ヘルカイト(ニンジャスレイヤー)

Last-modified: 2024-05-11 (土) 21:21:30

登録日:2017-08-04 (金) 01:39:42
更新日:2024-05-11 (土) 21:21:30
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Tag: ニンジャスレイヤー ソウカイヤ シックスゲイツ 野心家 斥候 名脇役 地味な強敵 高木渉 ヘルカイト トブ・ニンジャクラン



「虻蜂取らず……虻蜂取らずになってはならない」

ヘルカイトは『ニンジャスレイヤー?』の登場人物。
シヨン』での声優は高木渉=サン。
曲者役に相応しいワザマエを持つ曲者ベテラン声優であり、ニュービーにも実際キャラクターがわかりやすいキャスティングであった。

■登場エピソード

  • 『バック・イン・ブラック』
  • 『レイジ・アゲンスト・トーフ』
  • 『サプライズド・ドージョー』
  • 『デッドムーン・オン・ザ・レッドスカイ』
  • 『ストレンジャー・ストレンジャー・ザン・フィクション』
  • 『ネオサイタマ・イン・フレイム』


【概要】

ソウカイ・ニンジャ。
第一部の敵“ソウカイ・シンジケート?”の威力担当部門「ソウカイ・シックスゲイツ?」のニンジャで、シンジケートの幹部級待遇である“六人”の座を預かる一人。

ニンジャネームのヘルカイトは、そのまま地獄(Hell)凧(Kite)とも取れるが、区切らずにヘルカイト?でも、猛鳥(猛禽)、冷血漢、闘志のある人物といった意味で使われる名詞となる。
どちらかといえば、こっちの意味の方が込められているのではないか?との意見も。
嘗ては、英語への理解力の低さからタコカイト?などと名前がアレンジされた時代もあった。

連載開始当初からの“六人”の一人ではあるが、初期メンバーでは新参で、前任者の最低のクズであったガーゴイルを謀殺して“六人”の地位を得た野心家。
この為、古参のヒュージシュリケン?からは不信感を持たれて警戒されていたが、この確執が元でヒュージと、その相棒のアースクエイク?は、ドラゴン・ドージョー攻略の際に意図的に支援を遅らせたヘルカイトの企てにより、揃ってミッション途中でオタッシャされることになった。

ヘルカイトのこうしたやり方は正直褒められたものとは言えないが、元々ソウカイヤでは実力主義がモットーとされていることと、ポストが空いたのならば即座に次の人材を充てればいいという考え方が基本となっている為か、この事でヘルカイトがペナルティを受けたような描写はない。
これは、主君ラオモト?“真の邪悪をもった強者”が頭角を現してくるのにも期待して組織内の自由競争を容認していたからで、自分に反旗を翻すような輩でもなければ幹部級の“六人”であっても、切り捨て可能の人材の範疇だったからであろう。
実際、ヘルカイトは有能者としてラオモト自ら買っていると発言する程のニンジャである。
一方、ヒュージが唾棄していた通り自分の仕事の範疇を越えて功績を挙げようとする癖があり、豪放磊落に見える一方、奥ゆかしさ重点なラオモト=サンの不興を買って減給されてしまったこともある。

シンジケートの宿敵たるニンジャスレイヤーとは顔を合わせる機会こそ多かったものの、ヘルカイトが直接対決を避け続けていたこともあり、狂人の誕生からソウカイヤが壊滅するまでのほぼ同時期(つまり、第一部の殆ど)を“六人”として過ごせている。

この為、第一部終盤頃の時系列では、逆にヘルカイトが最古参の“六人”となっているが、その頃にもなるとヘルカイト以外の“六人”がデガラシじみたモブめいたニンジャばかりになってしまっており、明らかに組織が弱体化してしまっている。
これについてはヘルカイトが実際関わった部分も多いものの、ニンジャスレイヤーとの対決を前にした自問自答の中で、「温泉旅行……思えば、あの頃がシックスゲイツの黄金時代だった。……」などと、かつての強者揃いだった頃のシックスゲイツを思い浮かべて奮起する姿をも見せた。

……野心家のヘルカイトにしても予想外だったのは、ニンジャスレイヤーがシンジケート相手に生き延び続けた上に、補充が追い付かなくなる程に仲間のニンジャを殺し続けたことであろう。
そして、これはそのままソウカイヤ壊滅の理由でもある。
また、野心家でこそあるがラオモトへの忠義は篤く、他の“六人”や腹心ダークニンジャ?へのライバル心は持っていたものの、ラオモトへのムーホンを企てようとしたことどころか、思ったことは微塵もない。
組織の弱体化に付け込んで分不相応な企みをした上に底が浅い嘘で逃げようとして失敗したグリーンリバーな声の小物とは大違いである。

ニンジャ装束は地の文、及び公式イラストではオフホワイト。
イラストではメンポも猛禽めいたカラステング・フェアリーのようなデザインになっている。
『シヨン』では、シックスゲイツでは珍しく公式イラストからデザインが大きくアレンジされており、オレンジ色の空挺部隊風な装束に、メンポというよりはスカウター付きのメットめいたデザインに。
アレンジ意欲を刺激するのか、ウキヨエコミックでも姿が大きくアレンジされており、グッドルッキング重点な『グラマラス・キラーズ』は言うに及ばず、『(キルズ)』のテックめいた装束もかっこいい。
若造設定からか小生意気な美少年している『グラキラ』版はグッドルッキング凧にも注目だ。


【劇中での活躍】

前述のように複数のエピソードにて名前が出てきたり、行動が言及されている。
飛行能力を活かして作戦のバックアップや情報収集、ニンジャの輸送までを行うなど、その仕事の範囲の広さは実際多い。
ドラゴン・ドージョー襲撃時に武装ヘリ部隊を率いていたり、ラオモトを迎えにきたヘリに自らが乗り込んでいたこともあるので、それら飛行支援部隊の指揮も執っていたと思われる。

原作(翻訳)版では本人達が回想するのみに留まっているヒュージシュリケンとの確執が、ウキヨエコミックなどで補完されたりしている。

第一部最終決戦『ネオサイタマ・イン・フレイム』ではダークニンジャとデガラシックスゲイツに続く五番手としてニンジャスレイヤーと対戦。
それまでは、ヘルカイトに単なる卑劣漢としてのイメージを抱いていたヘッズにも、この時のヘルカイトの独白を読んで評価を改めた者は実際多かったとのこと。

デガラシックスゲイツの部屋をも越える、遠隔IRC操作されたいくつもの巨大ファンと針山を備える他は小さなコケシ足場がいくつかあるだけのUNIX電子基盤を思わせる異様なフロアでの対決では、人工で作られた風を自在に操っての飛行のみならず、スリケン乱射や敵の移動を誘っておいての非人道兵器マキビシのトラップを利用したフーリンカザンでアドバンテージを握り、人工風を利用した高速の極悪ヒット&アウェイ戦法から繰り出されるヤリとサスマタによる攻撃でニンジャスレイヤーを追い詰める。

大型ディスプレイに映るラオモトのTV出演映像の見守る中で勝利を掴みかけたヘルカイトだったが、ダークニンジャとの対決の後にニンジャスレイヤーがナンシー・リー?を救い出していたことから、フロアのIRC操作をハッキングされコントロールが奪われる。
それを目撃したニンジャスレイヤーの決断的カラテにより反撃され、サスマタによる首級切断を押し返されネックスプリングキックで蹴り飛ばされる。
ファンコントロールを出来ないままに強化ガラスに叩きつけられたヘルカイトがハッキングを悟り、動揺した隙をついて接近したニンジャスレイヤーの渾身の回し蹴りを受け、右腕と胸骨をも砕かれつつトコロザワ・ピラーの外まで蹴り飛ばされて敗北した。

……しかし、それ程のダメージを受けても爆発四散しなかったばかりか、落下途中で意識を取り戻したヘルカイトは傷付いた肉体と凧を震いたたせてラオモトの許へとドゲザ報告に向かう。

ナンシーのハッキングにより、数々の悪巧みの場面を選挙活動の為に出演していたTVで流され一気に支持を失ったことと、短期間でシックスゲイツが壊滅したことを知らされていなかった怒りから、ドゲザ状態のままストンピングカイシャクされそうになったヘルカイトだが、遂にニンジャスレイヤーの排除を決意したラオモトに、天守閣上空に待機しての支援を命じられるのだった……。


【ワザ・ジツ】

「トブ・ニンジャクラン」のグレーターニンジャソウル憑依者で、背中に背負う折り畳み式の大凧で風に乗り、自在に空を舞う斥候ニンジャ。
トブ・ニンジャクランは「フージン・ジツ」の一種によって周囲の風を増幅或いは操作し、原始的なグライダーなどに挙げられる様々な飛行道具を装備して空を飛び回る技に長けていたとされる。
健在だった頃には、同じく斥候ニンジャである三倍脚力=サン?とは、空と陸で区分を分け合っていたと予測される。

この他、IRCコントロールやバックアップ時の様子から電子戦にも強かったと見られ、表に出ない所での有能さがマジでヤバイ級。
前述のように有能が過ぎて、余計なことまでして怒られる位のソウカイヤ最高峰の斥候ニンジャである。
同じ斥候でも追跡にバレて真価を発揮できないままに逆にスレイされた山賊?とは比べるまでもない。

■ステルス凧(カイト)

ヘルカイトの背中に展開される鋼鉄以上の強度を誇るバイオバンブーと強化和紙製の大凧。
威圧的ショドーが記されているのが最大の特徴で、文字は基本3文字構成。劇中では

  • 「キリステ」「囲んで棒で叩く」「逃げ場は無い」
  • 「殺伐」「ハリキリ」「囲んで警棒で叩く」
  • 「キリステ」「ムテキ」「ヤリで刺す」「アブナイ」
    の文言が使用された。因みに、このショドーだけでもモータルや気の弱い敵は失禁必至な。
    折り畳み式で、ヘリなどからもそのまま飛び立つことも可能。
    凧だがコントロールする紐の類などはなく(原作者曰く「大凧の紐は色々と面倒なので取った」)、自分の意思のみで自由自在に飛ばすことが可能である。

凧なのに風がなくても、自由に上昇することが出来ることについてはピンクメンポ=サンが「ジェットかなにかあるよ」と答えている他、自在に風を捉えること自体がヘルカイトのジツであった可能性が高いとの見解を翻訳チームが示している。
実際、大のニンジャを持ち運べる位なのだからパワフルな。
この大凧からの攻撃は警察の武装ヘリすら容易に落とす程らしく、証拠隠滅の裏工作にも最適である。
また、ハッキリと描写されたことは無いもののステルス凧というようにレーダーを掻い潜ることも可能な模様。
ニンジャとはいえ武装ヘリを落とせていたのにも、ステルス機能が効果を発揮していた可能性は高い。

原作者によると、モデルはドイツ空軍が製造した「ユンカース Ju87 シュトゥーカ急降下爆撃機」 とのこと。


装備

■スリケン
■クナイ・ダート
共に、空中からの投擲に使用。
両方使用するニンジャは実際珍しい。
ニンジャスレイヤーとの対決ではスリケンを雨あられとばら蒔き、ニンジャスレイヤーの動きをコントロールした。

■ヤリ
特殊チタン製の刃先と、赤漆塗りの柄をもつとされるヘルカイトの必殺武器。
スピードを活かした極悪ヒット&アウェイ戦法の主武器であり、ドラゴン・ドージョー襲撃の道すがらでもアースクエイクとのIRC連携によるアンブッシュにより、ニンジャスレイヤーに致命傷を与えている。
わらいなく=センセイの公式イラストでは背面にたくさんストックがあるように描かれている。

■サスマタ
ニンジャスレイヤーとの対決の際に、破壊されたヤリの次に繰り出した。
本来は胴体を挟んで相手の動きを封じるのを目的とする武器だが、ヘルカイトはスピードに乗せた一撃から押し込んで首を切断しようとした。
Twitter連載時はヤリと同じく赤漆塗りとされているが、物理書籍版では鋼鉄製サスマタと改められている。

■マキビシ
非人道兵器。
空中からのスリケンやクナイと組み合わせ、相手が逃げるであろう場所に仕掛けるフーリンカザンに用いる。

■バクチク
『忍殺』世界でのバクチクはマイトや手榴弾めいた武器のことを指す。

■ニンジャロープ
空中から対象を捕獲するのに使用。

■ソナー
音波で相手を感知する(ニンジャ反応も)。

■漢字サーチライト
『忍殺』世界ではお馴染みの威圧的光圧とコトダマで照らされた相手の動きを封じる装置。

■手巻き式サイレン
相手に威圧を与え、聴覚と精神にダメージを与える。

■サイバーサングラス・レーザー
ラオモトが最終決戦を前にヘルカイトに下賜していたオムラ・インダストリ製の実験兵器。
ソウカイヤ紋の小型赤外線ポインターで照準した後に青白いレーザー光線が射出される。
必殺の威力は無いが、命中すればグワる位には激痛が走るため、イクサでの集中力を乱す妨害効果として実際厄介な性能を誇る。


【余談】

  • 『忍殺』での「アブハチトラズ」は、我々の知る「一石二鳥」の意味となるが、ヘルカイトのように「虻蜂取らず」と漢字表記するとそのままの意味になる。
    ヘッズには常識だが、ニュービーにはややこしいのことですねー。
  • 凍京NECRO SUICIDE MISSION?』のコラボイベント『凍京NEO-SAITAMA』にも登場。ラオモトについて嗅ぎ回るジャーナリストをアルマジロと共に追跡していた。
    ……のだが、その姿はHi-Fiリビングデッド・ハイジャンパーの使い回し。これはヘルカイトのニンジャソウルがリビングデッドに移植されているため。そして登場してすぐにニンジャスレイヤーと遭遇し、描写外でスレイされたようだ。実際不遇な。




「……そうだ、俺に与えられた任務は、この項目を追記・修正しニンジャスレイヤー関連項目を充実させること。……ヘルカイトよ、真のシックスゲイツの矜持を奴に見せつけるのだ!」



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