にジェネレーター出力などの基本性能はその時代のジェガンとほとんど変わっていない*4
新要素も特になく、「単に数十年前の量産機であるジェガンを小型に(ダウンサイジング)しただけ」と言われるMSに仕上がってしまった。

一応は小型・軽量化したぶん出力・推力に余裕があるので機動性と運動性は大幅に向上している。
しかし出力は当時のジェガンからほんの少し上がっただけで、攻撃力はジェガンやジムⅢからほぼ据え置き
UC122年後半辺りから量産MSにも採用される様になったビームシールドすら装備できない*5
特に初期量産機は不具合の嵐で、現場からは「ジェガン(M型)の方がマシ」と言われた程*6
もっとも、不具合は量産が進むにつれて解消されていったようだ。

【真の実力】

とは言えそこは変態企業アナハイム製。パイロットの腕次第ではクロスボーン・バンガード?のデナン系MSとはなんとか渡り合える。

それどころか、カタログスペックを冷静に見ていくとなかなかの性能を持っている事が見て取れる。
素の状態では攻撃力こそ凡庸だが、装甲はガンダリウム合金。そして、推力重量比やアポジモーターの数を第1期MSと比べればその凄さが解りやすい。

#table_color(#81BEF7)

機種アポジモーター数推力重量比(全備重量基準)
νガンダム26基約1.55
ユニコーンガンダム(ノーマル時)?不明約3.33
ジェガンJ型(運用開始はUC110年)20基約2.27
ヘビーガン59基約3.5
デナン・ゾン84基約3.99

…あれ?こいつ推力重量比だけ見れば高級機のシナンジュ?(推力重量比2.26)とかよりもヤバくね?

しかもこれは、その辺の一般兵士が乗る正真正銘の量産機である。技術の進歩は恐ろしい。
小型化のお陰で連邦が求めた「性能上昇しつつもトータルコスト削減、整備性と量産性上昇」も達成しているため、一応要求の中で最も重要な点は押さえている。
「既存の量産機をベースにしたマイナーチェンジ的な小型MS」と言う選択も(ジェガンの作られた年代を考慮しなければ)そうおかしな話ではない。

…と言っても前述している通り、いくら何でも数十年前のロートル量産機と似たり寄ったりの性能というのは無理があった。
登場する度に「平和ボケ」「堕落しきっている」とぼろくそな扱いの上に、長年深刻な予算不足にも喘いでいる連邦ですらお気に召さなかった。
実際問題、運動性が(ジェガンと比べて)高いのはいいが、攻撃力や防御力がジェガン並みで拡張性も恐らくさほど無いのでは愚痴も出ようというものである。
指揮官にとっては部下の、兵士にとっては自身の命を預けるものなので、正真正銘の死活問題なのだから仕方ない。

アニヲタ的に例えると、令和の昨今に

社長「うちも小型高性能ゲーム機を出そう!でも予算の都合もあるからPS5やSwitchみたいなのは無理だな」
専務「それならPS3やWiiまで性能を落として、小型化を優先して目指しましょう」

↓ 5年後

開発「ミニスーパーファミコンができましたー」
社長・専務「」

ミニSFCが悪いわけではないが、目的を考えると当然ヤバいしそもそも開発に時間かけすぎ。

しかも近年では技術革新を求めたロナ家のハウゼリー・ロナがデナン・ゾンのデータをAE社にリークしていたことが判明している。

他社「うちの新ゲーム機のスペックこれやで(PS5並ペラー」
開発「ほーん(鼻ホジ」

結局、本機の配備を進める傍らで次期主力機体の競作を始める事に。ただしその結果出来上がったものは…
開発「SFCゲーが色々遊べる携帯型のマジコン?できましたー*7

こんな感じで一応連邦もヘビーガンの採用は決めており、「連邦がヘビーガンを全く評価しなかった」とまでは言い切れない。
ジェガンベースの基本設計も古くさいと批判されがちだが、一方では枯れた技術の完成形とも言える。もちろんジェガン自体が傑作機であったのも大きい。
後述するGキャノン・ハーディガンジェムズガンジャベリンと言った後継機・支援機の設計ベースにも採用されており、発展性もかなりあった。
特にGキャノンは、原型のキャノンガンダム?をわざわざヘビーガンに合流させた機体であった。
またMSA-0120シルエットガンダム?といった高性能試作機も、ヘビーガンのフレームを素体としているので古くても、基礎設計そのものは悪くなかったことはうかがえる。
しかしアナハイム首脳陣の「小型機の限界を演出したい」という目論見は見透かされてしまっていた*8
その結果、軍主力機として独占していたシェアを失ってしまうという、アナハイムとしては失敗に近い形になってしまった。

そしてヘビーガンにとって最大の問題だったのは、第2期MSの中で最先発とは言え*9没個性であったこと。
加えて主要なパイロットも平和の中で戦意を失っていった連邦軍の兵士だったことである。
U.C.0120年代当時には既に配備開始から10年を経た型落ち機であったし、あくまでもちゃんとした後継機までの繋ぎだったので仕方ない。
しかもより高性能なGキャノンの配備がやんわりとだが進んでいたためか、物足りない機体であったことは周知の事実だったらしい。
ある元軍人のゲリラなどはヘビーガンが来るやいなや「なんでヘビガンなんだ!」とディスる始末。

しかし『F91』劇中でもビルギット・ピリヨが搭乗したヘビーガンはF91のサポートという形ではあったが奮戦し、なかなかの活躍を見せていた。
更にジェガンと比べればクロスボーン・バンガード製MSに対抗できる性能を持っていたのは事実。
要はパイロット次第で補えるということである。MSの性能の違いが、戦力の決定的差ではないということだ!?

…もっとも平和ボケした時代、それも田舎コロニーに駐留する連邦軍に、そんな腕の良いパイロットはほとんどおらず、いたのは左遷組か無能か厄介者ばかり。
優秀なパイロットは大抵オールズモビル等のジオン残党?を狩る部隊に配属され、更にシルエットフォーミュラのトキオの様に時に汚れ仕事を強いられる機密部隊所属が基本だった。

しかも後継機のジェムズガンは、8年も後に作られたのにコンペ落ちのヘビーガンとほぼ同じという無能っぷり。
優れている点は小改造での全領域対応、整備性の高さによる廉価性位で、後はヘビーガンと同等の性能と簡素化しすぎた貧弱武装しか持たない欠陥・駄作機扱い。ビームシールドも後期型までおあずけ。
一方でジャベリンは改良を重ねて充分な性能を獲得し、ヘビーガン系の本命というべき機体に仕上がったが、連邦の衰退期と重なっていたためか中々配備が進まなかった。
そして一年戦争以来の連邦軍の宿命たるカツカツの予算*10ということもあって、ジェムズガン・ジャベリンが配備される傍らで、ヘビーガンは一般量産主力MSの座*11に在り続けた。

こんな調子で同期のGキャノン?と共にオールズモビル戦役、コスモ・バビロニア戦争?木星戦役などを戦い抜いた。

…やられ役として。

【武装】

  • 60mmバルカン砲
    頭部に装備している近接防御火器。
    外装式1門だったジェガンシリーズと異なり、従来の内装式2門に戻った。
    なお口径は大柄な従来機と同等であり、小口径にはなっていない。
  • ビームライフル
    銃身保護と射撃精度向上を図ったフルバレル構造のビーム兵器。
    実戦以外に訓練用の低威力ビームも使用可能。
    コロニー内での使用を想定しサブセンサーによる出力リミッターが配され、コロニー内では過剰火力を発揮しない様になっている。
    だが、その状態でも命中すれば一撃でCV軍のMSを撃破するだけの火力を持つ。(無論宇宙などではこのリミッターは解除される)
    また目的や任務に応じたカスタマイズが可能な汎用性も持つのも特徴。銃身を切り詰めたショートバレル型やライフルの前半分をカットしたピストル型、長距離用のスナイパー強化型などがある。
    小説版『F91』では「パウダー・ガン」と呼ばれる携行武装を装備していたが、これがカスタマイズされたビームライフルなのかは不明。

    後発機であるGキャノン、ハーディガンにも流用されている辺りからも素性の良さは見て取れる。
    だが何故か正式後継機のはずのジェムズガンには簡易型が宛がわれ、継承されなかった。
    漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム』では逆にジェムズガン用の簡易ビームライフルを装備した機体も登場する。
  • ビームサーベル
    近接白兵ビーム武装。
    搭載位置は不明(画稿も文章設定記載も無し)だが、ジェガン同様1基だけ装備している。
    敵MSを撃破する描写は無いながらも、握った手首ごと高速回転させる事でバグの撃破に成功している。
  • ハンドグレネード
    両サイドアーマーのラックに4基づつ、計8基を装備。
    ミサイルの様に自律射出可能だが、コロニー内戦闘を考慮しているために威力は控えめ。
    MS相手には「あまり効果を期待できない*12」とされる。
  • シールド
    実体式のシールド。上下左右対称形で武装やEパック搭載機能などは無いシンプルな物。ジェガンのものと異なりウェポンラックとしての機能はない。
    本機が配備された当初は「(ビームを完全防御できる)ビームシールド」は未開発なので、耐ビームコーティングが施されたこの盾はロールアウト時期としては妥当な装備。
    だが主な実働年代のU.C.120年代の盾としては心許ない…というかほぼ無意味。
    一応「実体式故にエネルギーの消耗を気にしなくて良い」「目立ちにくい」「予備Eパック等をつけられる」というメリットもあるにはあるが、「防御」という面で敵機との相対的な格差が大きすぎて焼け石に水。
    武装の進化もあり、被弾は高確率での死を覚悟しなければいけない。
  • その他
    頭部にはポップアップ式のサーチライトが内蔵されている。
    これもコロニー内での戦闘を考慮したもので、光源の喪失や電力供給停止に備えたもの。
    当然暗視カメラも備えているが、肉眼での確認も必要ということで積まれたという。

【劇中での活躍】

  • 機動戦士ガンダムF91?
    クロスボーン・バンガード軍によるフロンティアⅣの制圧戦では迎撃に出るも手も足も出ず、ただ撃破されるのみだった。
    一応Gキャノンと違って見所が無かった訳ではなく、下記のビルギット機など、ジェガンよりはまともに戦えていた。
    (Gキャノンの方がスペックはかなり上回っているため、劇中でしでかした事と言い、ここらはヘビーガンの性能のおかげというよりパイロットの力量の差が大きいと思われる)

    劇中でもっとも活躍したヘビーガンとして、ビルギットの24番機が挙げられる。
    スペースアークに同行し、軍務経歴や戦闘経験の無いシーブック?ガンダムF91をサポート。
    F91との連携により着実にCV軍を撃退していたものの、フロンティアⅠに放たれた無数のバグ?との戦闘では冷静さを欠いて突出したためにバグの群れに対処しきれず、機体の各部を切り裂かれ、子バグの自爆により撃破されている。
    しかし、ビームサーベルを高速回転させる戦法はシーブックとセシリー?も使用して多数のバグを撃破した。
  • クロスボーン・ガンダムシリーズ
    無印では連邦軍の地球基地や木星帝国との決戦時に確認できる。
    宇宙では既にジェムズガンやジャベリンが運用されているので混合編成になっているのだろうか。
    あるいは木星の勢いが強すぎてヘビーガンすら引っ張り出されたという描写なのかもしれない。

    『スカルハート』では0135年の「海賊の宝」にはハリソンの部隊機として姿を見せているが、翌0136年のハリソン部隊ではジェムズガンとジャベリンになっており、同年の『鋼鉄の7人』では(地上のみだが)ジェムズガンしか出てこない。この辺りがちょうど入れ替え時期だったのだろうか?
    『ゴースト』では後述のテキサス仕様ヘビーガンが登場する。

ゲームでの活躍】

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…と呼べるほどのものは正直あまりない。
Gジェネ?では性能も武装も平凡で空気だし、VSシリーズでも当然の如くお呼びがかからない。
『ガシャポン戦記4』ではジェガンより強い量産機として登場しCV側のデナン・ゾンとほぼ同等の性能を持っていた。
だが、なぜか生産コストが高く(より強いデナン・ゲーがなぜかヘビーガンの半額)、物量戦ですら後れを取る。
ガシャポン戦記の流れをくむSDガンダムシリーズでは、『X』にジェガンより微妙に強い程度の上位機種として登場。当然のごとく弱く、続く『GX』ではガンイージにそのポジションを取られてリストラ。
『GNEXT』ではジェムズガンとジャベリンが登場する中で何故か登場を果たせず、フロンティア4のシナリオ再現MAPでは出番をジャベリンに奪われる。
『GCENTURY』でようやく再登場を果たしたが、今度は製造に2ターンかかるにもかかわらず少々入手方法が特殊なジェガンに弱いという体たらく。

スパロボ?では第2次α?でやられ役として大量に登場するが、自軍でも使用可能。
小隊システム?を採用した本作において移動後に使える全体攻撃武器「ビームライフル(連射)」がなかなか便利。
…が、弾数がたったの2なので普段は小隊員機として運用し、隙を見て連射する様なスタイルになるだろう。
まずまともに改造しないためALL兵器持ちの敵と戦うとあっさり撃墜されがちなので精神コマンド?で防御しておきたい。
なお、このαシリーズではジェガンと入れ替わる形で登場し、次作第3次α?では『F91』も『クロスボーン』もリストラされた結果、
仕方ないと言えば仕方ないのだが、ヘビーガンと入れ替わる形でジェガンがほぼ同性能…どころか「ビームライフル(連射)」の弾数が増やされて復活した。
そしてジム・カスタムはずーーーーっと主力機であり続けた
連邦軍が予算に悩まされず*13、MSの小型化なんてまるで注目されない*14スパロボ世界では、小型化したジェガン作る位ならジェガンでいいだろという事になった…んだろうか。
尤も、代替機が存在したヘビーガンはある意味マシかもしれない。
代替になる様な機体もないのにリストラ喰らった新型高性能量産機?もいたのだから……

【バリエーション】

ヘビーガン・パワードウェポンタイプ

HEAVYGUN POWERED WEAPON TYPE

型式番号RGM-109
武装バルカン砲×2
ビームサーベル×2
ビームライフル
4連グレネードラック×2
連装グレネードランチャー(ダブルビームガン)
2連シールドガン(ダブルビームガン)
9連装ミサイルポッド
4連ツインマシンキャノン×2
ショートビームランチャー
主なパイロットディル・ライダー
ミズマ・ムエルテ

『F91-MSV』に登場した派生型。別名“ヘビーガン重装攻撃型”

長距離用オプション装備のGキャノンとの連携による中距離支援を目的として、ヘビーガンに持てる限りの火器類を追加した機体で、これでもかと言わんばかりの重武装が特徴。
おおよそ接近戦に向かない兵装ばかりだが、かつてのスタークジェガン?と同じく緊急時にはデッドウェイトとなったオプションをパージして近接戦闘に移行することも可能。

開発当時の連邦軍幹部には「機動性はMSの性能の決定的差にはならない」という思想があったらしく、ハードポイントを活用した重武装化路線を模索していた。
その路線で開発が進められたのが、F90やGキャノンといったミッションパックの付け替えであらゆる状況に対応可能なサナリィ製小型MS…
同時に既存のMSの強化案の素体として選定されたのがへビーガンであった。
攻撃力に乏しいヘビーガンの強化という意味では実に理に適った選択である。*15

しかし当然ながら機動性は低下している。オプションは実体弾武装の比率が高いのでなおのこと重かった。
解説によると「ジェネレーター出力の不足からビーム兵器の同時使用にも制限があった」とのことなので、恐らく追加装備を実体弾武装に絞らざるをえなかったのだろう。
そのために基本的には設定画稿の様なフル装備状態で出撃するのではなく、任務に合わせて必要な装備だけを持たせて運用していたという。

なお、これらの装備は発展型のハーディガンにも装備可能とされる。

【主な活躍】
小説版の『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』の第7章にビームランチャーとレールガン装備の機体が登場。
ガレムソン?の信頼厚いヘス大尉の乗機で、トキオのネオガンダム?を追い詰めるが乱入してきたビギナ・ゼラ?に撃墜された。

漫画『機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』では主人公のディル・ライダーが一時的に搭乗してMSA-0120に挑むが、機体が彼の操縦に追従し切れなかった為に苦戦を強いられてしまった。
その後U.C.0116年に再編されたファステスト・フォーミュラへ改めて配備され、パイロットはミズマ・ムエルテが務める。

【追加装備】

  • ショートビームランチャー
    リアアーマーにマウント可能なビームランチャー。
    F90Aタイプ?のメガビームバズーカを短砲身化した簡易量産・派生型で、発射可能回数こそ少ないものの一撃で戦艦を撃破出来るという。
  • 9連装ミサイルポッド
    右肩部に1基装備。
    地対地ミサイルを9発装填している。
  • 4連ツインマシンキャノン
    Gキャノンのマシンキャノンを小型・軽量化したもので、左肩部に2基装備する。
    APFSDS弾が装填されており、貫通力に優れる。
  • ダブルビームガン / 連装グレネードランチャー
    右腕部に装備された連装・無銃身の銃器。
    資料によって解説が異なり、『ガンダムマガジン』ではダブルビームガン、『B-CLUB』では連装グレネードランチャー*16とされている。
  • 2連シールドガン / ダブルビームガン
    左腕部に装備される大型の連装式火器。
    これも上記と同じく資料で説明が異なり、レールガンだったり、こちらをビームガンとしていたりする。
    また、表面を装甲版で覆っているのでシールドとしての役割も果たしている。

ヘビーガン(マケドニア仕様)

HEAVYGUN (MACEDONIA USE)

型式番号RGM-109-M5
所属マケドニアコロニー
頭頂高15.8m
本体重量8.9t
全備重量22.3t
出力3,075kw
アポジモーター数20基
スラスター推力21,110kg×2
10,050kg×4
総推力82,420kg
装甲材質ガンダリウム合金
武装ビームサーベル
ビームライフル
シールド

機動戦士Vガンダム』に登場。
宇宙戦国時代?ザンスカール戦争?期にサイド2に存在していた独立国家のマケドニアコロニーが自衛用に独自改良した物。
微妙に性能が上がっているがビームシールドが無い点は相変わらずで、旧式である事に変わりはない。
それどころか、作中で散々な扱いを受けているジェムズガンよりも更に旧世代の機体であり、耐用年度も限界間近な本機には活躍できる要素がない。
劇中でもベスパのMSに一方的に蹂躙されるばかり。

ジェムズガンでさえ爆雷攻撃を行ったり、拡散したゴトラタン?ビームジャンヌダルク?艦上でビームシールドを使って防ぐなどの見せ場を貰っており、それすら無かった本機はある意味本作で最も不遇な機体であろう。

ヘビーガン(テキサス仕様)

HEAVYGUN (TEXAS USE)

機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト?』に登場。
サイド5のネオ・テキサス軍による独自改良機。マケドニア仕様がベースで、胸などの形状が変わっている。
クロスボーン・バンガード?と連携してサーカスとザンスカールに制圧されたコロニーの奪還作戦を行った。

へビーガンⅡ

HEAVYGUN Ⅱ

型式番号RGM-111X
開発アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態試作機
頭頂高15.8m
全備重量23.3t
装甲材質ガンダリウム合金セラミック複合材
出力3,070kW
武装バルカン砲 ×2
ビームサーベル
4連グレネードラック ×2
ビームライフル
ハイパーバズーカ

『機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』に登場したマイナーチェンジモデル。
元々へビーガンは「ジェガンを小型化しただけ」と揶揄されるものであったがアナハイムとしてもそれは承知だったらしく、更なる改良型として参謀本部に提出されたプランである。
一度はGOサインが出たものの、ATMS計画の発動で発注がキャンセルされた挙句に開発スタッフの多くが後述のMSA-0120に引き抜かれてしまい、MSA-0120が不採用になった時のサブプランに成り下がってしまった。
結局ATMS計画はF90の採用が決定となり、本機も制式採用が見送られた。

ちなみに性能の方だが、従来のヘビガンから劇的な変化は無いとのことで、U.C.0116年のガレムソン曰く「新型のF80どころかF90やF71の仮想敵としても荷が勝ちすぎているはず」程度の機体だったらしい。

プロト・ハーディガン

PROTO HARDYGUN

型式番号RGM-111Y

『機動戦士ガンダムF90 FastestFormula』より。
U.C.0116年にファステスト・フォーミュラ隊との模擬戦に投入された改良型。
対外的にはへビーガンⅡとなっていて見た目も殆ど変わっていないが、Gキャノン開発時に譲渡されたキャノンガンダムで得た技術のフィードバックによって出力が13%アップ、かつ全身にハードポイントを設けたことでミッションパック?を装備可能となった。

詳しくはハーディガンの項目へ。

MSA-0120

型式番号:MSA-0120(MSA-120)
開発:アナハイム・エレクトロニクス社
頭頂高:15.0m
本体重量:17.5t
全備重量:54.1t

U.C.111年10月に行われた『次期主力モビルスーツ開発コンペ』においてサナリィのF90?と争ったアナハイム社グラナダ工場ZIONIC事業部製のMS。
正式名称は不明。外見は全く似ていないが、ヘビーガンの設計を元に発展した機体とされている。
詳細は個別項目へ。

ハーディガン

型式番号RGM-111

シルエットフォーミュラプロジェクトによって開発された、ヘビーガンの強化型。
詳細は個別項目へ。

ガンプラ?

映画上映当時に1/100で発売。
当時のキットとしては及第点だが、今となってはさすがに古く色々問題点がある。
成型色も劇中のクリーム色ではなくジェガンの様なミントグリーンになっていて違和感が強い。

【余談】

  • ∀ガンダム?』でヘビーガンが登場予定だったが制作上の都合で変更、代替機としてキャノン・イルフートが登場している。脚本ではヘビガンと記述されていたらしいので放送直前で変更された模様。
    ただし最初はイフリートだったとか片方の肩にキャノンがあることから本当はハーディガンを出すつもりだったんじゃないかなど色々謎が多い。
  • ヘビーガンとは別に30m級の新型を開発?させていたり、結局相当後までジェガンが現役だった事から「実は発注した連邦軍首脳すらも小型MS開発に懐疑的だったのでは?」という意見もある。
    実際連邦の中に小型化に疑問を持つ層がいてもなんらおかしくはない*17
    とはいえ、その30m級大型機は新システム「ミノフスキークラフト?」の実験機であり、元々軍艦クラスの搭載設備をやっと30m級MS用にまで「小型化」した産物という事情がある。つまりこの大型機の存在は「連邦が小型機を作るつもりがなかった」という反証にはなり得ない*18
    ジェガン更新が進まなかったのも、単純に連邦の予算不足が原因である*19
    大型MSの開発や小型MSの配備の遅れは、連邦の本意ではなかったと言って良い。
    だから木星のおじいちゃん?はひねくれる必要はなかったんですよ




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*1 1/100ガンプラの取説より
*2 一応、ネオ・ジオンやサナリィがズサやロトという小型MSを運用していたが、どちらもあくまで特殊な目的の機体(ズサは支援用、ロトは兵員輸送・工作用)であり、多少の量産はされたものの一般兵用のMSとしては使われていなかった。
*3 MS開発部門はグループ全体で見れば僅か数%の利益しか産まず、むしろそれの技術を応用したプチモビの方が利益が多いうえ、MS開発は技術力向上と軍とのコネ作りの一面が強かった。
*4 書籍によってはジェガンのジェネレーター(その時代に使われていたJ型やM型という説が有力)をそのまま転用したとも設定されるとも書かれている
*5 ビームシールドが実用化される前に開発されたMSなので仕方ないのだが、ラー・カイラムやサラミス改やシャトルに見られた改造して追加するなども難しいようで、本機の主な戦場がそこらの年代ということもあって厳しい戦いとなった。
*6 突然スケールダウンした様なMSをあてがわれた事による拒否反応もあると思われる。
*7 ジェムズガンは安くて整備性も高くてちょっと改造すれば色んな戦場に適応できた。ただし火力はヘビガン以下という。
*8 この時点で当初サナリィが見積もった「実現可能な小型MSの性能」に届いていないことが主な要因だった
*9 ヘビーガンが109年にロールアウトしたのに対してCVの主力であるデナン・ゾンは122年の第二次オールズモビル戦役には配備済み。技術的には10年程度の開きがある。更に言えばヘビーガンは開発段階から対MS戦を重視していない。
*10 繰り返しになるが、「MS小型化計画」自体が連邦軍の予算の少なさから発生した事案である。
*11 高級量産機にはF91の量産型が少数配備された
*12 1/100ガンプラの取説より
*13 スパロボ世界だとぶっちゃけ予算渋っている場合じゃない。
*14 スパロボのシステム的にも20m台の大型MSも10m台前半の小型MSも等しくMサイズ扱いになってしまう(Sサイズの基準は大体10m未満)ので小型化したと言われても違いがない。
*15 未だ軍の大多数を占めていたのはジェガンだったが、流石に古臭くて「これ以上改良しても無駄だろう」と思われていたので選定から外されたという。
*16 腰部のグレネードを装填して発射するらしい
*17 「機動戦士ガンダムF90」作中においても小型MSに疑問を持つベテラン兵がいた。
*18 実はサナリィもミノフスキークラフトの小型化に成功しており、Ξガンダムより更に後年だが15m級のF90にオプションパーツとして完成させた。しかし全備重量80tという超重装備となり、なんとΞガンダムとほぼ同等。頭頂高が26mから15mまで小さくなったのに重量が同等(比率が重くなった)という辺り、このシステムの小型化の難しさがうかがえる。
*19 そもそも小型機導入自体が「予算不足」を理由にしており、それ以前から「せっかく開発したのに完全更新より先に次の新型が完成したジムⅢ」「ジャブローの防衛に酷使される型落ちや鹵獲機」「もうすぐUC100年なのにトリントン基地で現役稼働中のグリプス戦役や一年戦争以前の兵器」「時代遅れなのに使いまわされるジムⅡネモザクキャノン?」「もう何十年も経つのに未だ現役のサラミス改やアレキサンドリアやラー・カイラム」など、連邦の予算不足からくる装備更新の遅れは随所で描かれている。